GAMERA-ガメラ-/シンフォギアの守護者~EXTRA~:番外編&コラボ外伝集 作:フォレス・ノースウッド
しかし初めてアダムを書きましたけど……やはり難しいな、アダム式倒置法は(汗
「ついにだ……ついにシンフォギアとの〝訣戦(けっせん)〟だッ!」
「じゃんじゃん乱れ撃ちかますぜッ!」
「何だか今回は、行ける気がするわ!」
「オレが先陣を切るから後輩たちは援護しろ! 全員生きて帰るぞッ!」
その日の、錬金術師たちが産み落とせし、決して主役になれず、スポットライトの当たらぬ消耗品……ボク、親友、同僚、バナナ、先輩らアルカノイズの大群は――。
「よ~し! やってやる!やってやるぞッ! FG(ファンゲン・ゲサング)式回天特機装束が何だッ!」
自らの運命に抗おうと決死の覚悟を決め、摩天楼の渦中に出現し、一際盛大に大暴れしていた。
彼らの奮戦が功を奏したのか……昼から始まった進軍は空が夜天となっても続き、ボクらアルカノイズの中心メンバーは全員生き残っていた。
「よっしゃ!俺たちだってやりゃここまでやれるんだッ!」
「まだ仲間はたくさんいるわ! このまま物量で押し通りましょう!」
「ついに!ついに僕たちが――主人公の座に――」
ボクがそう口にしたその時だった。
突然、上空の闇夜が、暁色の炎(ひかり)に染め上がった。
「何今の!?花火ぃ!?」
「違う……あれは、オレたちの――」
空中を飛行できるボクの仲間たちは、次々と鮮やかな激しく燃え上がり、地上へと落ちて行き。
「せ、セミくぅぅぅぅぅ~~~んッ!」
両手がハサミ上でその名の通り蝉に酷似した容貌かつアルカノイズの中でも巨体なセミまでも、同様の炎に焼かれながら、倒れ伏した。
「に……逃げろ………奴が来る」
まだ辛うじて息があったセミは、焼き爛れていく身体に残された力を振り絞り。
「紅蓮の……破壊者が……おれから離れろ………巻き込まれる前に」
ボクたちに警告を伝えた。
「なん……だと………総員、セミから離れろッ!」
「どうして?」
「説明している時間はないッ! 急げぇぇぇぇーーー!」
半ば絶叫染みた先輩の指示(どごう)に、大慌てで燃え尽きる直前のセミの巨体から退避し始めるアルカノイズ一行だったが……。
〝Buaaaaaーーrn ――――Oaaaaautッ~!♪(燃~え~尽きろォォォォーーー~~ッ!♪)〟
雄大にして苛烈なる伴奏をバックに、スクリーモたっぷりの歌声を奏でて《Burn Out(燃え尽きろ!)》と轟き叫ぶその〝装者〟は、垂直状に急降下してセミにトドメのキックを叩き付け、その場から小規模水爆並みの大爆発が起き。
「みんなぁぁぁーーー!」
逃げ遅れたボクの仲間たちが押し寄せる炎の濁流に呑み込まれ、塵も残らずセミともども焼失。
眼前の現象に、ボクらが逃げる思考すら吹き飛び、摩天楼の渦中で燃え続ける炎の中を見てしまう中、見えてしまった。
「あれが………紅蓮の破壊者………ガメラ」
超放電現象(プラズマ)の業火を操り……紅緋色の鎧(しょうぞく)を纏い。
〝Uhゥゥゥゥ………Hahァァァァーーー!〟
奈落の底からボクらを戦慄し、恐怖させる唸り声を上げる………初めて目にする装者の姿を。
「ガメラ?」
「オレたちの統一言語(テレパシー)を使った異次元の仲間から聞いたことがある………この地球(ほし)そのものが、オレたちを駆逐する為に生み出した異端のシンフォギアと、それを纏う〝怪獣の魂〟を持つ装者の存在を……アイツが――」
その名は――GAMERA(ガメラ)。
「じゃあ、俺たちが今日気合い入れてここまで頑張ったせいで……」
「こっちの地球の意志に応じてギャラホルンが………奴を呼び寄せたと言うの?」
「そうとしか考えられない……」
紅蓮の破壊者が、美しくも妖しく光らせる翡翠色の瞳をボクらアルカノイズに向け、歌い続けながらこの場にいるノイズ全てを駆逐しようとする明確な殺意の籠った眼光を放ち、口角を不敵に上げて微笑んだ。
〝み~つけた……〟
その笑顔は、修羅の如く禍々しく……ただ歩いているだけでも、大地を震撼させそうな威圧感を発する紅蓮の破壊者は……手に持っていたライフルを構えて引き金を引き。
《プラズマ火球――烈火球》
火球を連続で発射。
アルカノイズたちからは次々悲鳴が上がり、火球の直撃を受けるか、着弾に生じた余波(ばくはつ)に巻き込まれた個体らは、その悲鳴すら響く暇もないまま消滅させられた。
「それがしらが奴の注意を引く、その間に撤退しろ!」
「分かった……すまない………セグウェイズが時間稼ぎしている間に逃げろォォォォーー!」
地上型の個体の中で最も機動力のあるセグウェイズが仲間を一体だけでも多く逃がそうと、果敢にも紅蓮の破壊者へと向かっていく。
だが最初こそ相手を攪乱できていたものの、セグウェイズのスピードと攻撃パターンを読み取ったのか………彼らの連携の隙を突き。
《ラッシングクロー――激突貫》
まず一体目が、五指の刺突で串刺しにあれ。
《ドライフォトンクロー――参連熱爪》
《エルボークロー――邪斬突》
《カーフクロー――邪撃脚》
手甲から、前腕から、両脚から、それぞれのアーマーから伸びた刃たちを舞い踊る様に振るい、セグウェイズ全員を焼き切り裂いた。
「そんな……」
ボクは絶望的な声音で目の前の地獄を突きつけられる。
奴の前では、セグウェイズのコンビネーションすら時間稼ぎにすらならない。
「おのれよくもぉぉぉぉーーー!」
「ダメだバナナッ! 敵う相手じゃ――」
「今……やっと〝貴方〟下へ……」
「バナナさぁぁぁぁーーーーんッ!」
バナナはずっと昔に倒された恋人の走馬燈(おもいで)を思い返して。
「俺の乱れ撃ちはどうだ! 紅蓮のシンフォギア!」
《フォトンスパイラルブシュート――雷光集束波》
「そんな………同僚君を超える早撃ちッ!?」
同僚は頭部から弾丸を連射する前に、相手が放ったマイクロ波の奔流に撃ち抜かれ。
〝今、楽にしてやる〟
再び飛翔すると同時に。
《ブレイズウェーブシュート――轟炎烈光波》
中規模都市一日分の電力を上回る出力を誇り、周囲の大気を一瞬でイオン化させる程のプラズマ火流の熱線が、アルカノイズたちをまるでゴミの如く薙ぎ払った。
「先輩……これからどうするんです……」
ボクと先輩はどうにか逃れたが、仲間の大半は滅却され、自分ら以外に生き残りがいるのかも分からぬまま、隠れ潜みながら。
「とにかく、奴に見つからぬまま逃げ続けるしかない……」
――逃げ延びようとしたが、穂先が五鈷杵状となっている杖(ロッド)――《ブランドスピアーロッド》を携え。
〝掃討する、駆逐する、殲滅する、破壊する………一体残らず……お前たちを〟
隠れていたボクらを見つけ、いわゆる高岩歩き――もとい無形の位の佇まいで、悠然と近づいてきた。
「先輩、もうこうなったら破れかぶれですよッ!」
「ああ……最早奴に滅せられる運命でも、ただでやられてたまるかッ!」
「散っていったみんな……だから見ていて!」
「オレたちの、最後の勇姿を!」
覚悟を決め直したボクと先輩の二体は。
「「行くんだ――行くぜ――行くぞォォォォォーーーッ!」」
最後まで運命に抗い、主役になってみせようと、紅蓮の破壊者――ガメラに立ち向かっていった。
―――――
「で、わざわざ時空越しに私を呼びつけた理由がこれ? 統制局長殿とミカ」
「そうだゾ、アダムがアヤネの前世の活躍を参考に書いたんだゾ」
ここは平行世界のイルミナティことパヴァリア光明結社の統制局長――アダム・ヴァイスハウプトのオフィス。
ここではギャラルホルンが繋げた次元ルートを通じて彼に呼び出された朱音が、やや呆れ気味の表情で脚本を読みつつ、局長自らが監督として作り上げた、自主制作にして作画面だけは破格のクオリティなアニメ作品を見せられていた。
「どうかね? 君の活躍を私なりに錬成し直したこの脚本(シナリオ)の出来栄えは? 感想を聞かせてほしい、忌憚のないものでね」
「………」
「どうしたんだい? 君まで黙り込んで、そう言えば似たような顔をしていたな、これの立花響――神殺(ゴッドキラー)バージョンをサンジェルマンとキャロルたちに見せた時も」
「作画は確かに凄かった………アダム一人だけで作ったとは思えないくらい、ミカが太鼓判を押すのも分かる」
「だロだロ?♪」
(けど、この極限の斜め上なチープさに、他にどんな表現で感想を述べれば良いのか分からない……)
朱音は、自分が悪役同然になっていること自体は気にしていない、実際この映画の通りの破壊者だった頃があるからだ。
しかしそれを差し引いても、これがアダム初めてのアニメーション監督作にして一人で作り上げた自主制作に対し、気合いの入った作画以外のどこにどう感想を表現していいか、全く思い浮かばずにいた。
「そもそもアルカノイズを主役にする発想はどこから?」
せいぜい先程同じ目に遭ったサンジェルマンたち錬金術師らとミカ以外のオートスコアラーズ同様に、当り障りのないツッコミをするので精一杯。
「したかったのさ、斬新な映像作品としてね、ただ思った以上に大変だったよ、ノイズをアニメーションで動かすのは、単純でシンプルそうな見た目と裏腹に、難儀を極めるくらい苦労したものだ、彼の者達を描くのをね」
「そうですか……とにかく私は帰らせて頂きます」
「まて、サンジェルマンとキャロルらにもさっき言ったが、ただでは返さないよ、忌憚なき感想をはっきり述べてくれるまではね」
しかし朱音は――。
「テレポートジェム? なぜそれを君が?」
「局長殿のオフィスに来る前にサンジェルマンのラボに寄って彼女から貰ったんですよ、ではさらば」
嫌な予感がして先に訪ねたサンジェルマンから渡されたテレポートジェムを割り、その場から転移して消えた。
「アダムの斬新さにまだ着いていけてないんだとおもうゾ、サンジェルマンたちもキャロルもガリィたちも朱音も」
「そうだな………今は良しとしよう、私のセンスの理解者はミカ、君一人だと言う確たる揺るぎない事実に」
「その意気だゾ♪ アダムッ!」
「いつかビルドして見せるさ、我が部下たちとシンフォギア装者をも唸らせ、感動させるアニメーションをッ!」
アダムのアニメへの情熱と創作意欲の炎は、まだまだ当分燃え続きそうなのであった。
終わり。