ウルトラマンティガ 邪神の降臨   作:晩舞龍

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四人目の巨人

 その腕のハサミでゾイガーの首を切り落とし、ボクラグⅡが現れた。ドリームランドに帰る様子もなく、じっとオーブを見ている。

 以前、オーブの技を受けても再生し、歯が立たなかった怪獣。

 ガイも、マドカも、そしてカーターも、キリエロイドがボクラグを倒した瞬間を目撃していないのだ。

 ガイは冷静に戦略を立てる。前の戦いでみたとおり、斬撃攻撃は効果がない。今はハリケーンスラッシュの状態であり、分が悪いと考え、変身する。

「ウルトラマンオーブ バーンマイト!」

「紅に燃えるぜ!」

 敵に接近し、炎をまとわせた手で、頭部に打撃を与えた。

「おりゃああ!!」

 炎で蒸発する頭は、しかし次の瞬間には元通りには再生してしまう。

 

 キリエロイドは既に倒れ、マドカは戦闘不能。そして、ネクサスは新たな適能者を探している…

 さらに、ガイ自身もカードを奪われており、すべての力が出せるわけではない。

 一方のボクラグⅡは、この前の個体と同じように、海からの邪悪なオーラを身にまとい、強化されている。

 

「ストビュームッ…ダイナマイトォ!!」

 炎を全身で燃え上がらせ、突撃するオーブ。しかし、邪悪なオーラがそれを阻む。わずかに届いた炎がボクラグを蒸発に至らしめるも、すぐに再生。

「どうすりゃいいんだ…」

 ガイは有効打を見つけられない状態で、二枚のカードに望みを託した。

「これしかないか…」

 光と闇。本来相容れない力同士。その力は絶大な効果をもたらす。

 

「ゾフィーさん!」!」『ゾフィー!』

「…ベリアルさん」『ウルトラマンベリアル!』

「光と闇の力…お借りします!」『フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ サンダーブレスター!』

 

 つりあがった目。禍々しいオーラ。そして強大な威圧感を放ち、巨人がそこに降り立った。

「闇を抱いて…光となる!!」

 マドカとカーターがその様子を見つめる。

「ガイ君に言っておくべきだったな…この世界は闇の力が濃い…彼も闇に呑まれてしまう!」

「えっ!それって…」

 突如、オーブの体にも邪悪なオーラがまとわりつく。

「ウオオッ…グッ!!」

 苦しみ出してしまうオーブ。もがくように、近くのビルを腕で叩く。

 

 ガタノゾーアの力によって、闇に侵食されているこの星。ダーラム(SD)とヒュドラ(SD)の召喚によって、その力はさらに強まっている。そんな状態でオーブが闇の力を使うことは、自殺行為にも等しかった。

「いったいどうすれば…このままではガイさんが!」

 暴走するオーブ。ビルが破壊され、地面が揺れる。

 ボクラグは、別の街に向かって進行し始めてしまっている。

 絶体絶命のピンチ――――

 

 

 そんなとき。

 マドカとカーターの後ろから、声がかかった。

「おい…」

 そこにいたのは、マドカが昨日出会った男だった。全身を黒いスーツで包み、不気味な雰囲気を醸し出している。

「お前、変身できなくなったのか?」

 何故か。その男は、マドカの正体を看破していた。

「どうしてそのことを…あなたはいったい…」

 怪しげな笑みを浮かべる男に、マドカは驚きながらも問う。

「もしかして、あなたが…!?」

「違えよ、お前が変身できなくなったのは、あの二体の巨人のせいだ」

 男は、暴れているオーブに目をやる。

 

「だが、今はそれどころじゃない…ガイの野郎とあのバケモンを止めなきゃならねえ」

「でも、どうやって…」

 黒い男は、どこからともなく剣を取り出した。日本刀に似たその剣を、男は地面に向ける。

「この世界は闇の力が多いからな…特別に俺が手伝ってやるよ」

 地面に剣を突き刺したとたん、男に闇のエネルギーが流れ込む。

「あなたはいったい…何者なんですか」

 

 

「俺はジャグラス ジャグラー…正義の味方ってやつさ、クク」

 

 

 そう名乗った男、ジャグラーが異形の姿に変化する。

「ガタノゾーア!キリエロイド!闇の力…頂くぞ!」

 そして、膨大なエネルギーがその体に巨大化する力をもたらす。

 ウルトラマンオーブと同程度の大きさになったジャグラー。

 右手に蛇心剣を構え、暴走するオーブに向かっていく。

「ガアアアアアアアアイ!!」

 

 

 

 




時系列:ウルトラマンオーブ第9章「冥府魔道の使者」(ウルトラファイトオーブ)とウルトラマンオーブ第10章「渡り鳥、宇宙を行く」(劇場版ウルトラマンジード)の間と考えていただければ。
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