記憶の断片   作:じゅるじゅるアクメビッチ

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#2 魔界への道(5)

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以下は、ある男の17歳5月17日12時頃の記憶の一部である。

 

 

 

 

   ◇◆◇◆◇

 

 

 

「うわっ〜……。本当に浮いてやがる」

 

「こういう場所なのよ、あんまり考えないほうが良いわ」

 

「だろうね」

 

崩れた遺跡というか、そんな雰囲気を持つ足場が多数浮遊しており、そこから落下すれば何処へ向かっていくのか分からない。

 

「ここからは、言語と理解能力のない悪魔が門番代わりに出てくるから……容赦しなくて良いわ」

 

「Oh……OK」

 

姉御の忠告にそう答え、俺は視界に入った巨大な半透明な何かに封じられた巨大な門を見やる。

 

「あれが、地獄門……?」

 

「えぇ、そうね。また解除しなきゃ行けない手間があるみたいだけど、あれが第1地獄門。地獄ではなく魔界へと直接通じている入り口よ」

 

「地獄ではなく、魔界……か」

 

名前に「地獄」とついているのに向かう先が異なる「魔界」というのは気になることだ。だが、確かに地獄へと通ずる第5地獄門とは何か雰囲気というものが異なる気がした。

 

「さ、さっさと行きましょ。パーティに遅れてしまうわ」

 

「時間の齟齬で待ちくたびれさせてたりして、ね」

 

「そうだったら、途中参加ね」

 

返答しながら前傾姿勢になり、黒豹に変化した姉御はグイグイと前進していく。それに伴って俺もほぼ同時に、灰色に黒の斑点模様のチーターに変化して彼女の後ろを付いていく。

 

――獣に変化する魔術、ウィズイン

 

陸上を疾風の如く走り抜ける、この現在扱っているのが、パンサーやチーター、山猫と言った物に変化するものだ。他にも、水中での行動性を高める物や飛行、小動物への多数の分身などがある。

 

この遺跡のような場所にたどり着く前に、滅したインスマス野郎共の時も水中戦であったから姉御的に変化は出来なくはないのだ。が、あの程度にわざわざ使う必要は無いとのことで銃撃と

打撃だったが。

 

まぁ、同意はする。

 

ちなみに、俺は水中でのウィズインはまだ出来ない。力量的には問題ないと思うが、結局は「思う」に止まってるだけ。

変化可能になったら、鮫系のものにしたい。

 

「あら、お出ましみたいよ」

 

「……本当に底辺級じゃん」

 

目前に赤い靄と共に現れた門番代わりの悪魔と対峙し、ウィズインを解除する。

 

その姿から確かに、底辺級と解る。人形の形を取り、角を生やす全体的に黒と紫の色が特徴の悪魔であるヒディアスは我々にとって只の雑魚クズに過ぎない。

面倒な面を上げるとすれば、人間同様に武器を所持していることか、まぁソレしか扱わないみたいだけど。

 

「直ぐに仕留めちまおう」

 

「ギシャアアァッ!!」

 

別空間上に鞄のようにしまっていた「アグネッタ」と「ビョルン」を両手に装備し、その翠色に塗装された拳銃で目の前のヒディアス(ゴミ)を片付ける。

 

「ギャッ!」

「グギッ!」

「ギャべッ!」

 

合計5匹程はいたようだが、全て己の銃撃によって頭部を弾き飛ばし、死体をどこへ通じているか分からない空間へと蹴落としていく。

 

「ゴーレムっている?」

 

「さぁ、分からないわ。いるかもしれないわね」

 

「ふへ〜」

 

道なりに通っていけば、大分広い円形の地形が見えてくる。あぁ言ったところに大体出現しそうなもんだが……。

 

出てきたら面倒だ。と思いつつ、姉御と共に先へと進むために、その地形の中央を通り過ぎていこうとする。

 

「あー……予想通り、来やがった」

 

咄嗟に後方へ回避して、橙色のような黄色のような巨大な球体が、この足場の中央に出現する。

 

「ゴーレム」と呼称されるものは、遺跡を守護する又は創造主を守護及びそれの指示に従う意志のない存在とされている。

 

形や音、力量などは様々で個体によっては大きく力の差が出るものもある。

 

段々と水色の固い物質で成る破片が集合するように、球体の方へ装甲となるよう形成されていく。

 

この「ゴーレム」は、剣や手や四足生物へと変化する存在で、総合的なゴーレムとしてのランクを考えると、中の上といったところだ。

 

「うだうだ言っても仕方ないわ。片付けましょ」

 

「そうっすね」

 

彼女の言葉に頷いて、両足に残りの拳銃を装備し、相手へと構えた。

 

 

 

   ――――

 

 

 

「先ずは、一発」

 

装甲を削ぎ落とし、本体であるゴーレムの球体を地獄門を封ずる結界にぶつけるという止めの刺し方をすることで、あの結界のような半透明な物質に少しひびを入れることが出きたようだ。

 

「ここからは二手に分かれて、行動しましょう」

 

「おっと、つまり俺は単独行動?」

 

「えぇ、今のところは敵もちゃんと始末できてるみたいだし、平気よ」

 

「なるほど、頑張ってみる」

 

「それじゃ、あの封印を解く片方を、お願いね」

 

「OK〜」

 

そう言った彼女は早速パンサーウィズインを使用して、颯爽にこの場を駆け抜けていった。

 

自分も別のルートで行動するために、他の道を目通しで見つけ、其処から進んでいくことにした。

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