冒険者兼破壊者の復讐劇。   作:TTY

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正月初投稿です。
⋯⋯本当は大晦日までにやるつもりではいたけど、無人島見てたら年を越してました。
文章全然書いてませんでした。


範囲拡張。
Ep11 雷去りし村の跡。


 「スティーブ、緊急事態だ。」

 

ジョンソンは、焦り気味に1冊の本を手に走ってやってきた。

⋯⋯依頼が来たようだ、だが様子がおかしい。

 

「どうしたんだ、ただの依頼じゃなさそうだが⋯⋯。」

「とりあえず目を通せ、話はそれからだ。」

 

(⋯⋯依頼文は、全て殴り書きだ。

相当急を要する事態らしい。)

 

依頼内容 たすけてくれ!!

目  的 ぶっ殺してくれ!

場  所 スロービレッジ

報  酬

雷にうたれたやつらがへんなぼーしかぶってクラフターをころすとかなんとかいってる!!

どうにかしてくれ!!

 

ジョンソンは、依頼を読み切って本を閉じたところで質問を投げてきた。

 

「報酬が明記されていないが⋯⋯。

これは、例のヤツに迫れる糸口になる可能性はある。

⋯⋯この依頼、引き受けてくれるか?」

「当たり前だ。

せっかくの仕事先を潰されては話にならん。

⋯⋯依頼を完璧にこなせるかはともかく、やるだけやってみよう。」

 

 早速、自分は準備を始める。

まずは、未知数の相手の攻撃から身を守るために、過去に集めた鉄を並べて防具を作る。

作業台は本当に便利だ。

並べるだけで色々な物を作れてしまう。

だが、それはあくまで本や村人達から教えて貰った知識を固めたものにすぎない。

⋯⋯自分だけの知識では、粗末な物しか作れなかった。

頑張ってもせいぜい石を加工するのが限界だった。

当時教えてもらった鍛冶屋のアイツは、とても努力家だった。

ダイヤの加工をしている姿も見た事がある程に、彼には腕がある。

しかし、あの惨劇をもって彼は⋯⋯。

巻き込まれた被害者とはいえ、これ以上悪夢の餌食にされる場面を見るのはごめんだ。

今すぐにでも止めに行かなくては。

 それから自分は、防具ついでに鉄の剣も作った。

これで鉄は全て尽きてしまったので、また探索に行かなければいけなくなった、残念。

食料は、山を崩す辺りで暇潰しという名の殺戮の果てに手にした肉を、かまどで焼いて持っていく事にした。

前に報酬として手に入れたにんじんは、荒れた畑を直して埋めたものの、戦力に出来るほどの数には現在なっていない。

時間は言うほど経っていないので当たり前だ。

 そんなわけで準備完了。

サングラスをかけ、マイクと無線の電源を入れて仕事開始だ。

それを合図に無線が入る。

 

「聞こえるか、スティーブ。

今回の目的は敵の排除だ。

相手はこの前仲良くしたばかりのやつらだが⋯⋯。

もはや救う手段は無い、迷うことなく殺すんだ。」

「わかった⋯⋯。

だが、変な帽子を被っているとはどういう事だ?

そんなもの一つで変わってしまうものなのか?」

「⋯⋯それはよくわからん。

まだ全容は見えないからな。

だが、サングラス越しに移してもらえれば、もしかしたら俺から助言を出せるかもしれない。

スロービレッジまで急いでくれ。」

 

無線が切れた後、小走りでスロービレッジへ向かう。

2回目の訪問が、まさかの非常事態とは夢にも思わなかった。

恐らく、この前の依頼人や村長も既に被害にあっているだろう。

ペースを上げるか。

 小走りから走りに切り替えてすぐに目的地のスロービレッジ周辺に着いた。

⋯⋯不穏な煙があちこちの家から出ている。

ここでまた無線が入る。

 

「スティーブ、いきなり敵地に乗り込むのはやめるんだ。」

「⋯⋯どうしてだ?」

「どうしてもなにも、まずは偵察からだ。

まだあんた、戦闘は未熟だろう?

平和に暮らしてきた奴が、戦闘に長けた相手、それも敵の拠点に真っ直ぐ入るなんて絶対にやってはいかん。

⋯⋯蜂の巣にされるぞ。」

「⋯⋯そうか、わかった。

で、偵察は木に登って見渡すでも大丈夫か?」

「あぁ、問題ないが⋯⋯。

目立つから慎重に行くんだ。」

「了解。」

 

⋯⋯無線が無かったら、馬鹿みたいに突っ込んで、馬鹿みたいにボコボコにされていただろう。

指示通り、偵察から始めることにした。

村より少し離れた場所に、オークの木がある。

あれに登れば、恐らく村の中を一方的に見れるはずだ。

早速、近くの地面を景観が損なわない程度に表面を削り、土を4つ程手にした。

これを木の幹の隣に1つ置いて、その上に乗ったら、天井を塞ぐ葉を削り、その場を飛んで土を積み上げていく。

青い空に向かって土の足場を伸ばして、木の上に登った。

 

「よし、登った。

確認してみよう。」

「その調子だ、いいぞ。

⋯⋯ところで、1つ言い忘れた事があった。」

「言い忘れた事?

なんだ、今回の仕事についてか?」

「違う、そのサングラスの機能についてだ。

無線のスイッチの反対側に、ダイヤルがあるはずだ。」

「⋯⋯一旦これ外すぞ。

こっちの目で確かめたい。」

 

一言言ってからサングラスを外し、縁の左側面を見るとダイヤルが確かにそこにあった。

全体的に黒いせいで、最初はなんかの出っ張りかと思った。

 

「見つけたぞ。

⋯⋯で、これは何なんだ?」

「それは双眼鏡の調整機能だ。

サングラスをかけた状態でグリグリしてみるんだ。」

 

グリグリ⋯⋯。

ダイヤルを回してみると、遠くの物が近づいたり遠のいたりしているのがわかる。

 

「とりあえず使い方はわかった。

⋯⋯だが言うのが遅い。

出かける前に思い出して欲しかったが、使えたからもうどうでもいいな。」

「すまなかった⋯⋯。

だが、これでここの異常が何かの手がかりは掴めるはずだ。」

 

失敗は今プラスに戻った。

気を取り直してサングラスをかけ、偵察を始める。

家の中から出る赤い煙は、どうやら大きな釜からでているものらしい。

そこにあるのは、やっぱり赤い煮えた液体。

それを⋯⋯変な帽子を被った村人が丁寧に棒で混ぜている。

だが、これを作る目的は一体⋯⋯?

 

「⋯⋯人か?

ちょいと俺が見てくる。」

 

まずい、家から出た村人の1人に気が付かれてしまった。

 

「しまった、気が付かれてしまった。

ゾンビよりも遠くを見渡せるみたいだ。

偵察は終わりだ、すぐに戦闘に入る。」

「まずいな、20ブロックはあったはずだが、足取りは真っ直ぐか⋯⋯。

早いところ土を少し崩すんだ。

3ブロックぐらいなら怪我はしない。」

「わかっている。」

 

1人が来ている中、素手で足場にしていた土を崩す。

オークの木は大体先まで8ブロック分ある。

土は先が見えるギリギリの7ブロックで、葉の上に乗って偵察を行っていた。

大体の外をうろつく敵は、こんな体勢でもこちらを見つけるような事はしないが、今回は例外だったらしい。

4ブロック以上上から落ちる、3ブロックの高さから飛び降りると、足が耐えられずにダメージが入るのは前から知っているので、4ブロック土を削ってそのまま移動して落下して、真っ直ぐ向かってくる敵を見つけた。

 村人の姿は、昼間だった為に細かく見ることが出来た。

顔色は悪くなっている上に、よく見たら緑の飾りが特徴的な黒い妙な帽子を被っている。

⋯⋯鼻には変なイボがあり、鼻自体がゆっくりと動いている。

それからローブは、聖職者の赤紫ではなく、完全な紫をしている。

この1夜に一体何が⋯⋯?

そうこうしているうちに、かなり詰め寄られてしまった。

そして、止まったかと思うと急に容器に入れた液体を取り出し、それを飲み始めた。

飲んでいるのは、紫色に光る空色の液体。 

それを飲み干すと、飲んだ村人の動きが少し早くなった。

まずい、走っているにも関わらず追いつかれてしまう⋯⋯!

急ぎで対処方法を無線で聞いてみることにした。

 

「ぜぇ⋯⋯ぜぇ⋯⋯おいジョンソン!

はぁっはぁっ⋯⋯あの液体はなんなんだ!?」

「あれはポーションと言うものだ。

だが、あの空色の液体はどういうものなんだ?

早くなったのは俺も確認できた。

製法を知りたいところだが、今は奴を始末する事を優先しろ!」

 

どうやら、ジョンソンもあの液体については知らないようだ。

次に村人は、紐付の容器をこちらに投げつけてきた。

中身は汚い黄色をしていた。

避けたので、結果的にその容器は地面にぶつかって割れた。

⋯⋯ところが、液体はかなり跳ねて肌に少しついてしまった。

すると⋯⋯そこから痺れるような痛みが出てきた。

前のファントムよりかは痛くないが、じわじわと襲いかかってくる。

一旦逃げた方が安全かと思い、急いで村から離れようとするも、もう1つ投げつけられたものがあったらしく、その液体を全身に被ってしまった。

今度は急にだるさが全身を包み込む。

それでもなんとか走り続けて、どうにか派遣村に帰ることが出来た。

その時には、痺れる痛みもだるさも引いたようだった。

 それから報告するべく無線を繋げた。

 

「⋯⋯すまない。

今回の依頼は厳しそうだ。」

「そうだな、まだ数をこなせていない新人に託すのは難しかったか。

しかたがない、一旦出直した方がいいな。

家に戻ってくれ、直接話したいことがある。」

 

指示された通り、ジョンソンの家に戻った。

ジョンソンは、1枚の紙切れを手渡して喋り始める。

 

「直接話したいと言ったのは、これを渡す為だ。

実は、同じような姿をした奴と戦った事がある。

それを振り返った時のメモだ。

役に立つといいが⋯⋯。」

 

そのメモを開いてみると、その敵と戦った事についてが細かく書かれていた。

⋯⋯絵心が無い事もわかってしまった。

これを見てわかった事は3つ。

 

1つ目は、剣を持たず、ポーションと呼ばれる物で戦う。

2つ目は、ダメージを受けるとピンク色の液体を飲んで回復を図る。

3つ目は、禍々しい赤色の液体を直に浴びてはいけない。

 

という事だった。

 

「よし、とりあえず至近距離を保つのは危険で、手早く剣で斬り込んで倒すが最もな戦法か?」

「そうだ。

弓を使うのも手だが、今のあんたなら剣で手っ取り早く倒す方が早いだろう。

だが、囲まれない事を意識して立ち回れ。

四方八方からポーションを浴びるのは非常に危険だ。」

「⋯⋯予習は大事だな、これからもう一度向かう。」

「気をつけてくれ、帰りは夜になるだろうから疲れていても油断はするな。」

 

ジョンソンの家を後に、もう一度あの村に向かうことにした。

対策を練ったので、次は逃げることなく倒せる事を願おう⋯⋯。

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