「祐介君・・・コレを受け取ってほしいんだ☆」
「開けてもいいですか?」
「いいよ」
「・・・これって!」
俺は瑞原さんが見せた物により今大きな決断を迫られていた。何故そうなったかと言うとそれは遡る事1週間前の話だけど、この日は瑞原さんの誕生日だと親に教えて貰ったので俺はプレゼントを買いに出掛けていた。色々な場所に行って何にしようか迷っていたけど何が良いだろうか?っと考えて見ていたが良いのが無かったので俺は家に帰って瑞原さんの服を作る事にした。サイズは、どうした?って話になるけどサイズについては瑞原さんがライブの時に使ってた衣装のサンプルがあったので俺はそれを確認してから作業を開始した。瑞原さんと会う日は瑞原さんの誕生日の日で夜の7時にホテルで会う約束を携帯でしたのでそれまでに間に合うかって話だけど誕生日の前日の夜11時に何とか間に合ったので俺は瑞原さんに渡す服を確認しながら周りを片付けて寝る事にした。次の日の朝になって布団から出て着替えて朝ごはんを食べた後は家を出ようとした時だった。
「祐介」
「どうしたの?お母さん」
「今日は何の日か覚えてる?」
「えっと瑞原さんの誕生日だよね?」
「良く覚えてるわね」
「けど何でそれを聞いてきたの?」
「今日が何の日か忘れてないかな?っと思ってね」
「そっか」
「誕生日って言うのはその人がその日に産まれたから誕生日なのよ」
「それで?」
「もし祐介があの人から今日の誕生日の時に指輪を貰う事があったら良く考えなさい」
「指輪って・・・俺まだ高校生だよ?さすがにそれは無いと思うよ」
「きっと祐介は指輪を受けとるわよ」
「そうかな?だけど行ってきます」
「いってらっしゃい」
お母さんと話が終わったので俺は家を出て自転車に乗って駅まで行く事になったので、それから30分ぐらいしてから駅に着いたので切符を買って男性専用電車に乗り瑞原さんがいる場所まで行く事にした。何回か男性専用電車を乗り換えてから目的地の駅に着いたので俺は男性専用電車を降りてそこから少し歩いてみるとバス停があったので俺はバスに乗って携帯で時間を確認していた。俺は基本的にバスは1番後ろの左奥に座っていた。そこなら人の視線に見えないので見つかりにくいからだ。見つかったら即そのまま襲われると思うので気を付けなければならないからね。乗っては降りて乗っては降りてを繰り返して人が少なくなりバスに乗ってる人は俺だけになって降りる場所に着いたので窓の近くにあるピンポンを押してからお金を払いバスに降りた。だけど降りる際にバスの運転手に腕を掴まれて引き寄せられた時は流石に警戒したけど不思議な事にアメを貰った。何故だろう?お礼を言った俺はバスを降りてズボンの右ポケットに入っている携帯で時間を確認したら夜の6時30分と表示されていたので歩こうとした時だった。
「ねぇ?私達とお茶しない?」
顔を上げて周りを見てみると5人組の大学生が俺を囲むようにしてから話しかけられた。分かりやすく言うとナンパだった
「結構です」
「そんな事言わずにさ」
「大丈夫だよ」
「私達とイイコトしようか?」
「お金だったら私達が出すからさ」
「私達に付いて来てくれれば良いだけなんだから」
「嫌です!」
なんか前にも同じような事があった気がするな
「人と会う約束があるので!」
「そんな事を言わずにさ」
「何だってしてあげるよ」
俺は近付いてくる5人組から離れてから走り出したが1人だけ速い人がいて追い付かれてしまった。
「君の名前を教えてくれるかな?」
「教えません!」
「本当に待ってる人が来るかわからないんだからさ」
「私達と一緒に行こうよ」
俺の腕を掴んできたので俺は悲鳴を出そうと決めた。
「嫌ぁぁぁ!誰か助けてぇぇぇ!」
「悲鳴!」
「口を押さえといて」
「わかった」
誰かに助けを求めても誰も助けてはくれず見てみぬフリをされた。口を押さえられてコレからの事を考えると数秒後には最悪な展開が待っていてもうダメだと思った時だった。
「お待たせ☆」
俺は誰だろうと顔を見ると瑞原さんだったので瑞原さんに話を合わせる事にした。
「本当に待ちました。じゃあ行きましょう」
俺は瑞原さんの腕を組みながら隣を歩くようにした。それを見ていた5人組は諦めて離れて行った。
「助かりました。ありがとうございます」
「悲鳴が聞こえたから走ってみたけど・・・・・危なかったね☆」
「瑞原さんが来なければ俺は・・・・・」
「大丈夫☆今からはやりが祐介君と一緒にいてあげるから☆」
「はい」
「まずはホテルの中に入ろうね」
「そうしましょう」
ホテルの中に入った後は一緒に食事をする為にホテルの中のレストランに入った。予約をしていたのかすぐに入れてスタッフの人がテーブルの禁煙席まで案内してくれて俺と瑞原さんが一緒に座ってからスタッフの人が離れたので瑞原さんが話し掛けてきた。メニュー表を見てみたら学生では高くて手が出せないぐらいの値段だった。まるで、ぐる○イの○チ級だったので驚いてしまった。
「ちょっ!ここって高いじゃないですか!?」
「大丈夫だよ☆はやりが払うから何も心配しなくて良いよ」
「いやいや!俺も自分で食べた分くらい払いますから!」
「でも知ってる?はやりはともかく祐介君じゃ払うのは厳しいと思うよ」
「高くて15000円!安くて5000円!デザートで2000円!」
「ねぇ?高いでしょ?」
「あまりの値段に驚きました」
「そうだろうね」
「2000円ならまあ出せなくは無いですけど5000は厳しいですね」
「祐介君は何を食べる?はやりは魚料理にしようと思うけど?」
「俺は肉料理にしようと思います」
「じゃあ呼ぶけど良いかな?」
「はい」
「すいません」
近くにスタッフの人がいたのですぐに来てくれて注文する事にした。
「それじゃあ金目鯛の煮付けと共に・・・・・を1つ」
「はい」
「じゃあ俺はボリュームたっぷり!3点セットで」
「それでは御注文を確認しますが金目鯛の煮付けと共に・・・・・とボリュームたっぷり!3点セットで他にはありますか?」
「無いです」
「わかりました。それではメニューを下げさせてもらいますね。ごゆっくりどうぞ」
スタッフの人が離れると瑞原さんが話し掛けてきた。
「祐介君」
「はい」
「今日は遠い所を来てくれてありがとう☆」
「いえいえ」
「最初もしかしたら断られるかも知れないって思ってたから不安だったんだ」
「そうだったんですか?」
「最後が最後だったからね」
「あれは・・・・・まあそうですね」
「祐介君から見てはやりの事どう思うかな?」
「そうですね・・・・・優しそうな歳上の人に見えますね」
「他には?」
「他は無いですね」
「それだけなんだ?ちょっとショックかな」
「まだ良く知っている訳じゃないですからね」
お店の人が料理を運んで来たので俺達は話すのを1度止めてお店の人が料理を全部テーブルに置いて離れたのを確認した後に俺は話しかけた。
「それと今日はやりさんの誕生日でしたよね?お誕生日おめでとうございます。これは俺からのプレゼントです」
「どうもありがとう☆」
「喜んで貰えれば嬉しいです」
「じゃあ家に帰ったら見てみるね」
「そうしてください」
「はやりからは祐介君に渡す物があるんだ」
「何ですか?」
「祐介君・・・コレを受け取ってほしいんだ☆」
「開けてもいいですか?」
「いいよ」
「・・・これって!」
「結婚指輪だよ」
「ファッ!でも俺まだ学生ですよ?」
「そうだけど、はやりの気持ちは決まってるんだ」
「そうなんですか」
「祐介君・・・その指輪を左手の薬指にしてほしいんだ」
「・・・・・」
「ダメかな?」
「ダメじゃないですけど混乱してるんです」
「まあそうだよね」
「俺はやりさんより歳下ですよ?」
「構わないよ」
「今は一緒に暮らせないですよ?」
「卒業までは待っててあげるよ」
「会いたい時に会えますか?」
「会えるようにするよ」
「花火大会とか祭りがある時とかクリスマスとかそういう時は一緒にいてくれますか?」
「もちろんだよ☆」
「良かった」
「祐介君・・・はやりと結婚してください」
「はい!喜んで!」
そう言った瞬間に周りのお客さん達とかお店のスタッフさん達も大きな拍手をしてくれた。
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとうございます」
「おめでとうございます」
「どうもありがとうございます」
「お二人とも幸せにな」
「ありがとうございます」
俺達はお金を払った後は、外に出てからはやりさんの家に向かっていた。さっきの場所から1時間後にはやりの家に着いた。
「はやりさん」
「何かな?」
「不束者ですがよろしくお願いいたします」
「はやりの方こそよろしくね☆」
はやりさんからプロポーズされて1週間後・・・・・
「こちらは瑞原プロが記者会見をする場所ですが今瑞原プロがお見えになりました!」
「こんにちは☆」
「瑞原プロに聞きたいのですが今日どうしたんですか?」
「それは今から重要な話をするからです」
「それはですね。はやりが結婚しましたって話です」
「そうなんですか!おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「ちなみに相手の人は?」
「一般の人なんで話せませんが証拠として左手の薬指を見てください」
「結婚指輪ですね」
「これからは瑞原では無くなりますが見守ってくれると嬉しいです」
相手の人に何か一言をお願いします」
「えっと・・・・・愛してます!」
「どうもありがとうございました」
俺はその様子を家のテレビで見ていて驚いたけどね。何故ならテレビ放送だから全国にその姿と言葉が伝えられたんだからね。だけど今の俺は、はやりさんと一緒にいた。
「祐介君はまだまだ学生だけどはやりが幸せにしてあげるからね」
「はい」
「はやりは祐介君の事好きだよ☆」
「俺も大好きです」
その後はお互いにキスをした。
次回は続きの話を書こうかな?っと思います。