魔法少女リリカルなのはザ・ウォーカー ~繰り返される物語~ 作:普通の魔法使い
学校も終わり、彩夏と共に帰宅していると、いきなり周りの人が消えた。
「結界か!?」
咄嗟の判断で、彩夏を背中に隠す。
「……そこの茂みに隠れてて」
確実に此方へ向かってくる気配を感じ、彩夏に隠れるように言う。
彩夏は一瞬戸惑ったが、計の表情を見てすぐに行動に移す。
そして暫らくたった後、この結界を張った本人であろう一人の男が現れた。
そしてその男はニヤリと笑いながら計に話し掛ける。
「実に久しい……体感年数で言えば一万二千年振りではないかな?」
「俺はお前と会った憶えはないよ」
と計は口で言うものの、記憶の中では目の前の男と似た雰囲気の男の名が思い浮かぶがそれは違うと感じた。
その男は優しく、そして強かった。
しかし、目の前の男は優しいなんて代物ではない。
狂気
ただそれだけが感じられる。
それと同時にとてつもない強さを持つ事もわかる。
正直勝てる見込みはない。
アースラにいる部隊がここに来るまで持ち堪えられるか。
そう考えてる計を余所に、男は語り掛ける。
「連れない事を言うな。我輩はこの日をどれだけ待ち望んだことか」
ニタリと笑いながらこっちを見る。
「精々楽しませてくれたまえ」
その瞬間背筋に冷水を浴びせられたような感覚がした。
本能に従いメビウスを起動。瞬時に構えた。
強い衝撃と共に腕が弾かれる。
「グッ……!?」
「ほぉ、あれを弾くか。つくづく楽しい奴よ」
痺れる腕に鞭を打ちメビウスを構えなおす。
計は相手が持っている武器に目を見張った。
「……おいおい、子供になんて物向けてんだよ」
その男は自身が持つ武器──H&k-Mk23ソーコム──をしまう。
「聞いた話では貴様は魔法を無力化するそうじゃないか。ならば対処は簡単」
男は懐からFN-P90を二丁取り出す。
「魔法を使わない戦いをすればよい」
言い終わると同時に発砲。弾幕が形成される。
「くっ……!?」
彩夏に流れ弾が当たらないように配慮しながら避ける。
FN-P90の装弾数は50発。両手撃ちの為リロードには時間が掛かるはず。ならば──
「──ならば弾切れを起こした瞬間に勝負を仕掛ければ良い。と思っているのであろう?」
「!?」
「確かに普通ならそうすれば良いであろう。だが今回は相手が悪かったな」
何か奥の手出もあるのか? そう疑問に思う計。
その疑問は次の瞬間解決される。
──最悪な事実と共に。
「この銃は特別製でな、我が輩の魔力で補っておる。燃費も良いからこのまま一日は確実に撃ち続けられるぞ」
「なら今すぐにでも結界を……」
「無駄無駄無駄無駄無駄、貴様の張る結界は正確には魔法陣を介した魔力を無効化するのであろう。しかし我が輩のこの銃は、
「……やってみないと分からないじゃないか」
そう言うと、計は結界を展開。
男を範囲内に捉える事ができた。
「これで……ッ!?」
「……言ったであろう……貴様の結界は意味をなさないと」
飛び出ようとし、頭のすぐ上を弾丸が通り過ぎる。
結界が意味をなさないことを悟と展開していた結界を消す。
そして今だに弾幕を吐き散らす男に向かい、計はシールドを前方に円錐状に展開。
近接戦に持ち込もうとする。
しかし、
「シールドを前方に円錐状に展開し弾を弾きつつ接近か……良い発想だが、それは悪手だ」
左手に銃を構えたまま右手を懐に突っ込み両刃剣を持つ。
それはまるで
今まで有るとは思わなかった両刃剣を見て一瞬動揺するが、すぐに立て直しメビウスを振るう。
計の魔力で肉体を強化し接近した際のスピードもうまいこと作用し驚異的な破壊力を伴った一撃は相手の剣を砕き男に傷を負わせる筈だった。
しかし、
「なっ!?」
男は剣を斜めにそらし計の攻撃を流す。
それと同時に回し蹴りを決める。
「ガハ……ッ!?」
一瞬の内に木を何本か圧し折りながら吹き飛ぶ計。
男はそんな計を詰まらなそうに見て、
「詰まらん。実に詰まらん。貴様の実力はこんなものだったのか……笑わせるな」
そうつぶき、剣を計に投げる。
剣は計の胸に刺さった。
「……やはり奴は怒りの感情が高くなければ詰まらんか……」
そう言い、男は先程計が彩夏を隠した茂みに向かう。
「貴様には何の恨みもないのだが、我が輩の楽しみの為に死んでくれ」
そう言い、懐からH&k-Mk23ソーコムを取り出し引き金を引こうとし──
「時空管理局だ! 武器を捨て大人しく投降しろ!」
止められた。
このまま居てもめんどくさい事は分かっているため、退散する事にする。
「ま、待て!」
武装隊の静止を聞かずテレポートで姿を暗ませる。
「少年が状態が!」
男に向かったのとは別の隊が計の下に駆けていたが、胸に深々と刺さった剣からとめどなく血が流れており、一刻を争う状態なのだが、
「こら君! 大人しくしてなさい!」
「離せェェェ!!」
計は武装隊相手に暴れていた。
彩夏はどうなったのか
今の計はただそれだけの為に動いていた。
胸に刺さった剣のことは忘れていた。
そしてしばらくすると、剣は初めから
そして傷口から血は流れていなかった。
武装隊の一人が、処置の為計の意識を刈り取る。
「少女を保護しました。体に異常は見られません」
「そうか……これより本部にもどる」
そう言い武装隊の人達と計達は本部へと戻っていった。
ここはどこだ……
──ここはお前の心の中だ。
お前は誰だ?
──私はお前だ。
俺は誰だ?
──お前はお前だ小室計。
ごくごく普通の生活を送る男だ。
喧嘩に明け暮れる男だ。
毎日毎日いじめと戦う弱い男だ。
ミリタリーが好きな少し変わった男だ。
ゲームの世界に囚われた男だ。
異世界に召喚された男だ。
男として初めてパワードスーツを起動した男だ。
正義の味方に憧れ心を壊した男だ。
大切な世界を守るために儚く散った男だ。
滅びゆく世界で黒幕と最後の戦闘をした男だ。
そして、ただ一人の女の為に泣いたり笑ったり果てには世界に敵対する男だ。
その全てがお前という存在を作っている。
故にどれがお前とは無い。
全てがお前で全てが他人。
そう言う存在だ。
俺はこれからどうしたら良い?
──自分が正しいと思ったことをやれば良い。そうすれば私が助けてやろう。だが今はまだその時ではない。時が来るまでしばしの別れだ。
ふと目を明けると、そこはいつも目にする天井ではなかった。
さっきまで何かを見ていた気がするが思い出せず諦める。
起き上がり辺りを見渡すと此処は個室であることがわかった。
誰も居ないことを確認し起き上がると同時にドアが開く。
そこにいたのは、
「彩夏……」
「計ちゃん……」
彩夏は走りよってきて、抱き付いてきた。
どうしたのか理由を聞こうとしたが、彩夏が声を上げずに泣いていたので、とりあえず頭を撫でておいた。
「艦長これを」
所変わって対闇の書本部兼クルー達の家であるとある億ションの一室でモニターを前に複数の人影がいった。
モニターには先の計と謎の男との戦いの様子が映されていた。
「只今この男の身元が割れました。その結果が……」
ピッと画面が切り替わる。
そこには先程の男が映っていた。
「ゼロと呼ばれており本名不明。能力は膨大な魔力と質量兵器をどこからともなく出現させるようです。犯罪ランクSSの凶悪犯で、罪は殺人、質量兵器の不法保持等です。主に暗殺等の殺しを得意とし、いかなる手段も辞さない為
ゼロについての説明が終わると次に計の使用した魔法についての説明が始まった。
「彼の使用する魔法は魔法陣を介した魔法を無効化するようです」
「と言う事はバリアジャケットは無効化されないって事よね?」
「えぇ、恐らくは」
それを聞き安堵する。
バリアジャケットすら無効化する魔法が存在するとなると、魔導士達はかなり危険な事になる。
しかし、その懸念が無くなったための安堵だ。
ただ、攻撃に関しては素手での殴り合いに発展する事は避けられないのだが、そんな事までは頭が回らなかったようである。
「兎も角闇の書と仮面の男、ゼロには厳重に注意を。特にゼロに遭遇時は任務を破棄してでも逃げ延びる事を各隊員に」
「「「「了解!」」」」
こうして物語は本来の道筋と少しずつ掛け離れながらも進んでゆく。
元々この世界に居ないはずの少年と、その少年を取り巻く環境はこの先の未来を変えることは出来るのか。
夜は明ける。
──決戦の日は近い
いやぁ、自分でも想定外の3466字。正直驚きました。
今回も三人称をいれて見たんだけど……なんて言うか、うん。こりゃダメだな。まだまだ改善の余地はありそうだね。
まぁ、進級がマジでやばいって時に小説書いてる俺って……今回の範囲は正直手遅れな気がするんだよねぇ……
と言うわけで今回はよく分からん戦闘から入り、なんか、伏線なのかどうか分からないような繋ぎと言い……
最後に出て来た計のバリアについてですが、本来なら魔力関係は問答無用で消すって言う設定だったんだが、書いてるうちに「あれ? もしかしてみんなスッポンポンでやりあってるって事にならないか?」と気が付き魔法陣を通した魔法は無効と言う形になりました。
それにしてもゼロが勝手に行動し過ぎて困る……
それではまた次回もよろしくお願いします。