どうぞ、宜しくお願い致します。
『私と一緒に”復讐”をしましょう』
彼女の言葉に、僕は驚かなかった。
何故なら、そう思ってしまうほどの過去を彼女は歩んできたのを僕は知っている。
彼女をそうさせてしまったのは、まぎれもない”人間”。
彼女から大切なモノを奪い、救ってあげられなかった””人間”。
彼女はまだ、絶望の淵にとらわれている。
彼女を救ってあげられるのは、僕しかいない。
彼女と同じ個性を持ち、彼女の過去を知っている、僕しかいない。
僕は、彼女を孤独から救った”ヒーロー”だ。
だったら次は、彼女を”復讐”から救ってあげよう。
僕が憧れた”あの人”のように…。
僕は彼女に歩み寄り、彼女の赤い瞳を見つめ、言った。
『もう大丈夫。”僕がいる”。だから、復讐なんてやめよう。どんなことがあろうと、僕は君の傍に居続ける。だから、復讐なんてやめよう。』
『約束??約束ですって??馬鹿馬鹿しい。そんな言葉、もう聞き飽きたわ。いい??貴方は私と共に復讐をするの。私から全てを奪ったこの世界に、復讐をするのよ。』
『だめだ。そんなの絶対にさせない。僕は、君に幸せになって欲しいんだ。』
『幸せ?私は今ものすごく幸せよ?だって、もう一人ではないもの。私には新しい家族が出来た。私はもう大切な人を失いたくないの。だから、私から全てを奪う要因は殺すのよ。奪われる前にね…。そう、これは復讐なのよ。』
僕は知っている。彼女は優しい。
何故なら彼女は、死の恐怖を知りその悲しみをしっている。
しっているからこそ、彼女は”個性”の譲渡をやめた。
人を死なせない為に。
彼女は今、不安なのだ。
僕が彼女の目の前から消えてしまえば、彼女はまた一人になってしまう。
だからきっと、これが最後のチャンスなのだ。
彼女を救える、最後のチャンス。
だから僕は…、彼女に誓った。
『僕と、生涯を共に過ごしてください。僕は未来永劫、君と歩み続ける。例えどんな困難があっても、僕はそれを乗り越えて見せる。乗り越えられる”力”を付ける。君にふさわしいヒーローになってみせる。だから僕は絶対に君の目の前から消えたりはしない。僕は君の隣にずっといることを、ここに誓う。』
彼女は驚いた顔をした。
暫くの静寂の間。
彼女は目尻に涙を浮かべはじめ、言った。
『ほんとうに…??』
僕は微笑みながら言った。
『本当だよ。だって僕は吸血鬼。君と同じ、君を守れる個性の持ち主だからさ。』
中学生活最期の夏休み。
僕は人間をやめ、吸血鬼となり、一人の女の子に誓いをした。
必ずヒーローになると。
いかがでしたか?
自分自身、どうすればいいのか色々複雑になってしまいまして不安ばかりです…。
次話は早めに投稿できたらいいなと思っています。
評価・感想していただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。