本作のナギ・レンジは男性なので、似て非なるものだと思っていただければ。
「つまり、その『ディゴン』という魚人たちが、『ダーラムとヒュドラ』という神を召喚させようとしてるってわけか」
ガイはいままでの話による荒唐無稽な事件の要点をまとめた。もちろん、四人とも嘘だとは全く思っていない。この世界には、現に異形の存在が現れているのだから。
怪物ゾイガーの進行は三人のウルトラマンが食い止めたが、ライフラインの被害により東京、大阪の二都市では避難した人たちが行き場を求めていた。日曜日ではあるが、コンビニは品薄になり閑散としている。ユリカは非番だったが、この後応援に行くことになったといい、昼飯を持って出ていった。
残ったガイ、マドカ、ナイトウ。レンジからの連絡はない。
「この怪物がいるとして、いったいどうすればいいんでしょうか」
マドカがつぶやく。彼の脳裏には、怪物と戦ったときの光景が映し出されていた。自分が巨人となって戦う…そのことに対する、恐怖や不安が渦巻いていた。
そんな気持ちを打ち消すように、ガイは強い口調で話しかける。
「あんたたちは、もうこの件から手を引いた方がいい。真相に知りすぎるのは危険だ」
そう言って、ガイは部屋を出ていった。
ぼーっとするマドカを横目に、ナイトウは部屋に置いてあるテレビをつけた。
「お、ついた」
昨日から変わらず、怪物被害のニュースが放送されている。
三体の巨人が、怪物を倒した、と。
マドカは考える。三人もいるならば、自分は戦わなくてもよいのではないか?確かに、東京に現れた怪物を倒すことはできた。しかし、自分の前に現れたもう一人の巨人は、上空にいた無数の怪物を一撃で倒して見せたのだ。彼一人でも十分ではないのか…
同日 大阪
レンジは、病院のベッドに横たわっていた。
「ハハ、情けない。君を助けようと大阪まで来たのに、君に助けられてしまうなんてね…」
彼女に助けられたレンジは、突然の体の不調によって病院で手当てを受けていた。
その不調は、ウルトラマンネクサスとして過剰のエネルギーを使ってしまったことが原因だった。
倒れた時にスマホを落としてしまい、壊れてしまった。マドカたちの連絡先がわからなくなり、連絡できないでいたのだ。
翌日 月曜日 東京
マドカは大学へ登校。ナイトウも自分の大学に出勤した。ユリカも警官として仕事にあたっている。
一方、ガイは風来坊。今日もこの世界の異変について調査を続けていた。
これまでにガイがこの世界で倒してきた怪物のミ=ゴやティンダロスの猟犬。彼らは、一個体や一種族として活動していた。しかし、今回のゾイガーとディゴンには、何か裏でつながっているような気がした。
そんな疑念を抱きながらガイは、ユリカの言っていた怪しい宗教団体の建物を探した。
やがて、その建物の前に到着するガイ。
その建物を観察すると、団体の名称がわかった。
その名は、『ダゴン秘密教団』