鬼に出会った少女は   作:春風鈴兎

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プロフィール

名前:坂宮葵
年齢:16歳
趣味・特技:なし
家族構成:父・母・自分
メモ:小学生の頃に家族旅行している時に魔化魍に襲われた。その時に威吹鬼に助けてもらい弟子入りをした。両親はその時に葵を庇ったため意識不明になる。今も生死の狭間をさまよっている。


四ノ巻

「威吹鬼、ここで話せないから少し移動したいけどいいか?」

 

「……そうですね」

 

私は坂宮さんと話をしながら響鬼さん達の会話を盗み聞きしていると、私達の前に現れた童子や姫について話すため移動しようとしていた。そんな中私以外のポピパやハロハピの人達は楽しくゲームをしている。

 

「葵も来てくれない?」

 

「分かりました。山吹さんちょっとごめんね」

 

坂宮さんは威吹鬼さんに呼ばれて席を離れた。

 

「……」

 

そういえば響鬼さんと威吹鬼さんを見てると威吹鬼さんの方が歳上に見えるけどなんで威吹鬼さんが敬語で響鬼さんがタメ口なんだろ?あっ、それを言ったら私もか。私も響鬼さんと同じ歳なのに敬語で話してるし名前もさん付けだし。

 

「娘も来てくれ」

 

「えっ?あっ、はい」

 

私は立ち上がって響鬼さん達のところに向かおうとした時だった。

 

「〜〜っ!?」

 

足や胸に激痛がしそのまま倒れてしまった。さらに倒れた衝撃もあってさらに痛みが襲ってきた。

 

「ぅぅ……」

 

やっぱり折れてたんだ。……あれ?ならあの時走って来たのにどうして痛みはなかったの?骨折……血……もしかしてアドレナリンが出てて痛みが無かったの?でも、倒れてから時間が経ってるはずだから0とは言い切れないけど有り得ない。

 

「娘!平気か!?」

 

響鬼さんが駆け寄ってくる。

 

「だ、大丈夫です」

 

「えっと……姫さん、ここに松葉杖ってあるか?」

 

「あるわよ!」

 

「なら、持ってきてくれないか?娘の身長に合わしたサイズのものを」

 

「分かったわ!黒服の人お願い!」

 

弦巻さんが松葉杖を持ってきてくれるらしい。それまで倒れていようと動かないでいると響鬼さんが私と手を掴みそして背中にそっと手を触れるように置きそのまま私を起こした。

 

「倒れてたら松葉杖が持てないし、怪我に負けたことになるぞ」

 

「えっ?」

 

「人は1度は必ず諦める。でも、その諦めがあるからこそ人は成長出来るんだ。1人で出来なかったら2人で。2人で出来なかったら3人で。それでも出来なかったらそれ以上の人を集めて出来るようにする。だから人は1人ではほとんど出来ない。人と協力し合えば心が負けないし折れない。姫さんが目標にしている“世界を笑顔に”だってその1つかもしれない」

 

「キラキラドキドキもですか?」

 

「そうだ。それだって1人じゃできないだろ?」

 

「はい」

 

「なら、“1人はみんなのためにみんなは1人のために”だ」

 

「はいっ!」

 

 

☆☆☆

 

 

あれからすぐに黒服の人さんが松葉杖を持ってきてくれた。それから響鬼さんに支えてもらいながら部屋を移動した。

 

私達は近くにあった椅子に座り机に地図を置いて私が出会った童子や姫の対策を話し合う。

 

「娘達が出会ったのはこの辺だから近くにある湖が怪しいな」

 

「はい。でも、童子達の相手は僕じゃなくて響鬼さんでいいんですか?」

 

「ああ、香須実から聞いてるだろ?今回の魔化魍は俺にとって不利だって」

 

「分かりました」

 

響鬼さん達は話のネタが尽きないらしい。

 

「山吹さん」

 

「どうしたの?」

 

「後悔してませんか?」

 

「……ちょっとだけしてるかも」

 

「猛士に関わったからですか?」

 

「ううん。ドラムがしばらく出来なくなっちゃったこと」

 

「えっ?」

 

「私はね香澄のお陰でまたドラムを始めることが出来たんだけど、それを私の行動で出来なくなった自分に後悔してるの」

 

坂宮さんは黙って聞いてくれている。

 

「私は、響鬼さんと出会って思ったんだ。自分を押し殺しちゃ後悔しかないんだ……って。でも、今まで自分を押し殺してきてたからいざってなると上手くいかないんだ。そんな時、香澄や有咲、おたえにりみりん、それに響鬼さんの一言で前に進めることが出来たんだ」

 

「山吹さん……」

 

「だから坂宮さんとも一緒に前に進みたい。貴女がどんな過去を背負ってるか分からないけど前に進みたい。そうすれば、何か見えてくると思うから」

 

「……」

 

坂宮さんは黙り込んでいた。それもそうだよね。急にあまり仲良くもない人に一緒に進みたいって言われたらそうなるよね。

 

「わたしの……」

 

「……」

 

「わたしの家族は魔化魍に襲われたんだ」

 

「〜っ!?」

 

声が出ないほど私は驚いた。私は襲われた恐怖を知っているからさらに驚いた。鬼が来なかったら殺されてしまうんだから。

 

「その時に威吹鬼さんが助けてくれた。だからわたしは……鬼になってーーする」

 

私は彼女とは違う。そう思うことしか出来なかった。

 

 

☆☆☆

 

 

次の日、響鬼さん達は魔化魍退治のために朝早くから出て行った。

 

「さーや、大丈夫?」

 

「大丈夫。でも、しばらくはドラム出来そうにないかな?」

 

「ごめんね私のせいで」

 

「違うよ香澄」

 

「どうして?」

 

「私が決めて行動したことだから気にしないで。それにリハビリも頑張って早く復帰出来るようにするから」

 

「約束」

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

 

 

「あっぶな」

 

「変身させてもくれないのか」

 

「「退治してやるー」」

 

「退治されるのはお前らの方だ!」

 

「響鬼さん!」

 

響鬼は童子に近付き音叉を童子の腕に当て変身する。

 

「はぁー………はぁ!」

 

威吹鬼は響鬼が時間をかせいでる間に鬼笛を鳴らし変身する。

 

「響鬼さん、童子達をお願いします!」

 

「威吹鬼、気を付けろよ!」

 

「はい!」

 

姫は威吹鬼の道を塞ごうと響鬼から離れようとしたが童子が響鬼によって飛ばされたのが当たったため2人同時に倒れた。

 

「「何をする!」」

 

「おい、喧嘩すんなって」

 

「せっかくあの鬼の道を塞ごうとしたのに台無しだよ!」

 

「好きに飛ばされたんじゃないよ!当たったのだってそっちが原因!」

 

「違う!」

 

「違わない!」

 

「おーい、喧嘩するなってー」

 

なんと童子と姫が喧嘩し始めたのだ。最初は言い合いだったのだがビンタになり蹴り合いになり最終的にはボクシングみたいになってしまったのだ。

 

「……」

 

「「このやろーう!」」

 

「はぁ!」

 

響鬼は鬼火を出し童子達に当てる。これぐらいなら避けれるはずなのだが喧嘩をしているためそれが来ていることに気付かずそのまま倒された。

 

「なんだったんだ?」

 

 

一方威吹鬼は

 

 

「当たらない」

 

イッタンモメンが空で動き回っているため攻撃が当たらないでいた。

 

「くっ……」

 

(不規則に動きすぎて全く読めない)

 

魔化魍は八の字に動いている時もあれば円を書くように動いている時もある。攻撃してくるときは直線でくるため攻撃することが可能だがリスクがあるため簡単に出来ない。

 

「一か八かやってみるしかない!」

 

威吹鬼は直線攻撃を来るまで待とうとした瞬間に魔化魍が襲ってきた。

 

(今だ!)

 

「ぐっ……」

 

(なんとか石をつけることが出来た。後は次の攻撃を待つだけだ)

 

威吹鬼はまた動きを止め口元に音撃菅を置く。また魔化魍がタイミングよく襲ってきた。

 

「音撃射・疾風一閃」

 

周りにラッパ音が鳴り響く。

 

 

☆☆☆

 

 

あれから数日経ち私の家でで再開した。

 

「響鬼さんに威吹鬼さん、坂宮さん。こんにちは」

 

「おう。娘はもう店番やっても大丈夫なのか?」

 

「レジ打ちだけなら出来るので」

 

「沙綾ちゃん、その怪我のことをどうやって説明したの?」

 

「山道で転んだって言いました」

 

「山吹さんって山吹ベーカリーの娘さんだったんだ」

 

「初めて知った?皆も最初に会ったときそう言うんだよね」

 

私はリハビリをしながら店番もしてバンド練習には参加出来ないけど蔵には行っている。香澄達は責めるどころかいつも心配してくれる。多分ナツ達も同じように心配してくれると思う。だって、皆優しいから。またには甘えてもいいよね?




ありがとうございました。
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