魔法少女リリカルなのはザ・ウォーカー ~繰り返される物語~ 作:普通の魔法使い
次の日、学校帰りに彩夏が病院に行くと言い出した。
どこか具合悪いのかと聞いたところ図書館にいた八神はやてが倒れて入院したらしい。
それなら俺も行くといった。
昨日襲われたばかりなのに彩夏を一人にするのは危ないと考えたからだ。
彩夏は承諾しお見舞い用のお菓子等を買うため商店街へ向かった。
「うし、後は花だけだな」
「……うん。でも、こういう時どんな花を買ったら良いか分からない」
「俺も知らん。綺麗なので良いんじゃないか?」
そんな他愛も無い話をしながら花を買う。
そして病院に向かってる途中学校へ迎う方向になにやら大きな車を見かけた。
「あれが属に言うお金持ちの車なのか?」
「……分からない。けど家にも一台あった」
「日野さんマジパネェな」
そして、暫らくして病院に着いた。
受付で八神のお見舞いに来たと言ったら部屋の場所を教えてくれた。
「……久しぶり。身体大丈夫?」
「おー、久しぶりやな。別に平気やで」
「……なら良いけど」
彩夏とはやてが話している間に花瓶に水を入れ花を入れる。
「よっ、元気にしてるか?」
「元気も元気、今すぐにでも歩けそうな位元気やで」
「ほぅ、それは良かった。じゃあこの見舞いのお菓子は要らないな」
それを聞いたはやては急に苦しそうにし、お菓子くれなきゃ死んじゃうと言ってきたがさっきまでの元気な姿を見ていた計は笑いながらお菓子の箱を隠していた。
「……それははやてにあげるやつ」
彩夏が少しムスッとしながら言ってくる。これに計はあたふたしながら言い訳をはじめる。
「い、いや、その、これはだな……」
「……」
「あ……えーと……」
「……」
「……すみませんでした……」
「……見事に仕付けられとるな」
そんな事はないと反論しようにも今の彩夏が恐過ぎ反論出来ないでいた。
「……ちょっとトイレ行ってくる」
「道分かるか?」
こくんと彩夏は頷き部屋を出ていく。
暫らくはやてと話をしていたが、なかなか彩夏が帰ってこなかった。
「彩夏ちゃん遅いなぁ」
「……道に迷ったか?」
この時計は胸に何かかつっかえる感覚を覚えた。
──この感覚は一体……?
「すまんが彩夏を探してくる」
「うん。 気ぃ付けてな」
はやてに断った後計は部屋から出る。
その直後にシグナム達ヴォルゲンリッターとなのは達がはやての病室で遭遇した。
ヴィータはなのは達を睨み、シグナムは警戒していたがはやての一言により、警戒を解くことにした。
「一体どこに行ったんだよ……」
彩夏を探すため、病院内を探しまわっていたがまったく見つけられずにいた。
──一人で勝手に帰るということはまずないだろう。それにさっき看護師き彩夏を見たかと尋ねたが、見てはいない。と言う事は迷ったわけではない。じゃあどこ行ったというんだ……
その時、計の頭にふととある考えが生まれた。
──ッ!? まさか!?
計は自分の考えを否定したかった。もしそうだとしたら彩夏は……
──いや、まだ確定したわけではない。
沸き上がる不安を何とか押し留め、屋上に続く階段を跳ぶように上る。
屋上へのドアの鍵は閉まっていなかった。
それを確認した瞬間計は思いっきりドアに身体を叩きつけるように開ける。
そこには
「来るのが遅かったではないか」
ゼロがボロボロになった彩夏を抱え、顔に狂気の笑みを浮かべながら立っていた。
「彩夏を返せ!!」
その光景を見た瞬間、計はメビウスを展開。漆黒のバリアジャケットと、漆黒の二振りの小太刀を装備し、ゼロに向かって駆ける。
この時、無意識の内に身体を魔力で強化し、縮地を使用していた。
本来なら無理な負荷に筋肉が耐え切れず身体がボロボロになる。
しかし、今は魔力で強化されているため、その副作用は無いに等しい。
その圧倒的なスピードでゼロに向かい突撃するも、いとも容易く躱される。
「今の突撃中々に見事。 だが些か素直すぎるなぁ。 軌道さえ読めてしまえば見えずとも避けることは可能だ」
「っるせぇ!!」
「うむ、斬撃も鋭くなってきたな。 是でこそ我が輩が認めた好敵手。 さぁ、存分に
ゼロは彩夏を抱えているため片手での勝負となっているが、それでも中々攻撃は当たらない。当てられない。
血が上っているのかさっきから突撃し切り掛かるという単調な動きしかしていない。
その単調な攻撃にゼロは次第に苛立ってくる。
「……貴様、そんな攻撃で我が輩に向かってくるなど……ッ!」
片手をふさいでいた彩夏を計の反対側に放り投げる。
その小さな身体は床に数回バウンドしてから止まった。
「彩夏!」
反応はない。
まるで死んでいるかのように。
「そこをどけぇぇぇ!!」
「ならば我が輩を倒してみろ!」
足に力を込めゼロの下へ駆ける。
計の攻撃は躱され、ゼロの持つ剣が計の左腕を切り落とし、腹に蹴を加え吹き飛ばす。
「グッ……オォォォッ!!」
最早言葉を発する事すら忘れたかのように咆哮する。
そして再びゼロに向かって突撃しようとしたとき、計の胸から手が生えてきた。
その手先には黒いビー玉──リンカーコアがあった。
直後に感じる激痛に一瞬意識が飛ぶも、その手を右手に持った小太刀で切断する。
後ろで悲鳴が聞こえるが、計はそれを無視し彩夏の下へ行こうとする。
無理やりリンカーコアをいじられた挙げ句無理矢理停止させたため、魔法が使用不可能にり、肉体的ダメージも蓄積され、まともに動けるような身体ではなかった。
しかし、計は地べたを這いずりながらも彩夏の下へ行こうとしていた。
背後からの衝撃。為す術もなく吹き飛ばされる。
運良く、彩夏の近くまで来た計は彩夏を呼ぶ。
すると、彩夏は目を明けた。
「……計ちゃ、ん……ご、めん、ね……」
そう言い残すと、彩夏は再び目を閉じた。
「おい……目を明けろよ……何時もみたいに笑ってくれよ……」
反応はない。心なしか体温が少しずつ低くなっていく。
それは今まで計が経験してきた世界でもあったこと。
──彩夏が死ぬ
人間である以上、決して避けられない人生の終着点。
どれ程凄い奴でも必ず訪れる。
中には三兆年程生きていた奴も存在したが、最後は死んだ。
人の最後。それは昔から、今、そして未来でも永遠に変わることはない。
今までは後悔もしてきた。
力が無く、ただ見ていることしか出来ない自分が嫌になっていた。
だけど今は違う。
力はあった。ただ遅かっただけ。
この未来を覆す力はあった。
その事に計は絶望した。
そしてもっと力が欲しいと願った。
──そうか、ならば使うといい。だが忘れるな。この力は他人を守ることも出来るが、同時に傷つけることも出来る。力の使い道を誤らないよう、気を付けろ。これが私がお前に贈る最初で最後のプレゼントだ。
「何故邪魔をした?」
「闇の書の完成に必要だった。 隣で闇の書の管理人格が出現している。 今すぐ撤退することを勧める」
「だから何故邪魔したのかと聞いているのだッ!!」
ゼロは遊び相手を潰された事に激怒していた。
ゼロの怒気に仮面の男は後退る。
その時、
「ッ!? バインド!?」
「ストラグルバインド。 射程、発動速度、拘束力が低い分魔法による一時強化を無効とする。 あんまり使い道が無い魔法だけどね。 まさかこんなところで役に立つとは……」
「こんな魔法、教えてない」
「一人でも精進しろと教えたのは君達だろう」
クロノが放ったバインドにより仮面の男が拘束され、変身魔法が解けた後は、二人の女がいた。
「……貴様も我が輩の邪魔をするのかッ!?」
ゼロから放たれる威圧感に負けそうになりながらもクロノはゼロにバインドを施す。
「殺人、質量兵器の不法所持の罪によりゼロ、お前を逮捕する」
「貴様が我が輩を逮捕だと?」
いきなり笑いだしたゼロにクロノはデバイスを向ける。
「な、何がおかしい!?」
「クックックッ……おかしいにも程があるではないか」
そしてゼロはバインドをいとも容易く破り捨てる。
「なっ!?」
「こんな紙ぺらで我が輩を逮捕だと? よろしい、ならば相手になってやろうではないか」
そしてゼロがクロノへ迫ろうとした時、この世の物とは思えない咆哮が聞こえる。
クロノやゼロ、隣で戦闘をしていたなのは達、とおく離れた場所に居たアリサやすずか、そしてその戦闘を見守っていたアースラの乗組員達は聞いてしまった。
そして見てしまった。
──魔力で出来た六対の翼を携えるその姿を
──切り落とされたはずの左腕があるその姿を
──大切なものを守れなかった後悔の後ろ姿を
──破壊神の姿を
どうにか再試には残れました。まぁ、受からなきゃ留年なんですけどね。
と言うわけで、今回も戦闘シーンです。
闇の書の覚醒早めました。原作では計達がいなかったためあの日になったのであり、今回は原作には無かった大量の魔力を回収しているからと言う理由からです。
次回主人公の能力が明らかになります。とは言え、既に作中それらしきことが起こっているのでわかる人にはわかると思いますが。
ではまた次回。