IS FALL~紅蓮の剣~   作:しじる

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ACT10 エンジェルダンス【あるミリシアパイロット視点】

惑星アルメデス上空、そこにはかつてないほどのミリシア艦隊が集い、これから行われる攻勢がどれだけ大きいか物語っていた。

下手をすると空を埋め尽くすほどであり、もしかしたらミリシアの総力やもしれない。

IMC惑星間中継拠点戦、デメテルやタイフォンに並ぶ大決戦になる未来は誰にでも想像出来た。

俺も相棒のヴァンガード級のコックピットの中で、指示が出るのを待っている。

遺書もちゃっかり書いてきてたりする。

正直生き残れる気がしなかったからだ。

これから起こることは歴史に残る、俺の名前は多分乗らないだろうけど。

そうしてくだらないことを考えていると、ブリックス司令の声が全艦隊に通達される。

 

『各員準備はいい?この戦いに勝つことが出来れば、IMC残存艦隊の息の根を止めることが出来る。雲の上と思われていた勝利が間近に迫るのよ!』

 

その言葉に、俺も含め多くの兵士たちが頷き、作業しながらも聞き込む。

 

『この戦いで私が出す命令は一つだけ、【必ず生きて勝つこと】以上!』

 

そう言い終われば音声が切り替わり、今俺を乗せてくれてる【ラストリゾート】所属艦の艦橋へ通信が繋がる。

ここのリーダー達はおちゃらけているが、実力は確か。

彼らも今回は出陣するとの事だ。

俺が担当するのは東塔…彼らは西と北を担当するようだから、援護は期待できそうにないが。

 

「よーしお前ら、スリルと冒険の準備はいいかぁ!!」

 

「そのセリフこの状況でも言わなきゃ気が済まないか?」

 

2人の声が聞こえてくる。

それに合わせてマーヴィン達がタイタンから離れていく。

降下がはじまるということだ。

俺は確りとコックピットが閉じていることを確認した後、これからはじまる降下への衝撃に備えた。

 

「当たり前だよドロズ、さあ行こうぜ」

 

「はいはい、よーし全てよし!」

 

タイタンが武装をロックする。

姿勢が降下体制に入る。

 

『各員、タイタンフォールスタンバイ!!』

 

ブリックス司令の声が響く。

瞬間世界が揺れる。

ガコンと音が響き、物凄いスピードで地上が迫ってくる。

普通は恐怖を感じるべきだろうが、それ以上に俺達は恐怖を感じるものを知っている。

 

『マルスがやられた!!』

 

『なんだこの対空砲の嵐は!?』

 

『おいこれ降りられるのかよ?!』

 

そう、対空砲だ。

普通大気圏外から突入してくるタイタン相手に対空砲なんて意味が無い。

設置場所を検知されたらそのまま軸をずらせれるからだ。

だがIMCは対空砲を設置する、その資源にものを言わせて。

デメテルの時も、タイフォンの時もそうだったが、やはりやばい。

既に地上に着く前に何機かのタイタンがやられたようだ。

俺の眼前にもいくつか掠めてくものがある。

さらに地上に近づけば今度は対空砲に混ざってプレデターキャノンが牙を向いてくる。

空中制御を誤れば即座に蜂の巣お陀仏だ。

俺の背筋に汗が伝う。

この時点で死んでもおかしくない。

悪運が強いのか地上まであと少しだが、正直きつい。

仲間のやられる悲鳴が聞こえてくる。

少し視線をそらせば、すぐ側の味方タイタンの上半身が消し飛ぶ様を見ることが出来た。

それでも俺は運がいいらしい。

結果的に爆散することなく着地でき、俺と同じ奴らが到着と同時に遮蔽物へ身を隠す。

 

「各員散開、目標へ侵攻せよ!」

 

「合図で行くぞ、いいな?」

 

一斉に飛び出せるように、皆がそれぞれ準備を整える。

飛び出せばリージョンのプレデターがお待ちという訳だから、タイミングは重要だ。

弾切れのタイミングを見計らい、切れる。

その瞬間に各員一斉に飛び出した。

鉄火が飛び散り、タイタン同士の砲火が口火を切る。

鉄と鉄が抉り合い、互いを消し飛ばしていく。

それでも止まる訳には行かない。

ヴォーデックスシールドを展開しつつ走る。

エネルギーが切れたなら直感で銃弾を避ける。

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!」

 

咆哮とともにロケット・サルヴォをリージョンにぶち込んでいく。

くらって怯んだリージョンの土手っ腹に蹴りをかまし、怯んだそこにサルヴォとxo16を叩き込む!

ズガガガガッと軽快な音とともにリージョンの上半身が穴まみれになり、ついに砲火網に穴がひとつ開く。

それに合わせるように他の仲間たちも次々とリージョンの戦線をくぐり抜けていく。

よし、これなら行けるはずだ。

走る仲間を他所目に、俺も目標の東塔へ向かって走り出す。

途中IMCの防衛タイタンが顔を見せるが、ミリシアのチームプレーに次々と打ち倒されていく。

大半のタイタンが中身のないオートタイタンだからだろうここまで上手くいくのは。

順調とも言える速度で、最終防衛ライン。

あと少しで俺たちの勝ちが見えた時だった。

 

『敵タイタン補足……っ!?エイペックスの【焦土の死神】だ!!』

 

その叫びと同時に、通信を入れたヴァンガード級の持つxo16が爆発した。

どうやらテルミットランチャーの直撃を受けたしく、中にあった火薬に引火したのだろう。

その衝撃で怯んだ彼にトドメを指すように、一体の赤い影。

コックピットハッチを貫通するブロードソード。

吹き出る鮮血で赤く染まる機体。

それは誰もが知ってるエイペックスプレデターズの2大エース。

 

『【赤い亡霊】だ!奴もいるぞ!!』

 

「こっちは大当たりかよ……くそ!!」

 

こちとら名前(二つ名)なんてない一般パイロットなのに、とんでもないものに当たってしまったと、後悔を表すのだった。




・タイタン解説コーナー

・在来生物
またの名を原生生物。
フロンティア各惑星に元々住む生き物達。大人しいものもいれば荒々しいものも多い。
中にはビル程の大きな体躯を持つものもチラホラ。
彼らに比べれば人間の体など肉の塊同然。
パイロットでないなら1人で挑むのは愚かとも言える。
ミリシアには彼らと共生する者達もおり、これもフロンティアで生きていく人々の形とも言えるだろう。

次回IS編スタート、解説インフィニット・ストラトス
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