エロい葉隠れちゃん    作:kurutoSP

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為すべきこと

 透明人間になったら何をしたい?

 

 そんなありふれた質問はごまんとあるだろう。だが、実際に透明になるとはどういうことか誰も知らない。

 

 当たり前である。そんなものを知ることなど人間には不可能なのだから。

 

 つまり何を言いたいのかと言うと、透明人間になってまず最初にすることは体の確認だよね。

 

「こっこれは。なんというきょにゅー」

 

 すっげー。ナニコレ。ナニコレ。透明で見えないけどこのデカく柔らかいモノは何だ!

 

 ん、何だかポカポカしてきたな。顔が赤いかもしれないな。っても鏡に映らないから確認のしようが無いけど。

 

 とにかく意味の分からない現状を確認せねば。

 

「ムムム。つまり俺は女の子になっていると」

 

 体に電撃が走った辺りでようやく冷静になれた俺は自分に起きた現象を理解し始めた。

 

 そう、あの長きにわたる隅々まで自分の体を精査し、結果自分が透明人間になっていると知ったのだ。

 

「ふ、結構足に来るな」

 

 震える足をどうにかして部屋の確認をする。

 

「この子は一人暮らしなのか?と言うか透明人間なのに姿見ってどうなの」

 

 部屋に何故か置いてある大きな鏡の前でいろいろと大人な本で学んだポーズをとってみるがやはり何もそこには映らない。

 

「ん?そう言えば今全裸じゃね」

 

 あれほどお触りした後だが、僕はその事実にようやく気が付く。

 

 女の子が一人部屋で全裸。いかがわしい。

 

 脳内ピンク色に染まった僕はしばらく部屋の捜索が中断してしまったが、気を取り直し部屋の捜索を開始する。

 

 まあ、男なら当たり前だよね。女の子の部屋を捜索ってエロいよね。何よりもまず最初にしなければ。

 

「ん~む。下着、制服、私服ともにごく普通。インテリアもごく普通のモノだ」

 

 結果際どい下着も心くすぐる制服もなくどれもが普通だった。唯一の収穫はバストサイズが改めて分かったことくらいだ。

 

 結果普通の女の子の部屋だということくらいだ。多分。

 

 いや、女の子の部屋に入ったことが無いから分からないけども、男性が想像する上で女の子らしい部屋ということだな、うん。

 

「しっかし、これはどうしたものか何も情報が無いな」

 

 自分がいきなり女の子で、更に透明人間になっている現状は既に掛け時計から優に3時間が過ぎ、真夜中になっていた。それだけこの部屋とこの体は調べがいがあったのだ。

 

 困っている僕は今まで興味がわかなかったのだが、今見ると机の上に何かが置いてあった。

 

「何々。葉隠透、雄英高校への入学を許可する。ふ~ん。高校生か」

 

 高校生ね。いい響きだ。にしても雄英、葉隠とどこかで聞いたことのある名だな~。

 

 僕は他にも何か情報が無いか机の中を調べる。

 

「一段目はっと。………………これ、シュレッダー用のハサミだよな。何故普通の女の子の部屋にこんなごついハサミが」

 

 出てきたモノに少しだけ不安になる。

 

 それでも気を取り直して二段目、三段目と開けてゆく。

 

「う~ん。これと言って何もなしか」

 

 特にめぼしいモノは何もなかった。それだけにあのハサミがやけに存在感を放つ。

 

 僕はそのハサミを何に使っていたのか悩みつつ手に取ろうとし、入学関連の書類に手を触れ動かしてしまう。

 

「本当にごついなコレ。ん?ナニコレ」

 

 僕は触れる時に何枚かの紙を地面に落としてしまったが、そこに気になる文字があった。

 

「ヴィラン連合?………………えっ、マジで。ここヒロアカの世界なの」

 

 あり得ない。そんな馬鹿な。てっきり不幸な前世を顧みてくれた神様からのプレゼント的なあれで転生でもしたのかと今まで思ってきたのにこれはどういうことだ。

 

 いや、僕が前世どういう風に死んだか分からないし、神様にも会ってはいないんだけど、それでもこれって………………。

 

「ヒーローの世界でいきなりヴィラン側って詰んでね?」

 

 いや~ないわ~。これはない。確かにマンガ読んで彼女がスパイじゃねって思ったことあったけどこれは無い。現実になったとたんこれは無い。

 

 僕は拾い上げ、たった一文しか書かれていない文字を読む。

 

「カリキュラムを盗み出せ」

 

 詳しい日取りなどが書いてあっただけであるからして、これはヒロアカの最初の襲撃事件の伏線を表しているのだと理解できた。

 

「どうしよう。まじどうしよう」

 

 明らかに彼女は黒である。もうヒーローもくそもない。

 

 これで疑問も解けた。疑問が解けたなら、得た回答を実施するまで。僕は女の子の部屋に似つかわしくない例のハサミを取り出し、一心不乱に問題の紙をゴミとする。

 

「どうしようか。これバレたら捕まるよな」

 

 手錠がかかり、牢獄に幽閉される自分を想像してゾッとする。

 

「まっ、待てよ。これを密告すれば助かるのでは!」

 

 僕は即座にシミュレートし始める。

 

「………………。ごついハサミを用意して証拠隠ぺいを図るほどの少女。あの黒幕たるあの男の完璧な計算。そして切れやすい若者死柄木。ワープゲートの黒霧」

 

 この少女、スパイに抜擢されるってことは泥に片足どころか全身までどっぷりとつかってない。

 

 透明少女が全身泥に浸かり、浮かび上がる姿態。ゴクリ。

 

「何それいい。じゃなくて」

 

 此処までまずい情報が揃っているのに今裏切ったら、浮かび上がるのは死体………………。

 

「ぶっちゃけ、私がしたことの罪はまだ未遂の可能性が高いし、未成年でそんな厳しい所にぶち込まれることは無い。そしてあと数か月もすれば大騒ぎになるヴィラン連合も今は世間の人にとっては無いも同然。これ、獄中死とかないよね」

 

 ワープゲートにより侵入してきた死柄木に殺される未来が見える。

 

「今、敵方にとってのイレギュラーは俺が入れ替わってしまったってことくらいだ」

 

 逆に言うとそれ以外のことはヴィラン連合の黒幕の計算の域をでないのは想像に難くない。下手な反逆は人生を終わらせる選択になりうるだろう。

 

「つまり、俺がすべきことは怪しまれない様にスパイ行動をしつつ、先生が捕まった後密告が正しい手だな」

 

 これで今後の方針は決まった。

 

 俺は、いや、これからは私か。バレたらアウトだから普段からもこうしよう。

 

 とにかく私がなすべきことはまず………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 女湯を堪能することだろう。

 

 だって透明人間だし。

 

 近くの銭湯はどこかな~。

 

 私は明日が待ち遠しく思いながらも布団に全裸で入り寝るのである。

 

 全裸で!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公は女なので普通に女湯に入れます。しかし、彼はエロいことを中心に生きているので気づきません。
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