最近の小説ではプロローグの質で、作品の良し悪しが決まると言われている。なので、今回は真面目にプロローグしていこうと思った主人公君は、めんどくさがらずに話を進めていこうと思います。(疲)
そう、全ての始まりはモンハンのプレイ中に寝落ちしてしまったことから始まった。
俺は深夜3時までラージャンの宝玉集めに奮闘していた。
眠気に苛まれながら、見知らぬネットの仲間と共にラージャンを狩り続けていると、強力な睡魔と3乙の文字が同時に襲いかかり、現実世界の俺も力尽きてしまった。
そして、目が覚めると――――
『ウホォォォォ!!!(ラージャンになってるぅ!!!)』
落ち着け俺氏!これはあれだ、よく二次小説にあるモンスター転生だ。それすなわち!
ここはモンハンの世界だってことでありますか!!!
『ウホホホホオオオ!!!(我が人生の春ここに来たり!!!)』
俺の大声(咆哮)のせいで、周囲の小動物たちが一斉に走り去っていった。これは少し悪いことしてしまったな。
とにかく、まずは住処を見つけなければいけない。そもそも、ここはどこなんだ?見渡す限り森のようだけど、どこのシリーズの森だ?
まあ、とにかく今は住処を探し始めるのが、サバイバル生活の基本なのだよ。
ラージャンって猿だし基本的に木の上とかでいいかな?
30分経過……
よっし!ちょうど手ごろで大きめな巨木を発見できたし、今夜の寝床はここにするか。
意気揚々と木に登ると、突然右腕に鋭い痛みが走る。
『ウホォ!?(痛って!?)』
あっ!?痛みに気を取られて、掴んでいた木の枝から手を放してしまい、地面へと真っ逆さまに落ちてしまう。
―ドゴン!!!
巨体であるラージャンが高い巨木の上から落ちてきたのだ、物凄い音と共に地面には小さなクレーターが出来上がる。
落ちてきた当の本人といえば、腰をさすりながら痛みを感じていた。
『ウホホォホ?(イッタ…くない?)』
結構な高さから落ちたのに、あまり凄い痛みは感じなかったからよかったけど、一体何が起こったんだ?
何が起こったのかと混乱していると、木の上からモンスターの威嚇の声が聞こえてきた。
「キシャアアア!!!!」
よく見ると若干木の色と同化している巨大な蛇が巻き付いていた。恐らくあの蛇が登っている途中の俺の右腕に嚙みついてきたんだろう。
しかも、嚙まれた右腕がだんだんと痺れ始めてきた。恐らく噛まれたとき麻痺毒を流し込まれたのだろう。
巨大な蛇で、麻痺毒持ちといえば当然わかると思うが、モンハン4で初登場した蛇竜種ガララアジャラだった!
転生して30分しかたってないのに、いきなり大型モンスターと戦闘かよ!せめて、小型とのチュートリアルをさせてくれよ神様!?
しかも、初戦でハンデ付きとか、どこのラノベ主人公だ!種族的に圧倒的有利なのは俺だけど、相手のガララアジャラが下位か上位もしくはG級で状況は全然変わってくるぞ。
とにかく、今は目の前の敵を倒すだけだ!
『ゴワアアアアア!!!(ひと狩りいこうぜ!!!)』
俺の咆哮を合図に、ガララアジャラが頭からこっちに向かって一直線に突っ込んでくる。右腕が痺れていると言えど全身ではない。
俺は余裕を持って、回避することができた。ガララアジャラは誰もいなくなった場所に頭からぶつかる……と思えたが、地面スレスレで勢いが止まり、そのまま地面に全身を移動させ、とぐろを巻く。
「シャアアア!!」
頭をユラユラと揺らしながら威嚇し続けているガララアジャラから視線を動かさず、地面に手を思い切り突っ込む。
『グルワァァァ!!!(火事場のクソ力!!!)』
俺はラージャン自慢の馬鹿力で地面に埋まっていた何らかの生物の骨を抜き取る。
「シャラアァァァ!?」
ガララアジャラは俺の行動に驚きを一切隠しもせずに、舌を限界まで伸ばしてアホみたいな顔をさらしている。
そこに、俺は間髪入れず手に持った骨を投げつける。投げつけられた骨は、綺麗な半円を描きながら、ガララアジャラの頭めがけて飛んでいく。勿論、あっけに捕らえられていたガララアジャラは、避けるということを忘れ目の前が真っ暗になる。そして、まるで夢の中をさまよっているようなフワフワとした感覚に陥る。
ガララアジャラがその感覚から抜け出したのはラージャンの一撃をまともに喰らい地面へと倒れ伏した時だった。
俺が投げつけた謎の物体は綺麗にガララアジャラの頭部にぶつかり、砕け散ってしまった。
そして、攻撃を喰らったガララアジャラはというと、頭をグルグル回しながらよだれを垂れ流していた。
あれ?てっきり怒り状態にでもなって襲ってくるのかと思ったのだが、全然攻撃してくる気配がないな?それどころか、戦闘中にはあるまじき無警戒さが感じられる。
『ウホホォ?(もしかして、気絶状態?)』
そうと分かれば次にやることは決まっている。俺は離れた距離を一気に踏破して、無防備になっているガララアジャラの頭部めがけて本気の一撃をお見舞いしてやった。
それはもう凄まじい威力で、当たった瞬間に、森全体に聞こえるような轟音が響き渡り、ガララアジャラの鱗が何枚も飛び散ってゆき、その巨体が地面に激しく横たわっていった。
「キュイィィィ」
力なく瀕死の声を上げるガララアジャラに、俺は警戒を緩めずにゆっくりと近づいていく。それに対して、ガララアジャラも俺から離れようと必死になって離れようと体を動かしている。
正直言って骨の投げ飛ばしと、パンチ一発で瀕死になるなんて思いもしなかった。
ガララアジャラの癖にゲリョスの真似かと疑ったが、どうやら本当に瀕死のようだ。
『グルルルル(お前の敗因はただ一つ、俺を敵に回したことだ)』
ガララアジャラが這って逃げようとしている前に、ジャンプして先に回り込む。着地と同時に砂煙が俺を包み込み、ガララアジャラは死の恐怖を感じ震えている。
『ウホォォ(死ね)』
ガララアジャラの頭めがけて、左腕を叩き込む。その衝撃はガララアジャラの頭部を吹き飛ばし、地面にクレーターを作り上げるほどだった。
辺りは飛散したガララアジャラの血で真っ赤に染め上がり、黒かった俺の体も赤色に染め上がっていた。
『ウホホォ(敗北を知りたい)』
痺れがようやく取れてきた右腕で高らかに勝利のガッツポーズを決める。
高らかにガッツポーズを決めて数分が経ち、初めての勝利の余韻が抜け始めてようやく、目の前のガララアジャラの死体をどうするかを考え始める。
まずこいつは食えるのか?鱗はこの怪力があれば問題なく引っぺがせるとは思うが、肉は食っても腹壊さないだろうか?いや、それ以前にうまいのか?よく二次小説ではモンスターの肉を食えばそのモンスターの特徴を引き継ぐことができるチートがあるが、俺の場合もその能力があるのだろうか?
俺は恐る恐るガララアジャラの肉を一つまみして、口の中に放り込む。
(´~`)モグモグ こ、これは!!!Σ(・□・;)
『……ウホォ(……微妙)』
不味い訳ではない。さりとて、美味いというわけでもない。例えるならば、焼肉のタレがあれば化ける味とだけここに記しておいておこう。
俺は、邪魔な鱗をブチブチとはがしながら、とりあえず腹が満タンになるまでガララアジャラの肉を喰らい続ける。
『ウホォ!ホォ(ダメ!もう食えない)』
余ったガララアジャラの死体は尻尾の部分を掴んで、お空の彼方まで吹っ飛ばしてやった。
上半身を失い下半身のみとなったそれは、血を森にまき散らしながら、ラージャンの怪力で遥か彼方まで飛んで行った。
『ウホォ(まずは、体をきれいにしたいな)』
問題だった食事は片付いた。ならば、次の問題は体に付着した血の処理だろう。
このままでは生臭くてとてもではないが、安眠なんてできるわけがない。
そんな訳で、今近くの海でリオレウスとラギアクルスに挟まれて絶賛戦闘中です。
え?いきなりすぎて話についていけないって?あ~、説明すると体にこびりついた血を拭いたくて、水辺を探していたら潮の香りがしたので、そこに向かって移動していたんだよ。
そしたら、血の臭いをかぎつけてやってきたのか空からリオレウスがいきなり襲ってきやがった。
それはもう全力で逃げてやったよ!ワールドツアーしているレウスさん相手にどうしろってんだよ!?
とにかく、遮蔽物に隠れながら目的地まで走りましたとも!レウスさんも俺めがけて火球を何発も放ってきたけど舐めるな!
モンハンゲーマーならば、例えゲームが現実になろうとも回避行動のみ専念するのなら、全弾回避など目を瞑っていようと可能なのだ!
そこからひたすら逃げ続けていたら、ようやく海まで辿り着いたのだ。
そしたら、目の前にちょうど海から出てきたラギアクルスがいるではありませんか!?
『ウホォォォ!!(あいえぇ~、なんでラギアクルス!!)』
目の前のラギアクルスに気を取られていると、後ろでリオレウスが地面に着地する。
前方にラギアクルス後方にリオレウスとか、神様って俺のこと嫌っていない?
ラギアクルスの奴は、突然現れた俺たちに対して警戒しているだけだが、後ろのリオレウスは殺る気マンマンでいつ攻撃してきてもおかしくない様子だ!
そう思っていたら、リオレウスの口の中が炎で広がり、俺に目掛け火球が飛び出してきた!反射的に躱すと、火球は一直線に俺の脇腹を通り過ぎ、その直線上にいたラギアクルスに直撃する。
「グルワアアアア!!!」
火球の衝撃によりラギアクルスは怯み、立ち直るとラギアクルスは攻撃してきたリオレウスに向かって大きく威嚇をし始めた。
リオレウスもその威嚇に反応し、目標を俺からラギアクルスに向け火竜と海龍の死闘が開始した。
この瞬間俺はチャンスだと思い、一目散にその場から逃げ出した。後ろから炎が燃え上がる音と、雷がぶつかる音が絶え間なく聞こえてきた。
やがて、音が聞こえなくなる場所まで逃げ切ると、太陽が沈みこみ辺りは夜のとばりが落ち始めた。
この姿になってから、動きっぱなしだったことや、あの二頭から逃げきれたこともあり、だんだんと瞼が重くなってゆき、疲れ果てて横になって倒れる。