ウルトラマンティガ 邪神の降臨   作:晩舞龍

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イースの悪魔

 突然苦しんで消えたゾイガーの謎を追うため、マドカは怪獣の出現地・新宿に残り調査を開始した。

 一方、ガイは神の召喚を防ぐため、カーターと合流してダゴン秘密教団へと向かった。

 

 

 東京 新宿

 

 マドカは、近くで避難を始める人々や、警察官に聞き取りをしたが、恐ろしい怪獣を前に逃げるのがごく普通の反応であり、怪獣の様子や逃げた原因を知る者はいなかった。

「テレビなら、中継の再放送がやっているかもしれない」

 家電量販店に戻り、テレビを眺める。目当てのチャンネルが見つかり、じっと目を凝らす。

 

 ゾイガーが街にすでに降り立っているところから映像は始まっていた。新宿の街を蹂躙しようとするゾイガー。しかし、その歩みが止まる。何かが空を切っている。

(かまいたち?)

 刹那、怪獣の腕や腹から鮮血が噴き出す。怪獣は少しためらい、海の方向へ向けて飛び去った。

 

 マドカはすぐに「象牙の書」を開き、怪獣を探した。「ボクルグ」と記載されたページに青い蜥蜴が描かれているが、今探したいのはそれではない。

(かまいたちや、空気を操れる姿の見えない怪物…そんなの、弱点がわからないと戦いようがないぞ)

 マドカは焦りながらも、謎の存在の手掛かりを探す。

 

『風の神性 ハスター』

『鳥の神性 グロス=ゴルカ』

『形を持たぬ影 アザトース』

 

「…うーん」

 どれも、似てはいるがはっきりした確信が持てない。なにせ、その存在の姿は見えず、かまいたちに似た斬撃しか見えなかったのだから。

 ゾイガーを攻撃したという事は、味方なのか。それとも…

 

 そうこう考え込んでいると、いつの間にか昼になっていた。空には厚い雲がかかり、陰鬱とした気分にさせる。

 マドカは、いったん調査を切り上げ、食事をとろうと避難所へ向かった。

 

 

 東京 築地

 

 ガイはカーターと共に、ダゴン秘密教団のある築地にやってきた。大きな卸売市場からは、魚のにおいが立ち込める。天気も悪く、辺りは薄暗い。

「彼らの目的は、やはり神の召喚ですかね」

「ああ。まず二体の神、ダゴン(=ダーラム)とハイドラ(=ヒュドラ)を召喚する。そして、この世界に闇の力…マイナスエネルギーや狂気といった類のものを蔓延させることで、邪神ガタノゾーアの復活を容易にする、といった筋書きだろうな」

 

 まるで未来を見通すかのようなその話にガイは驚きに飲まれてしまう。

「別の世界で見てきたことだ。さ、行こう、ガイ君」

 以前ガイが侵入したときには、あまり情報が得られなかったが、ガイは資料に目を通して、建物の構造をつかんでいた。

 ガイの侵入で警備が強化されていたが、抜け道を把握していたので難なく侵入することができた。

「カーターさん、資料には地下室がありました。ここが怪しいかと」

「そうだな…そうしよう」

 職員やディゴン、シビトゾイガーの監視をかいくぐり、隠し扉のある倉庫にたどり着いた。

 扉をあけると、地下へとつながる階段がある。それを二人は降りていく。

 たとえ怪獣が現れても気づかないほど深く、下へ下へ…

 

 

 

 東京 新宿

 

 ”彼ら”は”口論していた。一方は、美しい地球を守る天使たらんと。もう一方は、邪神に使える悪魔たらんと。

「この世界の美しい自然、そして人々を守る。それが俺の選んだ道だ」

「邪神に歯向かっても勝ち目がない。ストルム星人にも及ばぬ弱い生命体は、邪神ガタノゾーアに滅ぼされるのみ。ならば我々は彼らに味方し、新たな世界の一員となるべきだ」

 二人の体は炎に包まれ、変化する。

 

 東京の街に、二体の巨人が姿を現した。

 マドカは、それを目撃する。片方は、彼と幾度か協力し敵を倒した戦士、キリエロイド。もう片方は、キリエロイドに似た、しかしどこか違う姿。その姿は、マドカに一種のおぞましさを感じさせた。

(あれもキリエロイドとおなじキリエル人…?でも、様子が変だ)

 二人の戦士は、いつ戦ってもおかしくない、緊迫した雰囲気を醸し出していた。

 雨が降り始める。

 闇の私闘が幕を開けた。

 

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