アメリカ サンフランシスコ
無数のバイアクヘーに囲まれ、身動きが取れなくなってしまっているティガダーク。本来の力が発揮できず、小さな敵をまとめて吹き飛ばすには至らない。その体はバイアクヘーの攻撃によりじわじわと摩耗し、傷が蓄積されていく。それは、近くで同様に攻撃を受けるゾイガーも同じである。
そうこうしている間に、彼の周りを不思議な感覚が覆う。
(この不気味な感じは、いったい…!?)
そして、その違和感から解放されると同時に、全く別の異様さに気づく。
(なんだ…ここは!!)
みると、バイアクヘーたちは上空で漂っており、周りを見渡すことも体を動かすこともできた。近くには、先ほどまで交戦していたゾイガーもいる。
そして、周りの風景は…まるで、地獄だった。
目が痛くなるようなビビットなピンク色をした不気味な空。足元をはい回る無数の虫。朽ち果てた街。
マドカは一瞬で察した――――
ここは、自分たちが暮らしている世界とは全く別の世界だと。
バイアクヘーは飛翔し、攻撃を受けて既に瀕死のゾイガーには見向きもせず、近くの水場へと飛び込んでいった。ティガダークもそれを追いかけ、水の中へ。
深い海が広がる。その底にも、朽ちた街の残骸が見えた。『セレファイス』と書かれた看板を横目に、彼はバイアクヘーの群れを追っていく。その先には…
バイアクヘーを体に吸収する、禍々しい怪獣の影が揺らめいていた…
日本 東京
ヒュドラの腕から三本の鋭利な爪が出現し、ネクサスを狙って一閃が繰り出される。彼女はそれをかわして敵の足元に潜り込み、強烈な打撃を与える。
「グッ…」
思わずのけぞるヒュドラを見逃さず、その腕にエネルギーを収縮させる。溢れんばかりの紫の光が、一筋の軌跡を描き、敵の体を貫く――――オーバーソードレイ・シュトローム――――
体内からディゴンの肉片や残骸をまき散らし、ヒュドラは爆散した。その体から、紫色の光の粒子が舞い上がり、やがて見えなくなった。
ドリームランド セレファイス海溝
バイアクヘーを取り込んだ怪獣はティガダークよりも一回り大きく、また魚のような鱗やひれを持っていた。二本の足で深海の地に足を付けている。ひれが開き、腕が鎌に変形。ティガダークに敵意を向け、襲い掛かってくる。ティガダークも応戦するが、怪獣と融合していないバイアクヘーの攻撃を受け、思うように立ちまわれない。怪獣の鎌の一撃を受け、都市の残骸に激突してしまう。
そこに、一筋の光が差した。
紫の光。先ほどネクサスがヒュドラを倒した際に現れたものだという事を、彼は知る由もない。
その光がティガダークを包む。変化する体色。腕から足先まで、黒く染まった表面が一部のみ紫の輝きを取り戻した。ヒュドラによって奪われた力を取り戻したのだ。
水中にもかかわらず、瞬時に怪獣の背後に回り込み痛烈なチョップや光弾を浴びせる。
それは、さながら戦う嵐・ティガストーム。黒と紫の戦士。
手のひらを頭上で合わせ、そこにエネルギーを集中させる。そして敵に逃げる隙を与えずに放つ一撃。ランバルト光弾!その威力はスカイタイプには及ばないが、怪獣をひるませることに成功する。さらに、向かってくるバイアクヘーの群れを冷凍光線・ティガフリーザーで薙ぎ払った。
日本 東京
ダーラムの右腕が地面に突き立てられる。地面を炎が流れ、オーブトリニティを狙う。オーブはXの力でベムスターアーマーを起動させ、その攻撃を反射する。そしてビクトリーの力でキングジョーランチャーを腕に装備。銃による遠距離攻撃でダーラムを追い詰める。
「グウウ…」
うなり声をあげ、一歩下がるダーラム。オーブは装備を解除し、腕でV字を描く。そこから繰り出される必殺光線・トリニティウムシュート!弱ったダーラムに命中し、爆発を起こして絶命した。その中から、赤い光が輝き、そして見えなくなった。
ドリームランド セレファイス海溝
ティガストームのもとに、赤き光がやってきた。体色に赤いラインがよみがえる。それはティガブラスト。ダーラムの奪った力が戻り、さらに元の姿へと近づいた。しかし、体色はわずかに黒ずんでおり、まだ本来の力を取り戻せていない。腕から放つデラシウム光流!怪獣を弱らせることには成功するが、倒すまでには至らない。
(どうやって帰ればいいかもわからないが…その前に、この怪獣を何とかしないと!)
焦る彼は、怪獣に更なる攻撃を仕掛けようとする。しかし、またしても湧いてきたバイアクヘーの群れに阻まれてしまう。
(くっ…)
その時。
光の一閃が、バイアクヘーたちを跡形もなく消し飛ばした。
その光の先には――――赤き巨人の姿。大地の力湧きたつ、地球の化身。その頭部から放たれた光が、先ほどティガブラストを救ったのだ。
(彼も…ウルトラマン?)
すると、怪獣の後ろからも光が差す。海と親和する青い光。そこに、もう一人の巨人が姿を現した。海のごとき青い巨人。その巨人がゆっくりと顔を上げる。怪獣が振り向き、鎌のような腕を振りかざすが、青い巨人は目では追えない高速移動でかわし、腕から伸びた青く光る剣で体を切り刻む。そして、二人の巨人はティガブラストのもとに駆け付けた。
時空を超え、三人の巨人が集まった。
ティガブラストの腕から放たれる、デラシウム光流。
赤き巨人の頭部から放たれる光の刃。
青き巨人が腕にエネルギーを込めて放つ、水の光弾。
三つの力が合わさり、邪悪な怪獣を打ち倒す。爆散する怪獣。バイアクヘーの群れも、その姿は見えない。
気付くと、マドカはアメリカのサンフランシスコに戻ってきていた。
「あれ…さっきまで、確か二人の巨人と一緒に戦っていて…」
夢かと疑い、スパークレンスを見やる。すると、そこにはたしかに紫と赤の力が戻ってきている。
名前も名乗らずに消えた赤と青の巨人。その存在を心に留めながら、ティガブラストは日本へと戻るのであった。
怪獣紹介
ガクゾム
ドリームランドのセレファイス海溝(元・都市セレファイス)に出現した怪獣。バイアクヘーを取り込み自らを強化したことから、神話には語られなかった神と考えられるが、真相は闇の中。
この世界のドリームランドは、ガグゾムやボクラグらによって滅ぼされ、サルナスは滅亡、都市セレファイスは海に沈み海溝としての姿を残すのみである。
この怪獣の誕生には、神話生物バイアクヘーの上位種としての要素のほかに、(この世界の)根源的破滅将来体としての要素も併せ持っていた。それを滅するため別世界から駆けつけたのが、ティガブラストと共に戦った赤と青の巨人である。