GAMERA-ガメラ-/シンフォギアの守護者~EXTRA~:番外編&コラボ外伝集   作:フォレス・ノースウッド

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さて第二話、どうしても黒木特佐を出したくて坂井孝行版ゴジラVSシリーズコミック同様、自衛隊特殊戦略作戦室からGフォースに出向と言う設定で黒木特佐を出しちゃいました(汗
スーパーXⅢも同様、でも実質怪獣娘なシンフォギア装者とは言え、ガメラと東宝特撮超兵器の共闘なんてシチュを描けるチャンスを逃さないわけがなかったです!(オイ




EP2-UNISON

「これは西暦勇者の精霊降霊術と同じもの、今私は……いや、私達は――二者にして一つの――〝ガメラ〟だ」

 

 ゴジラの出自とその存在に対し、理解を秘めた上、それでも尚人間含めた生命(いのち)を守ろうとする〝守護者(ガメラ)〟としての、前世から現在まで尚健在な〝諦めない〟意志(しんねん)が生んだ、精霊(バディ)にして平行世界のガメラであるトトとの〝諧調(ユニゾン)〟が生んだ、朱音のシンフォギア――ガメラの新たなる形態への変身(リビルド)。

 実を言うと朱音自身もリビルドの輝きに包まれている間は、戸惑いと驚きが沸き立つのを否めなかったが、すぐにトトと一心同体となったこの〝姿〟の絡繰りを見抜いた。

 乃木若葉ら西暦勇者たちが当時使っていた初期の勇者システムには、勇者自身の集中力を極限まで高めることで、精霊を自分自身の血肉(にくたい)に憑依させ、その精霊の力を行使できる機能を有していた。

 この機能は神樹様の仮想現実内での造反神との戦いでも、この〝切札〟を若葉たちは使用し、他の時代の勇者やシンフォギア装者、そして異世界からの助っ人である朱音もその機能を何度も間近で目にしていた。

 

「そうか、朱音のシンフォギアって、むしろ勇者システムに近いから……」

 

 朱音が使うシンフォギアは、それを開発した櫻井了子の正規のギアの戦闘記録を下に、彼女の次元(せかい)の〝地球(ほし)の意志〟が生み出した異端の〝FG式回天特機装束〟。

 使用法こそほとんど正規のシンフォギアシステムと同様な一方、出自で言えば奏芽が言及した通り、神樹様の力を借りて戦う勇者システムに極めて近い為。

 

「その勇者システム独自の機能が使えても、おかしな話ではないわね」

 

 奏芽に続いてマリアがこの現象(リビルド)に対する解説を口にしたことで、一同は合点がいった。

 

「(みんな気を引き締め直して、休憩時間(ひとやすみ)が終わって、そろそろ第二陣も来そうだよ)」

 

 朱音と融合しているトトがテレパシーで忠告して来た。

 一同が、地上の東京湾側の方へ目を向けると、ゴジラ自身はまだ海中に潜んでいたが、地上ではカルマノイズの瘴気が再び立ち込めていた。

 

「またチビゴジどもがわんさか出てくるのかよ……」

 

 ゴジラ自身もまた海原から出現するのも時間の問題、一度はゴジラの熱線から街も人命もどうにか守り抜けた装者たちだが、以前芳しくない状況なことに変わりない。

 

「朱音、とても言い難い役目を押し付けることになるけど」

「分かってるさ奏芽、ゴジラ本体の方は私達(ガメラ)が相手をする、肌で分かるんだ、これならヤツとも渡り合えると」

 

 今前世の自分の力だけでなく、トトとも心身を同調(ドリフト)させた朱音の体内からは、まさに〝漲る〟強大な力を宿していた。

 

「奏芽たちこそ、地上の小型ゴジラの迎撃を頼むよ、奴らもカルマノイズと融合したゴジラであることに変わりないからな」

「ええ」

「分かってるさ!」

「気をつけてね」

「Sure(ああ)」

 

 奏とマリアは乗っていたシェルカッターから地上へ降下し、奏芽も満開状態を維持したまま、ついにまた瘴気から出現し始めた小型ゴジラの群体の殲滅に向かっていった。

 

 

 

 

 

 地上では奏芽たちが小型ゴジラたちと二度目の交戦を始め。

 

「さて……」

 

 海面を眺めれば、巨大かつ大量に沸き立つ泡から、ゴジラがもうじき出るのは分かり、そちらへ向けて空を駆けようとした直前、強化された聴覚が、背後からこちらへと向かってくる戦闘機と思われる飛行音を耳にした。

 振り返ると………濃い暗緑色で戦車を思わせる武骨なデザインをした有翼V/STOL機が近づいて来て、目にした私の瞳は思わず見開いて。

 

「スーパーXⅢ!?」

「(ええ!?)」

 

 その機体の名を声に出し、トトも大層驚きを見せていた。

《スーパーXⅢ》

 映画なら『ゴジラvsデストロイア』に登場し、元は原発事故の処理の為に開発された陸上自衛隊所属の機動兵器である。ゴジラとメーサータンク同様、外見はほとんど劇中ものと同じものだったが、先行機同様ホバリング飛行も可能なようで、丁度私の真横にて滞空モードに移行した、機体側面のロゴには『SX-Ⅲ』と『G-FORCE』とあり、どうやらこの世界ではGフォース所属の完全なる対ゴジラ兵器な様である………などと窺っていると、キャノピー越しにコックピット内にいる搭乗員の内、一人だけヘルメットではなくGフォースのロゴマークが付いた野球帽(スコードロンキャップ)を被った、ハンサムと表すべき端整な顔つきに強く熱い信念を瞳の奥に秘めた男性が、私に目を向けてきて………その顔を見た私は〝まさか!?〟とまたも驚かされる。

 

『そこの〝戦場の歌姫〟君、聞こえるか? こちらGフォース指揮官、黒木特佐だ』

 

 あ、やっぱり。

 スピーカーで私を呼び掛けてきたあの方は黒木翔三等特佐、所謂『VSシリーズ』と総称されるゴジラ映画群では二作、公開当時にメディアミックスで連載されていた漫画版では毎作登場していた、シリーズマニアからファンも多しな人物である。取りあえず特佐に関する説明は置いておいて。

 

「トト、スーパーXⅢと通信を繋いで」

「(分かった)」

 

 トトがスーパーXⅢの現在の周波数を特定同調し、耳に接着されたヘッドフォン型のヘッドギアパーツから機内の環境音が聞こえてきて、通信が繋がったと確認し。

 

「こちらは……『戦場の歌姫』は少し長いので、今は仮のコードネームとして〝ガメラ〟と名乗っておきましょう、黒木特佐」

『了解した』

 

 さっきのGフォース隊員の反応を見る限り、この世界にはノイズも存在している一方、シンフォギアや勇者システムなどと言った〝強化服型〟の兵器は存在していないと思われるのに、この世界の人々からしたら未知のノイズなカルマノイズと一緒に現れた〝謎の存在〟そのもの同然な装者(わたしたち)に対し、黒木特佐は驚くどころか特に疑問を浮かべた様子も見せず。

 

『単刀直入に依頼する、これより私達と共同戦線を張り、共にゴジラと戦ってはもらえないだろうか?』

 

 それどころか特佐の方から、共闘の申し出が参り込んできた。

 しかし、この申し出は私にとっても渡りに船でありがたいものだった。

 

「断る理由はありません、むしろ勝手に戦線に介入しておきながら、貴方がたの方より申し出て頂き感謝を送りたいくらいです」

 

 私は快諾の返答を特佐殿に送る。

 

『それならお互いさまだよ、こちらも貴重な人員を助け出してくれたのだからな、それにお互いヤツの猛威から人々を〝守る〟目的は一致している』

「なら手を組まない手はない、と言うことですね」

『そう言うことだ』

 

 キャノピー越しに、私と特佐は笑みを送り合った。

 

「では私は、小回りの利く身でゴジラを攪乱します」

『その隙にこの機体ご自慢の冷凍兵器の数々を奴にお見舞いさせて海に封じ込めるとして、もし万が一先程と同等の威力の熱線が来た場合――』

「その場合―――今の私には〝奥の手〟がございますので、任せて頂ければ」

 

 この〝奥の手〟の発言はブラフでもなんでもなく、本当に今の私達(ガメラ)には〝奥の手〟を有しているからこそ使った。

 黒木特佐にも、その意味合いが上手いこと伝わった様で。

 

『了解した、共にゴジラ災害に立ち向かう同士として、頼りにさせて頂こう』

「こちらこそです、黒木特佐」

 

 私達ガメラと、黒木特佐ら特殊戦略作戦室一行(まだ確証はないが、他の搭乗者も映画で見覚えのある顔の主だったので)の間で交し合わされた現場での即席ミーティングを終え、翼(スラスター)のプラズマジェットを吹かせ私は先行し、追随する形でスーパーXⅢも、もうじきゴジラが再浮上直前な東京湾の方へ私達とともに急いだ。

 

 

 

 

 

 

 こうして、シンフォギア装者とGフォースの本格的共同戦線が開かれた。

 

〝~~~♪〟

 

 装束(ギア)としてのガメラの勾玉(マイク)から、いつもの彼女の伴奏ではなく、スーパーXⅢが映画の劇中で活躍する場面にて流れたメロディが響き始め、その音色に合わせて朱音は、某女性作曲家の曲に多用される独自かつ特に意味を持たせていない言語に似たフィーリングで歌い出し、右手にヴォルナブレーザーを持ち、プラズマライフルを左腰のパーツに装着させながら飛び、東京湾海上内に入った。

 巨大な泡を立てる海面から、ついにゴジラが、朱音と真正面から相対する形で再び出現したが、朱音はむしろこの形態となってさらに向上された驚異的加速力で一気にヤツの懐へ飛び込み。

 

《焔爪刃――フレイムクロースラッシュ》

 

 ゴジラの首筋とすれ違いざま、赤熱化させたヴォルナブレーザーの斧刃での切り上げに加え、同様に熱せられた左手との左足先に備えた爪による三重の斬撃を黒い体表に刻み付け、間髪入れず振り向き様にヤツの背中へプラズマライフルを腰だめに構え、プラズマエネルギーを固形化させた銀の杭上の弾丸を二つの銃口から二発ずつ打ち込む。

 今宵の戦闘の中で一番痛覚に響いたのか、今までのGフォースと装者たちの攻撃では上げなかった呻き声を出し、カッとなった様子でゴジラは背後へ振り向くも、身長百メートルを超すヤツからすれば朱音の姿は小さすぎる上に、その朱音がライフルより今度は照明弾発射、習性でその光に気を取られ。

 

「冷凍弾発射」

「発射!」

 

 S(スーパー)XⅢの両翼下部の四連装冷凍ミサイルランチャーが発射した冷凍弾を、背びれ含めた背部へ諸に受けてしまう。

 背筋に突然走る冷感に驚くゴジラの隙を狙い。

 

《玄翁轟雷(げんおうごうらい)――サンダーストロークタイタン》

 

 今度は稲妻を纏わせたヴォルナブレーザーのハンマー部を上段から急降下の勢いを相乗させて朱音はゴジラの頭頂へ叩き付けた。

 呻きを越して悲鳴の咆哮を上げるゴジラに、再びSXⅢが背びれへ冷凍弾を連続で打ち込む。

 怪獣から見れば虫も同然な体躯と、トトとの融合形態(ユニゾンフォーム)となって加速、機動性、旋回力等、総合的に強化された飛行能力を存分に生かし、朱音たちは一撃離脱戦法でゴジラの注意を引き続け、彼女らにヤツが気を取られた瞬間を狙って冷凍弾を打ち続けるSXⅢ。

 しばらくこの戦法を取り続けていた両者だが、敢えてゴジラを挑発する意図で正面から。

 

《烈火球――プラズマ火球》

 

 朱音は威力強化された火球をゴジラの太腿へ三連射。

 

「超低温レーザー発射!」

 

 SXⅢはコックピット真下の機首(くち)を開き、四葉状で銀色の砲口からレーザーを発射してヤツの首へと浴びせた。

 高熱と冷凍の二重攻撃に怒りが増したゴジラは、背びれを光らせ熱線を放とうとするが、エネルギーの出力が上げられず、口内が一瞬光っただけに留まった。

 

「やはり、ガメラ君が最初に〝G〟の背部へ打ち込んだのはEMPブラスターだったか……」

 

 黒木はその類まれなる状況判断力で、朱音がライフルから発射した弾頭の正体を掴み、感心の言葉を呟く。彼女が発射した〝シルバーブレット〟は、着弾した対象にプラズマエネルギーから変換させた電磁パルスを流し込む特殊弾だった。しかもSXⅢの機能にまで影響を及ぼさない様、ゴジラの体内でのみ効果を発揮するよう調整も施されたもの、それでゴジラの背部の神経系統を干渉させ、冷凍弾で凍らされたのも相まって背びれから余熱エネルギーを排出し難くなり、一時的にではあるが熱線自体を吐けなくさせたのだ。

 だがゴジラも、この程度で引き下がる程、柔ではない。再びヤツの尾鰭の先から、一際強いチェレンコフ光が、背鰭へと登り始めた。

 

「〝奥の手〟を使いますので、特佐たちは一旦下がって下さい」

『了解』

 

 SXⅢは朱音からの口達通り、彼女とゴジラから後退し距離を取り、朱音は腕アーマーからシェルシールドを取り出し大型化して手に携え。

 

「マリア、今の内にリフレクターと砲身の準備を」

『どうして?』

 

 朱音の通信に続き、トトはマリアの脳に。

 

〝見たか? メカゴジラの力を、お前の熱線を幾倍にも増幅して、撃ち返すことができるんだッ!〟

〝プラズマメーサーキャノン――発射(ファイア)ッ!〟

 

〝ゴジラ映画〟劇中の一場面の幾つかを送り込む。

 

『分かったわ、朱音がこれからどうゴジラを攻めるか、確かに有効な〝一手〟ね』

 

 そのビジョンで朱音たちの次なる〝一手〟を把握したマリアは、銀腕を大小様々なリフレクターを複数広げ、左手をパラボラ状の砲身に包み込み、キャノンモードに変形。

 それを確認した朱音は、冷凍弾で凍らされた背びれの氷を蒸発させるほどの熱量で発光させるゴジラを見据え、シェルシールドⅡから《バーニングフィールド》をサークル状にかつ、やや空へ上向きに形勢。

 炎の盾を張った朱音めがけゴジラは、二度目の〝バースト放射熱線〟を発射。

 まだ朱音のシルバーブレットから注入された電磁パルスの効能は利いていたが、それでも市街地に直撃すれば小型原爆並みの被害が出る程の威力を依然有している熱線に対し、トトと一心同体の身である朱音がバリアで受け止める。

 精霊(あいぼう)との融合で《バーニングフィールド》の防御力自体も各段に堅固になっただけでなく、上向きに展開したことでチェレンコフ色の光と熱と衝撃を上方へと受け流し、さらにエネルギーの一部を吸収。

 

「(マリア、今から吸収したゴジラのエネルギーをマイクロウェーブで送るよ)」

『OK――マイクロウェーブ受信!』

 

 その吸収した分の一部をトトはマイクロウェーブ化し、地上にいるマリアの左腕に備えられたリフレクターへと照射してエネルギーを送った。

 これらの対応により、ゴジラは朱音の炎の盾を打ち破れないまま熱線の発射を中断させる。電磁パルスと冷凍攻撃の干渉を受けた中で無理やり強めの熱線を吐き続けた為に、さしものヤツでも疲労は拭えない様子で。

 

「液体窒素ミサイル発射!」

 

 SXⅢはこの隙(チャンス)を逃さず、両翼から液体窒素を抱えた誘導ミサイルを発射し、ゴジラの大腿部に直撃させ、海面ごと脚を凍らせ動きを封じる。

 その間、朱音は右手を円形の砲身と砲塔で覆い、その周囲を金色の爪が五角形を描く形で取り囲み集束突起となってキャノンモードの変形。五指の集束突起が回転し始めると同時に中心の砲塔へプラズマエネルギーが充填されていき。

 マリアの方も、マイクロウェーブで受け取ったゴジラの熱線エネルギーと、自身のフォニックゲインのエネルギーを混合させ出力増幅、パラボラ状の砲塔は白銀の輝きを発し、明度が強まっていった。

 

「(一〇・九・八・七――)」

 

トトがタイミングを合わせる為カウントダウンを刻む中、二人は砲塔をゴジラへと向け。

 

「(――四・三・二・一――)」

 

 二人ともエネルギーチャージが完了し。

 

「(――ゼロ!)」

 

と発したトトの掛け声と同時に。

 

「FIREッ!」

 

《PLASMA GRENADE―BUSTER》

 

 朱音の右手の砲口からは、稲妻を掻き鳴らす暁色のプラズマ粒子火炎流。

 

《HIGHMASER-HORIZON†CANNON》

 

 マリアの左腕の砲口からは、極太な白銀のメーサービーム。

 

 ゴジラの熱線のエネルギーを吸収、増幅、集束させて放たれた二人の粒子光線が、液体窒素で動きを封じられたゴジラの胴体に直撃、その膨大な威力を有した二つの光束は数万トンもの重量を誇るゴジラの巨体を押し飛ばし、大ダメージを受けたゴジラは口を大きく開けて呻き、仰向けに倒れ行く中……ヤツが海中に没する直前に、SXⅢがダメ押しに機体上部から押し上げたミサイルポッドから。

 

「カドミウム弾発射!」

 

 名前の通りカドミウムが盛り込まれたミサイル弾頭が発射され、呻き声で開口した自身の口内の奥へと撃ち込まれたゴジラは海中の底へと沈んでいった。地上の小型ゴジラの群れも奏芽たちによって全て殲滅済み。

 

「薬は注射より飲むのに限るのさ――Mr.GODZILLA」

 

 朱音は平成最初のゴジラ映画劇中の〝名言〟を一部アレンジして引用するユーモアを零し、右腕のアーマーをキャノンモードからクローモードへと戻しつつも警戒は解かず、腰にプラズマライフルを携えたままヴォルナブレーザーを構える。

 SXⅢもゴジラからの反撃に備えて臨戦態勢のままでいたが。

 

『ゴジラの反応を感知、東京湾から太平洋へと移動しています』

 

 Gフォース護衛艦のオペレーターからの連絡によって、ゴジラは日本本土に上陸できないまま撤退した事実が彼女たちに知らされた。

 

『状況終了、護衛艦隊と航空部隊は帰投せよ』

 

 戦闘状態を解いた黒木特佐は、海上と空中にいる部隊に帰還の指示を出すと、程なくして部下である搭乗員とともに朱音に目を向け、笑顔でサムズアップを送る。

 それを受け取った朱音も同様に微笑み、サムズアップを送り返し、互いの奮闘と健闘を讃え合う。

 Gフォースとシンフォギア装者の共闘により、カルマノイズとそれをゴジラが取り込んでしまうと言うアクシデントに見舞われながらも、破壊神が齎す最悪の事態から、日本を守り切ることができたのであった。

 

 

 

 

 

 黒木特佐から、『ゴジラ出現区域にはまだ残留放射能の反応がある』として、私達装者は特佐が指定したGフォースの仮設キャンプが設置されている大型公園内の敷地内に降り立ち、そこでようやく変身を解除した。

 

「お互いお疲れ様♪」

「(うん♪)」

 

 勿論、私と融合していたトトは何ごともなく分離し、その愛らしい精霊としての姿を見せ、ガメラ同士拳をとんと小突き合わせた。

 新形態の初乗りで、奏さんらに黒木特佐たちの乗るスーパーXⅢとともにゴジラ上陸を阻止できたのも、トトのフォローの賜物でもあったので、ご褒美も兼ねて頭を撫でてあげる。

 

「きゅ~ん♪」

 

 今日も嬉しそうに私のなでなでを受けてくれるトト。

 あ~~やっぱり我が相棒(バディ)は可愛いな~~♪

 

「朱音、取り込み中とこ悪いけど、一応トトと融合して何か違和感とか異常はない?」

 

 とトトを愛でている中、ばつの悪そうに奏芽から、尤もな問いを受ける。

 西暦末期当時に若葉たちが使った精霊降霊術は、心身への負担も相当掛かり、憑依させる精霊の力が強いほどそのデメリットが大きくなると、西暦勇者たちが書き残した記録(たとえ肝心な箇所が黒塗りされていても、検閲を免れた文章より推察はできる)からも推察できた。

 

「いや、私もトトもこの通りぴんぴんだ」

「そうみたいね」

「念の為、一旦戻ったら検査を受けておくつもりだけど」

 

 だが本来第二種適合者な奏さんとマリアが長時間LiNKERを投与せずとも戦えた通り、この世界にいても効力は健在な神樹様のバックアップもあって異常は感じられない。さすがにスーパーXⅢと共闘せず一人でヤツと相手にしていたら、戦闘後はトトを可愛がる余裕もないくらい、疲労をかなり背負ってたかもしれないが。

 さてと、トトへのご褒美もそこそこに、仮設キャンプにいるGフォースの方々に挨拶をしておかないと―――と思い至った矢先。

 

「おい」

 

 明らかに私達に向けられた、渋く張りのある男性の声が響いてきた。

 

「ああ、Gフォースの人か」

 

 弦さんほど極端ではないが、屈強に鍛えられ肩幅も広い、これも映画同様のデザインなGフォースの制服を着こむ中年の男性が………はっきり言うと仏頂面の表情でこちらに歩み寄ってくる。

 

「お前達が例の? 若いな……まさかこんなガキたちがゴジラ相手に暴れ回ってたってのか?」

 

 そしてその仏頂面に違わず、自分たちが何者かも分からない中〝ゴジラと戦っている〟共通項のみで気前よく共闘してくれた黒木特佐と違い、お堅い物言いをしてくる男性。制服の胸部に付いてる名札にはローマ字で〝KONDO〟と刻まれていた。

 

「ガキで悪かったな、おっさん」

 

〝ガキ〟呼ばわりされてカチンと来たらしい奏さんが、眉の両端を目尻ごと上げて顔をしかめた。

 

「一体お前達は何者だ? それにさっきのパワードスーツみてえな装備、あんなのは見たことも聞いたこともねえ」

 

 彼の言葉から、怪獣だけでなくノイズまでもいるこの平行世界には〝強化服〟系統の兵器は開発されていない様だ。もしシンフォギアシステムに相当する代物があるなら、重要機密で公にされていないとしても、カルマノイズが出現した時点でその担い手たちが助太刀に出撃していた筈である。

 

「とりあえずどこの所属の者だ?」

 

 おっと………正直に返答はとてもできない質問をこのGフォースの部隊長の一人らしきこの人物は、語気強めに訊ねてきた。

 

「私はマリア・カデンツァヴナ・イヴ――」

 

 私達を代表してマリアが、自分と私達の名前を紹介する一方。

 

「所属はまだ……申し上げられません」

 

〝どこの所属か?〟までは、自分たちの立場上今はお茶を濁すしかなかった。

 

「なんだと? ますます怪しい連中だな、事情聴取だ、ついて来てもらうぞ」

「待てよ………いきなりアタシらを犯罪者扱いか?」

 

 さらに不信感を強めたMr.KONDOは、事情聴取を催促してくる。

 この人本人としては〝任意同行〟のつもりだろうけど、言い方と少々強め過ぎる語気のせいで強制連行されそうな感じを抱くのは否めないな。

 

「勝手に俺たちGフォースの邪魔をしたんだ、当然だろ?」

「邪魔だとッ!?」

「確かに不躾に戦闘へ介入したのは事実です、ですがその言い方は流石に度が過ぎていると思いますが!?」

 

 彼のこの態度には奏さんも、実は静音の負けず劣らず気性が激しく曲がったことを嫌う一面もある奏芽も、喧嘩腰になって反論してしまい、睨み合いに。

 

「二人とも、落ち着きなさいって」

「そうだ、事実Gフォースの方々からしたら私たちは〝怪しさ〟の塊さ」

 

 そんな二人を、私とマリアはどうにか宥めた。

 奏さんと奏芽と違い、私はMr.KONDOの態度は無理ないものと思っている……むしろ黒木特佐の対応の方が〝異端〟だと言ってもいい。

 それにこの映画とは似て非なるゴジラとGフォースが存在する世界の詳細を知る上で、むしろ大人しく従った方がいい――トトのテレパシーと通じてこっそり奏さんたちを説得し。

 

「分かりました、事情聴取はお受けいたします」

「っ………お前はやけに物分かりが良いな、見たとこ………このメンツの中じゃ最年少だろうに」

 

 ある意味で第一印象から年相応に見られたことに喜ぶ、胸の高鳴りをどうにか私は隠しつつも。

 

「ただし――」

「ん?」

「その〝怪しい連中〟な私たちに、共同戦線を持ちかけたのは他ならぬ貴方がたの指揮官――黒木特佐であり、あの人の対応のお陰でゴジラを撃退できたことも、お忘れなきように」

 

 と、できるだけ慇懃な物腰で、ネットスラングを用いるなら黒木特佐の〝神対応〟に関する〝事実〟を、彼にお伝えしておいた。

 

「ちっ………あの〝トクセン〟の若造(ヤングエリート)が……」

 

 黒木特佐の名を挙げられて、あからさまに彼に対して皮肉たっぷり舌打ちするMr.KONDO。

 やはりこの世界の黒木特佐も、本来は自衛隊の――その略称から『特殊戦略作戦室』の室長であり、出向の形で現在はGフォースに所属している様だ。

 そしてなんと偶然か、仮設キャンプが置かれた公園内の頭上にて丁度スーパーXⅢがやってきて滞空し。

 

『近藤少佐、彼女たちは今回出現した新種のノイズに関する情報を持っていると思われる上に、ゴジラ上陸の阻止に尽力してくれた功労者だ、丁重にG対策センターに送り、おもてなすよう』

 

 そのコンドウ少佐に、黒木特佐は機体のスピーカー越しに釘を刺してきて、私はこのどうも〝訳有り〟堅物さんと化している節がある少佐の視界からは死角になる位置で、慎ましくほくそ笑むのであった。

 

つづく。

 




ちなみに今回朱音は黒木特佐との共闘中では伊福部先生作曲のスーパーXⅢのテーマ曲『スーパーXⅢ出撃!』を流して梶浦語風のフィーリングで歌っております。

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