話は、ボクラグⅡの出現の前日に遡る。
その日は、キリエロイドとキリエロイドⅡが市街地で戦闘を繰り広げた。そして、キリエロイドは戦いの末消えてしまった…その後、ティガはキリエロイドⅡと交戦。かろうじて敵を倒すことに成功した。敵がその直前に弱体化するという異変はあったものの。
その日の日中、三人の前に現れた二体の巨人…ダーラムとヒュドラ。特になにをするでもなく、ただ出現して、そして消えた。目的は何なのか。マドカのスパークレンスが黒く染まってしまったことと関係があるのか。
ガイはその巨人たちについて考えを巡らせていた。人々が寝静まった避難所で、暗闇の中物音がする。目を向けると、二人の物陰が見えた。マドカとカーターが、ガイのいるテーブルに近づいてきたのだ。
マドカが小声で話しかける。
「どうしたんですかガイさん、そんな難しい顔して」
ガイが答える。
「ああ…今日の巨人について考えていた」
ガイは、小さな明かりを照らし、紙に図を描いていく。
「パラレルワールドは無数にある。こんなふうにな」
ガイが紙に描いたのは、5個の丸だった。以前、カーターが話したマルチバースを表している。
一つ目の丸に、マドカの世界。二つ目の丸に、ガイの世界。同様にして、ネクサスの世界、ドリームランド、ギンガの世界、と書いた。
「マドカのいるこの世界とは別の世界から来た俺。銀の鍵で時空を超えてきたネクサスにも、元の世界があっただろう。」
マドカはうなずく。
「ほかにもいろんな世界があってな、俺もいろいろ旅してきたもんだ。」
「ティガはこの世界の存在だろうな。門の創造は次元の移動はできないからな…また、邪神や怪物、イス人も」
と、カーターが補足し、さらに続ける。
「ボクラグは異世界である、ドリームランドの存在だな」
それを聞き終え、ガイが指さす。
「ギンガさんの世界。今日の二体の巨人はそこに存在していたものだと思う」
ナイトウらしきものは、ギンガの世界に存在するスパークドールズを使用し、ダーラムとヒュドラを召喚した。
その場を見ていないマドカには、日中に情報共有していたが、そのときガイには何かが引っ掛かったのだ。
「例えば、俺が訪れた世界の邪神と、この世界の邪神は違う存在なんだ…つまり…」
ガイはマドカに問う。
「おかしくないか?二体の巨人は別世界の存在…なのに」
「あっ…象牙の書に載ってた」
マドカは、象牙の書を取り出し、該当ページを探しだした。もう一度よく見てみるが、やはり今日見た巨人とそっくりだった。
という事は…
「この世界にも、二体の巨人がいる…そいつらも倒さなきゃまずいってことだ」
恐ろしい気づきに、三人は大きなため息をついた。
怪獣紹介
ダーラム(SD)
この世界でダゴンとして伝わる巨人と同じ姿をした、ギンガ世界の存在。SDはスパークドールズの略称。ギンガスパークやダークスパーク等で、人形から「もとの姿にもどす」ことができる。
ヒュドラ(SD)
この世界でハイドラとして伝わる巨人と同じ姿をした、ギンガ世界の存在。同上。