エロい葉隠れちゃん    作:kurutoSP

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ポンコツ

 個性把握テスト。

 

 それは合理主義の塊たる相澤先生の生徒の実力を知るための合理的手段である。

 

 まあ、とっても簡単に言えば、主人公に降りかかる序盤のピンチだ。

 

 個性把握テストは最下位除籍であるため、ここで頑張らないとせっかく入ったのに即退学の憂き目に会うのは辛すぎる。

 

 まさしく、個性を使い切れない主人公にとっては大ピンチであろう。

 

 ああ、大ピンチだ。バカ野郎。

 

 どうやって原作で彼女は18位。ボール投げや反復横跳びで好成績を出した緑谷と峰田に勝ったというのだ!

 

 分からない。以前の彼女の記憶が無い私には分からない。

 

 と言うか、彼女はどうやって雄英高校の入試に合格したんだ。

 

 まさしくピンチである。

 

 ここ数日間個性を把握したりしたが、ぶっちゃけ透明になる以外出来ることは無かった。

 

 いや、違う。透明になる。これは意外と凄かった。あの日黒霧さんの隣に行ったとき技能だと思っていた技が、存在感そのものを薄くできるという能力も持っていたことに気が付いた。でも、これはスパイとしては優秀でも体力テストには使えない。

 

 他にも出来ることは無いかと苦労してできるようになったのは光を屈折させ、フラッシュをたく技くらいだ。

 

 これも体力テストには使えない。

 

 ………………どうしようか。後はこの体の身体能力に賭けるしかない。

 

 クッソー。せめて除籍処分がマジで嘘だったらそこまで気にしないのにぃぃぃぃ。

 

「大丈夫?」

 

 先ほど友達になった響香ちゃんが心配そうに聞いてくる。

 

「大丈夫。大丈夫」

 

 そう、何とかなるさ。

 

 

 

 

 

 

 第一種目50メートル走

 

 私と一緒に走るのは峰田君だった。

 

「オイラできる子。オイラできる子」

 

 もの凄く緊張していた。あそこまでテンパっているのを見ると逆に冷静になれる。

 

 ここで私は閃いた。私は最悪この子と緑谷に勝てばいいんだと。

 

 スタートの構えを取る私と峰田。

 

「よ~い」

 

 機械がスタートを告げる直前、私は仕掛ける。

 

「ん、ちょっと熱いな~」

 

 ジッパーを緩める。この時ワザと音を立てるのがポイントだ。

 

 クワ!

 

 彼の顔が此方を向いたのが見なくても分かった。

 

「ドン」

 

「えっ!」

 

 彼は慌てふためきフォームを崩す。

 

 その間に私は最高のスタートを見せてゴールする。

 

「へぇ。結構速い」

 

 普通に走って6秒台の彼女の記録を見て私はこんなせこいことしなくてもよかったかなと思いつつ、これも自分の為と二回目も峰田を罠に嵌め、彼の成績を下げる。

 

「ちょっ、男子がいるんだからちゃんとジッパー上げときなさいよ」

 

「別に透明だから大丈夫だよ?」

 

「駄目ったらダメ」

 

 何かこのやり取り無防備な女の子を委員長が嗜めるようでいいかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 第二種目握力

 

「どうしようもないよね」

 

 女子にしては結構あるけどという程度、まあ、ふつうだね。

 

 

 

 

 

 

 

 第三種目立ち幅跳び

 

 いや、だからどうしようもないよね。

 

 

 

 

 

 第四種目反復横跳び

 

 もう、いいんじゃない?

 

 ただ峰田の邪魔は一応してたけど、何か目線だけこちらに向いて、体だけ高速移動しているというきしょい状態になっただけで、彼が反復横跳びナンバーワンだった。

 

 意味なかった。

 

 

 

 

 

 第五種目ボール投げ

 

 全裸になって、存在感も消してコッソリとヤッた。

 

 もちろんバレなきゃの感じて少しだけ体を円の外に出して投げたが、まあ、に三メートルくらいしか伸びないよな。

 

 余りにも無意味なことをしたのを理解していただけにそそくさと服を着なおして二回目は普通に投げた。

 

 緑谷君マジ主人公。

 

 

 

 

 

 ハッキリ言おう。

 

 これ、個性解放した方が私不利でね?

 

 ぶっちゃけ個性なしだとこの体の性能なら男子にも負けない気がするんだけど。

 

 持久走も、上体起こしもこれと言って記録は物凄い訳ではない。まあ、悪い訳じゃないし、峰田にも緑谷にも勝利してんだけどさ。やっぱ特別な記録が無いと不安になる。

 

 しかし、しかしながら、私は閃いた。どの競技も最低限のルールさえ守ればいいのだと(あとはバレなければいいのだ)、だから長座体前屈はイケると思った。

 

 何故ならば、最初の姿勢は背中を壁に付けること、そこから記録を取る箱をどれだけ前に出せるかなのだから、裸になった私にはどこが初めで何処が終わりなのか、機械でも分からない。

 

 なんせこの体凄いことにセンサーの類でも透明化した私を映すことも検知するのも本気の私には不可能なのだ!まさしく最強のステルス。これはパないわ。まあ、その分持続時間に難あるけど。

 

 と言う訳で、機械に移されないのをいいことに不自然にならない程度に記録を改ざんする。と言っても何メートルも伸ばしたわけではない。

 

 だが、これで総合的に見れば中々な成績である。

 

 

 

 

 

 

「あれ、16位………………。やり過ぎちゃった」

 

 今思えば女子と男子では体力測定の得点は同じ基準じゃなかったじゃん。

 

 それで男子よりも好成績かつ、ちょっとずつ卑怯をしたらこうなるか。

 

 ………………つまり、普通にやれば原作通りだったと。というか長座体前屈は普通にしても身体柔らかかったからあんなに頑張らなくても良かったと今にしては思う。

 

 いや、大丈夫だよね。きっとこのくらいなら何も影響は出ないよね?峯田くんが最下位だったけど問題ないよね。

 

 私は今回明かに個性把握テストで有用な個性を持っていないにも関わらず負けて18位だった響香ちゃんを慰めるのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回の生徒は中々骨があると、緑谷のボール投げから感じていたことを再度思い出しながら相澤は今日のスポーツテストの結果をまとめる。

 

「ん?こいつの長座体前屈どういうことだ?」

 

 ちらりと見えたルールと個性を照らし合わせた結果としては合理性に欠けるあり得ない記録が目に留まる。

 

「葉隠透。届け出では体が透明になるだけ、見えなくなるだけの個性のはずだがこれはどういうことだ」

 

 いくら考えても彼には分からなかった。

 

 少しずつ彼女のぽんこつが物語に影響を出し始める。

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