カオスの悪魔
ダーラムとヒュドラの顕現によって、闇がこの星に満ちた。ここまでは予定通り。そして、同時にドリームランドからの妨害もなくなった。これはニャルラトホテプにとって好都合だった。
そして、新たな刺客も用意できた。やはり邪神を召喚する前に、邪魔な光の巨人を排除しておきたい。しかし、ただの怪獣では三人の巨人を倒すことは難しい。ゾイガーによる足止めも時間の問題だ。そこで、とっておきの切り札を投入する。ウルトラマン三人を相手にしてもなお勝る戦士を…
日本 東京
サンフランシスコでの戦闘から帰還すると、すでにオーブ=ガイとネクサス=ユリカが二体の闇の巨人を倒した後だった。避難所の一角に集まり、皆で(ジャグラーは不満そうだが)健闘を称えあう。
カーターが言うには、
「これで敵の手札も尽きたはずだ。残るは邪神ただ一柱のみだろう」
とのことだ。
これまで非常に切迫した中での戦いだったが、彼らの中にも安堵した雰囲気が流れる。あと少しで、戦いも終わる…しかし、懸念材料も残っていた。ティガの力が完全に戻っていないことだ。
ダーラムとヒュドラが出現したときから、ティガの体は黒に染まり、二体を倒したことで紫と赤の輝きが戻った。しかし、その体色はいまだ灰がかっている。
いったいどうやればもとに戻るのかわからない。邪神に立ち向かう前に、全力を取り戻したいところだが…
翌日。カーターとマドカ、ガイは象牙の書を調べ、この本に書かれた怪獣はガタノゾーアのみだと突き止めた。あと少しでこの事件が解決するとわかり、マドカは安心した。
「じゃあ、やっぱりこいつを倒せばすべて解決するんですね…」
「ああ、だといいがな…」
不安げにガイがつぶやく。
一方、ジャグラーは怪獣の出現情報をチェックし、ユリカもそれに協力したが、今日は変わったこともなく、一日を終えた。
夜遅く。避難所の消灯に合わせて睡眠をとる4人。ジャグラーは交代での見張りとして一人起きている。
そこに、一つの人影が現れた。
「誰だ」
ジャグラーが剣を構えるが、その怪しい人影は躊躇う事なく進んでくる。
「止まれ!」
歩みを進めないそれにジャグラーが叫ぶと、影は猛スピードで突っ込んできた。とっさにかわすジャグラー。しかし、その服が発火していた。
「うおおっ!!」
魔人体に変身し、炎を振り払うジャグラー。そして剣に月の光を反射させ、相手の姿をうかがう。
すると、そこに立っていたのは一体目のキリエロイド、その人間体であった。ジャグラーは以前、巨大化するために必要な敵の闇のエネルギーを集めていた。その際、一度見かけたことがあったのだ。
「なぜだ…?お前は死んだはずじゃなかったのか」
キリエロイドは、もう一体のキリエロイドに敗北した。だが…
「死んだ、という証拠はどこにもない」
戦いのあと、姿を現さなかったことで、マドカたちはキリエロイドが死んだと誤解していた。
「私は気付いたのだよ…貴様ら人類を守ることより、這い寄る混沌…ニャルラトホテプについた方がいいとなァ!!」
狂気に染まるキリエロイドの顔が、そして体が青い炎に包まれる。
闇夜に映る影。そこには、以前よりも力を増したキリエロイドの姿があった。
「私はニャルラトホテプより