戦国を翔る大空   作:ツー君

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即興なので期待しないでください。


邂逅

今日は並盛中学三年生になった俺達の卒業式だった。朝食に自分から起きたことで母さんに驚かれたりしたけどもう、子供じゃない。

 

骸と闘って力は、ただ全力で使えば良いものではないと分かった。

 

XANXUSと闘って仲間の大切さを学んだ。

 

白蘭と闘って初代(プリーモ)に会って、一人じゃ勝てないことを知って。

 

炎真達、シモンファミリーと闘って絆を知って。

 

復讐者(ヴィンディチェ)との闘いで憎しみと怨みだけじゃ前には進めないって分かった。

 

 

必要なのは覚悟の大きさ。

 

絶対に死んでも貫き通すという本物の覚悟。

 

 

「ツナ、今日は早いじゃねーか」

 

「リボーン、おはよう。昨日は何処行ってたんだ?」

 

リボーンは、昨日朝からずっといなかった。リボーンの強さを知ってるから心配はしてなかったけど、隣にいないとどうも落ち着かない。

 

「なんだ、心配でもしてたのか?」

 

「リボーンに限って何かあるとは思わないよ。でも落ち着かなくってさ」

 

「そうか。復讐者との闘いでツナ、ボンゴレギア壊しただろ?」

 

「うっ....」

 

それを言われると弱い。

 

あの時、死ぬ気の境地で俺が導きだした答えは、力の反動を抑えることを辞めること。今までは、冷静に分析して何処までなら力を出しても問題ないか、等と考えてたけどそれが返って力を抑えるかたちになっていた。

 

そして届いた。

 

死ぬ気の境地の更に先。死ぬ気の到達点に。

 

その時に何も考えずに力を解放した俺の力に耐えきれなくなりボンゴレギアは、砕け散った。

 

ボンゴレリングは、ボンゴレファミリーの至宝。

 

代々受け継がれてきた罪。

 

その新しい形がボンゴレギアだった。

 

なのにその至宝を俺は壊したのだ。

 

何時だったか未来でヒバリさんに稽古をつけてもらってるときの事を思い出す。

 

真っ暗な空間で目の前に広がるボンゴレの罪。頭が痛くなる程に、目をそらしたくなるほどに、許されることのない業に。俺は言った。

 

『俺が....俺がボンゴレをぶっ壊してやる!!』

 

まさかこのような形で壊されるとは、初代も思ってみなかっただろう。

 

壊れたことを9代目に話すと気絶したことを今でも覚えている。ベットの中で気にしなくていいと言われたが、それは無理だろう。

 

珍しくその帰り道にリボーンが慰めてくれたのが心にきて泣いて、男が簡単に泣くんじゃねえって蹴られた覚えも昨日のように感じる。

 

「あのあと知り合いに頼みに言ってなんとか治ったぞ」

 

そう言って俺に渡されるのは、懐かしく輝きを放つ大空のリングだった。

 

「こ、これ!」

 

「ああ、治してくれた奴の名前は、本人の意思を尊重して伏せるが検討はついてんだろ?」

 

「うん」

 

こんなことが出来るのは、俺が知るなかで一人しかいない。

 

緑色のおしゃぶりを持っている、アルコバレーノの一人。ヴェルデ。

 

「あとこれは、家光からだぞ」

 

「父さんから?」

 

茶色の袋の中に入っていたのは、小さい小瓶だった。小瓶の中には、死ぬ気丸が10個ほど入っている。

 

「これは、死ぬ気丸?」

 

「やっぱり家光らしいな」

 

「でもどうして?」

 

「お前の事を誰よりも心配してんのは家光だぞ?そしてママンのこともな」

 

そっか...父さんありがとう。

 

「レオンからもあるぞ」

 

「これって!毛糸のミトン!」

 

あの時一緒に破れちゃって困っていた物だった。だからレオンあんなにひょろひょろになってたのか....。

 

「ありがとな、レオン」

 

優しくレオンの頭を撫でるとレオンは、舐め返してくれる。

 

ピンポーンと家の呼鈴がなる。

 

食べ終えた食器を台所にいる母さんに渡して御馳走様と言い2階に上がる。

 

自分の部屋に入り二階の窓を開ける。

 

「皆ごめんね!鞄持って直ぐ降りるから!」

 

「10代目!おはようございます!ゆっくりで大丈夫ですっ!」

 

「ツナゆっくり来いよー」

 

「極限に急ぐのだー!沢田ー!」

 

あれ?どうして京子ちゃんのお兄さんもいるの!?今高校一年だよね?

 

「ツナ君、おはよう」

 

「ツナさ~ん♪ハルはずっと待ってますよ!」

 

京子ちゃん...ハル、俺は多分高校を卒業したらイタリアに行かなきゃいけない。だから二人とも話さないといけないと思う。もう誤魔化さない、きっと。

 

でも...今は皆の場所に急ごう。

 

俺には勿体無いくらいの仲間(ファミリー)の元に。

 

階段を降りる。皆の元に向かう為に。

 

駄目ツナという言葉が頭を掠める。

 

これは直感が働いたのかもしれない。

 

俺は足を滑らせて階段から転がり落ちた。

 

 

 

 

 

 

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-------------

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痛てて....。後頭部をおさえながら立ち上がる。思い出せるのは、階段で足を滑らせて落ちるところまで。

 

現状の確認には、充分の筈だった。

でも不充分だった。目を開けた場所は家の中では無く。平地。

 

それも刀や槍を振り回している、正しく戦場だった。

 

「え?...ええええええ!?」

 

気が動転して叫び声を上げる。矢が俺に向かって空から弧を描きながら落ちてくる。震える足に渇をいれ立ち上がり走る。

 

ふと、10年バズーカで未来に言ったときの事を思い出す。また白蘭が未来で?ここまで考えて首をふる。最後に白蘭に会ったのは、1ヶ月ほど前だった。暇だったのか学校から家に帰ったら部屋にいたときは驚いた。

 

あんな顔してる白蘭が何か企んでいたなんてことは無いと思う。というより直感している。

 

「おみゃー見たことねえ珍妙な格好してるだね」

 

必死になって逃げていて気付かなかったが知らないおじさんが隣を並走していた。

 

「はあはあ...おじさん誰?」

 

「わしかー?わしは木下 藤吉郎じゃ」

 

「あ、俺は沢田綱吉って言います」

 

「良い名前だみゃ。それで沢田は織田軍の兵なのかみゃ?その珍妙な格好は南蛮好きと言われてる織田信奈の兵に違いないみゃ。わしは今川軍の足軽だったんだぎゃ今川では、出世は期待できんからのー織田軍に仕官しようとしているわけだみゃ。沢田、織田軍の足軽なら信奈殿にお目通り出来んか?」

 

語尾のみゃが気になるけど....それより織田?織田って確か戦国時代の...あれ?織田信奈って名前だっけ?

 

ていうか.....。

 

「ええええええ!?戦国時代!?」

 

「しーっ!おめぇさんそんな大きな声で叫んだら」

 

「ひっ!」

 

目の前を銃弾が過ぎ去る。あまりの出来事に開いた口が塞がらない。

 

「うっ...」

 

「あ、お、おじいさん!」

 

地面に倒れたおじいさんを抱き抱える。腹から血が流れており俺の手を紅く染めていく。

 

「俺のせいで...」

 

あんな状況で叫んだりなんかしなければおじいさんは.....。リボーンが隣にいないだけで俺は、前までと同じダメツナなのか?リボーン....。

 

「流れ弾だみゃ、沢田のせいじゃないみゃ。けど無念だみゃ...これでわしの夢は永遠に叶わなく...」

 

「おじいさん!....おじいさんの夢を教えてください!俺、俺がおじいさんの夢を死ぬ気で叶えますから!!」

 

リボーンなら言う筈だ。メソメソするなって、せめておじいさんの夢を俺が叶えよう。

 

「沢田...わしの夢は織田軍の足軽になって尾張で天下一の嫁さんを貰うことだみゃ...」

 

「え?....」

 

おじいさんの夢が斜め上過ぎて固まってしまった。

 

「沢田後は....頼んだみゃ」

 

そのまま、おじいさんは息をひきとった。目の前で知ってる人が銃で撃たれて死んだ。幻騎士が死んだところを俺は見ていない。事実上目の前で人が死ぬところを見たのは、これが初めてだった。吐き気に襲われなかったのは、おじいさんが、笑いながら亡くなったからだろう。まだ死んでないと言われたら信じるくらいに、おじいさんは、健やかに眠っている。

 

おじいさんから最後の頼み。織田軍に仕官すること。そして、天下一のお、お嫁さんを貰うこと。

 

流石の俺でも現状がリボーンの用意した試練じゃない事は分かっていた。リボーンは優しいから、俺の前で人を殺したり殺させたりしない。それに一歩間違えば撃たれていたのは俺なんだよな。

 

元の場所には帰りたい。仲間の顔が脳裏に思い出される。でも、約束は死ぬ気で叶えるって言ったもんね...。

 

 

俺は、何か入っていないかポケットを探してみた。大空のリングは指にはまってたけどこれだけじゃ心もとない。ボンゴレボックスは無いのだ、死ぬ気の炎は出せてもこの世界で生き残れないと直感していた。

 

「これは!」

 

ポケットの中からは、レオンが作ってくれたミトンに父さんがくれた死ぬ気丸が入っていた。

 

死ぬ気丸は全部で10粒。少なくとも10回は死ぬ気になれる。でも10回しか死ぬ気になれないってことだ。俺は、まだ死ぬ気をコントロール出来ないからキッカケがないと死ぬ気になれない。死ぬ気丸無しに死ぬ気になりそうになったことは一度だけあった。

 

髑髏病で身体中が蝕まれていたときに、シャマルが京子ちゃんを襲おうとした。あの時確かに死ぬ気になれた。それなら...死ぬ気丸無しでも死ぬ気にはなれるのかな?

 

まだ出来ない。けど出来ないことじゃない。織田軍に仕官できた後に考えようと戦場に向かうことにした。兵を避けながら進むと遮蔽物の多い竹林に着き竹林を抜けると平原が拡がっていた。

 

歩きながら俺は困っていた。織田軍の特徴が分からない。正直家紋すらよく分からないのだ。唯一の手掛かりは、おじさんが言っていた、南蛮好きくらい。いや南蛮ってなんだよ....正直聞いたことが無かった。こんなとき獄寺君がいてくれたらなぁ。溜め息を吐きながら進んでいく遠くに馬に乗りながら逃げている金色の髪をした女の子が見えた。騎馬兵に追われているようで5人に追われている。俺は直ぐにミトンを両手に付けて死ぬ気丸を飲んだ。

 

 

 

 

信奈side。

 

くっしつこいわね、全軍を前に出したのは失敗だったかしら?せめて犬千代が残っていてくれたら....ううん、甘えてもしょうがない。どうして本陣がバレたのかは謎だけど、今は、なんとかするしかない!

 

「はは、諦めたようだな。織田のうつけ姫が!」

 

騎馬兵の一人が言ってくる。今川軍の足軽は礼儀も知らないようね?

 

一人が弓矢を放ってくる、それを腰にさしていた津田遠江長光を抜き馬から飛び降りた時の勢いのまま真っ二つに切り裂いた。馬から降りたことで足を無くした私に囲むように騎馬兵が弓矢を構えた。

 

私もここまでかしらね。

 

------様。

 

お父様。

 

私が好きになった人は皆死んでしまう。

 

ならここで終わっても良いわよね。

 

 

静かに目を閉じたこれから起こることを思いながら。少し経っても痛みが来ない。それどころか暖かく浮遊感がする。周りが騒がしく目を開けると目の前にはオレンジ色の炎を額に灯した男の子の顔があった。

 

「綺麗」

 

その炎を見て思わず呟いてしまった。それほどまでに見たことが無い透き通るような炎だった。

 

「大丈夫か?」

 

見覚えの無い少年にそう言われ少し恥ずかしくなり視線をそらした。そこで理解した、先程から感じている浮遊感の正体を。

 

「う、浮いてる!?私浮いてる!?」

 

「落ち着いてくれ...」

 

男の子は、私を地面にゆっくりおろしてそして、一瞬で消えて目の前の騎馬兵5人が一瞬で気絶した。

 

え?驚愕した。

 

私だって戦国の世を生きるものとして武を嗜んできた。うちにいる豪将の六だってあんな動き出来ないのに。それに一人も殺していない、全員ただ気絶しているだけ、殺すよりも難しい事を目の前の少年は簡単にやってのけた。

 

でも、どうしてそんなに眉間に皺をよせているのかしら。

 

それだけが分からなかった。

 

「姫さまぁああ!!姫様!ご無事ですか!」

 

六が騎馬兵を小数連れて戻ってきた。このままボーッとなんてしていられない。

 

「このまま今川本陣を叩くわよ!!」

 

私の声に協調するように六達も叫び馬を走らせる。

 

少しでも此方に戦況が傾けばいいけど....。

 

「織田信奈だな?悪いがお前はここで死んでもらう」

 

声に振り返ると六と一緒に戻ってきた筈の騎馬兵が種子島を構えていた。騎馬兵に種子島は渡していない。馬の上で撃つなんて馬が驚いてしまうから。

 

「っ...」

 

殆どゼロ距離に等しいこの距離で既に火を入れてある種子島をかわすことは不可能だった。

 

ごめんね、皆。

 

「死ねっ!!」

 

種子島の発砲音が響き渡る。静かな荒野に響くその音はしかし、痛みがいつまでも襲ってこない。

 

「あなたは....」

 

先程私を助けてくれたオレンジ色の炎を灯した少年が右腕を種子島に向けていた。ただそれだけの筈。なのに種子島を撃った本人は驚愕しており、顔が青い。そして震えている。

 

種子島からは煙が上がっているので撃ったのは間違いない。

 

「仲間じゃないのか?」

 

「ひっ」

 

少年の後ろに立っているのに体が震えてくる程その声は、冷やかだった。

 

でもいつまでも震えているわけにはいかない。私は織田家当主。織田信奈なのだから。

 

 

「そいつは、味方の筈なんだけど。多分信勝の兵ね...紛れ込ましたのは、信勝の家臣ってとこかしら」

 

これで何故私達の本陣が相手にバレたのか分かった。味方側から密告者がいたんだ。それが失敗に終わったから自分で止めをさしにきた、というところね。

 

「あんたがいけねんだ!あんたさえいなければ!!織田の当主は信勝様だ!!」

 

「織田の当主?」

 

「いいえ違うわ。私が織田家当主。織田信奈よ」

 

一瞬少年の目が見開かれた。どうやら知らなかったみたいね、でもならどうして私を助けたの?普通誰かを助けるなら手柄が目的。それが違うなら私が女だから?確かに容姿には自信あるけど、あの透き通るような目を見ると違うと分かってしまう。

 

それにあの奇妙な格好。南蛮の服装だろうか?日ノ本では、見たことがない服装だった。

 

 

「ええい!黙れ!!貴様なぞ尾張の大うつけだ!!女が戦争ごっこなど片腹痛いわっ!」

 

「.....」

 

少年は無言のまま手套を兵の首に当て気絶させた。

 

尾張の大うつけ、か。これも言われ慣れた言葉だった。女であるこの身で戦争なんてって言う者も多かった。それでも姫武将なんて呼ばれるようになってからは、少しマシになってたけど。

 

私が女なのは変えようがない...デアルカ。

 

 

「あ、あの!」

 

考え事をしていたら少年に声をかけられた。額の炎は消えており、何処か先程よりも幼く感じる。

 

「怪我とかしてませんか?」

 

「大丈夫よ。貴方のお陰ね」

 

そこまで言って考えた。この少年をこの場で見過ごすのは惜しい。あの戦闘力は敵に回れば驚異になる。それに.....。

 

 

強さの中に確かに優しさも感じた。

 

この戦乱の世では甘いのかもしれない。でも私は、それでも。

 

「ねえ、貴方に何かお礼をしたいんだけど」

 

「え!?お礼なんて良いですよ!俺はただ当たり前の事をしただけですから!それよりお願いがあるんです!」

 

ん?お願い?まさかお願いされるとは思わなかったけど、命も救われたしある程度のお願いなら。

 

「俺!織田家に仕官したいんです!」

 

「え?」

 

こちらからなってくれない?とお願いしようとしていた事を言われてしまったので疑問で返してしまう。

 

「だ、駄目ですか?」

 

「....ぷ、あははは」

 

「え、え!?お、俺何かしましたか?」

 

「ううん、違うのよ。そうね~足軽からでもいいの?」

 

「勿論です!」

 

冗談のつもりだったんだけど....こんなに目を輝かせられると直視出来ない...というか冗談なんて言えない。

 

でも下で働かせるつもりもない。出来る限りなら私の家臣達と同じ所に置いておきたいし。

 

「分かったわ。貴方は今日から織田家の足軽よ。それと最初の仕事は、私の草履取りをすること」

 

「草履取り?」

 

草履取りって知らないのかしら?服装から見て裕福そうではあるけど。

 

「草履取りは、私の側で草履を脱いだとき草履を揃えておく事が仕事よ」

 

「....すいません。草履って何ですか?」

 

「え?」

 

それから六達が本陣に戻ってくるまで信奈から草履とは何か。草履がいかに素晴らしい物か語られていた。

 

その光景に六が嫉妬して斬りかかりそうになったとかならなかったとか。

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