楽しくて達筆がやめられない主です。
3話目となります。
どうぞ、優しく見守ってください。
では、『吸血鬼のヒーローアカデミア』をどうぞ。
そこは真っ赤な世界だった。
赤色に染められた世界。
僕はその世界を見渡した。何も存在しない、真っ赤な世界を見渡した。
僕は意味もなく歩き始めた。
歩いていると、様々な感情が芽生えてくる。
苦しみ、悲しみ、憎しみ、絶望。
どれも負の感情だった。
何故、こんな感情が生まれてくるのかは分からなかった。
僕は一体何に対して、そのような感情を抱いているのだろうか、果たしてこの感情は本当に自分自身が抱いている感情なのだろうか。
応えは否である。僕がこんな感情を抱くのは可笑しい話だ。
僕は自問自答しながら、歩き続けた。
しばらく歩き続けると、声が聞こえてきた。
その声の主は、少女だった。
少女の泣き声。僕はその声がする方へと足を運んだ。
辿り着いた先には、少女がうずくまって肩を震わせながら泣いていた。
僕は、少女に話しかけた。
『大丈夫??』
少女は振り返った。
振り返り、目尻に涙を浮かべながら言った。
『私を一人にしないで。』
少女は幼いが顔立ちだった。しかし、僕にはその顔に見覚えがあった。顔というよりも瞳にと言ったほうが正しいだろう。何故なら少女の瞳は、まるであの女の子の瞳と同じ色をしていたのだから。
少女の言葉を聞き、口を開こうとしたその時、悲鳴が聞こえてきた。
女性の悲鳴。他にも聞こえてくる。男性の悲鳴、子供の泣き声、罵声や笑い声など、様々な声が聞こえ始めた。
そして浮かび上がってくる”死体”。
少女はそれを見つめながら言った。
『一人は嫌…。私を一人にしないで…。誰か助けて…。』
少女は泣き叫んだ。
僕はただその光景を眺める事しかできなかった。
動くことが出来なかった。
少女に伝えてあげることが出来なかった。
“あの人”の様に…、”私が来た”って、伝えられなかった…。
きっと僕に抱いている様々な負の感情は、目の前で泣き叫んでいる少女のモノなのかもしれない。どうしてこうなってしまったのか、僕には理解が出来なかった。1つだけ分かることは、きっと”人間”が彼女から全てを奪ったということだけ。”個性”を使い、彼女の知人、友人、家族を皆殺しにしたのだろう。
僕は泣き叫ぶ彼女の後姿を見つめながら、目を瞑り”夢”から逃げた。
血生臭さが鼻を刺激し、僕は目を覚ました。
見ていたのは全部夢。
しかし、果たして本当に夢だったのだろうか。
僕は隣からかすかに聞こえてくる寝息の主を見つめながら、考えた。
考えても、答えは見つからない為、本人に聞いてみるしかない。
僕は横で眠っている彼女を揺さぶり、起こした。
『ふぁぁぁあ』
彼女は眠そうに大きな欠伸をしながら起きた。僕を見つめ彼女は微笑んだ。
その微笑みはとても可愛らしく、照れ臭くなってしまった。
『えっと…おはよう…。』
僕は戸惑いながら、彼女に挨拶を返した。
今わかっているのは、僕が何らかの理由で”吸血鬼”になったこと、彼女が”人間”に負の感情を抱いているかもしれないということのみだ。
僕は彼女と、変わってしまった自分自身と向き合う覚悟を決め、口を開いた。
『僕はもう…人間ではなくなったんだね』
その時の彼女の笑みを僕は忘れない。
何故ならその笑みは、とても凛々しく、とても美しかったから。
いかがでしょうか。
話しの展開を早くしたいのですが、中々に難しいですね…。
お付き合いいただきありがとうございました。
感想・評価お待ちしております。
次話もなるべく早めに投稿できるよう、頑張りたいと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。