ウルトラマンティガ 邪神の降臨   作:晩舞龍

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叫び

「はっ!!!!」

 マドカは不意に目覚めた。なぜかとても気分が悪い。頭がガンガンと痛む。寝不足かと思い、時計を見ようとする。すると、辺りの風景がおかしいことに気づく。暗いのでよくわからないが、ここは避難所ではない。別の建物のようだ。

 マドカの近くには、マドカと同じように寝袋にくるまったカーターとユリカがいる。しかし、ガイやジャグラーの姿はない。

 そして、カーターとユリカはひどくうなされている。まるでひどい夢を見ているようだ。

「起きてください、二人とも」

 ゆさゆさと揺すり、二人を起こす。

「ん…?なに…」

「なんだね、マドカ君…」

 二人は目を覚ました。そして同様に、この状況に驚く。

「なんだ、ここは…敵の罠か!?」

「かもしれませんね…」

 三人で相談し、一緒に辺りを探索することにした。

 しばらく進むと、その建物はどうやら洋館らしいことが分かってきた。暗いため懐中電灯をつけながら部屋を回っていく。三人は、暗いこともあってか何やら言葉では言い表せない不気味さを感じた。

「怖いなあ…ガイさんたちはどこにいるんだろう…」

 

 そんな調子で進んでいく彼らは、突然一枚の絵画が飾ってあるのを発見した。それを見て、彼らはいままでの不気味さが気のせいではないと確信した…

「ヒイッ!!!」

「これ…」

 ユリカが驚いて声を上げ、マドカが冷や汗とともに声を漏らした。その絵は、大きな白い顔が描かれていたのだ。

 不気味なほどに白い顔。髪はなく、そして眉毛もない。さらに、()()()ない…

「ああ、気持ち悪い…」

 ユリカは思わず体を震わせる。マドカも今すぐ逃げ出したい気分だった。そんなとき。

 

 

 ガシャン

 

 

「わっ!!」

「今度は何…?」

 何かが落ちて割れた音がした。

「私たちのほかにも誰かいる…?」

「きっとガイさんたちだ、そうに違いない」

 慎重に音の出た方の部屋に向かう。そして恐る恐るドアノブに手をかける。

 

 ギぃ

 

 きしんだ音とともにドアが開く。そこに、人影があった。黒いジャケットを着た男と、黒いスーツの男の二人組だ。

「よかった、ガイさんにジャグラーさん、無事だったんで…?」

 

「うわあああっ!!わっ!!」

 明かりをむけ、顔に光が照らされた。その二人の顔は、先ほどの絵画と同じ白い顔だった。

 叫び声をあげたマドカに驚いたユリカとカーター。二人を引っ張り、マドカは急いでその部屋から離れる。

 

「今のはいったい…」

 落ち着いて先ほどのことを振り返る三人。どうやら、敵の罠は想像以上の恐怖を伴っているようだ。

「変身しても、怖いものは怖いからな…困ったな」

「とにかく、この屋敷から脱出しよう」

「ガイさんたちはきっと大丈夫だ、俺たちは俺たちで何とかしよう」

 三人は脱出を目標に定め、もう一度探索を始めた。

「それにしても…さっきの二人は何だったんだ?」

「まさか、ガイさんとジャグラーさんがあれになっちゃったとかじゃないよね…」

「いや、あれは私たちを恐怖に落とすための罠だ。ガイ君たちをあんなふうにできるなら、我々もとっくにそうされているさ」

 冷静にカーターが分析する。

 

 ゴトっ

 

 白い色の人形が何もないところから落ちてくる。

 

 

 バたバた

 

 無風のはずの室内でカーテンがなびく。

 

 ぞワっ

 

 後ろから何者かが追いかけてくるような悪寒。

 

 その館は、あらゆる恐怖を以て三人を追い詰めた。

「いったい何なんだ…これも、怪獣の仕業だってのか!?」

 心身ともに疲弊した三人。やがて、廊下を通り抜けたその前に、ついに外への扉が現れた。

「やった…やった」

 心底安心し、マドカはふっと無意識にその外の月光が漏れる扉に明かりをむけた。

「ふう…」

 そこには何もなかった。普通のドアだった。早くここから逃げ出したいという気持ちを抑え、慎重にドアノブに手をかける。

 

 

 

 ガちャ

 

 

「え…あかない」

 

 マドカの顔が青ざめる。この恐怖の館から、まだ出られないのか…いや、いっそ蹴り飛ばして、そう思い後ろの二人を見る。

「えっ…」

 

 同じように青ざめる二人。しかし、マドカが声を発したのは彼らに対してではない。その後ろに続いていたはずの廊下。

 それが、ない。

 

 壁だった。

 

 まるで、狭い部屋に閉じ込められてしまったような状態。そして、廊下だった場所に現れた壁に、またも絵画が飾られていた。

 マドカは恐る恐るそれに明かりを照らしてみる。

 

 そこには、不気味な歪んだ顔が描かれていた。

 

 ――――ムンクの『叫び』――――

 

 

 

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