現在 日本
不思議な怪物、バオーンとの邂逅から十年。あのころ少年だったゴダイ・マドカも今は19歳の大学生へと成長していた。
そんな彼の周りにも、様々な変化が起こってきた。二年前にはバオーンが地上に出現。
体長は彼が見た時には3~4mくらいだと感じたが、テレビの映像を見ると30mをしのぐ大きさなのは明らかだった。常識的に考えて、これは彼が洞窟でみたバオーンとは別の個体だろう。
しかし、マドカはきっとあの時のバオーンだろうと感じた。かの怪物なら、巨大化くらい朝飯前だという根拠のない確信があったのだ。
バオーンがくれた、『象牙の書』。
それはラテン語で書かれてあり、とうてい読めないものと日本人のマドカは思っていた。しかし、ページをめくると、その情報が不思議と頭のなかに入ってくるのだ。
内容は、この世のものとは思えない不思議な生き物の情報や、よくわからない呪文。
その中には、バオーンについても書かれている。
眠りと知識をつかさどる神、と。
そのバオーンの出現に続き、近年世界各地で異常極まる事態が発生していた。
中国の山奥では、頭部が大きな脳、体は甲殻類の空飛ぶ生物が出現し、世間を騒がせた。その見るもおぞましい姿に、精神を病んだ調査隊のメンバーもいた。
バオーンと違いその大きさは成人男性くらいの大きさだったが、数十匹が森の中で確認され、軍隊による駆除に際し死傷者も数人出てしまったという。
その生物を、地球外の生物と考える学者もいるという…
また、ヨーロッパでは3度、不定形の謎の怪物が出現。長く曲がりくねった舌が特徴だが、容姿についてそれ以外の情報は得られていない。この怪物は、何もないところから突然出現。犬よりひとまわり大きな体躯で、刺激臭をまき散らしながらパリ、ロンドン、ウィーンに現れ、その後何かを探すようなそぶりをみせたかと思うと、消滅。防犯カメラのみがその姿をとらえていた。
異常事態である、怪物や奇怪な生物の登場。
マドカは、それに恐怖を隠せなかった。
「やっぱり…載ってる…」
『象牙の書』には、それらの怪物についても情報が記されていた。
脳と甲殻類の合わさった中国で発見された怪物の名は、『ミ=ゴ』というらしい。冥王星の生物と書いてある。
ヨーロッパの怪物は、『ティンダロスの猟犬』。時間遡行者を狙う恐ろしい怪物、と書かれている。
「たしか、こいつは何かを探してる様子だって、ニュースでいってたな」
ティンダロスの猟犬についてさらに読み進める。
『ただし、高度な技術を持つ
ページをめくる。きっとそいつが、ティンダロスの猟犬が探していたものだ。そして、おそらく時間を遡行してこの時代にやってきたのだ。
『イースの大いなる種族 キリエル人』
ミ=ゴ、ティンダロスの猟犬はどちらもクトゥルフ神話に登場する神話生物です。しかし、ウルトラマンシリーズにこれらをモチーフとした怪獣はいませんので、ニュースや本の中だけの登場にしました。