やはり俺のRainbow Six Siegeはまちがっている 作:アルファデッド
初陣はあっという間に終わり、何の実感もなく時間がすぎていった。
日本国防軍特殊テロ対処部隊に所属しているという扱いのため、
一時的に日本に呼び戻されていた。
八幡(久ぶりに故郷の土が踏める喜びとはこういうことか。)
空軍基地から電車に乗って、千葉駅に着いたすぐに灌漑深く考えていた。
八幡(2年ちょっとの遅れでやっと帰れた。
にしても、妙に視線をすごく感じる。)
本来故郷に帰ることすら許されないはずだった。
だが、特別許可で今回来ている。
条件として変装しているが、八幡本人曰くの「目さえ腐ってなければ高スペックだ」
ということが証明されてしまったようだ。
メガネの装着とコーディネーション力が高校の時と比べて、飛躍的に向上したためか
俳優並み格好良さになっていた。
(コーディネーション力はタチャンカ、イェガーとルークによって育まれた。)
八幡(やめて〜。その視線はボッチに辛いから。目立ちたくないというスタンスがあるのに。)
かなり困惑しているようだ。
さっさとその場から離れて目的地に向かい始めた。
バスも電車も使わずになぜか徒歩で行こうとしていた。
本来家から出ることがめんどくさいと思っていた八幡がましてや歩くことを嫌がるはずが、
軍人になってから運動していないと落ち着かないという変わり様を見せていた。
景色を見て思い出に浸りながら歩いていると「普通」徒歩で
40分ぐらいかかるはずが20分ぐらいで着いてしまったようだ。
大学附属病院の前に立った八幡は889便事件のことが鮮明に蘇ってしまい、
急に動く気をなくしてしまった。
八幡(俺に小町に会う資格はあるのか。あのまま無理でも止めなかった俺が行っていいのか。)
八幡はかなり悩まされていた。
しかし、彼は決心した。
八幡(もう、会うことはないからな。小町と一緒にいたかったのに。)
退役しても彼は海外で生活をしなければならない。
『比企谷八幡』は書類上死亡している。
この訪問限りで千葉県の土を二度と踏めなくなったが、彼には悔いはない
八幡(もう死んでいる人間に未練はない。
そして誰も覚えてはいないだろう。ボッチだからな。)
自虐的になりながら受付に向かって、
『田中雅弘』という名の男として小町の病室聞き出した。
事前に言われていたためか、すぐに案内された。
7階の奥のほうに隠スカの様な位置にあった。
看護師「用事を終えましたら、お呼びください。」
といって去っていった。
八幡は深呼吸してノックをした。
コンコン
誰も返事はするはずがなかった。
ドアを開けて部屋に入ると暖色系の明るい部屋に似合わぬ生命維持装置があり、
ベッドには植物状態の小町が安らかに眠っていた。
八幡「小町、来たぞ。なかなか帰って来れなくてごめん。」
返事がないと分かっていたも、話しかけないとなぜか気が済まない。
Side Change
小町Side
小町は昏睡した意識の中で何も動かず、ただ死の迎えを待っていた。
小町(なんで、動けないのに生きているのか。
神様、このまま早く死なせてください。お兄ちゃんのいない世界は辛いよ。
死んだほうがよかったのに、何で。)
心の中で切実に死を待っていた。
だが、その時ドアの方からノックが聞こえた。
小町(いつもの定期診察かな。)
足音が小町に近付き、そしてまさか再び聞けるとは思いもしなかった声だった。
『小町、来たぞ。なかなか帰って来れなくてごめん。』
小町(お、お兄ちゃん!)
心の中で泣いていた。
やっと会えたことに喜んでいた。
だが、動ごくことも、目を開けることを出来なかった。
それが小町を苦しめた。
Side Change
八幡Side
小町の少し痩せた安らかな顔を見て、涙を流していた。
八幡「小町の仇をとってやるから、待っていてくれ。
と言いたいが、俺は仕事でもうここには帰ってこれないんだ。
本当にごめん。こんな、・・・」
言葉が詰まっていた。
言いたいことがたくさんあるのに伝えられない苦しみ。
時間の流れが止まったかのように感じた。
わずか30分が永遠のようだった。
小町の細い手を握り、涙が枯れても泣いていた。
携帯が振動していた。
八幡は舌打ちをしてポケットから出し、
表示を見た。
[R6]
八幡の顔が仕事モードに入り、即座に電話をでた。
R6「直ちに出動を命ずる。
緊急事態が発生した。
コード:レッドだ。
迎えは向かわせた。」
八幡「こちら新兵、了解。」
八幡は名残惜しそうに小町の顔を見た。
八幡「小町、ごめん。俺は小町の代わりに戦ってくる。
死んでも、俺を忘れろ。」
八幡(こういうセリフ一度言ってみたかったんだ。
恋人だったらよかったのに。)
小町の顔を見納めて、病室を出て大急ぎで
タクシーの乗り場を目指した。
彼は忘れられた死人となった。
小町と誰か一人を除いて。
受付にお礼を言ってからすぐに外を出ると、
この場に合わない大型の黒いバンが待っていた。
スライドドアが開き、迷い無く入っていった。
そこにはトーマスさんがいた。
ドアが閉まり、バンが勢いよく発進して防護服一式渡された。
トーマス「着替えながらブリーティングする。」
トーマスの声はいつも以上に顔が怖かった。
トーマス「今から20分前に福井県の原子力発電所が武力占拠された。
テロリストの要求は全国の原子力発電所の即座放棄と6000万ドルを要求している。
24時間以内に満たされない場合は原子炉のウランをメルトダウンさせるといっている。
周辺100キロ以上が深刻な放射線汚染の被害を受けると推測される。
非常に切迫している問題だ。
他の隊員は都合悪く自国の事件に対処しており、唯一最速出動できるのが君だった。
今回は単独任務となる。敵の排除だ。」
えらく早口で言っているためか、理解が追い付いてなかった。
防護服に着替えて、ガスマスクをつけると重たい鉛のベストを渡された。
ベストはルークの作ったトラウマプレートが胸部嵌め込まれており、
面裏と股間にちゃんとした対放射線用の物だった。
あと放射線計測機も渡された。
トーマス「この任務はいけるか、新兵。」
八幡「イエス、サー!」
彼は完全に迷いをなくし、たとえ自分が犠牲になろうが、小町と雪乃のような被害者を二度と生み出さないために
大きな一歩を進んだ。
バンは一番近い空軍基地に向かった。
次回がその任務です。