異世界で生きるだけの物語(仮タイトル)   作:毛利 綾斗

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今回は異世界ではありません。
現実での話になります。


プロローグ~その後~

その日総武高校は急遽休校になった。学内一斉メールには総武生の死人が出たことから休みにしたこと。そして外出を控え、自宅で学習しているようにとあった。

おそらくこのメールを見た3年生、そして受験に対する意識が高い2年生、そして定期試験に対する意識が高い1,2年生は自宅で勉強しているだろう。

しかし、今は定期試験の試験期間に入る前で大半の学生は遊びたい気持ちで一杯だ。そんなときに突然得られた1日の休暇である。遊びに出かけるなというのが無理な話だろう。それが例え学生の為を思っての行動だとしても学生はその真意に気が付くことはない。すべては自身の今を楽しむことだけにしか意識を割いていないからだ。

だから大半の学生は平日にも関わらず昼間の時間から街に出て行ってしまう。

総武生が死んだことは知っていても彼らにとってはどうでもいいことなのである。それが自身の友人でなければ。

 

 

「さがみんどうしたんだろうね。連絡しても出なかったし。でも出なかったし明日自慢しちゃおっか」

 

 

「そうだね。じゃあ今日は楽しんじゃおっか」

 

 

ここの駅前の商店街にもそんな考えの二人組がいるようだ。

 

 

「ちょっとごめんね。あなたたちって総武高校の学生さんかしら」

 

 

スーツを着こなす女性に声を掛けられる二人。

総武生であることを当てられて一瞬驚くが、すぐに納得したような顔になる。こんな平日の昼間に学生位の年齢の二人が遊んでいるのだ。休校になっている学校の学生であると気付かれるくらいは頭の回転が速い彼女たちだったらすぐに気が付くだろう。

それ以上を考えない彼女たちは楽観的過ぎるというかなんというか・・・。

 

 

「ねぇ、相模南さんっていう学生を知っているかしら?」

 

 

「さがみんですか?私たち友達ですよ。どうかしましたか?」

 

 

それに食いつく女性。

 

 

「少し聞きたいことがあるんだけどいいかな。あっちの喫茶店でどうかしら。代金は私が出すから」

 

 

互いに顔を見合わせる二人。ただで喫茶店に入ることが出来る。また、喫茶店だったらどこかに連れていかれたりすることがないと思ったのだろう。二人はすぐに肯定の意を示した。

そこで二人が受けた質問はそんなに多くなかった。

例えば

「相模南は普段どういう人なのか」

「比企谷八幡を知っているか」

「二人の関係性は」

etc…etc…

 

 

 

 

 

「うーん。二人を知ってる人から話は聞けたけどどうも辻褄が合わないわね」

 

 

特に辻褄が合わないのは二人の関係性ね。

彼女たちが言うには文化祭の時に比企谷君が相模さんを罵倒した。それを広めて彼は学校中の嫌われ者になった、らしい。

それから体育祭以降、彼女たちは彼に関わることはなかった。

ということは彼女たちの中では悪口を広めることで満足していたということ。それに話を聞いている限りだとむしろ彼の方が恨みがたまっていそうなのに。それなのに突き飛ばしたのは彼女の方。これはもう少し調べる方がいいかもしれないわね。

 

 

 

それから今日出歩いていた総武生に話を聞いてみたけど得られたのは大体同じ情報のみ。

比企谷八幡という学生は学校中の学生から嫌われている、バカにされている、下に見られているということだ。

そのことを上司に報告するとすぐ学校側に連絡を行った。

学校側はその事実を知らぬ存ぜぬで押し切ろうとしたが最終的に折れ、2-Fの学生と奉仕部という部活動のメンバーに話を聞くことが認められた。

その大半は出歩いていた学生と同じことを言っていた。が、数名は全く違うことを話したのだ。

一人は白髪の少年。

「八幡は優しいよ。困っていた僕を助けてくれたんだ。僕以外にも手を差し伸べてたよ」

 

 

青い髪の女の子。

「まぁ悪い奴じゃなかったよ。私もよくしてもらったし。だから学校中に出回ってる評価は気に入らない」

 

 

赤い眼鏡の女の子。

「彼は優しいし賢いの。だから私は彼を利用しちゃったんですけどね」

 

 

軽そうな少年。

「ヒキタニ君っしょ。あいつはホントにいい奴っしょー。ちょっと前まで誤解してたんだけどマジヒキタニ君、リスペクトっすわー」

そしてみんな最後に彼は噂のような人じゃないというのだ。彼は誤解されやすい、そして彼は自分を犠牲にしてしまうのだと。

これから家族に話を聞かなくてはならない。きっとこの事件を本当の意味で理解するためには彼の一番近くにいた人から話を聞かなければならない。

 

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