「はい傷薬~。聞いたよ柳君、現世に行くんだってね?それも堕天使幹部が居る……気をつけてね」
ケラケラ陽気に笑う細目の男の名は白澤。中国妖怪の総大将であり、天界で薬屋をしている薬剤師でもある。あと女好き。
「ま、今の君なら大抵の敵は大丈夫だろうけどね」
「え?柳って人間ですよね?堕天使幹部は流石に危険なんじゃ」
そう言って白澤の言葉に首を傾げる男は桃太郎。昔話に出てくる桃太郎本人だ。色々あってここで働いている。
「人間と言えば人間だけど、変異してきてるからね。実際何十年も経ってるのに柳君見た目変わってないでしょ?」
「え?それ普通じゃ」
「柳君は肉体持ちだよ?本来なら肉体は成長するよ」
白澤の言うように、柳は数十年前から地獄に住んでいた。しかも肉体を持ったまま。それでも彼は年を取っていない。
「
「染まりやすい?」
「人が鬼になることでも有名だし、あまりの怨念に恐れられ、鎮めるために神にされた霊だっている」
「でもそれなら地獄は妖怪だらけになるんじゃ」
「彼等は魂だよ?だから、受ける影響は感情だけ。神や悪霊にはなれても妖怪になれるのは希だね。たまに自分の中の恨みだけで妖怪になるのもいるけど。これは清姫ちゃんなんかが有名じゃない?」
因みに柳には妖怪化するほどの恨み辛みは存在しない。と、本人は言い張っている。それでも柳は変質を始めている。
「肉体に妖気が溜まると肉体が変異して、次に魂が引っ張られる。ほら、あの野郎だって肉体に妖気……鬼火が宿って変異したでしょ?柳君は地獄料理に入ってる蛇とか怪鳥とか三途の川の魚とか食べてるから、そこから妖気が溜まったんだね」
「それで変異したのか。あれ、じゃあ柳はどんな妖怪になるんです?鬼灯様は鬼火だから鬼だけど、柳は魚とか蟹とか鳥とか蛇とか食ってますけど」
「妖気そのものが溜まってる訳だしねー。生者が成ると言ったら順当に鬼かなぁ……やったね柳君、地獄にすみやすくなるよ」
「へぇ…………」
「あ、でも竜気を感じる……ひょっとしたらご先祖様に竜が居て、妖気を浴びて先祖帰りしてるのかも」
「マジですか」
俺は転生者である。名前は柳。
死んだら神に会うこともなく、何時の間にか鬼灯の冷徹の世界に転生した……が、死んで地獄に落ちたと最近まで思っていたがハイスクールD×Dが混じってた。
しかし、俺は鬼になるのか。あんま想像がつかないな。鬼灯様に聞いてみるか?
「「「柳様~」」」
「ん?」
ふと聞こえてきた声に振り向くとやってきたのは三人の幼女。白い髪に白い和服の幼女と黒い髪に黒い和服の幼女と黒い髪に蛇の模様が描かれた黒い着物の幼女。
「現世行くんでしょ?」
「お土産欲しい」
「美味しいモノが良い」
名前は一子、二子、
「………………………」
あれ、こいつひょっとしてオーフィスじゃね?
いや、うん。鬼灯の冷徹の世界だとずっと思ってたからあんま気にしなかったけど、ここがハイスクールD×Dの世界と混じってんならこいつ間違いなくオーフィスだよ。
「……ん、そういや白澤様竜気が云々って、まさか」
「………?」
思い返すと此奴、良く蛇持ってきてたな。それでスープとかハンバーグとか唐揚げ作ってやったらなんか懐かれて………あれが原因?そういや妲己様んとこ通うのに節約したいからって、蛇料理ばっか食ってたな。
「………一応聞くけど、三子……お前ってオーフィス?」
「?我は三子」
「あー、そうじゃなくて……」
「無限の龍神、三子」
えっへんと胸を張る三子。三子が来たのは数年前だから、俺の妖怪化には関与してないと思うが、三子の力をここ数年ずっと食ってた訳か………あれ、これ大丈夫?
てかおかしい、だって原作じゃオーフィスがロリッ娘になったの割と最近って言われてたじゃん。
「なあ、
「?知らない」
そうか、少なくともこの世界にはないのか。良かった良かった。
「…………あ」
「今あって言ったか」
三子はすーっと目を逸らす。
「我知らない。もう関係ない。我地獄の座敷わらし三号」
「誤魔化されると思ってんのかおい………」
「え?柳さん知らなかったんですか?」
「鬼灯様知ってたの!?」
「ええ、まあ……あのあ──閻魔大王ですら気づいてましたが…まあ柳さんは初めて見ますからね。日本神話は基本的に寛容なんですよ。地獄と天国が分かれたのも外国を真似してですし、悪鬼である荼吉尼を神である宇迦御魂の側面として利用しましたからね。それに、他の神話が自分達が実は世界作ってないって事バレるの恐れて消し去った恐竜の魂も普通に地獄で利用してますし」
「あー。言われてみれば……あれ、でも昔はキリスト教迫害とかしてたんですよね?」
「あれは信者達の暴走です。うちは余所と、特にキリスト教と違って勢力広げようとは思ってませんからね………で、信徒虐殺の負い目もあって領地を一部貸しているんですが…………そろそろ本気で返却してもらわないとマジ面倒くせぇ」