建物の崩壊とともに現れた二体の巨人、ダーラムとヒュドラ。
それを、黒いスーツの男と移動していたマドカも目撃した。
男がつぶやく。
「あれは…」
マドカは男に、先に逃げるように指示し、スパークレンスを構える。
しかし、スパークレンスは反応しない。
「どうして…」
みると、それは先端部分から黒ずんでしまっている。光の粒子のようなものが、わずかに二体の巨人のほうに向かっているのを見ながら、マドカは意識を失った。
地上から流れる光の粒子。スパークレンスからそれが放たれきったのを確認したダーラムとヒュドラは、交戦中のオーブを横目に、地面を叩き付けた。土埃が舞い上がり、次の瞬間に姿は見えなくなっていた。
「逃げられたか…」
ガイは冷静に人間体に戻り、マドカとカーターを探し始めた。
ガイがマドカのもとへたどり着く。カーターが肩をゆすって、起こそうとしているところだった。
「大丈夫か、マドカ」
目を覚ましたマドカに、ガイは問う。
「どうしてこんなところで倒れたんだ?」
「それが…スパークレンスが黒くなって…」
そう言ってマドカは黒いスパークレンスを二人に見せる。
「さっきの巨人たちの動きも怪しかった…何かつながりがあるかもしれない。それと…」
ガイはマドカに、ダゴン秘密教団地下で起こったこと、ナイトウと思われる人物の不審な行動について伝えた。
「とりあえず、ナイトウさんに電話してみましょうか」
「いや、宇宙人がのっとっていたり、化けたりしている可能性もある。もう少し様子を見よう」
翌日
午前八時
一体のゾイガーが東京湾に出現した。
ガイとマドカはさっそく現場に向かう。
海の近くに飛来したゾイガーは、街へと歩みを進める。
その翼から巻き起こる風は船を吹き飛ばし、口からの光弾は工場地帯を破壊していく。逃げ惑う人々をかいくぐり、二人は構える。しかし、やはりマドカは変身できない。
仕方なく、ガイだけが戦いに赴く。
「キレの良いやつ、頼みます!」『フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ ハリケーンスラッシュ!』
「光を超えて、闇を斬る!オーブスラッガーランス!」
三叉槍を手に、怪獣と交戦するオーブ。
マドカはそれを、ただ見ていることしかできない。
「どうして…」
やりきれない思いを募らせるマドカ。そんななか、オーブはゾイガーを順調に追い詰め、とどめの一撃を繰り出そうとする。
「オーブランサーシュート!」
槍の先端から発射された光線が怪獣を貫く。
ゾイガーは、その頭が綺麗に切断され、倒れた。
おかしい。
ガイはとっさに違和感を感じ、一歩下がる。ガイが放った光線は、ゾイガーの腹部を貫いた。しかし、ゾイガーの首が落ちた。
倒れたゾイガーの後ろに、
もう一体の怪獣がそこにいた。それは、そのハサミは見覚えがある。青い体、大きなハサミ。
大海魔ボクラグ、その二体目が現れたのだ。
後ろには、ドリームランドとつながるであろう異次元の穴がぽっかりと開いている。中を覗くだけで狂気に飲まれそうになるそれは、しかしだんだんと狭まっている。そしてボクラグ――――ボクラグⅡはそこへ戻る気配がない。
この場にはもう、ボクラグを一度倒したキリエロイドはいない。そして、彼が倒したところを誰も見ていない。つまり…
「ボクラグ…困ったな、倒し方がわからないぞ」
ボクラグⅡは、ガイア40話に登場予定だった怪獣です。