俺の転生先がワキ巫女なわけがない!(凍結/リメイク中)   作:Lv.零の素人

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間話

※※※※※

 

博麗神社

 

その本殿にて一人の青年が目を閉じ座禅を組んで中国武術における気と呼ばれるものを高めている。

 

無論刀真である。

 

彼はこの肉体…と言うか本来の肉体に戻ってから紅魔館の門番『紅 美鈴』に教えを乞い、こうして週に三回程訓練しているのだ。その傍らには単純な物理ならば主人すら超えるという門番の姿もある。

 

ちなみに門番の仕事は本人曰く咲夜さんが代わりにやっているらしい。

 

 

 

「はい、そこまでです。」

 

美鈴に言われ目を開ける。

 

「やはり刀真さんは私よりも才能がありますね。

羨ましいですよ。」

 

「何を言ってんだ美鈴。未だに普通の組手なら勝ち越せてないってのに、嫌味かよ?」

 

「あっいえそういうことではないですよ。というか、これでも私は武術を数十年学んでいるのですよ!?その私に単純な組手で一本取れる弟子ってなんなんですか!?」

 

「いやまあ、それはそれと言うか………。」

 

「はあ、まあいいです。瞑想の次は組手ですよ!さあ面に出なさい!」

 

「はいよ。」

 

 

 

場所を移し先日宴会が行われた場所へ

 

 

 

 

「それでは始めますよ準備はいいですか?」

 

「ああ。始めようぜ?」

 

「行きます!やぁ!」

 

美鈴が自然な構えから流れる様に鋭い蹴りを放つ。それこそは相手を瞬時に打ち倒すために美鈴が数十年、ひょっとしたら数百年もの修練の果てに納めた一つの武の極地である。

 

「っと、それはもう見たぜ?」

 

それを圧倒的な才能を持って危なげなくひとつ下がるだけで躱すと、同時に撃ってくる気を伴う拳を霊力の剣を持って防ぐ

 

「相変わらずなんで対応できるんですかねえ!?あなた人間ですよね!?場合によっては霊夢さんの時よりも恐ろしいですよ!!」

 

「そっちこそ!いつも通りの馬鹿力だな!そら!お返しだぜ!!!」

 

霊力で瞬間的に推進力を得てそれを剣に乗せて拳を打ち返す!

 

そのまま武器を切り替え草薙剣の飛ぶ斬撃を放つ!

 

「お得意の斬撃ですか!?ひゃっ!咲夜さんのナイフより怖いんですが!!??

ですが、いつまでも負けていられません!返させていただきます!ふっ!」

 

美鈴が気を高め、気弾という目に見える形で放つ!

その背後に立ち上る龍が見えるのは気のせいではない…

 

 

「はあっ!『龍砲』!!」

 

「ちっ!これはまずいな!?くっ、理を切り裂け!六道の剣!」

 

美鈴が放つ極彩色の気弾をギリギリのタイミングで六道の剣でブレイクする

 

「なんとか間に合ったか。」

 

「防がれてしまいましたか。今回はここまででどうでしょうか?」

 

「そうだな。今日はありがとう。汗かいただろ?良かったら風呂に入って行けよ。」

 

「えっ!?そんな申し訳ないですよ!」

 

「良いんだよ。他のやつならともかくな、なんか安心できるんだよな美鈴は。これも気の力ってやつなのな?」

 

「そこまで言っていただいて入らないのは帰って失礼に当たりますね。それではお風呂をお借りしますね?」

 

「ああ、好きに使ってくれ。風呂は奥にあるから。それと俺は居間に居るから出たら声をかけてくれ。」

 

「はい、分かりました。」

 

そう言うと美鈴は奥の方に入っていった

 

 

 

 

 

「はふーいいお湯ですねえー。」

 

だけど何か足りない。

確かにいいお湯だ。だけどこう口に出ない何かが足りない。

そう、それは………

 

「背中を流す友人ですよ!!!!」

 

そうだ、彼を呼ぼう!

 

「刀真さーん!一緒に入りませんかー!」

 

「ぶふっ!何言ってやがるんですか美鈴!いやだよ!」

 

「いいじゃないですか!一緒に汗を流して鍛錬した間柄じゃないですか!」

 

「いや、そりゃそうだけどさ!女の人と一緒に入るのはその…倫理的に反するというか………。」

 

「何照れてるんですか!早く入りますよ!寒いんですから!」

 

「ちょっ!なんで出てくるんだよ!」

 

「貴女とお風呂に入りたいからです!」

 

「あーもう!分かったから!背中を流してやるからそれで勘弁してくれよ!!」

 

「むう、仕方ありませんね。それで妥協してあげますよ。」

 

「はあ、疲れる。」

 

 

 

 

 

「あ~いい感じです。あんっ!ふぅぅ!ひゃん!」

 

「背中流してるだけなのに変な声出さないでもらえませんかねぇ!?」

 

「だ、だって気持ちいいんですもん!ふわっ!」

 

「………次変な声出したら俺は戻るからな。」

 

 

「ほら、これでいいだろう?じゃあな。」

 

「待ってくださいよお〜私も刀真さんの背中流しますよ。」

 

「はあ!?いや要らないからな!?」

 

「まあまあそんな事言わずに〜えいっ!」

 

「うわっ!」

 

 

立ち上がって浴場から出ようとした所、美鈴の腕力で強制的にもう一度椅子に座らされる。

 

「それじゃあ始めますよ?」

 

「………もういいや、早くやってくれ。」

 

ふにゅんっ!

 

「あの美鈴サン?背中に触れるこの柔らかいものはなんでしょうか?」

 

「んふふ〜♪なんでしょうか?」

 

「はあ、もう知らん俺は出るぞ。」

 

「あ〜!」

 

強引に腕を振りほどき今度こそ浴室から退散する。

 

 

 

 

 

 

「今日はありがとうございました。お風呂気持ちよかったですよ。またお願いしますね?」

 

「ああ、こちらこそありがとう。風呂についてはノーコメントで。次があれば俺から紅魔館に行くからレミリア達によろしくな。」

 

「それでは。」

 

「おう!またな!!」

 

紅魔館まで飛んでいく華人小娘の姿が夕闇に映えるのだった。

 

 

 

 

家の中に戻り寝ようとしたところ閻魔様がいらっしゃってました。

 

 

「刀真!そろそろ罰が終了する頃合ですよ。『霊夢』の肉体に戻るのです。今までの肉体とはまた勝手が違うと思いますが文句を言わないでくださいね?それと『刀真』の肉体の再封印に伴い、能力も再剥奪されます。」

 

「あ〜そうかわかった。それじゃあ早いところ頼むぜ。」

 

「むう。閻魔を前にしてなんですかその態度は!『霊夢』の肉体にしませんよ!」

 

「いやそれは困る。ものすごく困る。俺が悪かったから肉体を『霊夢』に変えてくれ。」

 

「はあ〜もういいです。今からあなたの肉体の白黒をハッキリさせます!。良いですか目を閉じて三十秒数えなさい。三十秒経つ頃には貴方の肉体は『刀真』から『霊夢』になっている事でしょう。」

 

映姫に言われた通り目を閉じ三十秒数える

三十秒間がたった頃白い光が俺を包んだ。

ふと、目を開ける

すると俺は『俺』から『私』になっていた。

 

私が前を見ると既に映姫は居らずそこには私に向けたものであろう手紙が置いてあった。

それを取るとその下から小さな手鏡が出てきた。

 

「ん?なんて書いてあるのかしら。」

 

 

拝啓 特異な転生を果たしたあなたへ

 

私はあなたに一つ教えておかなければいけないことがあります。それはあなたの体質というか、『刀真』と『霊夢』の肉体の切り替わりに関することです。まずそれぞれの肉体の特徴についてまとめましょう。

 

まず『刀真』の肉体についてです。

 

こちらの肉体は『霊夢』に比べてやや丈夫で特殊な能力も使えますが、霊力の量や質は『霊夢』に圧倒的に劣ります。

それと、『霊夢』が所持する能力も使えないようです。

と、『刀真』の肉体に関してはこんなものですかね。

 

次は『霊夢』の肉体についてです。

こちらの肉体は打って変わって『刀真』に変わって少々の身体能力の低下はありますが、それを補って余りある莫大な霊力を秘めています。この霊力を自由自在に操ることが出来れば幻想郷でおよそ相手になる者は大妖怪でも一握りぐらいなものでしょうね。

それと、能力も使えるようになりますね。

こちらもいわゆる ちーと というやつでしょうか?

まあいいです。

 

とりあえずこれが今わかっている肉体の切り替わる事に関する情報の全てですかね。

 

このように二つの肉体はそれぞれ違う特色を持っています。状況に応じて違う性別の肉体が求められることもあるでしょう。その時はこの手紙に同封した手鏡を使いなさい。それには私の能力の一端を宿しています。きっとあなたの役に立つでしょう。

 

それではまたそのうちお伺いします。

 

PS.しっかり規則正しい生活をしなさい!!次に来た時にだらけていたら私のありがたい説教をきかせますからね!!!

 

四季映姫・ヤマザナドゥ

 

 

 

「ふん、あの閻魔も世話好きな事ね。」

 

 

だがまあ、手鏡はせいぜい有効活用してやることにしよう

 

「ふわあ。そろそろ眠くなってきたわね。布団も敷いてるし寝ましょうか。あっ、その前にちょっと厠にいこ。」

 

 

 

「厠に来たはいいけど………そうだった『私』の体だった!うう~みれない。だけど見ないとできないし………。」

 

これは人体の生理活動だから仕方ないのよね?

仕方ないわよね!

 

 

 

 

ナニがあったかは想像に任せるわ!

 

………でもすっきりしたとだけ伝えておくわよ。

 

 

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