GAMERA-ガメラ-/シンフォギアの守護者~EXTRA~:番外編&コラボ外伝集   作:フォレス・ノースウッド

10 / 58
料理が絡む回からか、やたらカ○トネタが多い回に(汗


朱音と友奈はお料理師弟である

 私は草凪朱音! またの名を最後の希望――ガメラ!

 いきなりだがゴ○スト(+ウ○ザード)な仮面の戦士っぽく自己紹介してみた。

 人が人を殺す為に生み出されたノイズだけでなく、天の神とやらが人類への鉄槌の為に生み出されたバーテックスと言う二重の脅威に晒された世界の、人間社会を守護していると言う地の神様たちの集合体――『神樹』から英霊の座から呼ばれたサーヴァントよろしくお呼ばれをされ、その世界の危機に立ち向かってきた響たちシンフォギア装者と、神樹の力をお借りして変身し戦う『勇者』たちとともに、造反神との戦いに馳せ参じてから、幾月か経ったある日。

 こちらの世界のリディアン高等科の、その日の授業を終えて、帰る途中。

 

「朱音ちゃん、私を弟子にして下さい!」

「え?」

 

 校舎の回廊内で私は、勇者の一人であり、スーパーヒーロー関係でオタ友の仲でもある結城友奈から、いきなり頭を下げられ、弟子入りを志願されたのだった。

 

「えーと……友奈? 私に、何の師匠になってほしいんだ?」

 

 とりあえず、色々と飛ばされた詳細を聞くとしよう。

 

 

 

 

 

 友奈が弟子入りを求めてきたのは、『料理』のことだった。

 自分で言うのも何だが、私は料理のスキルに関してはか~な~りできる方だ。

 他の調理技術を持った装者と勇者の面々と一緒に、大所帯な仲間たちの食事を作って振る舞うことも、こちらの世界に来てからほとんど日課になっているし、こっちでもごはん&ごはんな響を筆頭に、みんなからの評判は良い方だ。

 ちなみに最初にみんなに振る舞った料理の一つは、サバ味噌だったりする。

 

「それでね、料理も上手なヒーローのカ○トを見直してね」

 

 どうやら、サバ味噌だったのも込みで、それらをきっかけに天の道を行き、全てを司る俺様な仮面戦士を見直して影響で、今までほとんど関わりのなかった料理をやってみたくなったそうなのだ。

 ともかく理由は分かった、熱意も一時の迷いのものじゃない確かなものだし、師匠とまでは行かなくても、付き合ってあげる気はある。

 ただ――

 

「でも、どうして私なんだ? 勇者部には他にも料理ができる女子はいるじゃないか、調に歌野、風部長に、君の親友の東郷と須美だって」

 

 一応、料理ができる勇者部員が複数いる中で、私に頼んで来たわけを聞いておく。

 

「そのね、何となくなんだけど、朱音ちゃんに教えてほしいなって思って、えへへ」

 

 樹海の中の戦場で初めて会った時を思い出す、虚構の産物でもある憧れのヒーローと本当に会えた子ども(実際私は――ガメラは、この世界はそうだったんだけど)のようなキラキラとした、屈託の欠片もない、みんなの笑顔の為に戦った冒険ヤローに負けない青空な笑顔で、友奈はそう答えた。

 

「よし、友奈が本気だってことは分かった、付き合ってあげる」

「はぁぁ………お願いします! 師匠!」

「いや………そこはいつもの『ちゃん』付けでいいから」

 

 これでも彼女(リディアン三回生)より年下(一回生)なのに、自分の方が年上に見えるルックスに時々コンプレックスがぶり返すことがあるだけに、ちゃん付けされるのは正直とても嬉しかったので、そこは訂正させて頂いた。

 

 それはそれとして考えてみると、私が料理の先生に選ばれたのは、ある意味無理ないことだった。

 

「調ちゃんにも頼んでみたんだけど、『私が教えるなんてとんでもないです』って、遠慮されちゃって」

 

 調は人にものを教える経験がないし、一度は敵対しながらも今は仲間な〝先輩たち〟へのリスペクトで、自分がものを教えることに気後れするのも無理はない。

 両手を大きく振りながら、あわあわと慌てる調の姿が浮かぶ、カワイイ。

 

「歌野は持前の農業の知識の説明で、ちょくちょく脱線しそうだし」

「そうだよね」

 

 農業王と自称し、実際に高い農作スキルを持つ歌野も、料理技術は高いが、農業へのその愛の大きさでちょくちょく蘊蓄を並べて脱線を起こしてしまいそうだし。

 

 一番友奈と付き合いの長い一人の風部長はアーティスト活動をこなす妹の樹のマネージャー業で忙しいし。

 まあ、仮に時間があったとしても。

 

「あの部長は料理含めて〝女子力〟が絡むと、セ○ンの息子並みにカッコつけたがるからな」

「あはは、確かに〝女子力〟が絡んでる時の風先輩って、ゼ○ちゃんっぽいですよね」

 

 後は彼女の親友の東郷(本当はファーストネームで呼びたいのだが、本人の希望を尊重して苗字で呼んでいる)なのだが、何と言うか……あの人は友奈には若干過保護なところがあるので。

 

〝全て私に任せて! 友奈ちゃんは見ているだけでいいわッ!〟

 

 と、最終的に趣旨が大きくブレてしまいそうだった。

 その東郷の、小学生時代の〝過去の自分〟である須美ちゃんに教えを請うもの手だけど………そうなったら――― I have a bad feeling about this(いやな予感がする).

 

 よし、こうして白羽の矢が立てられたわけだし、友奈にはバースデープレゼントの御恩もある、こちらも一肌脱いて、応えてあげるとしましょうか。

 

 

 

 

 

 翌日。

 リディアンの学生寮内にある、広いだけでなく、ショールーム顔負けにオシャレで手入れが行き届き綺麗なキッチンに、制服のシャツの上に、上着の代わりにエプロンを着た朱音と友奈の二人がいた。

 

「家庭科の授業で何度か経験はあっても、友奈は、知識、技術、経験、感覚も含めて初心者だ、だからこれから鍛える上で、勇者部五箇条に倣って五つ、頭に入れておいてほしいことがある」

「うん」

 

 朱音は五本指を立て。

 

「一つ、慣れるまではレシピと基本に忠実であること」

 

 一度握り拳にして、人差し指一本を立て。

 

「二つ、スピードと出来に拘り過ぎないこと、三つ、同時並行はせず、一つ一つ順番に調理すること」

 

 中指、薬指を立てていく。

 

「たとえ途中で失敗したと思っても、最後まで作り切ること」

 

 そして親指を残して四本立たせると、、天を指すように再び一本にして腕をゆっくりと垂直に上げ、宙に翳す。

 

「そして五つ目、祖父(グランパ)は言っていた―――〝型を知り、型通りにこさせるようになってこそ、驚天動地の型破りを為せる〟―――ってね♪」

「おおぉ………朱音ちゃんのおじいちゃんも、天○さんのおばあちゃんみたいな人なんだね」

「ああ、私が尊敬する偉人の一人さ」

 

 メモ帳で朱音からの五箇条をメモしていた友奈。

 言うまでもなく、カ○トのパロディだが、言葉自体は実際に朱音が祖父――ケイシー・スティーブンソンから聞かされたものだ。

 

「それじゃまず、調味料のさしすせそ、覚えているかな?」

「え~と………砂糖……し、塩……酢に……醤油と……そ、そ……味噌」

「That’s rigit《その通り》」

「はぁ……よかった」

「なら次は、主な調理器具も改めて説明しておく」

 

 最初に『調味料のさしすせそ』をクイズに出した朱音は、次に料理には絶対欠かせぬ基本の一つである調理器具たちを、メイン所を中心改めて説明したのだが、この辺は中略。

 

「器具の説明をしていくとキリがないから、この辺にして」

「それで、今日は何を作るの?」

「目玉焼きにするつもりだったが、友奈も作ったことあるそうだから、今回は〝だし巻き卵〟にします、まずは私が一通り作ってみせるから、見てて」

「うん」

 

 朱音にそう言われて、調理過程を間近で見た友奈は。

 

(朱音ちゃん……なんてテキパキ……)

 

 その手際の素早さと良さに、友奈驚きを隠せなかった。

 先にサラダ油を入れた小さめのボールに四角に畳んだキッチンペーパーを浸させ、別の小型ボールには水、顆粒だし、醤油、砂糖、片栗粉を入れて混ぜてだし汁を作り、専用の長方形型フライパンを弱火と中火の中間の火力で熱し始めると、大き目のボールに片手かつ一瞬で卵たちを割っていれ、手に力を入れ過ぎずに手早く調理箸をかき混ぜ、だし汁を入れてさらに混ぜ合わせる。

 そしてフライパンにサラダ油を塗り、箸の先との接触で起きる油の音で適切な火力であると確認すると、ボールから直接一杯目を入れた。

 卵を一面均等に維持させながら、泡袋を箸で潰していき、卵の端っこが焼けてきたところを見計らって、二回分折り畳んで巻き付けた。

 すかさずサラダ油を塗り直し、卵を奥へと移動させると、同様の行程で、二杯目、三杯目を入れ、巻いて巻かれた卵の生地は厚みを増していく。

 そして直方体状に形を整え、卵の上に巻きす代わりのキッチンペーパーを添え、ささっとひっくり返して乗せ、五等分に包丁で切って四角皿に乗せて完成させた。

 友奈は時計を見てみたが、ここまで十分も経っていない。

 

「ごめん、いつもの感じで作っちゃったから、全然参考にならないと思うけど……」

「そんなことないよ、すんごい綺麗で美味しそうだもん♪ 味見していい?」

「いいよ」

「いただきま~す―――美味しい」

 

 パクッと食べてみれば、出汁が利いてふっくらとした卵そのものの甘味と感触と風味が口の中で広がる。

 

「それじゃ今度は、このレシピの通りに友奈もやってみて、勿論さっきの特訓五箇条も踏まえてだ」

「うん」

「フォローはするから、落ち着いてゆっくりとね」

 

 朱音は、昨夜大学ノートに書き込んでおいた、初心者でもできる絵付きの出し巻き卵のレシピを渡した。

 書いてある通りに、まずだし汁を作り始める。

 

「砂糖は……小さじ四分の一」

 

 計量器の力もお借りして、調味料それぞれの適量を計って、混ぜ合わせ。

 

「平らなところで二回とんとんして、凹んだところを両手の親指で押し込んで割る」

「そう、角でやると割れた殻が入りやすくなるからな」

 

 卵を一つずつ両手で割り。

 

「格闘技の稽古と同じだ、手は力み過ぎず、渦巻きを描くイメージで」

 

 かき混ぜた卵とだし汁を混ぜ合わせ、同じサイズの計量カップ三杯それぞれに、均等に入れる。

 

「弱火と、中火の、真ん中」

 

 ここからが本当の本番、プライパンを熱しサラダ油を引き、一杯目をフライパンの淵に沿うように入れた。

 さすがの友奈も、額に汗を浮かべた真剣な表情で、泡立つ卵液を注視している。

 

「今だ、一回目は巻くと言うより、折り畳む感じで、回数も多くていいから」

「うん」

 

 手前に、一回、また一回と畳んで寄せていくが。

 

「あっ……」

 

 生地が破れてしまった。

 

「大丈夫、そのまま続けて」

 

 何とか一回目を終え、同様の作業を反復して続ける。

 体がコツを掴んできたためか、段々手際が良くなっていった。

 そして卵液を使い切って焼き上げ。

 

「せーの、はい!」

 

 キッチンペーパーに乗せ返した。

 

「あはは……やっぱり少し不格好で焦げちゃってるね」

「そんなことない、私が初めて作った時はもっと形が悪かったから、ここまでできただけでも素晴らしいよ、味見してみるね」

「う……うん」

 

 いよいよ朱音(せんせい)の味見。

 過去最高の緊張感が、友奈に押し寄せてくる。

 朱音が箸でつまんで、口に入れるまでの間の時間すら、ひどくゆっくりに感じられた。

 もぐもぐと食べる、口の中に溜まってきた唾液を呑み込んだ中。

 

「美味しい♪」

 

 朱音は一言、感想を口にした。

 

「え? 本当?」

「論より証拠、食べてみて」

 

 もう一切れを箸で摘まんで。

 

「はぁ~~ん」

 

 いわゆるあ~んで友奈も自分で作っただし巻き卵を口にした。

 

「ほんとだ♪」

 

 美味が齎す喜びのまま、二人は満面の笑みでイェーイと互いの手をハァーイタッチッ!した。

 

「よ~し、この調子でどんどん鍛えていきましょう~~♪」

「お~~♪」

 

 この時の二人は共用キッチンの窓越しに、自分たちを見ている者がいることに気づかずにいた。

 

(あ~~………まさかの東郷さんに見られちゃったよ……)

 

今は朱音の精霊であり、朱音と同じガメラであるトトは、窓の眼下の光景を見て、冷や汗を流していた。

 

つづく?


▲ページの一番上に飛ぶ
Twitterで読了報告する
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。