魔法少女リリカルなのはザ・ウォーカー ~繰り返される物語~ 作:普通の魔法使い
なのは達との顔合わせの後、彩夏を迎えに図書館に行った。
「……にしても広いな此処」
この図書館は世界中の本が置いてあり、中には怪しい本も何冊かある。
この図書館に無い本は無いといっても過言ではないだろう。
数分捜すと、彩夏を見つけた。
知らない女の子と一緒に話している。
声をかけに行ったほうが良いのか一瞬悩んだが、行くことにした。
「彩夏」
「……待ってた」
「悪い悪い……で、そこの子は?」
気になって名前を聞いてみることにする。
「あ、私八神はやてと言います。よろしくお願いします」
すると少しなまった返事が返ってきた。
反対側からではよく見えなかったが、八神はやては車椅子にのっていた。
どうやら足が悪いようだ。
「八神はやてか。俺は小室計だ。呼び方は何でも良い」
「ほな、計君で。うちのことははやてって言うてな」
「あぁ、わかった。それと彩夏、少しここで見たいやつがあるからもう少し待っててくれ」
「……わかった」
「……にしてもあると思ったんだけど……広過ぎだろ此処」
彩夏と別れた後、計は図書館の奥の方に来ていた。
無論ただふらついていただけではない。
《世界を歩む者《ザ・ウォーカー》》の事について何か手がかりが無いか調べるためだ。
メビウスに少し教わったが分からない事がありすぎる。此処なら何かしら手がかりが見つかるはずだ……と言ってもより詳しくなんて分からないだろうが。
まぁ、自分の目で確かめたいと言うのもあるが。
暫く《世界を歩む者《ザ・ウォーカー》》に関係しそうな本を探していると、中が真っ白な本を見つけた。
気になってページをめくってみる。
半分ぐらいまでめくった辺りで一瞬意識がとんだ。
何とか倒れなかったが、下手すると頭をぶつけていたかもしれない。
危なかったと思いながら頭を掻くと、何故かさっきより髪が伸びている気がした。
気になってメビウスに聞いてみると、時間はさっきから2時間しかたっていなかったが、あの一瞬だけ俺の
さらにさっきまで真っ白だった本に字がかかれていた。
それを見ると、全く見たことの無い字で文字がかかれていた。だが何となく内用が分かる気がする。
ある程度見て本を閉じる。
やはり知りたい事は無かったようだ。
もうすぐ閉館時間だし、帰るか。
あれから彩夏と一緒にいつもの公園により鍛練を始める。
それにしても図書館を出てからずっと視線を感じるが、その場所を見ても誰もいない。まさか幽霊とかだろうか。
「……どうしたの?」
「ん? 何でもないよ?」
「……そう」
沈黙。
聞こえるのは少し離れたところで話しているサラリーマンのや、車の音、そして俺が振る木刀の音だけだ。
暫らくして、今日の分が終わり、着替えを済ませる。
「よし……じゃあそろそろ帰るか」
彩夏と手をつなぎ、焼き芋を食べながら帰る。
何時もと変わらない日常。変わったのは俺だけだと改めて気付かされた。
計が鍛練をしている時、少し離れた所にある茂みから覗く視線があった。その視線の主はネコだ。
姿はそこら辺にいるただのネコだが、他と違うところは喋っている事だ。
「あの子が魔法無しでクロノを追い詰めたって子だね」
「あぁ、でもそれ以外は普通の子供と変わらないね」
「一応監視対象になっているからサーチャーを飛ばして様子を見よう」
丸い球体──サーチャー──を出すとネコは消えた。
所変わって、此処はとあるビルの屋上。そこに先日計と戦ったシグナムとシャマルが居た。
「何? まだこの町に魔力反応があるのか?」
「えぇ、そうらしいのだけどちょっと妙なの……」
「妙? どこが妙なのだ?」
「一度蒐集した反応があるのよ」
「何!? それは本当か?」
本来一度蒐集した者からはもう蒐集出来なくなるのだ。
それが再蒐集可能になっている。
本来ならその事に疑問を持ってもよいのだが、今の彼女達には時間が無かった。
「……止むを得ないがもう一度蒐集するぞ」
「えぇ、今からザフィーラとヴィータちゃんを呼ぶわ」
「いや、今はダメだ。すぐ近くにあの少女がいる。あの少年が一人になった時に攻めよう」
「わかったわ」
再び戦う日は近い。
次の日の昼頃、計は一人で公園にいた。彩夏は今日も図書館だ。
今まで計や、ごく少数の心を許した人としか話さないのだが、はやてには一日で心を許したらしい。
その事に計は嬉しくもあり同時に悲しかった。
彩夏がどんどん人に慣れていくのは良い事だ。だけども彩夏が自分から遠くに行ってしまうんじゃないかと思うと何とも言えなくなる。
ふと気が付くと辺りに人が居なくなっていた。
辺りが灰色になっていくのを見てこの前の奴が来た。そう思った。
『メビウス、準備は良いか?』
『いつでも大丈夫です』
メビウスに確認をとる。ちょうどその時、背後から声をかけられる。
「やはりお前か」
「やっぱりあんたか」
声をかけてきた人物──シグナム──を見る。
「何故再び魔力を蒐集出来るようになったのかは知らないが、その魔力再び貰い受ける!」
魔力を足に込め、一気に加速する。計との距離は瞬く間に無くなる。
──貰った!
そう確信するシグナム。その時、
「メビウス」
《了解》
後少しと言うところで謎の衝撃がシグナムを襲う。数回地面にバウンドし、木に激突する。
背中を強く打ち、肺の中の空気が絞りだされたのか苦しそうな表情で起き上がる。
その時、シグナムの前にいたのは、黒いブーツに黒いズボン。そして黒いロングコートを着た計が立っていた。
その足元には見た事の無い漆黒の魔法陣が浮かんでいた。
「くっ……やはり魔導士だったか……」
「魔導士? そんなものは知らん」
口調が少し変わっているが、それは紛れもなく計だ。
「メビウス武器を」
《了解》
その掛け声と共に、計の右手に黒い光が集まりだし一つの武器となる。
「仕返しはさせて貰うぞ!」
そう言うと同時に地面が捲れる程の力で踏み込む。そして、一瞬でシグナムに肉薄し、完全に具現化した武器──漆黒の両刃剣──を振るう。シグナムは何とか受け止めるものの、圧倒的な速度と全体重を込めた攻撃に弾き跳ばされる。
数メートル程飛ばされるが、援軍に来た一人の男──ザフィーラ──により受け止められる。
「大丈夫か!?」
「あぁ、何とかな……」
「チッ……援軍か……厄介だ「うりゃぁぁぁ!」な!」
死角からの攻撃を体を逸らす事でよける。隙だらけの腹に魔力で強化した蹴を入れて吹き飛ばす。
「ガッ!?」
「奇襲をかけるなら声を出したら意味がないだろう」
「ヴィータ!」
追撃を加えようとするが、緑色のリング──バインド──により動きを止められる。
「シグナム! 今のうちに!」
「わかった。レヴァンティン!」
《Ja.》
カートリッジが排出される。そして剣に炎がでる。
それは計が初めて戦ったときと同じ技だった。
あの時は惚けてただ食らうだけだったが、今は違う。
シグナムと同等かそれ以上の力を手に入れた。
「メビウス」
《了解》
直後、計のまわりに半球状の光る膜ができる。
「紫電一閃!」
光る膜はバリアー系と推測したシグナムはバリアー破壊能力がある紫電一閃を使用し、計にダメージを与えようとする。
しかし、この時、シグナムは計を捕らえていたバインドが消えていた事に気が付かなかった。
そして激突。光る膜自体にバリアー能力が無かったらしく、そのまま通り抜けるが、炎が消えた。
そして、攻撃は計の剣によって止められる。
「!? これは一体……」
「……この膜はありとあらゆる魔法を打ち消すことができるやつだ」
無論弱点はある。それは膜の中にもその効力が及ぶ事だ。
その為、この膜内では魔法無しの実力戦をしなければならなくなる。
それは術者にも適用される。
「くっ……」
膜から出るシグナム。
魔法が一切作用しない空間内では、不利と悟ったのかそのまま撤退する。と、同時に外は元通りになる。
「……終わったか」
そう呟くと、図書館の方に歩いていった。
更新遅れてすみません(汗)
留年だなんだと色々ありました。えぇ、色々と……
恐らく3月まで更新速度はかなり厳しくなります。
さて、今回はVSシグナム戦二回目でした。
この辺りからオリジナルな展開になれるかな……?
図書館の事に関しては、御都合主義です。えぇ。
まぁ、温泉やら色々とあるのでこういうのもあっていいんじゃないかなぁと……
そして自分でいうのもあれですが、場面転換多い。しかも一個が短い。書いている間に何回かミスりましたし。
今回の中で一番シグナム戦に力をいれてやった気がする……
結果的に主人公の勝利?になりましたが。
こんなんで良いのかと不安ですね。
ご意見ご感想ありましたら、言ってください。できる限り直します。