IS〜インフィニット・ストラトス 迷える天使達と滅びゆく世界 作:ダークエイジ
今から六年前。企業による国家を解体する戦争があった。当初は国家の圧倒的な勝利が予測されていたが、何故か企業連の圧倒的な勝利で終わり国民の民主の時代は終わりを告げた。国民達は残った街に押し込められて企業から配給される食糧を買う為の労働を強いられていた。
「ちょっと待って!?企業は何で、数で上回る国家を倒せたの?」
「分からん。元々、ZEALと言う人型兵器があったんだが。」
やはり、こちらの世界の兵器はZEALと呼ばれるもののようだ。しかし、ISがあったのは未だに説明がつかない。
「一部の噂だが、企業が抱え込んでいる傭兵が原因とかなんとか。」
「傭兵?」
「傭兵、エイリンス達だ。」
傭兵、エイリンス。企業が抱え込んでいる傭兵達で皆高性能な機体に乗り、企業の依頼に高額な報酬で引き受ける者達の総称である。戦場で彼等に出会ったらまず命は無いと言われている。
「待ってリック!!この機体を知ってる?」
そう言ってキラはジブラルタルを襲撃したアンノウン。ストレイド・アレスをモニターに出した。
「こいつ!?ストレイド・アレス?」
「知ってるんだね?」
「ああ、ストレイド・アレス。パイロットはサイファー。かなり危険な奴らしい。」
やはり、この世界の機体と住人だったか。キラとラクスの予想は大当たりだった様だ。
「とにかく、その国家との戦争が終わった一年後。企業達は大きく三つの勢力に別れて三年間も三つ巴の戦争を繰り広げた。」
この戦場はヴァーテクス戦争と呼ばれ、初の企業同士の戦争であったと言われている。因みにストレイド・アレスのサイファーが名を馳せたのはこの戦争である。
「そして、ヴァーテクス戦争が終わったのは三年前。企業達は企業統合連盟として一つに統合されたけど、それでも企業達は争ってる。」
「なるほど、それで君は国家を復活させる為の国家再編成軍の所属なんだね。」
「そうだ。」
国家再編成軍。国家が解体された直後に編成された軍で民主的な立場を取り民衆からは絶大な信頼を得ているが軍事力は企業に及ばず、戦場でエイリンス達に出くわしたらゴミの様に扱われて終わりと言うくらいなのだ。
「それと、この世界の動力源の話なんだが・・・クイン粒子と言う粒子なんだ。」
「クイン粒子?」
「なんですか?それ?」
クイン粒子。クインライト鉱石と呼ばれる碧い石から採取された粒子でこの世界の動力源である。医療、IT、宇宙開発、軍事全てである。
「多分だけど、あんた達がこの世界に来てしまったのはクイン粒子の影響だと思うぞ。」
「なるほど。」
どうやら、帰るのもクイン粒子が鍵を握っているらしい。
「とにかく、俺が知ってるこの世界の事情はこのくらいだな。」
「うん、ありがとう。リック!」
リックには医務室に戻ってもらい、キラは皆にこの世界の事情を話した。
「なるほど・・・・とんでもない世界だな。」
「本当だな。」
「どうするんだ?これから。」
カガリが興奮しながらキラに質問すると、キラはやれやれと言った感じに答えた。
「リックの話によると、この近くに国家再編成軍の基地があるらしい。言ってみよう。」
「そうね、了解したわ。キラ君。」
味方は多い方が良いという事で2隻はその基地に向かった。一方、一夏はいつものメンバーである作戦会議を開いていた。
「だから、この戦艦を降りてもしょうがないぞ?」
「じゃあ、奪っていく。」
「それは無茶だと思うよラウラ。」
未だに警戒心の解けない箒達はアークエンジェルを降りる作戦を立てていた。
「一夏、決心しなさいよ!」
「なんで、信じらんないんだよ!!!」
「一夏さん、ISを所持していないクラスメイトの方々を守らなくていけないのですわ!!」
「護るって誰から?」
「この戦艦の奴らに決まってるでしょうが!!!」
話について行けない一夏はとりあえず部屋から出て廊下をプラプラしていた。すると、何かの用事でアークエンジェルに来ていたキラと出会う。
「あっ、どうも・・・」
「君は織斑一夏君だよね?織斑先生の弟の。」
「はい、貴方はキラ・ヤマトさん?」
「キラでいいよ。」
ふたりはとにかく、食堂に行きゆっくりと話をすることにした。
「君達の世界はすごいね。ISだっけ?あれにはびっくりしたよ。」
一夏にしてはMSに驚いたものだ。あれだけの巨体でISよりスピードは上と来て、火力も凄まじい。
「これからどうするんです?」
「一応、この先に救出したリックさんの基地がある話なんだ。だから、そこに向かってる。協力してくれる人は多い方がいいからさ。」
「キラさんは、あいつらがまた来るって思いますか?」
「うん、確実に。」
キラの瞳に強い意思が宿るのを見る。
「そうなったら、また戦わなきゃいけない。仲間を護る為に・・・」
一夏はそのキラの思いに共感できた。その仲間を護りたいって言うその気持ちに。
「分かりますよ。俺もあいつらを守りたい。俺の世界じゃ俺はずっと千冬姉ぇに守られてたんで、今度は俺が護りたい」
その一夏にキラは微笑みかけた。
「できるよ。君なら・・・」
その時、艦内放送でキラに呼び出しがかかる。
「ごめん、行かなきゃ!!」
「はいっ!」
食堂を飛び出た後、キラは急いでブリッチに上がる。そして、ブリッチに到着したキラの目に映ったのは燃え上がる国家再編成軍の基地だった。
「これは・・・?」
「キラっ!!!基地が襲撃されている!行くぞ!」
「うん!!行こうアスラン!」
アークエンジェルとミネルバからモビルスーツ全機が発進。急いで基地に向かった。
「アビー、戦況は?」
『はい、敵機は全てで十機。国家軍のMSは苦戦を強いられているようです。どうやら、何機かがエイリンスのようで。』
まさか、こんなにも早くエイリンスと遭遇することになるとは想定していなかった。覚悟を決めたキラの瞳に炎の中からゆらりとこちらを向いた見覚えのある機体が映った。
「あれはストレイド・アレス!!?」
ジブラルタルを攻撃した宿敵と意外にも早く戦闘になってしまったのだ。向こうもこちらを捉えて突っ込んでくる。キラは迷わずアレスにビームライフルの銃口を向けたのだった。
次はバトルかな?