冒険者兼破壊者の復讐劇。   作:TTY

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Ep6 仕事の詳細。

 早速、ジョンソンは本と⋯⋯それからよく見えないが、変なものを手に、自分のもとへやってきた。

 

「仕事をしてもらうなら、これを頭につけてくれ。

予備の1つだが、性能に変わりはない。」

 

それは、カメラのついたサングラスといったところだろうか。

つけてみると、様々な物が目の前に浮かび上がる。

このカメラが気になる事を除けば、これは便利そうだな。

⋯⋯しかし、つけているだけでは、何がどうなのかすらわからない。

 

「なぁ、これはどういうものなんだ⋯⋯?」

「そのサングラスには、今のステータスと所持品を目視化するものだ。

ハートのマークが体力、肉のマークが腹減り、それから今は無いが何かを身につけると、ハートのマークの上に、服のマークが出る。

これが防御力だ。

それから、何か状態異常になったら、右上にアイコンが出るだろう。

まぁそんなところだ。」

「そうか⋯⋯。

まぁ使っているうちにきっと慣れる。

大半の事は体でなんとなく察してはいたが、これなら詳細に見える、ありがとう。

⋯⋯で、このカメラはなんなんだ?」

 

そう言ったところ、ジョンソンは横にあるスイッチを入れてみろと手で指示を出した。

その通りにカチッとスイッチを傾ける。

すると⋯⋯。

横にあった絵画が、プツンという音と共に、自分の見ているものそのままの世界に切り替わった。

 

「そのカメラは、ここにあるモニターに写るようになっている。

これなら、俺もあんたの仕事っぷりを直接見ることが出来る。

それに、必要ならある程度アドバイスも出せるぞ。

⋯⋯この本に書いてある事が限度だが。」

「結局受け売りじゃないか⋯⋯。」

 

そんなこんなで一通り説明が終わった。

 話は戻って、ジョンソンは一緒に持ってきた本を開いた。

 

「これは、様々な村に置かれた依頼本の一つだ。

しかし、この村の機能が失われてしまっていてどうしようもない。

だから、送られてはくるものの、対処すら出来なかった。

しかし、今はあんたに賭けるしか方法は無い。」

「で、その内容はどうなんだ?」

 

それを聞いて、彼はこちらに本を見せてくれた。

本に書かれていた事は、以下の通り。

そのまま書いても、恐らくわかってくれるだろう。

 

依頼内容 農作業の手伝い

目  的 荒らされた畑を元に戻す

場  所 スロービレッジ

報  酬 エメラルド5個

 

私のにんじん畑が、うさぎに踏み荒らされてしまってダメになってしまいました⋯⋯。

クラフターさんにも、修復の手伝いをして欲しいんです。

なるべく早めにお願いします!

 

どうやら今回は、簡単な仕事みたいだな。

報酬も、中々おいしいと思う。

ちょっとニコニコしていた自分を見たのか、彼も安堵している。

 その後、彼は入社祝いというかたちで地図をくれた。

⋯⋯実は、地図は今回初めて見る。

なんだか新鮮な気持ちになる。

しかし、前に村人から聞いた話と違う。

その事を聞いてみる。

 

「なあ、一つ質問いいか?」

「どうした? なにか地図に不安でも⋯⋯。」

「いや、既に八割程埋まっているんだが、最初はここの周りだけじゃ⋯⋯。」

 

そう聞くと、彼は本職たる所以、自ら歩いて埋める日もあると言った。

ここまでアクティブな村人を見たことがない。

ただ、この地図はかなり前のものらしく、今とは違う箇所も何点かあると付け加えられた。

 

「さて、最後にだ。

スロービレッジはここから北に向かったところだ。

地図でもわかると思うが、特別障害物は無い。

昼間なら安心してるが、今は夜。

夜はモンスターが湧く。

それに俺達の宿敵とも呼べるゾンビもそこらを歩き回る。

残念だが、また明日だな。」

「別に今からでも⋯⋯。」

「だめだ!!

貴重なクラフターに早速死なれては、冗談でも笑えん。

早いとこベッドで寝るんだ。

そこを使っていいぞ。」

 

ベッドを置いてもいいと言われたが⋯⋯。

インベントリには、無い。

あの朝、現地調達でと思って、原木だけしか持ってこなかった。

おまけに上陸して真っ先に見つけ、立ち話やここでの話に時間を食ってしまい、何も倒していない。

その事を彼に伝えた。

 

「⋯⋯そうか、ベッドを持っていないんだな。

そうだ、紫のローブを着た男の所へ行ってみてくれ。

彼は懐が深い。

恐らくベッドも貸し出してくれるはずだ。」

「いや、今から自力でひt」

「絶対に貸してくれるはずだ!

ここが終わってから、毎晩毎晩独りは寂しいと老人みたいにか細い声出しながら、夜中に俺のところへやってくる。

⋯⋯どうか、寂しがりな彼の隣にいてやってくれ。」

「⋯⋯わかったよ、そっちは独りでもいいか?」

「大丈夫だ、仕事が終わったらとっとと寝るからな。

そろそろ耳障りに思っていたんだ、精神的苦痛が酷くてな⋯⋯。」

「⋯⋯随分と大変なようだ。」

 

一言挨拶をしてジョンソンの家を出たあと、ちょうどモデストとすれ違った。

ちょうどいいので、声をかけた。

 

「あぁ、モデスト。

ちょうどいいところに来たな。」

「なんだい、今日もジョンソンの家で独りを紛らわそうかと思ってたけど⋯⋯。」

「余っているベッドはあるか?」

 

言い切った途端に、後方にゾンビが見えた。

このままだと、モデストも⋯⋯。

⋯⋯時間は無い。

 

「それは本当かい?

いやいや寂しい時にこんな都合よく話し相手が見つかるなんて、ついてるなぁ自分!!」

「ちょっと動くな。」

 

間近にまで迫ってきたゾンビを追い払うべく、石の剣を彼の肩より上に突きつけた。

剣はゾンビの顔面に思い切り突き刺さり、紫色のローブは、真後ろだけ真っ赤に染まった。

そして倒れたゾンビは、そのまま白い煙に変化した。

 

「おいおい脅しのつもりかい!?

冗談じゃない、この人でなしがっ!!」

「待て待て落ち着け!!

後ろからゾンビが来ていたんだ、外で話したのが悪かった。

すまない⋯⋯。」

 

モデストは、恐る恐る後ろを振り向く。

転がった石の剣と腐肉を見て、納得はしてくれたようだ。

そして、態度は出会った当初のように戻った。

 

「あぁ、そうなのか。

すまなかったよ、本当にありがとう⋯⋯。

助けてくれたお礼で、ベッドは譲るよ。

さっ僕の家にあがってあがって。」

 

お言葉に甘えて、彼の家に入った。

彼の家はそこまで広くなく、あまり物は置いていなかった。

一通り見回した後、投げてくれたベッドを受け取った。

どうして設置をしないのかと聞いたところ⋯⋯どうやら村人は、ものを設置する事が出来ないみたいだ。

村自体も、元々は遠い昔に何百人もいた人達が建てたものを、死んだか何かが原因で放置されたものらしい。

村の事情を知ったところで、ベッドを端に置いてそのまま寝た。

⋯⋯それから、寂しがりなのは本当だったみたいだ。

彼は独り言がなかなかうるさい。

こんな状態で仕事を続けられるジョンソンの集中力は見習いたいものだ⋯⋯。

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