魔法少女リリカルなのはザ・ウォーカー ~繰り返される物語~   作:普通の魔法使い

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自身最長の7764字……多分これ以降はいつも通り字数になります。



episode12

「あれは何なんだ……」

 

アースラの中で誰かがつぶやく。

 

「俺たちは一体何を見ているんだ……」

 

しかし、その問いに答えるものは居なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「■■■■■■■■■■!!」

 

「ほう、それが貴様の能力か?」

 

ゼロはそう言いながらも頭中ではその能力について考えていた。

 

(見た目からするとただ魔力が暴走しているようにしかみえん。 しかし、それでは切り落としたはずの左腕が元に戻っているのはおかしい……奴の能力は何なんだ?)

 

そこまで考えて、ゼロは笑う。

何故自分は考えているのか。闘えれば良いではないかと。

 

右手にFN-P90を、左手に剣を持ち構える。

そして撃つ。

その弾丸は魔法を無効化するバリアを突き抜け計の体を貫通する──

 

 

──筈だった。

 

「ッ!?」

 

ゼロは驚愕する。

弾丸がバリアに触れた瞬間、元から何もなかったかのように消えた(・・・・・・・・・・・・・・・・・)のだ。

そして、計が何気なく右手を振るう。

ゼロは直感で右に避けた。刹那物凄い勢いの衝撃波がゼロを襲う。

地面を転がることで衝撃を和らげなんとか耐える。

そして立ち上がろうと左手を地面に着けた。 が、立つどころか左側に転んでしまった。

何があったかと自身の左側を見ると、そこにあったはずの左腕が無くなっていた。 綺麗さっぱり、元から無かったかのように。

 

「貴様……ッ!」

 

なんとか立ち上がり、直ぐ様撤退する。

現段階で、計に勝つ事は不可能と察しての事だった。

だが神はゼロを見捨てた。

他の場所で戦闘をしていた闇の書の管理人格の砲撃魔法が、ビルの屋上を伝い逃げるゼロを巻き込む。

ビルは倒壊し、ゼロは瓦礫の中に埋もれた。

 

(何とかしてここから抜け出さなければ……)

 

ゼロは転移魔法を発動しようと魔方陣を展開するが、すぐに消失する。

刹那、ゼロの脇腹に強い衝撃が来る。

肋骨が何本か折れ、内臓がぐちゃぐちゃに掻き回される。

何とか立ち上がり辺りを見渡す。

周りの地面から炎が吹き出し、ゼロを炙ろうと襲い掛かる。

シールドを張り、それを防ぐ。

そしてゼロは炎の柱を背景に、こちらに向かってくる計の姿を見る。

その姿はまるで地獄からの使者の様にも見える。

ゼロは右手にRPG7を持ち計に向け撃つ。

無論直撃させてしまうと無効化されてしまうため、足元に当て飛び散った石や爆風でダメージを与えようと考えた。

頭ではこの攻撃は効かないと分かってはいるものの、微かな可能性に賭けての事だ。

それに爆風による煙幕を使い少しでも距離がとれればと考えていた。

しかし、

 

「■■■■■■■!!」

 

一度の咆哮で煙幕は消える。

そこに居たのは、無傷の(怪物)だった。

(怪物)は右手を上げ魔力を収束させる。

自分自身の魔力、空気中にある魔力、そしてゼロの魔力を右手にある魔方陣に収束させる。

ある一点をすぎると収束した魔力がガラスを爪で擦るような耳障りな音を出しはじめる。

 

 

超圧縮魔法

 

 

通常魔力を収束する時適性にもよるが、自身の総魔力量の1.5倍が限界である。

理由としては、それ以上収束してしまうとその収束した魔法に自らの魔力が完全に飲み込まれてしまう可能性があるからだ。

普段魔力切れで戦闘続行が不可能になるのは、無意識のうちにリンカーコアに(リミッター)をかけているからだ。魔力が切れても魔法を使う事が出来るときがあるが、それは(リミッター)が外されている事によるものだ。正に火事場の馬鹿力と言うわけである。

しかし、その(リミッター)を外した状態で魔力が切れてしまった時、リンカーコアは崩壊。魔法は二度と使う事は出来ないだろう。

これは収束魔法でも同じ事が言える。

適性がある者は過去最大15倍程の魔力を収束することが出来た。

そして、現在計の魔力収束率は100倍を越えている。

また、計の魔力量は現在のなのはと同等……いやそれ以上だ。

そんな馬鹿みたいな魔力が収束、圧縮されるとあまりの密度故その魔力は空間すら巻き込む。

そこから放たれる一撃は壮絶なものになる。

そして今現在、計は非殺傷設定を消している。

もし放たれればゼロどころか結界すら破壊し、一般人すら巻き込むことになる。

 

(クッ!? 此処までというのか……)

 

ゼロが諦めかけた瞬間、計の背中に彩夏が抱きつく。

 

「もうやめて!」

 

泣きながら計に訴えかけるが、全く反応を返さない。

 

「こんなの計ちゃんじゃないよ……」

 

計の前に行き抱き付く。

この時一瞬だけ計は反応するが、またゼロへの攻撃に移ろうとする。

その反応を見た彩夏は計の顔を自分の胸に抱き寄せる。

 

「お願い……戻ってきて……」

 

「……あや、か……?」

 

計の瞳に光が戻ってくる。

雰囲気も怪物のようだったものが、今では何時もの優しい感じになっていた。

 

「無事……だったんだな」

 

「うん……」

 

その時、計の頭上にある超圧縮魔法を構成する魔法陣から膨大な魔力が溢れだした。

本来繊細な魔力の操作を必要とする収束魔法をそこから意識を離す事をしてしまい、今まで集めていた魔力が暴走しはじめる。

あまりに濃密な魔力が彩夏たちを襲う。

 

「大丈夫だ。心配しなくてもいい」

 

計は左手で彩夏の頭を抱えながら右手に魔方陣を形成する。

その魔法陣は計の魔力色の黒に白い稲妻が走っているようにも見える。

魔力が収束する。

野球ボール程の大きさになったところで計はその言葉を放つ。

 

「シュート」

 

次の瞬間、手元にあった魔力弾が白い稲妻を伴って先程まで収束していた魔方陣に向かう。

魔力弾が魔力弾に当たった瞬間、魔方陣は元からそこに無かったかのように消える。

 

「後はお前だけだ」

 

そう言い目の前に視線を向けるが、そこには誰も居なかった。

 

「……逃げられたか」

 

その時人の気配が現れる。

 

「小室計、それに蝶野彩夏君たちに頼みたいことがある」

 

声の主はクロノだった。

その横にはモニター越しにリンディがいた。

 

『只今闇の書の防衛プログラムが暴走。海上でなのはさんたちが戦闘を開始。現在完全に押されています。どうか私たちに力を貸してください』

 

「……俺たちは協力関係でしたよね?」

 

リンディはその問いに頷く。

 

「味方が協力を要請するなら断る道理はない」

 

その答えにリンディを初めクロノやアースラのクルー、そして通信を開いていたなのは達は喜ぶ。

 

「敵の座標を教えて下さい。今から向かいます」

 

そう言うと計は彩夏の頭を撫でながらリンディに彩夏を頼むと言うと決戦の地へ漆黒の一対の翼を携え飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡る。

計がゼロと戦闘をしていた頃、なのは達は病院の屋上にて闇の書の管理人格と戦闘をしていた。

何とか何とか互角に渡り合えていたものの、なのは達の魔力は底を突きはじめていた。

それに対し闇の書の管理人格は今まで貯めていた魔力がまだあり、このまま持久戦に持ち込まれれば勝てる見込みが無いことは目に見えていた。

そんな時、何を焦ったのかフェイトは闇の書の管理人格に向かい特攻を仕掛ける。

完全に不意を突いた形だったが闇の書の管理人格は全方位に魔力の障壁を張っていた。

これは計の魔法を無力化する魔法のようであったが、魔力を消すことが出来ない闇の書の管理人格はその膨大な魔力でありとあらゆる攻撃を防ぐ鉄壁の守りとなっていた。

その障壁に阻まれ動きを止めたフェイトを闇の書の管理人格は吸収。更に力を付ける。

なのはは何とか親友であるフェイトを助けようとするが、近付けば自分まで吸収されてしまうのではないかという不安から攻めあぐねていた。

その時、なのはの元に通信が入る。

 

『只今、対闇の書の管理人格用の攻撃プログラムを作成できました今からレイジングハートにインストールしますのでもう少し待ってください』

 

その言葉を聞いた瞬間、闇の書の管理人格から砲撃が放たれる。 それを紙一重で避けインストールが完了するのを待つ。

数秒後、インストールが完了し、オペレーターから説明を受ける。

 

・闇の書の管理人格が張っている障壁を無効化する術式

・レイジングハートに掛かっていたリミッターを外す

 

この二つがインストールされたものだった。

一つ目の術式は対闇の書の管理人格専用のためこの戦闘のみ効果を発揮するもの。

二つ目はデバイス全般に備え付けられているリミッターを外す物だが、これを外す事により通常より攻撃力や魔力の収束率を向上させることが出来るが、その分デバイスと使用者への負担が大きい。

本来なら外す事は避けたい物なのだが今回はそんな悠長なことを言っていられない。

 

『本当に良いのね?』

 

リンディからも本当に良いのかと聞いてくる。なのはの将来がかかっている。当たり前の事だ。

 

「大丈夫です。私がみんなを助けるから!」

 

なのははその瞳に強い意志を光らせる。

それを見たリンディはなのはにフェイトの救出と、闇の書の管理人格に囚われている八神はやての救出を命令。

最優先事項はなのはの生存と言うものだった。

 

「高町なのは行きます!」

 

新しい力を得たなのはとレイジングハートは闇の書の管理人格に向かって攻撃を開始する。

今までなのは達の魔法をことごとく無効化してきた障壁は新しい術式の前では薄い紙のように呆気なく破られる。

闇の書の管理人格は初めて攻撃を食らう。

爆発。辺りに煙幕が立ち上る。

しばらくなのはは警戒していたが、煙幕が晴れた瞬間その顔は驚愕に満ちたものとなった。

 

「ウソ……無傷なんて……」

 

煙幕がはれ出てきた闇の書の管理人格は完全に無傷とはいかないものの、目立った傷はなかった。

 

『あの管理人格はある程度の魔法なら無効かしちゃうみたい。それを抜くには威力の高い魔法を撃てば大丈夫だよ!』

 

モニターからエイミィの声が聞こえる。

突破口はある。ならば自分はそこに全力全開で突っ込むだけ。

そしてなのはは自分の持っている魔法の中で最も強力な、彼女の切り札であるあの魔法を使う。

 

「レイジングハート、無理させちゃうけどごめんね」

 

『構いません。私はあなたといつまでも一緒に居ます』

 

「ありがとう……じゃあ行くよ!!」

 

そして足元に巨大な魔法陣を形成する。

そして言葉を紡ぐ。過去に親友との戦いの中で放ったあの呪文の言葉を。

掲げたレイジングハートの元に幾つもの魔法陣が形成され、そこに膨大な魔力が収束される。

その呪文を危険と捉えたのか、闇の書の管理人格はなのはに向かい飛ぼうとするがバインドにより動きを止められてしまう。

膨大な魔力の収束により辺りにガラスを爪で引っ掻く様な耳障りな音が鳴り響く。

その音を聞いた闇の書の管理人格は驚愕する。

 

(超圧縮魔法だと!? まさかこの短期間の間で習得したというのか!?)

 

「これが私の全力全開ッ!!」

 

レイジングハートを闇の書の管理人格に向ける。

何とか片腕だけバインドを解いた闇の書の管理人格は目の前に強力な障壁を張る。

 

「スターライトォォォッ!! ブレイカーァァーーーーーーッ!!」

 

放たれた魔法は正しく星のように輝き全てを飲み込む。

辺りから音が消える。

暫しの静寂。

光が納まりその場所にいたのは──

 

「フェイトちゃん!」

 

「なのは!」

 

二人の少女は抱き合う。

そして、その傍らにははやてや守護騎士の四人がいた。

 

「はやてー!」

 

「主……」

 

「はやてちゃん……」

 

「ヴィータ! シグナム! シャマル! ザフィーラ! みんなお帰り」

 

みんな再会で賑わっていると、リンディから通信が入る。

 

『今すぐそこから離脱しなさい!』

 

瞬間とてつもない魔力が海の方からしてきた。

みんながそっちへ視線を向けると、そこには形容し難きものがいた。

 

「あ、あれは……」

 

『恐らく闇の書の防衛プログラムでしょう。……いけますか?』

「いきます!」

 

「私も」

 

「元はと言えばうちが原因なんや。後始末ぐらいやらなあかんな」

 

それぞれ自分の武器を構え、防衛プログラムに向かう。

そして勇敢にも立ち向かって行く。

しかし、余りにも力の差がありすぎた。

なのはは先の戦いで魔力をほとんど使い果たしてしまった。

フェイトは脱出のさい、自身の切り札を使用し魔力を消耗している。

はやてはまだ魔法を扱え切れていない。

それに対し、防衛プログラムは膨大な魔力と豊富な魔法がある。 まだ強力な再生機能を持ち、障壁もある。

まさに難攻不落の城といえるだろう。

そしてみんなほぼ一瞬の内に倒されてしまった。

そんな時、リンディから一本の連絡が入る。

 

──小室君が助けに来てくれる。

 

その言葉を聞いた瞬間、なのはの身体に力が湧くのを感じた。

なぜか分からない。だけど今は関係ない。もう一度立ち上がり、もう一度戦える。そして、心強い味方が助けに来てくれる。

レイジングハートを杖代わりになんとか立ち上がる。

その時、防衛プログラムが轟音を立てながら吹き飛ぶ。

そこにいたのは

 

「計君!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロノに彩夏を頼んだ後、リンディから貰った座標に向かい計は全速力で飛んでいた。

音を置き去りにし、周りにソニックウェーブが発生する。

 

「後少しだけ耐えてくれ……ッ!」

 

漆黒の翼に更に魔力を注ぎ込む。

速度が上がる。

周りのビルはもう既に先の戦いの所為でボロボロになり、その戦闘の凄まじさを物語っていた。

 

「……ッ! 見えた!」

 

刹那、その圧倒的な速度で防衛プログラムに突っ込む。

轟音と共に吹き飛ぶ防衛プログラム。

そしてみんなが倒れているところへ行く。

 

「お前等大丈夫か?」

 

「痛たた……うん、何とか……」

 

「我々も大丈夫です」

 

「私もまだ行ける」

 

みんなから返事を聞き、誰一人死にかけている者が居ないことに安堵する計。

 

「お前等はよく頑張った。此処からは俺がやる」

 

「待て! 流石にお前でも一人では無理だ!」

 

計の言葉にシグナムは反発する。

過去に戦ったことがあるからこそ分かる計の実力。

その実力を疑っているのではないが、それでも足りない。

防衛プログラムはそんな相手だ。

だからこその言葉。

しかし、計はシグナムの言葉を聞き言葉を放つ。

 

「大丈夫だ。今の俺なら」

 

「お前はッ! 危ない!」

 

防衛プログラムによる計への奇襲。

誰もがこの後起こることを想像し、顔を背ける。

しかし、

 

「だから大丈夫って言ったろ?」

 

計の背後には触手を失った防衛プログラムの姿があった。

 

「い、一体何が……」

 

「これが俺の新たな力……と言ってもよくよき考えてみたらこの兆候は有ったんだけどね」

 

計の新しい力。

 

《消滅》

 

これは計としての個が持つ数有る能力のうちの一つ。

本来ならこの能力はとある世界にて使用していたモノだ。

これと同じ能力はこの世界には存在するはずが無い。

しかしこの能力は《世界を歩む者(ザ・ウォーカー)》として魂に刻んだ能力。故に計はこの世界でも使用することが出来る。

だが魂に刻んで有る能力と言っても、自由自在に扱えるわけではない。

現に未だこの能力以外使用できていないのだ。

また、今回のように感情の変化により覚醒する場合もある。

恐らく今回の計の使える能力はこの消滅だけになるだろう。

だが逆に言えば消滅と言う能力が使えるだけ幸運であると捉えるべきだろう。

 

「そ、その能力は!?」

 

その時ユーノが驚きの声を上げる。

その顔は恐怖に満ちていた。

 

「昔発掘に携わっていた時にある遺跡の壁画に書かれていたものなんだけど……」

 

「今その話をしている暇は無い」

 

ぴしゃりとユーノの言葉を遮る計。

瞬間あたり一面に触手が出現する。

 

「いくら消滅が使えるとしても流石にこの数は捌けん。後ろを頼む」

 

「任せて!」

 

なのはが応えた瞬間、周りに無数のピンク色の魔力弾が出現する。

その一つ一つが膨大な魔力を誇っている。

 

「なっ!? この魔力は一体……?」

 

「レイジングハート行くよ!」

 

『分かりました。マイマスター』

 

「シュート!!」

 

それはまるで数の暴力であった。

迫り来る触手は一瞬で消し飛んでは再生。消し飛んでは再生を繰り返すが、次第に再生速度が下がっていく。

そして数秒後計の後方の触手は跡形もなく消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、貴様の相手は俺だ」

 

魔法陣を展開。そこに魔力を注ぐ。

 

「光り輝く星達よ」

 

防衛プログラムが触手を使い攻撃してくるが全て消滅させられる。

 

「我元へ集いし時」

 

今度は砲撃を放ってくる。

しかし計には届かない。

 

「滅びの歌を歌い賜え」

 

そして魔法が完成される。

超圧縮魔法とまでは行かないものの、かなり魔力が収束されているそれは黒と白の幻想的な光を醸し出している。

 

「穿て、Ωブレイカー」

 

そこから放たれる破滅の光は、防衛プログラムへ向かう。

何重にも重ねられる障壁。

しかしその障壁はまったく意味をなさなかった。

 

「GIYAAAAAAAAッ!!!!」

 

砲撃は防衛プログラムの左半分を消滅させる。

しかし、まだ中枢が残っているのかこちらに攻撃を仕掛けてくる。

Ωブレイカーを放った計は反動でしばらく動けない。

だが計の顔に恐怖の文字は無かった。

 

「シュート!」

 

「GUOOOOO!!!?」

 

後方から無数の魔力弾が防衛プログラムに向かい放たれる。

魔力を自身の再生に割り当てていた事が不幸にもこの魔力弾を無効化出来ず、全て食らってしまう。

そして追撃。

一条のピンク色の砲撃が残っていた右側を破壊していく。

しかし、防衛プログラムもただでやられはしなかった。

再生に割り当てていた魔力を障壁に当て、その攻撃を防ぐ。

結果なのはからの支援攻撃はある程度緩和される事になった。

 

「ナイスだなのは」

 

「えへへ、計君のお陰だよ」

 

「それは骨頂」

 

この時、計はなのはが自分を呼ぶ時の呼び方が変わっていることに少し疑問を感じた。

しかし、すぐにその事を忘れ目の前の事に集中する。

Ωブレイカーを放った時の反動はもう無くなった。

魔法は使えなかったが動く事はある程度可能であった。また、再度使用可能になるまでのインターバルは約20秒。飛行は魔法ではなく翼を使っている為、落ちる事はないだろうが不安だ。

防衛プログラムも再生ではなく新たに作りだす事で左側が出来始めている。

 

「もう一発やる。その後の援護を頼む」

 

「うん! わかった!」

 

「それじゃ……」

 

そう言うと目の所にバイザーが現れる。

 

解放(オープン)標的(ターゲット)……捕捉(ロックオン)射角(セット)……調整完了(コンプリート)

 

翼を広げ体勢を整える。

計の目の前に仮想砲台が出現。同時に魔力を収束して行く。

 

「魔力供給率80……90……100……110……120」

 

防衛プログラムは無防備になっている計を襲おうとするが、なのはによって防がれる。

 

「接続完了」

 

「あっ!?」

 

撃ち盛らした攻撃が計を襲おうとする。

 

「紫電一閃!」

 

「サンダーレイジ!」

 

絶体絶命と思われたその時、炎を帯びた斬撃と、雷の魔力弾が計を守る。

 

「フェイトちゃん! シグナムさん!」

 

「小室だけに任せてはおけん」

 

「私も戦う」

 

非常に心強い味方が来たことによりなのはの顔に嬉しさが滲み出る。

 

「最終安全装置解除……カウント3……」

 

空気を掻き毟るような音が鳴り響く。

計を襲う攻撃はさらに激しくなる。

だが、今では三人……いや、この戦闘に参加している全員がその攻撃を防ぐ。

 

「2……」

 

後少し。

ザフィーラとアルフの二人はなのは達の周りにバリアをはる準備を、ユーノとシャマルはその補助を始める。

 

「1……」

 

防衛プログラムの攻撃が一瞬止む。

その間に、なのは達は展開したバリアに自身の全ての魔力を注ぎ込む。

 

発射(Fire)

 

閃光。音は聞こえない。

その中なのは達が見たのは、反動により、地面を抉りながら後退していく計と、ボロボロと崩れ消滅していく防衛プログラムの最後の姿だった。




前書きでも書きましたが自身最長記録更新です。
まさかここまで行くとは思っておらず自分が一番驚いてます。

と言うわけで今回は色々視点移動がありましたが大丈夫ですよね……?
頑張ってこの回は三人称もどきで書いて見たんですけど……指摘があれば言ってください。
なのはは本来はあそこまで魔改造するつもりはなかった。しかも超圧縮魔法ってなんだよ。
もともとなかったはずなのに……どうしてこうなった……

次回はA'S編後日談になります。
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