鬼に出会った少女は   作:春風鈴兎

3 / 6
ニノ巻から時間がめちゃくちゃ経ってます。

では、どうぞ。


三ノ巻

「音撃打・一気火勢の型」

 

とある山でそんな声が響いた。

 

「はー……はっ!」

 

 

☆☆☆

 

 

文化祭も無事に終わりテストも終わり夏休みに入った。もちろんSPACEのライブも終わった。そんな夏休み中旬の頃私達ポピパは有咲の家で勉強をしていた。

 

「うぅ……」

 

「香澄どうしたの?」

 

「なんでさーやはそんなに集中して勉強できるの〜」

 

「目標を決めてるからかな?」

 

私がそんなことを言うと香澄が目を輝かせながらこんなことを言ってきた。

 

「どんな目標なの!?」

 

「えっ……ここまで終わったら次はここまで終わらせようって感じだけど」

 

「そんなの目標じゃないよ〜」

 

「沙綾が言ってることは一理あるぞ香澄」

 

「そうなの有咲!」

 

有咲は私に助けを出した。それで有咲への会話に変わった。けど、響鬼さんは文化祭にはきてくれたけどSPACEのライブには来てくれなかった。

 

響鬼さんどうしてるのかな?

 

私はボソッと小さな声でそんなことを呟いていた。それを聞かれていたのかどうか分からないけどおたえからこんなことを言われた。

 

「沙綾は会いたい人がいるの?」

 

「えっ……?急にどうしたのおたえ」

 

「だって文化祭の時の演奏が楽しそうにしてたのにSPACEの時は少しだけ悲しそうだったから」

 

「あ、ああ〜……あの時はSPACEが無くなっちゃうと思って悲しかったんだよ。だから……みんなには悲しそうに見えたんだと思うよ」

 

「そうだよね。私も悲しかったよ」

 

これで良かったのかな?みんなにはあの事は言えないから。

 

「あっ、そうだ!」

 

「どうしたの香澄ちゃん?」

 

「こころんから“天体観測を一緒にしましょう”って言われてたんだけど一緒に行こうよ!」

 

えっ?なんで天体観測に?そもそもなんでこころちゃんは今の時期に天体観測を行くの?ちょうど良い季節は過ぎたはずなんだけど。

 

「どこで見るのさ」

 

ナイスツッコミ!有咲だったらお笑い芸人になれるかもよ!

 

「こころんの別荘!」

 

「……流石弦巻さん」

 

「別荘だよ!私達には程遠いものだよ!一緒に行こうよ!」

 

あー……これ否定できなくなるパターンだ。まず最初にりみりんに質問する。そして次におたえ。それで私にいって有咲にいく。

 

「りみり〜ん」

 

「わ、私は良いと思うよ」

 

「ほんと!?ありがとう!おたえは!?」

 

「私も良いと思うよ」

 

「おたえ〜!さーやは?」

 

「私も良いと思うよ」

 

「さーや!」

 

香澄は予想通りに聞いてきた。そして香澄は私に抱き付いてきた。もし、学校が共学だったらと思うと少しゾッとしてしまうぐらい香澄は抱き付く。でも“簡単に抱き付くな”と親と妹から言われていると思うのに抱き付いてくる。つまり香澄は同性愛者ってことになる。もし同性愛者だったらオランダに移住しなければならなくなってしまう。そうすると、もしポピパが活躍していたら活動できなくなってしまうという状況になる。

 

「さーや?」

 

「どうしたの?」

 

「さーやが黙っちゃったからどうしたのかなって」

 

「なんでもないよ」

 

 

☆☆☆

 

 

「威吹鬼君、ここに向かってくれる?」

 

「えっ?そこには響鬼さんがいるはずですよね?」

 

「今回の魔化魍は響鬼君が太刀打ち出来るものじゃないの」

 

「イッタンモメンですか?」

 

「そう」

 

「分かりました。(あおい)とは山の麓で集合しますので」

 

「気を付けてね」

 

 

☆☆☆

 

 

あれから3日経ち私達はこころちゃんが所有している別荘がある高根山(たかねざん)に来ている。宿題は持ってこないで別荘を楽しむという目的でやってきた。

 

「なんて儚いんだ」

 

薫先輩、言葉が出ないのは分かりますけど発する言葉はそれでいいんですか?

 

「夜になるまで何をやろうかしら?」

 

「ゲームとかがいいかも!」

 

香澄〜ゲームって言っても色々あるからジャンルも決めてから言った方が良いと思うよ〜。

 

遠くからドンという音が聞こえてくる。ズッシリとしたまるで和太鼓を叩いているような音だ。

 

「こころん、この山の奥には何があるの?」

 

「ん〜……わからないわ。黒服の人達が立ち入り禁止って言ってたから」

 

「じゃあ、行ってみようよ!」

 

「それは良い案ね!」

 

いやいや香澄立ち入り禁止なのに行くなんてダメでしょ。

 

「こ、こころ。立ち入り禁止だから行っちゃダメだって」

 

「どうして?」

 

「だって立ち入り禁止ってことは危険ってこと。だから行っちゃダメなの」

 

「美咲嫌い」

 

「……なんで!?」

 

「だってあたしがやりたいことを否定するんだもん」

 

「子供なの!?」

 

あー……もしかして2人はそんな関係なんだ〜。ってことは香澄は有咲でおたえはりみりん?それとも花音先輩かな?そしたら薫先輩ははぐみかりみりんに花音先輩になるね……あれ?私はどうなってるんだ?

 

「……少し悲しいなぁ〜

 

「それじゃあ行きましょう!」

 

美咲が諦めたみたいだ。でも、何か嫌な予感と良い予感がする。

 

 

☆☆☆

 

 

「こっちに行ったら面白い予感がするわ!」

 

「ちょ、こころ……速いって。みんなが追い付いてない」

 

「でも、早く行かないと暗くなっちゃうわよ?」

 

「それもそうだけど周りを見て行かないと誰か迷子になるから」

 

「……それもそうね。ここで待ちましょう!」

 

それよりも美咲はなんでこころちゃんに追いつけるの?やっぱりテニス部だからかな?それを言ったらおたえだってそうだと思うんだけど……私の後ろでゆっくり歩いてるんだよね。あっ、でもおたえは部活じゃなくて自主的な体力作りだから違うのかな?

 

「……うそ」

 

なんでこんなところに童子と姫がいるの。

 

「ねぇ、遊ぼうよ」

 

「でも、あの子がお腹空かしてるよ?」

 

「そしたらご飯をもらおうよ!」

 

みんなを逃がさないと……でも私に出来るのーーいや、やるんだ!みんなを助けるために!

 

私は落ちている木の枝を持ち童子と姫に向かう。

 

「2人とも逃げて!」

 

「「えっ?」」

 

「はぁ………」

 

私は枝を頭の上に持ち上げて走る。そして、走り幅跳びみたいにし攻撃をしようとしたけどはじき飛ばされた。

 

「……うっ……あっ……」

 

「あ〜……つまらないよー」

 

「あっ……あぁ……」

 

動けない。身体中が痛い。骨は確実に折れたのが分かるほど痛い。あぁ、ここで私は死んじゃうんだ。できることならもう一度響鬼さんに会いたかった。

 

「な、なにこれ」

 

「鬼だ!鬼がきた」

 

鬼?……もしかして響鬼さんが来てくれたのかな?やっぱり響鬼さんはヒーローだ。

 

「山吹さん!」

 

「知り合いなの?」

 

「同じクラスの山吹さんです」

 

「山吹……もしかして山吹ベーカリーの娘さん?」

 

「そうです!」

 

「なら、響鬼さんの弟子だから助けないと」

 

響鬼さんじゃない?なら、誰なの?響鬼さんを知ってるってことは鬼ってことだよ……ね?

 

私はそこで意識が途絶えた。

 

 

☆☆☆

 

 

「う……うう」

 

目を覚ますと豪華な物がたくさん置いてあるのが確認出来たけど場所が分からない。

 

「ここは……どこ?」

 

「さーや!」

 

香澄が私に抱き付いてきた。意外と痛い。だけど場所が分からないので聞いてみた。

 

「香澄……ここはどこなの?」

 

「こころんの別荘の部屋だよ!」

 

「こころちゃんの……そっか。私気を失ってたんだね」

 

「でも、良かった。このまま起きないんじゃないかと思ったから」

 

「無茶してごめんね」

 

……あれ?私がここにいるってことは童子と姫はどうなったの?まさか、誰か連れ去られちゃったの?そんなの嫌だ。連れ去られたのなら助けに行かないと。

 

「さーやどこ行くの?」

 

「私が倒れてた場所」

 

「ダメ!」

 

「私のせいで誰かが死んじゃったかもしれないんだよ!」

 

「大丈夫!」

 

「なんで!」

 

「威吹鬼さんって人と葵ちゃんが助けてくれたから!」

 

「どこにいるの!?」

 

「下にいるよ?」

 

聞かないと。あの後何が起きたかを。

 

 

☆☆☆

 

 

「あの!威吹鬼さん」

 

「良かった。目が覚めたんだね」

 

「はい。……えっと……」

 

「わたしから説明させてもらいます」

 

坂宮(さかみや)さん?どうしてここに?」

 

「それよりも、山吹さん。ディスクアニマルを使わずにましてや修行してない状態で戦うなんて無茶です!」

 

「そ、それは。みんなが死んじゃうかと思ったから」

 

「それでもです!」

 

何も言い返し出来ない。無茶なことをしたことは分かってるけどあのままみんな死んでたかもしれないし。

 

「まぁまぁ、葵。沙綾ちゃんが無事で良かったじゃないか」

 

「そうですけど」

 

「でも、あんな無茶しないでね」

 

「分かりました」

 

「あっ、そうだ。響鬼さんがここに来る前に聞きたいことがあったんだけどいいかな?」

 

「答えられる範囲なら」

 

「分かった。沙綾ちゃんは響鬼さんの弟子なの?」

 

「えっ!?ち、違いますよ!私は友人ですよ!」

 

「そうなんだ。響鬼さんが君のことを良く言ってたから弟子だと思ったよ」

 

私は顔が熱くなっていくのが分かった。みんながニヤニヤしてるのが見えなくても分かる。それほど赤くなっている。

 

「娘!平気か!?」

 

「響鬼さん……あの……」

 

「良かった。娘が生きてて。何かあったら俺はめちゃくちゃ怒られて関東支部から外されてたよ」

 

「そ、そうなんですか。でも、どうしてここに来れたんですか?あそこからすごく遠いのに」

 

「あ、ああ……あの立ち入り禁止の場所の奥にあるところで鍛えてたんだよ」

 

だから立ち入り禁止だったんだ。でもここは弦巻家の敷地のはずなのにどうやって入ったんだろう。

 

猛士と弦巻家は裏で繋がっているのだろうか?それとも、響鬼さんと弦巻家当主が知り合いなのだろうか?

 

私には知る必要があるとすれば響鬼さんの弟子になった時だけだ。




ありがとうございました。

四ノ巻に続きます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。