ガイは考えていた。この世界で出会った二人のウルトラマンのことを。
(俺が力をお借りしているティガさん…そして、ゼロさんと同じ波動の力を感じるもう一人のウルトラマン…だが、お二人とも戦いなれていない様子だった…)
ガイは、今までの経験から一つの結論を導きだした。
(俺の知っているティガさんと別人か…。それに、まだ戦いなれていない人間と一体化したのかもしれない。)
俺がいざとなったら戦いをサポートしないとな、とガイは気を引き締め、目的のダゴン秘密教団を見やる。
一見するとただのさびれたビルだが、よくその壁面に目星をつけて観察すると、上の階ほど窓が少ないと分かった。三階以上はあるのがわかるが、最上階が何回なのか検討がつかない。
「やれやれ…。入ってみるしかないか」
そうつぶやくと、ガイは塀に向かって立ち、思い切り跳躍した。
常人ではよじ登らなければならないようなその塀を、ガイは手を付けずにひらりと飛び越えた。
「さて、行くか」
再び跳躍し、数少ない二回の窓の枠をつかむ。人通りが少なく、外からこの様子を見ているものはいない。ヒューマノイドである彼の強靭な腕力が身を持ち上げる。すると、運悪く窓の向こうに男がいた。
「あの手は何だ! 窓に! 窓に!」
素早く窓をこじ開け、ガイは部屋に押し入る。叫ぶ男を殴って気絶させ、部屋を見回す。
本棚には彼らの信仰する神々についての本が何冊かあり、机にはパソコンなども置いてある。ガイの目的は、彼らの野望を阻止することだ。しかし、どうすれば二柱の神の召喚を止められるのか、それがわからない。
とりあえず、部屋の内側から鍵をかけ、教団の名簿や建物の内部構造がわかる資料を探す。
持ち前の精神力で冷静に資料を探し、目当てのものを見つけ出した。
だが。
侵入者をかぎつけ、見るのもおぞましい魚のような容貌の人間が扉を壊し入ってきた。
宇宙人や怪獣を見慣れているガイも、これには不気味さを感じた。
(こいつがディゴンか…。)
ガイは怪人を近づけまいと、手のひらから光弾を放つ。それを怪人は、散弾銃のような凄まじい威力の蹴りで弾く。
「なにっ!?」
本気を出さないとまずいと感じたガイは、コートの裏から短剣・オーブカリバーを取り出した。それが、長剣の形に変化する。通常形態よりもリングは小さくなっている。そして、刀身が刀のように細長い形態だ。
ディゴンの攻撃の届かない範囲から剣戟を繰り出し、切り付ける。
怪物はやがて、劣勢になったと判断し逃げだそうとした。背を向けた怪人にガイはすかさず飛び蹴りをお見舞いする。
叫び声をあげて怪物は倒れる。ガイは高速で資料に目を通し、廊下へと繰り出した。
大学の休み時間。マドカは、スマホのネットニュースで怪物の出現を知った。何やら近くの街らしい。聞き耳を立てると、あわただしい声や救急車の音も聞こえてくる。
「僕は、事件を調べて安心したかっただけなんだ…。正義の味方が助けてくれるって…。でも、まさか自分がなるなんて、話が違うじゃないか…」
ニュースによると一昨日と同じ怪物ゾイガーだ。数は4体。
「無理だ…二体倒すのに精一杯だったんだぞ…そうだ、あの剣を持ったやつがくればいいんだ…それか、大阪に現れたやつでも…」
巨人は現れない。無慈悲にも怪物に蹂躙される街。泣いている子供の声を聞き、マドカは駆けだした。
「くそっ!!!なんで来ないんだよ!!」
今回は、勝手に体が動いたりはしなかった。自分の意志で、何一つ覚悟も決まらないまま、それでも何かを守るため。
頭上に掲げたスパークレンスが輝く。
ゴダイ・マドカの体が光に包まれる。
怪物が蹴散らす街にウルトラマンティガが出現した。
オーブカリバー長剣形態は、ウルトラヒーローズEXPO 2017 ニューイヤーフェスティバルで登場したものと考えていただければ。