「サバイルバルの始まり?
スティーブ、あんた何を言っているだ・・・・・・?」
「少しだけ頑張ることにした。」
「おい、どういう事だ!!
スティーブ!! スティー」
無線機は今必要が無い、切っておこう。
さっきから聞こえる男がまあ耳に響くこと。
このサングラスも機能はともかく、見た目のセンスが無いな。
さて、文句はここまでにするとして・・・・・・この業物で勝負だ。
-数時間後、ネザー-
「スティーブ、あんた・・・・・・何者なんだ?」
「ジョンソン、何を言っているんだ?
まるで俺が別人みたいな言い方じゃないか、というかここはどこなんだ?」
「まるで人が変わったようにヤツらを根絶やしにしたじゃないか、どういうことなんだ!?」
「人が変わったように・・・・・・?
それは俺が聞きたいぐらいだ、ずっと気絶していたもんだから、何にもわからん!!」
「そうか・・・・・・とにかくあんたが倒れたところから話を進めよう・・・・・・。」
-スティーブ死亡直後、ネザー-
スティーブはついに立ち上がった、クレイモアの剣を手に。
しかし、彼の目は虚ろげで、時々力が抜けたように姿勢が崩れそうになっている。
「こんなものか、少し慣れが必要みたいかな。」
「まだ戦うのね、いいわよ。
私も腕がにぶってきたし、練習がてらやろうかしら?」
そして勝負は始まった。
スティーブは鉄の剣を右手に、真っ直ぐウィザースケルトンの方へ向かっていく。
単純な動きに、スケルトンは呆れ顔で軽くステップを踏むように後ろへ退く。
スケルトンの動きは速かったが、追いかけるスティーブだって恐ろしい速さで追いかけていく。
そのまま要塞の突き当たりのT字路へついに差し掛かり、同時にスケルトンはステップから一転して攻撃するべく、きりもみ回転でスティーブへ突っ込む。
それをスティーブは好機でも見出したようにひと笑いして鉄の剣で回転に逆らいつついなした。
火花が激しく散り、スケルトンは要塞から追放されていった。
「さっきのポンコツが、どうしてあんなに容易く弾いちゃうのよ!?
なんでよ!!」
「お前の動きは見飽きたんだよ、燻った頭じゃ何も考えられないんだろうし。」
「見飽きたって、これが初めてじゃ・・・・・・。
・・・・・・!!」
「それじゃあ全員まとめて来い!」
「・・・・・・裏切ったのね、やっぱりあなたは・・・・・・!!」
言いきる前にスケルトンは溶岩の底に沈んでしまった。
仲間達がスティーブを取り囲んで、T字路は骨だらけだ。
少なくとも10人はいる。
タイミングをずらしながら、3方面からスケルトンらは自分の剣を構えて突撃する。
しかし、スティーブは焦ることなく周りを見渡し、斬り掛かるスケルトンらを丁寧にいなし、がら空きになった背中に剣を突き立てる。
その間にも剣撃は止まらないが、突いては弾き、突いては弾きをひたすら繰り返す。
まるで機械作業でも見ているようだった。
4、5体倒した辺りで突きが横払いに変わった。
それはスケルトンの首筋を正確に捉え、切り離していく。
こうして出来上がったしゃれこうべを3つ拾った後、また流れ作業をする感覚で全員を切り捨てた。
「ノーヒントじゃあいつまでも気が付かないだろう。
この首でそろそろ察して欲しいと言ったところかな。」
最後にそう言い残し、そのまま大の字に倒れ込んだ。
「と言った感じだ、スティーブ。
無線を切られてしまったせいで、何を言ったかまではわからなかったが、あんたがとんでもない事をしていたのだけはわかった。」
「・・・・・・まるで分からないな、俺はろくに剣を握っていないからな。」
「ともかく、敵はみんなあんたが倒してしまった。
ネザーウォートとやらを回収して、とっとと戻った方がいい。」
「そうだな、本来の目的を忘れていた。
了解、探索に戻る。」
ここに至るまでの経緯がまるで分からないが、どうにか試練は乗り越えた・・・・・・らしい。
辺りは静かなことを見るに、夢を見ていた訳では無いようだ。
それに証拠がまだある、身体中が痛い。
散々に切りつけられたから当たり前だ。
ただ生きてる事だけが事実なだけマシなのか。
息を整え、大量に持ってきた人参をひたすらかじりながら、ボーッとして一面に広がる溶岩を眺めた。
まだ帰れないことを思ってひとつため息をついて、もうひと頑張りと拳に力を込めたが、同時に傷が身体に響いて声が出てしまった。
本当に地獄だな、ここは・・・・・・。