想像を文に起こすのは難しい。常々そう思います。
今回 篝火ヒカルノが出て来ますが、口調は完全に僕の想像です。
2019 1/22 書き直し済み
カタカタとキーボードに入力する音と時たまガタガタと車体が振動する音しか聞こえない
一夏のISである白式を輸送する貨物車に乗り込んで、道中フィッティングをしている
これも篠ノ之博士から白式を渡されてすぐに学園に送らなかった倉持の研究所が悪い
ついでに一枚噛んでいる政府も悪い。くたばれ害悪共が
それにしても素晴らしい
やはり篠ノ之博士は史上最高の頭脳を持っている
凡人がこれを解析しようとしても出来ないのは当たり前だろう
「ほぇー。そんな手もあるのか」
雪片はこんな風になっていたのか。これはこれは……
「ねぇー、今のどうやったの?おーい」
この程度なら私でもマネ出来る範囲か……
「もしもーし。聞こえてますかー?」
…………………………………‥……………
「……………何ですか」
「おーおー。やっと返事してくれた」
私の作業を見ながら、ひたすら声をかけ続けていた女性に反応する
「そもそも何故貴女がここに居るんですか。篝火所長」
「私が私で私だからさ!」
頭が悪そうな回答に少しイラッとくる
ISスーツに白衣を羽織っただけの状態だし
これだから研究職は嫌いなんだ(若干のブーメラン)
「なんかディスられた気がするけどまぁいいや。で、これどうやったの?」
「いつも通りやりましたが」
「それが異常だから聞いてんじゃん」
この程度異常の範疇に入らないだろう
そんなことを言っていたら篠ノ之博士の技術なんて一生かけても追いつけない
「いいですか。この白式は機体自体は第三世代の代物です」
「うん。それは倉持でもわかったよ。でも今展開してる情報は出てこなかった」
「この情報は第三世代を前提としてやると出て来ないものですから」
篝火所長が眉をひそめる
「結論だけ述べるとこれは第四世代の情報です」
「第4?第4世代だって?はっ?それは…………はっ?」
流石の情報に慌て始めたが、直ぐに落ち着きを取り戻しうんざりした表情を浮かべる
「あーやだやだ。これだから天災は。こんなの見せられちゃ私たちがやってることがバカみたいじゃないか」
その気持ちはわかる。自分が必死でやってたことが、他人に軽々とやられるとつらい
しかしそれでも引き下がれないものがあるから研究をするのだろう
「ねー。倉持に来ない?少なくともIS学園より良い待遇だけど」
何を馬鹿な事を言うのだろうか
「あー、なんだその目は。私だって本気なんだぞ」
「本気なら尚更。私は倉持が嫌いなのは知っていますよね」
と言うか、ISを兵器として研究している場所全てが嫌いだ
「知ってる。知ってて言ってんだ。君の知識をあそこで活用したいんだよ」
「ISを兵器運用する為の活用ですか。くたばれ」
つい暴言を口にしてしまった。
だか後悔はしてない。このままだと引き下がり続けるだろう
なのではっきりと言わせてもらう
「私は認めない。ISを兵器運用する貴方達を。そしてこの世の中も」
○ △ □ X
篝火所長とのやり取りの後、タバコを吸いに屋上に行き10分程時間を浪費する
一夏とオルコットが対戦するアリーナの管理室に着くと千冬さんと山田先生。そして何故か箒が居た
私が中に入ったと同時に集まる3人の視線
何とも言えないこの感じ。気分はそうだな
授業参観で親が後ろに控えてるにも関わらず、トイレに行ってて授業に遅れ来た中学生
私にはそんな経験無いが
「織斑のISがフィッティングされていなかった。まさかと思うがサボったのか?」
心の中で我ながら上出来なジョークを思案していると、千冬さんから声が掛かって来た
なんだ、そのことか
「フィッティングは行いましたよ。……ただ、少し小細工はしましたが」
千冬さんの眉間に皺が寄ってる
これは下手い。少し怒ってらっしゃる
しかし千冬さんに怒られるのか
それはそれでありと考えてしまった自分が怖い
「簡単に説明しますと1次移行に移るのを意図的に遅らせました」
「……それはなぜだ」
これは言っていいものか。エコ贔屓になる
でも千冬さんが睨むしな
思いの外健闘している一夏を見る
「ほら、観てください。そろそろ来ますよ」
3人がモニターの方を向く。そこにはオルコットの専用機に搭載されている専用武器。ビットの銃撃を受けた一夏が映る
しかし、すぐに炸裂音と共に現れた煙幕で観え無くなってしまった
「石見先生!」
箒が食い掛かって来る
仕方が無い。今までの流れからして私が意図的に一夏を負けさせたと思われただろう
「落ち着け。まだ終わってないぞ」
箒の肩に手を置き抑え……る?
「ちょっ本当に。マジで」
あっ下手い。力が強くて押し負けそう
この馬鹿力めっ
「あぁそういうことか。篠ノ之。まだ終わってないようだぞ」
割かし全力で腕を突っぱねていると横から千冬さんが声を掛けて助けてくれた
箒が力を緩めてくれると同時にモニターいっぱいに光が奔る
そしてそこに映されたのは白鎧の騎士の様なISを纏った一夏だった
「これを狙っていたのか」
「はい。まとも戦っても無様に負けるだけですから」
仕組んだのはシールドエナジーの残量に応じで1次移行を作動されるプログラム
まともに戦っても勝てる筈が無いので勝手ながら仕込ませてもらった
「これで最悪の結果は逃れたと思いますよ」
「すべて計算どおりというわけか」
計算通り
しかし、これ以降は一夏の頑張りによる
想定を越えるのが一夏の持ち味だ
「それはそうとして。織斑先生はこの勝負、どうみます?」
画面に映るのはビットを落とし、初心者とは思えない飛行をする一夏
一度流れを掴むと強い。敵に回すと厄介なタイプ
格下だと嘲てると寝首を掻いて来る。私が3番目に嫌いなタイプだ
「小細工はしましたが初心者にしては上手いですし、ひょっとしたら格上殺しもあるかもしれませんよ」
「ふん。お前もわかっているだろう」
そう言ってマイクの方に向かって行く
動きは素人から逸脱しても基本的な部分は至っていない
油断した卒業検定前の仮免許者と一緒で、自分の運転技術を過信して、歩行者やメーターなどを疎かにしている
つまり何を言いたいかと言うと
≪ビィィィィーーーーーーーー!≫
「試合止め!勝者オルコット」
こうなるんだな
1次移行はどうにか出来たが、零落白夜の燃費の悪さはどうにもなら無かった
そもそも私程度がどうにか出来るなら篠ノ之博士が事前に改善しているだろうし
取り敢えず一夏が戻って来る前に退散しますかね
「では。私はメンテに行かなければならないので失礼します」
1言だけ残し管理室を出た
〇 △ □ ×
誰も居ない廊下を踵を鳴らしながら歩く
良い感じに反響して気分が上がる。後を付いて来る無粋な人物が居なければだが
「居るのはわかっている。潔く出て来い」
「あら?やっぱりわかっちゃいます?」
開くたびに書いてある文字が変わる、びっくり扇子を持つ水色の髪の女生徒
この学園の生徒会長である更識 楯無が曲がり角から現れた
「人が気分良く歩いてるところを邪魔するとは。無粋だぞ」
「ふーん。あなたにそんな風流があるなんてね」
驚愕と書かれた扇子で口元を隠す
少しイラっと来た
私にだって人並みの感性は兼ね備えている
と、思う
「それで何の用だ」
「織斑 一夏くんの試合は見ました?」
「あぁさっきまでな」
「それで初代としてはどう思ってるのかなーって」
成る程。そう言うの事か
「別に事を荒立てるつもりは無い」
つまりは私が一夏を害するかどうかを訊きに来たと言う事か
不真面目そうなキャラをしときながら生徒会長としての責務はしっかりしている
政府からの要請もあるだろうが会長として生徒を守ろうとする姿勢は素晴らしいと思う
「そう……。今はその言葉を信じましょ」
意外な事にすぐに納得をした
予想ではもう少し粘ると思っていたが
でも長ったらしく話しを掘り下げられるよりかはマシだから良しとする
「アリーナのメンテをしなければいけないからもう行くぞ」
「ごめんなさいね。時間を取らせてしまって」
アリーナに向けて足を向ける。そこで1つ悪戯心が芽生えた
「ストーカー行為は良いが、妹に嫌われるぞ」
歩く速度を上げる
数秒後に大きなお世話よと震え声が聞こえた
読んでいただきありがとうございました。