QUICKSILVER IS FASTEST MAN ALIVE 作:ピエトロ
この職業柄よく聞かれるんだ。どうして今の職業に就いたのってね。答えは簡単だ。誰だってヒーローに憧れる。俺も例外ではなくその一人だったんだ。けど俺は周りとは少し違ってた。まあ今思い返してみれば、全部神様が敷いたレールの上を走ってただけなのかもしれないな。さて、じゃあ本題に入ろう。長くはなるがアンタは聞き上手だ、よろしく頼むよ。
もう数年前にもなるかな、俺の前世とやらの記憶が戻った。脳内に次々と経験したことのない記憶や知識が一気にフラッシュバックしたんだ。これは前世の記憶としか言いようがない。
俺の前世はオタクのサラリーマンだった。前世での嫌な上司の顔がはっきりと頭を過ってたよ。かなりウザかったみたいだ。そして莫大なほどのDCコミックのヒーロー達の知識。次々と蘇ってくる前世の記憶を整理するのには数ヶ月以上もかかったよ。
前世の俺は子供のころから何をするにしても遅かった。かけっこや運動会のリレーでも俺はべべ、その上就職が決まるのも童貞を捨てるのも何もかも遅かったのだ。こんなスローな人生に嫌気がさしていたよ。
でもある日、前世の友達からあるアメコミ原作の海外ドラマのDVDを借りた。そのドラマこそDCコミックが原作のTHE FLASHだった。主人公は科学捜査官として働くバリー・アレン。雷に打たれ、粒子加速器の影響を受けた彼は光速で動ける能力を得てフラッシュになった。
アメコミ初心者の俺だがこのフラッシュの世界観にどっぷりとハマってしまった。ドラマの内容、フラッシュのカッコよさ、出てくる個性的なヴィラン達、全てにおいて俺のツボをついていたのだ。それ以降アローは勿論のこと、DCコミックの映画やドラマはすべてチェックし原作の漫画も買いあさった。まあこれ以上話すとキリがないので次は俺の現世での話をしよう。
先ず俺が8歳の時に母さんが事故死、あの時は結構へこんだな。現世での親父はろくでなしでね。母さんとヤった後に腹の中にいた俺と母さんをおいて蒸発。
母さん以外に俺の身内はいなかったので母さんの親友である緑谷引子さんが俺を引き取ってくれて育ててくれた。おばさんの息子である出久とも兄弟同然となった。
それとこの世界のことなんだけど、驚いた事にこの世界では世界総人口の約8割が何らかの"特異体質"つまり超能力を持った超人社会なんだ。超常は日常に………架空は現実に、ってね。
俺の言葉で分かりやすく言えば世の中メタヒューマンだらけだね。でも………何故か俺と出久には個性が備わっていなかったんだ。さっきも言ったように個性を持っているのは8割で残りの2割は俺ら見たくなんの能力もないんだ。
おお神よ、あなたは何故私に試練をお与えになるのですか?大体前世の記憶があるってのは特別な力を神様が持たせてくれて転生させてくれるとかじゃないのっ思ってたよ。
「今から進路希望のプリントを配るが皆!!!だいたいヒーロー科志望だよねー」
後ろをちらっと振り向くと先生の問いかけにこのクラスの全員が手を挙げていた。出久はかなり申し訳程度だけど。
「センセェ!皆んなとか一緒くたにすんなよ!」
あ〜あまた始まった。
「俺はこんな没個性供と仲良く底辺なんざ行かねえよ」
「あー確か爆豪は雄英高志望だったな」
「国立の!?今年偏差値79だぞ!?」
「倍率もまいどやべーんだろ!?」
「そのざわざわがモブたる所以だ!模試じゃA判定!俺はウチの中学唯一の雄英圏内!あのオールマイトをも超えて俺はトップヒーローと成り!!必ずや高額納税者ランキングに名を刻むのだ!!!」
うわちっさー…………このみみっちい男は爆豪 勝己、通称バカツキ。個性は爆破で文字通りなんでも爆破させる。見たまんまのガキ大将でかーなーりムカつく野郎だ。全くこいつにはフラッシュやスーパーマンの爪の垢を煎じて飲ましてやりたいくらいだよ。
「そういえばマキシモフと緑谷も雄英志望だったな」
ああそうそう、そう言えばまだ自分の名前を言ってなかったな。俺の名前は牧霜歩 速人だ、みんなこれからよろしく。今先生が言った通り俺と出久も雄英高校志望だ。せっかっくやるんなら一番のところ挑戦してみたいじゃない、例え無個性だとしても。さてと先生が爆弾こっちに投げつけてきたからなバカツキがまた荒れるぞ〜。
「はあ!緑谷にマキシモフ?無理っしょ!!」
「勉強できても雄英には入らねえぞ」
「そっ、そんな規定もうないよ!前例がないだけで……」
するとバカツキは出久の机の上を軽く爆破する。その衝撃で出久はバランスを崩し後ろに倒れこんでしまった。
「"没個性"どころか"無個性"のてめェらが何で俺と同じ土俵に立てるんだ!!?」
「待っ…違う待ってかっちゃん!別に…張り合おうとかそんなの全然!本当だよ!ただ…小さい頃からの目標なんだ…それにその……やってみないとわかんないし……」
「そうだそうだ!無個性なめんなこの野郎!」
「なァにがやってみないとだ!!!記念受験か!!てめえらに一体何がやれるんだ!?」
「えーと、オタ芸 裁縫にブーメランの名手、バカツキを怒らせる事くらいかな?」
「何だとてめえ!!」
「ほら、言った通りだろ?」
バカツキとは4歳くらいの時から付き合いで俺と出久の因縁の相手だ。こっちには個性が備わってなかった分喧嘩の時は何でもやった。金的、目つぶし、チョーク、でも最後にはドカン。やっぱり特殊能力あるのとないのじゃ差は歴然だ。
そこで俺も色々対策を考えた。アメコミのヒーローやヴィランの中には超能力を持たない者もいる。グリーンアローやバットマン、ブルービートル(2代目)キャプテンコールドにヒートウェーブ、キャプテンブーメランなどなどだ。
個性がない分俺は体を鍛え弓矢とブーメランの練習を始めた。流石にコールドガンを作る技術は持ち合わせてなかったし、それに爆発物を扱うにも資格がいる。
だからまだ許容範囲内であるブーメランとアーチェリーに絞り込み結果ブーメランの技術を習得するように頑張った。その結果、キャプテンブーメランよろしくブーメランの扱いがプロ級に上手くなった。
私生活でも俺は胸ポケットには必ず俺お手製のブーメランを忍ばせている。この世界はなんていうかその……………少し危険で。ゴッサムシティ並みとは言わないけど犯罪者も多くてね。だから、ヒーローなんて職業も成り立ってるんだ。
◇◇◇◇
6時間目も終わり下校の時間となった。あー6時間目の最後はいっつもトイレに行きたくなるな。一日溜まってたものが全部来るっていうかなんていうか。
俺がトイレから教室に戻ると既にホームルームが終わっており、クラスメイト達がぞろぞろと教室から出てきていた。今日も一日長かったな、人生2回目の中学校は中々退屈なもんだ。
あれ、出久またバカツキ達に絡まれそうだ。全くアイツらもしつこい事しつこい事。どうしてこうも超能力が無い事を馬鹿にするのかね。俺は二人の間に割って入り出久の手を引っ張り教室を出た。
「さあ帰ろうぜ出久ー!」
「は、速人!?」
「待てや!まだ話は終わってねーぞ!」
「聞く必要ある?そんじゃあバーイ、バカツキ」
バカツキは相手にしなけりゃ良いだけの話だ。あいつに付き合ってても時間の無駄無駄無駄無駄無駄!
「お前ももう少し抵抗するなりしろよ。そのための右手、あとそのための拳だろ?」
「わかってるさ!!でも……」
「まあ、クラスメイトのことなんかほっとけ。自分は自分だ。出久のやり方でヒーローを目指そうぜ?」
「う、うん!そうだよね!」
「そうだとも!というわけで俺はちょっと寄ることあるから、悪いけどここからは先に帰っといて」
「分かった。それじゃあまた後でね」
これから向かうのは商店街の裏手にある小さなCD屋さんだ。俺がおばさんに引き取られて、初めての誕生日プレゼントはここで買ってくれたんだ。ガンズアンドローゼスのアルバムよかったなあ。
「おばちゃーん?」
「おお速人ちゃん来てくれてありがとね!」
「お結構片付いてるね」
「いやーまだまだ片付てないよ。それじゃあ早速お手伝いお願いね」
俺は学校の鞄を置き店の片付けの作業に入った。まあ作業はいたって簡単だ。店に出ていたCDをダンボールに詰めて倉庫に直す。これを終わるまでひたすら繰り返す。俺は元々音楽が好きだったからこういうのを眺めてるだけでもかなり楽しいんだよ。
◇1時間後◇
店の方もだいぶ片付いてきたな。こういう時にスピードスターの力があれば一瞬で片付くのに。フラッシュが羨ましいよ。そういえばこの世界にはフラッシュみたいな超高速で動けるヒーローは聞いたことがないな。でも嬉しいことに他のDCヒーローの何人かはこの世界にマジで存在していてこの国で活動している。それを知った時なんてそりゃあもうテンションが上がったよ。
「いやー助かったよありがとね速人ちゃん。そうだ!速人ちゃん、記念に何か一つ欲しいCD持ってっていいよ」
「え?そんなの悪いよおばちゃん」
「良いっていいって。手伝ってくれたお礼よ、遠慮なく持ってって」
俺は余ったCDの山からとある一枚のアルバムに手を伸ばした。俺100曲もの曲が入った洋楽ヒットソングアルバムだ。エドサリバンショーやソウルトレインで流されていた曲もはいってるのか。成る程成る程、なかなか渋い曲も入ってるな。よしこれにしよう。
「ちょっとアンタ何すんだい!?」
「おい騒ぐんじゃねえ!さっさと有り金を全部出しな!」
店内から急に物騒な声が聞こえてきた。壁際から中をそっと覗き込むと手に無数の鋭いトゲが備わっている男がおばちゃんを脅していた。マジかよ、ヴィランじゃん!よりにもよって何でこの店なんだ!?
でもまずいぞ、おばちゃんの個性は明らかに戦闘向けじゃねえ。よし、先ずは警察に連絡をと。
「もしもし?〇〇町のウェストレコード店にヴィランが押し入って来てます………!」
『分かりました!すぐに警官とヒーローを向かわせますので出来るだけ遠くに逃げてください!』
よしひとまずこれで安心だ。でも逃げろって言われてもね。これでも一応ヒーロー志望なんだ。おばちゃんを置いて逃げるほど俺は根性なしじゃない。何もあのヴィランを倒さなくても良いわけだ。少し怯ませておばちゃんを連れて店を出る。
この近くにもヒーロー事務所は腐るほどある。ヒーローと警察官達が到着するのはせいぜい来るのは3分てところだろう。脳内シュミレーションでは最初にブーメランでアイツを牽制、その後におばちゃんを連れて店の外にダッシュ!俺のこの世界での11年間の成果を出す時が来たぞ。
「良いからさっさと出せってんだ!」
「おいおっさん、今日でこの店は閉めることになってるんだ。最後の日くらい華を持たせろい!」
「ガキか、死にたくなきゃ他所に行ってな!俺は今仕事中なんだよ!」
「…………因果応報って言葉知ってるか?」
「ああ?」
「ティガー・ハークネス曰く………やった事は、必ず自分に帰ってくる!」
一度いってみたかったんだよなこのセリフ。俺は両手からブーメランを取り出し強盗に投げつけた。一つのブーメランは強盗の持っていた刃物を落とし、もう一つのブーメランは顔面にクリーンヒットした。
「ぐっ………!?」
「おばちゃん早くこっちへ!!」
俺はおばちゃんの手を引き店の外へ飛び出した。
「おいてめえ、何してんだ?」
店を飛び出ようとした瞬間、背後から近づいてきたもう一人のヴィラン2が俺を殴り飛ばした。ヴィラン2の腕は鉄球のような形をしており鉄くらいの強度をしていた。つまり殴られたらものすごく痛い。
「もう1人いたの、だああっ!?」
殴り飛ばされた俺の体は宙を舞いダンボールの山へと落下した。いててて…………この野郎せっかく片付けたってたのによ。なんて真似しやがるんだ。
「このガキぶっ殺してやる!!」
「まあ落ちつけ。危険を顧みずそこの婆さんを守ろうとしたって事は恐らくこいつもヒーロー志望だ」
「だったら何だよ?」
「少し速いとは思うが挫折を味あわせてやろう」
「なるほどな、そんじゃあ!」
ヴィラン1は再びおばちゃんにトゲを向けた。
「やめろ!!」
「あばよ婆さ……………」
ヴィラン1は備わっていたトゲを撃ち出しおばちゃんに放った…………はずだった。
トゲは突如カタツムリほどのスピードでしか動かなくなったのだ。今の状況を説明するなら映画のジャスティスリーグでブルース・ウェインがバリー・アレンにバッタランを放り投げるシーンそのものだ。
トゲはのろりのろりと俺の前をゆっくりと通過していく。俺は目の前を通過したトゲを掴み地面に投げ捨てた。
「…一体何が起こった?!」
「クソッ!!何なんだよお!!」
ヴィラン1は身の回りで起きた状況を理解できず無差別にトゲを撃ち放った。俺はおばちゃんに迫るトゲを全て掴みヴィラン1に向かって投げつける。その隙におばちゃんを安全な場所へと移し隣にいたヴィラン2を殴り飛ばした。
「ん!ぐおおおっ!!いってええええ!!」
「ぐふっ!?(こいつ今何しやがった?)」
「大丈夫おばちゃん?」
「あ、ああ大丈夫よ。ありがとね速人ちゃん………ありゃ速人ちゃん!?個性が!」
「火事場のクソ力ってやつかな」
「動くな警察だ!!」
数秒後警察官とヒーローが遅れてやってきた。
その後の展開は早かった。ヴィラン1と2は御用となり連行された。そして俺はヒーロー達に注意されていた。何故こんな無茶をしたんだってね。
「何故こんな無茶をしたんだ?」
ほらね。
「あの場で最適なことをしたつもりなんですが」
「一歩間違えれば君は死んでいたんだぞ!「ちょっとアンタらねえ!」な、何ですか?」
「速人ちゃんが助けてくれなきゃ確実に殺されてたのよ!後から来たアンタらが偉そうに言うんじゃないわよ!」
マシンガンの様に次々と放たれるおばちゃんの言葉にヒーロー達は言い返せないでいた。そして一通りおばちゃんが言い終わると、ヒーロー達はそのまま言い返すこともなく暗い顔で店を出て行った。
「庇ってくれてありがとうおばちゃん」
「いいのよ。それよりも今日はもう帰りなさい。おばさんと出久君に個性が発現したって早く見せてあげて」
「もちろん!それじゃあまたねおばちゃん!」
俺は上気分で帰路を目指した。公道での個性使用禁止なので歩きで帰っているけど嬉しいな。まさか自分の個性がフラッシュ達スピードスターと同じ超スピードで動けるなんて。速いとこ出久に見せてやろう、きっと驚くぞ。
いつもの帰路を辿っていると出久と骸骨みたいな人が道の真ん中で何か話していた。あの骸骨の人どっかで見たことあるような…………
「個性を譲渡する個性…それが私の受け継いだ個性!冠された名はワン・フォーオール!一人が力を培いその力を一人は渡しまた培い次れ…そうして救いを求める声と義勇の心が紡いできた力の結晶!!」
「そんな大層なもの何で…何で僕にそこまで…」
「元々後継は探していたのだ……そして君になら渡しても良いと思ったのさ!!"無個性"で只のヒーロー好きな君はあの場の誰よりもヒーローだった!!」
おいおいおいおいおい!一体何の話ししてんだ?全然話が読めねえんだけど?
「まァしかし君次第だけどさ!どうする?」
「お願い…します………オールマイト!」
「マジかよ…あんたがオールマイトか!?」
「「!?」」
「は、速人!?」
「ど、どこから聞いてた!?」
「ええと………全部、かな。いや、だってこんな道端で話してたら聞こえるよ」
「Oh My…………」
◇
「…………つまりこういう事?オールマイトの個性は代々受け継がれてきたものでそれを出久に譲渡したいと?」
「簡単に言えばそうだね」
「それって…………超カッコいいじゃん!!」
「マキシモフ少年、頼むからこのことは」
「口外禁止でしょ?モチコース」
こんな事がヴィランにでも知られたりすればこの国はおしまいだよ。実質問題オールマイトの存在がこの国では犯罪者達への抑止力となっているんだ。それにしてもオールマイトの能力は受け継ぐタイプの個性だったなんて超驚きだよ。
「あ、そうそう!俺個性出たんだよ!」
「え本当に!?どんな能力なの!?」
「そんじゃあ軽く」
俺は瞬時に出久の鞄から今日体育で使った体操着を取り出し学ランから体操着に早着替えさせた。
「これが俺の個性、超スピードだよ」
「速っ!?す、凄いよ速人!こんなスピード出せるヒーロー中々いないよ!?」
「私もここまでのスピードを出せる人間見たことがないな」
とまあこれが俺と出久のオリジンだった。出久は良く偶然って言ってるけど俺はそう思わなかった。そしてこの日を境に出久のオールマイト式トレーニングが始まった。なんでも入試までの残りの期間で出久の体を鍛えオールマイトの個性を扱える体にしないと、四肢が爆散するらしい。オールマイトが考えたプランは基礎トレーニングは勿論、海浜公園のゴミ掃除を行なう事だった。出久曰くゴミの形や大きさで使う筋肉が違うんだとさ。
かくいう俺は記憶に残っているドラマ版フラッシュのトレーニング方法を用いり個性に慣れることにした。残りの期間でいかに個性を自分の思うように使えるかが重要になってくる。オールマイトの紹介で格安で個性を自由に使える体育館を紹介してもらった。そして特訓や勉強を重ねる事数ヶ月後…………
入試当日 朝6時、出久は今日も早起きをして最後の追い込みをかけていた。入試当日という事もありいつもより張り切った様子で頑張っていた。そして数分後、オールマイトが出久の様子を見に海岸へと来た。
「おはようございまーす」
「GOOD MORNING!マキシモフ少年!」
「あれ、見てあげてください」
片付けたゴミの山の上で咆哮を上げる出久。なんと出久は一人でオールマイトが指定した区画以外までも綺麗にした。辺りにはチリ一つ残っておらず、カップルがデートで訪れても問題ない程に片付いていた。
「オーマイ……オーマイ……グッネス!!」
オールマイトはふらりと倒れこむ出久をキャッチした。
「おつかれ!」
「オールマイト……!僕…出来た…出来ました!」
「ああ!驚かされた!エンターテイナーめ!10代って素晴らしい!!ほら見ろよ!!」
オールマイトは出久の目の前に十ヶ月前に撮った写真を見せる。
「十ヶ月前の君さ!よく頑張ったよ!本っっ当に!!ようやく入口の蜃気楼がうっすら見えてきた程度だが!確かに器は成した!!」
この十ヶ月オールマイトの特訓に耐え更に自身でも肉体を鍛え上げた結果、ひ弱なモヤシ野郎の身体は見る影もなく腹筋は割れ見事に鍛え上げられた身体となっていた。
「その泣き虫は治さないとな!さァ授与式だ緑谷 出久!」
「おめでとう出久!!」
でもでもどうやって力を譲渡するのかな?グリーンランタンみたく何かパワーを引き出すアイテムがあるのか?それともシャザム!みたいに叫んだりするのかな?
「これは受けおりだが最初から運良く授かったものと認められ譲渡されたものではその本質が違う!これは君自身が勝ち取った力だ。肝に銘じておきな」
しかし次の瞬間、俺達は驚愕の事実を知らされた。
「食え」
「「へあ!?」」
「別にDNAを取り込めれられるなら何でも良いんだけどさ!さア時間ないって!」
「思ってたのと違いすぎる……!」
入試まで残り3時間…………
今回はここまでです!次回も機会があればよろしくお願いします!