俺の転生先がワキ巫女なわけがない!(凍結/リメイク中)   作:Lv.零の素人

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はい、どうぞ。




~それから~

※※※※※

俺、いや私がアイツに八雲 紫に

拾われてから早いもので十年が経った。

私は能力の制御をする為にほぼ毎日

鍛錬をしていた。気づけば拳は岩を穿ち

霊力の扱いは、紫をして神がかっていると

言わしめるほどである。

何故こうなった。

 

そして今日の夜、紫が私に話があるという。

何なのだろう?

まあ、ある程度の予想はつくが。

おそらく博麗の巫女とやらの引き継ぎの件だろう。

確か博麗の巫女の仕事は妖怪退治と、

博麗大結界の維持だったろうか。

多分、その時になればわかることだと思う。

 

※※※※※

 

「いただきます」

 

 

藍がつくった料理を口に運ぶ。

そうするとその美味しさに思わず瞑目する。

この十年間毎日食べてきたがこの味は変わらない

鍛錬の後に食べる藍の料理ほど、

美味しいものは無い。

そう断言出来るほど彼女の料理は美味だ。

 

「おーい霊夢もう料理は全部なくなってるぞ?」

 

藍のその言葉でふと、我に返る。

どうやら藍の料理に夢中になって

全部食べ終わったにも関わらず

箸を運んでいたらしい。

私は箸を置いて藍に声をかける。

「ん。相変わらず藍の料理は美味しいわねぇ。」

 

すると藍は、少し照れた様子で

 

「そうだろうか?まぁ、満足

してくれたなら何よりだよ。」

 

 

さて、紫の部屋に行こうか。

 

※※※※※

 

あの子を育て始めてからもう十年

が経つだろうか?

彼女は私の期待どおり博麗の巫女

に対して凄まじい適正があった。

そして今日先代が最期を迎える。

つまり、あの子に霊夢に博麗大結界の

引き継ぎをする必要があるという事だ。

想像より二、三年早かったように思えるが

むしろ先代は、あのボロボロの肉体で

よく、十年も持ってくれたと思う。

もう霊夢に詳しい話は通してある。

先代の博麗の巫女が死ぬ事も、

そのその代わりの次代の博麗の巫女と

して育てるために霊夢を拾ったことも。

彼女は自らの運命を知っても泣いたりは、

しなかった。

まるで最初から知っていたのかの

ように、当たり前のことのように

それを受け入れていた。

 

 

居間と私の部屋を繋ぐ襖が開き、

 

霊夢が部屋に入ってくる。

 

※※※※※

 

紫の部屋に入った私はすぐ前に

彼女がいることを確認して、

何の用で呼んだのかと、問うた。

 

すると紫は 聡明なあなたなら、

気づいてるんじゃないの?と言った。

 

その言葉に私はやはりか、という思いが

強かった。

つまりそういう事なのだろう。

先代が死ぬ。

その代わりとして、私が博麗の巫女となる。

分かっていたことだった。

そしてそれは、仕方が無いことでもあった。

 

紫が私が既に気づいていたことに驚きもせず

ただそれを認めるために口を開いた。

 

「そう。やっぱり気づいてたのね。

あなたが考えていることで間違いないと思うわ。

今日、先代が、亡くなるわ。その代わりとして

霊夢。あなたには今日博麗の巫女に

なってもらうわ。本来なら、あと二、三年くらい

猶予があったはずなのだけれど。」

 

紫のその言葉を聞いても、やっぱりか。

とぐらいしか感じなかった。

どうやら長い間鍛錬をしていたせいか、

感情の起伏が少しなくなっている。

驚くということが出来なかったのは

そのためだろうか?

紫に続きを促すために口を開く。

 

「それで?私はどうするの?」

 

紫は私にどうすれば博麗の巫女を引き継げるのか

を話す。

 

「そうね。もう博麗神社に引き継ぎの用意は

してあるから、今から向かうわよ。

あなたには、特にしてもらうことはないと思うわ。

ま、今のところだけどね。さて、そろそろ時間よ。

今から神社に繋がるスキマを開くからその中を

通っていらっしゃい。」

 

どうやらもうすぐに移動を始めるようだ。

目の前の空間が歪み、裂けて、スキマができる。

紫は先にスキマの中に入っていった。

私も後を追わないといけない。

 

※※※※※

 

スキマを抜けたら博麗神社の鳥居の前だった。

その鳥居を抜けると、前に五芒星の形の

魔法陣があり、その隣に紫が胡散臭い微笑を

浮かべて立っている。どうやら藍は背後に控えて

いるようだ。

そして紫が私に 魔法陣の中央に移動して欲しい と、

言った。

私は五芒星の中心に立った。すると、紫と藍の二人が

私を中央に挟むように両脇に立つ。

暫くすると、紫が私に巫女の役割と結界の引き継ぎが

滞りなく終わったと、告げた。

どうやら無事に済んだようだ。

すると、紫が私のこれからについて話し始めた。

 

「霊夢。今日からあなたにはこの博麗神社に

住んでもらいます。なぜならこの場所こそが

結界の管理をするために必要な場所であり、

ここから幻想郷の全てを見渡すことが出来るからよ。」

 

なるほど私はこの神社にすまねばならないらしい。

まあ別にいいが。紫にそう告げるために口を開く。

 

「分かったわ。けど御飯はどうするの?」

 

すると紫は苦笑して、こんな時でも御飯の心配

なのかと問うた。

御飯は大切だと思う。

すると紫が、その事について話し始める。

 

「大丈夫よ。御飯の心配は要らないわよ。

一ヶ月に一度お米を届けてあげるし、

一週間に一度御飯を作りに行ってあげるわ。藍がね。」

 

なるほど。そういう訳なら少なくとも飢えることは

無さそうだ。

そのことは、礼を言わないと行けないと思う。

そう思い口を開いた。

 

「なるほど。ありがとうね 藍。」

 

私がそう言うと、紫は えっ?私にじゃないの?

等と言っている。

すると、紫の背後に控えていた藍が口を開く

 

「なあ、霊夢あんまり紫様を虐めないでやってくれ。

これでも幻想郷の賢者なのだ。」

 

すると、紫は ねえ藍?これでもってどうゆう

事かしら?と言った。

 

なんかグダグダになってきた。

私は話を戻すため紫に つまり私はこの神社に住んで

博麗大結界の管理をすればいいのね?と、

確認をとった。

 

すると紫はそれを認め じゃあ今日から

よろしく頼むわね。と言った。

 

どうやら間違っていなかったようだ。

 

紫はそのままスキマを開き自分の家に帰ってしまった。

 

今日から私の博麗の巫女としての生活が始まる。

いわゆる一人暮らしというヤツだろう。

楽しみなような、不安なような、

そんな感情が私を襲う。

しかし、私は首を横に振りその感情を

振り払う。

今はこの不慣れな場所に少しでも慣れるために

また、少し空いてしまった腹を満たすためにも

台所に向かう。

時間も時間なので、軽い料理を一品作り

食べることにした。

 

居間を見ると布団が既に敷いてある。

恐らく藍が敷いてくれたのだろう。

ありがたい。これですぐに休むことができる。

布団に横になるとすぐに眠気が私を襲い私も

それに身を任せることにした。

 

「おやすみなさい」

 

誰にともなく、私は一人そう呟いた。

もう誰も一緒に住む者は居ないはずなのに

 

自分でも呟いてから あれ? となった。

私はこんなに寂しがり屋だったろうか。

あの二人に拾われてから楽しい事しか

なかったから、こういう感情に弱くなって

しまったのかもしれない。

これはまずい。そう思いつつも、

目から勝手に涙が零れ落ちてくる。

私は歯を食いしばり必死に涙を落とすまいと

するのだが、耐えることが出来ず結局

泣いてしまう。

 

紫は今の私の様子を見たら、一緒に泣くだろうか?

それとも笑うだろうか?

今生の別れという訳では無いのに

そんな考えばかりが頭を占める。

涙は次から次へと零れ落ちる。

せめて紫に笑われないよう、

布団に顔を埋めて眠ることにしよう。

明日眠る時にもう泣くことがないといいが。

布団を片付けるのが大変だ。

そんなことに思考を飛ばし気を紛らわせた。

そのうちに柔らかい安らぎ私に訪れた。

※※※※※




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