GAMERA-ガメラ-/シンフォギアの守護者~EXTRA~:番外編&コラボ外伝集   作:フォレス・ノースウッド

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今回のXVIF編は、前回の続き&XV原作三話Aパートの戦闘が元のIFストーリーとなっておりまます。
書いていて確信強まったけど、やっぱり外道爺の配下と残党組、取引場所の指定は慎重に選べ!朱音一人がストーリーラインに加わっただけで『KONOZAMA(コノザマ)』じゃないか(汗

勿論朱音一人だけでなく、モブエージェントたちも活躍します。


戦姫絶唱シンフォギアXV/EP IF2.3-救え!掴め!

 本部内ラボにてパヴァリア残党の敵情推察を行っていた朱音、藤尭、エルフナインの三人は、一旦中間報告書に纏め、弦十郎の自室(彼が自身のポケットマネーで購入した最新式の8KUHDソフト再生レコーダー、プロジェクター、スクリーン設置等による自主改修でかなり本格的なホームシアターと化している)にて。

 

「なるほど……」

 

 デスクに腰かける弦十郎に、藤尭が最終的に取り纏めたレポート用紙(〝念の為〟と、コピー不可で撮影でも文字が映らない特殊用紙とインクで印刷されている)を見せていた。

 このレポートはデータとして他のオペレーターメンバー各位にも一時暗号化して送られており、これまた対策で専用の網膜認証付きVRゴーグルを付けないと読めない様になっている。元々旧日本陸軍の諜報機関だった特機二課より再編された国連タスクフォースだけあり、機密情報の取り扱いには細心の注意(たいさく)も取られていた。

 

「しかし……向こうのアキレス腱がこちらに露呈する危険を承知で、ライブ会場を襲撃した方の錬金術師の狙いが、元より〝姪(つばさ)〟そのものだったとなると……」

「はい、翼を心身ともに戦意喪失させることに得をするのは、残党以上に、連中を支援している組織であり――」

 

 代表して朱音は、パヴァリア残党の一連の行動に裏側の奥深い〝闇〟に隠れ潜む〝黒幕〟の可能性(こうほ)を口に仕掛けた直前―――館内にエマージェンシーの警報が鳴り響いた。

 

「どうした!?」

『横浜湾岸埠頭付近に、アルカノイズ出現!』

「出動します!」

 

 それを聞いた朱音は、小型通信機を耳に付けながら弦十郎の自室を飛び出し。

 

『防犯カメラからの映像から、パヴァリアの残党と、彼女らに追跡されている民間人のライダーたちの存在を確認しました』

 

 回廊を疾駆して、大体の状況を聞き取り。

 

(口封じか……It's a misfortune that Bad Riders(とんだ災難だな暴走族たち)

 

 連中の目的を推察しつつ、潜水艦(ほんぶ)の甲板に上がり。

 

〝Valdura~airluoues~giaea~~♪(我、ガイアの力を纏いて、悪しき魂と戦わん)〟

 

 甲板の手すりを踏み込んで跳躍と同時に変身、腰の背部に折り畳まれていた猛禽類と柳星張覚醒頃のガメラ飛行形態時の腕の特徴を掛け合わせた形状の翼――《ブレージングウイングスラスター》を左右対称に広げ、風切部からプラズマエネルギーの粒子を点火して急加速、現場へと閃光して急行した。

 

 

 

 

 

「のぉぉぉぉぉーーーー!!」

 

 追われる不良ライダーたちの内、二人でタンデムしていた一台が大破炎上し、改造した白学ランを着てカスタムバイクを走らせ必死に逃げるリーダー格も、焦燥の余りスピードを上げ過ぎてバランスを失い、運転を過って東海道新幹線の高架橋付近にて盛大に転倒し、カスタムバイクも火を大きく上げてお釈迦となった。

 

「いてて……おっ」

「気合いが少々入れ過ぎなのは否めない運転でありました」

「それじゃ、そろそろ赤旗を降らせてもらうゼ、ゴールドリーゼントなホワイトヤンキー」

 

 辛うじてまだ命はあったものの、眼前のミラアルクとエルザらを前に。

 

「助けて! 神様――」

 

 助かった命も風前の灯火の中号泣し、続いて〝天使様ァァァァ―――!!〟と助けを求めて叫ぶ直前だった。

 ライダーの肉体にロープ状のものが巻かれると同時に。

 

〝~~~♪〟

 

 大自然を想起させる伴奏と滑らかに流麗にして聞く者を力づける澄んだ歌声が聞こえる中、気がつけばライダーはロープに引っ張られた状態で。

 

「ひぇぇぇぇぇーーーー!」

 

 高速で空を飛んでおり、ライダーが事態を呑み込めず奇声を上げる中。

 

『もう少しの辛抱だ』

 

 手の噴射口から放った光(エネルギー)のロープ――《旋律囃(せんりつそう)――フォニックビュート》で胴体を巻きつけて救出し、機密対策でクリスがかつて使っていたネフシュタンの鎧を参考にしたバイザーで口以外の顔を隠した朱音が帯を引っ張り、ライダーを手繰り寄せ、横抱きの態勢で少しずつ降下。

 

「あんたは?」

『通りすがりの仮面シンガーさ、君の仲間(フレンド)たちも無事だ』

 

 歌唱時に、代行で〝口〟となってくれる胸部中央の勾玉(マイクスピーカー)から、ユーモア込みでそう答えた朱音は、SONGのエージェントたちと専用車両が控える横浜市内の公園内へと向かう。

 

「「兄貴~~~!!」」

「あいつら……」

 

 エージェントに混じって、リーダーと同様朱音のフォニックビュートで爆発に巻き込まれる間一髪のとこで助け出された舎弟たちが、大きく手を振っていた。

 新幹線高架橋周辺では、響とクリスがアルカノイズに残党らと交戦し足止めしている。

 朱音はふわりと園内に着地と同時にリーダーを下ろし。

 

「残党と取引していたと思われる連中は?」

「補足済みです」

 

 二課時代より使われていたものを改良され、光学迷彩機能と対錬金術師牽制用の武装も付加されたSONG専用ドローンのカメラが捉えていた。

 

「今他のメンバーが追跡中」

「では私もお縄を頂戴に行ってきます!」

 

 再び勾玉からメロディを流して歌い出しウイングスラスターを広げると、朱音は垂直上昇。本部の友里らからのナビゲートに従って飛行していると。

 

『例の車両を発見!』

『予測進路の全てに検問を張った、遠慮せず車両を止めて確保しろ!』

『了解!』

 

 弦十郎の指示を受けた朱音は急速降下してあっと言う間にターゲットの車両の真横に並走して張り付き、ガラスをノックして。

 

『そこの黒セダン! 法定速度違反です、今すぐ車両を止めなさい!』

 

 と呼び掛けるも、当然素直に応じる相手ではなく拳銃を朱音に向ける。

 それを見越してた朱音が横回転して発砲された銃弾を躱しつつそのまま車両の屋根に張り付き、腕のアーマーから伸ばした諸刃の剣《光肢剣――フォトンアームブレード》で天井越しに、ハンドルを深々と突き刺し、引き抜くと同時にガラスを完全に飛び散らせない加減でたたき割り視界不良にした。

 車を操作できなくなって標的たちがパニックを起こす中、朱音は屋根から前方に回り込み、両手両腕でフロントを指先の爪を食い込ませるほどの腕力で抑えつけ、両足も踏ん張り減速。エージェットたちが張った検問の手前で、停止させた。

 朱音が運転席側のドアを丸ごともぎ取ると同時に、エージェントたちは車両内の標的に銃を向けるも、幸い二人とも涎を口元からだらりと流して気絶しており、良い意味で警戒は杞憂に終わった。

 

「お手柄ですね」

『お互いさまですよ』

 

 連係プレーで下手人の一部を生きたまま確保した朱音は、歌唱を維持したままエージェントたちと健闘を讃え合った。

 

『現場近辺に他の残党は?』

『響きちゃんたちが交戦している二人組以外には反応はないわ』

「私たちは付近住民の避難を続けますので、朱音さんは響さんたちの援護に行って下さい」

『分かりました、お気を付けて!』

 

 朱音は、響たちのいる交戦区域へと急ぎ飛んだ。

 

 

 

 

 

『昨日のライブと言い今日といい、こんな酷いことをして貴方たちは何がしたいのッ!?』

「答える舌は端から持ってないゼ、立花響ッ!」

 

 戦場(そちら)では、広域殲滅に長けたクリスがアルカノイズの殲滅に当たり、響は赤く肥大化させたミラアルクの両手と自分の手を掴み合わせ、真正面から押し合っている。

 

(なんてパワー……イグナイトがあれば……)

 

 ミラアルクの腕力は、パワータイプの響とガングニールでさえ、アスファルトを抉って大きく後退させられる程のパワーであり、歌う彼女の額から冷や汗が流れる程だった。

 

「今イグナイトが残っていればと考えてただろ?」

「はっ!」

 

 ミラアルクに自分の心情を見抜かれ、歌唱が乱れた為に。

 

「呪われし魔剣が齎した決戦機能はとうに失ったと、こっちはとうに調べはついているんだゼッ!」

『だ、だからって――』

 

〝~~~♪〟

 

 負けまいと歌の声量を上げ押し返そうとした響の反撃に、ミラアルクは待ってましたと言わんばかりの不敵な笑みで双眸を光らせ始めるとともに、こちらに意識を向けすぎてがら空きな背後を突こうとしたが。

 

『惑わされるな響、後ろだッ!』

 

 両者の狭間のアスファルトに銃弾が当たり、小規模の爆発が起きるてどちらも咄嗟に跳んで引き、朱音の言葉の意味を理解した響は背後に振り向きざま、自分に奇襲を掛けようとした飛行型アルカノイズを赤熱化した首のマフラーで迎撃した。

 

『危なかったな』

『助かったよ朱音ちゃん』

『響はもう一人の残党を!』

『うん!』

 

 朱音も戦地に降り立ち、ミラアルクと再び対峙。

 

(くそ! あいつらじゃ時間稼ぎにもならなかったのかよ……)

 

 先程ミラアルクにエルザと取引していた支援者(スポンサー)の配下は、その模様を見てしまった暴走族の抹殺(くちどめ)を期待していたが、残党の二人も、向こうが朱音の時間稼ぎをしてくれると期待していたので、こんなに早くも戦線復帰し自分を打ち負かした相手と対峙する状況に、内心焦りながらも。

 

「このセカンドマッチでリベンジさせてもらうゼ!」

 

 それを顔に出さず不敵な態度のまま飛翔と降下からの、肥大化させた両足による蹴りを繰り出す。

 朱音は響同様、腰と両脚を強く地面に込め、両手で真正面から受け止めようと待ち受ける―――。

 

(よし、このままウチの魔眼の〝刻印〟でリベンジ――)

 

―――一見は、そう見えたが、実態は違った。。

 

(えっ?)

 

 肥大化した両足に、朱音の両手が触れた次の瞬間、ミラアルクに混乱が襲う。

 突如、空中体勢のバランスが崩れ、前回りに彼女が宙を舞ったかと思うと、そのまま戦闘で荒れたアスファルトへ、さらなる亀裂と穴ができ、瓦礫が舞う程かつ、改造実験で肉体強化された彼女の意識が一時飛ぶほどの衝撃を受けた。

 朱音は、相手の両手に触れた際、自身が会得している格闘技の技術で、ミラアルクの〝余分〟な力を利用して受け流しつつ、弦十郎譲りの〝発勁〟の応用で、アスファルトへミラアルクを盛大に投げつけると同時に、相手のキックの際生じた衝撃をそのままお返しして大地へ叩き込んだ。

 余りの衝撃の勢いで、バウンドし浮き上がったミラアルクに爪を立てて突き出し。

 

《激突貫――ラッシングクロー》

 

 ライブの際、翼の前で人質の少女へ行おうとした凶行の意趣返しとばかり、右手から相手の静脈が流れる腹部へと正確に刺突して、串刺しに。

 手を引き抜くと同時に、ストレートキックを弾丸の如く撃ち込み、ミラアルクは後方へアスファルトを転げ回った。

 

「ミラアルクッ!」

 

 家族(なかま)のピンチに、エルザは響から振り切って跳躍し、手に持つスーツケースから取り出した狼のものらしい巨大な獣の手(アタッチメント)を尾に装着し、上空から拳撃を打ちこもうとした。

 

〝災いを撒く邪悪よ~~受けるがいい~~♪〟

 

 だが――。

 

「バニシングゥゥゥーー~~フィ~~ストォォォォォォーーーー!!」

 

 右腕が纏った炎のガメラの拳が繰り出されるアッパーパンチ――《爆熱拳――バニシングフィスト》と衝突、朱音の強力なフォニックゲインが生み出す一撃に、あっさり競り負けたエルザは打ち上げられ、予め空中に鎮座していたシェルシールドⅡの表面と激突。

 盾の特性で今発生した衝撃も受けたエルザは――。

 

「エル……ザ……」

 

 腹部と口より血を垂れ流すミラアルクの傍へと落下し、ミラアルクほどではないが今のダメージで、戦闘継続は艱難なものなった。

 

『玉手箱の中身を見せやがれッ!』

 

 すかさずクリスの中折れ式リボルバーから発射された弾丸は、エルザが持っていたもの内、テレポートジェムを破壊し、もう一つの箱(アタッシュケース)の留め具に当て、中身の一部が盛大に飛び出した。

 

『よっと』

 

 それを響のマフラーがキャッチして、こちらに手繰り寄せ、朱音に手渡した。

 それは――血の入ったパックであり。

 

「RH……スイル式」

 

 内部の真紅の血液がはっきり見えるパックの表面には、確かにそう表記されていた。

 

「これって、輸血パック?」

「Yeah(ああ)、それも中身は、百四〇万人に一人しか持たないとても貴重なタイプだ」

「んなっ――マジかよ!?」

「マジさ、さて………お前達はこれを定期的に輸血しないと今日を生きるのにも精一杯、そうだろう? BAT GIRLにWOLF GIRL?」

 

 朱音からのその問いに、ミラアルクたちは驚愕の表情を見せたのを経て睨みつけてきた。

 

「その様子だと、特賞(ジャックポット)らしいじゃねえか、錬金術師」

 

 朱音とクリスは、決死の反撃に備え、各々の拳銃(アームドギア)の銃口を向ける。

 

「抵抗は止めた方がいい、特にBAT GIRL、お前の静脈は焼いて塞いである」

 

 朱音はラッシングクローで刺突した際、突き裂いたミラアルクの心臓に繋がる静脈の一つを焼いて塞いだ。

 これで血液の循環が困難な上、今の戦闘によるダメージで貴重な血も大分流されてしまった……本調子なら直ぐに治癒してくれる再生能力も碌に働いてはくれなかった。

 二人にとっては、まさに万事休すな芳しくない状況、それでもミラアルクは満身創痍の身体でエルザを庇っている。

 対する朱音らは、銃口を下ろしながら。

 

「今投降すれば、毎日の輸血(しょくじ)は保障する、だから――」

 

 ここまで投降勧告を伝えたところで、朱音の背中が殺気の悪寒を感じ取り。

 

「散開しろッ!」

 

 朱音の叫びを機に三人が同時にその場からバラバラに散らばると、直前までいた箇所へ、ありとあらゆる方角から、銃撃の驟雨が降り注ぎ――その上新手のアルカノイズが出現して三人を襲い、それらの攻撃に対応している間、ミラアルクの足下に銃弾が当たった音が鳴り。

 

「Jesus(しまった)!」

 

 二人はテレポートジェムの現象そのものである、錬成陣の輪の中で、消えつつあった。

 

「「させるかッ!」」

 

 せめてもと、朱音とクリスは輸血パックを携えたアタッシュケースを弾き飛ばすも、ミラアルクたちには一部のパックごとテレポートで逃げられてしまった。

 

「クソッタレ!どこからジェムをあいつらに」

「おそらく、超遠距離から、鉛の代わりにジェムを付けたライフル弾による仲間の狙撃で運ばれたってとこだな」

 

 ミラアルクとエルザが逃げられた絡繰りを朱音が述べた直後、耳に付けた小型通信機が鳴る。

 

「こちら朱音、申し訳ありません司令、またしても逃げられました」

『いや、逃げられこそしたが収穫は多く得られたし、人命も救えた、三人ともご苦労、帰還用の車がそちらに向かっているから、それに乗って本部に戻ってくれ』

「「「了解」」」

 

 二度目の戦闘も、パヴァリア残党には逃げられてしまったが………今回は一人たりとも民間人の犠牲者を出さず、さらなる手がかりを得ることはできた、SONG一同だった。

 

 

 

 

 

 

 なお余談だが、残党と支援組織の聞き取りの際、目撃者(ぼうそうぞく)たち当人の希望で朱音が呼ばれ。

 

「姐さんと呼ばせて下さい!」

「uh………why(あっ……なぜだい?)」

 

 両手を強く握られ、ある意味でのファン宣言をされたのであった。

 


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