それは、すべてを飲み込む邪悪。
それは、すべてを包む黒霧。
それは、すべてを--
ニャルラトホテプが張り巡らせた意図の糸は、彼の思うとおりに絡み合い、巨人たちを翻弄して見せた。そして、彼の計画はついに最終段階に入った。
計画を悟られないよう、カオスキリエロイドの死体を操り、彼らを惑わせた無貌の神。復活させたカミーラとガタノゾーアを一度ウルトラマンたちにわざと倒させ、その残留エネルギーを集約させることで最強最悪の暗黒魔超獣を召喚してみせたのだ。
その名はデモンゾーア。悪魔の如き異形は、四つに裂けた醜悪な口と四つの目で見るものを震え上がらせる。さらに額に当たる部分にはカミーラの姿も見える。二体の神が融合し、その体躯は空をも闇で覆いつくしていく。どこまでが体で、どこまでが黒霧なのかわからないほどの巨躯。
人々の目から希望の色は失せ、先ほどまでティガに力を与えていた金色の光はもう届かない。
しかし。
次は自分たちが希望を見せる時だ。
五人は立ち上がる。
「ここまできて負けられない」
マドカは四人と目を見合わせる。
ただ闇雲に、それでも前だけをみて戦ってきたマドカ。
自分にできることがあると信じ、人を救うことに命を懸けてきたユリカ。
この星の人々を守り、マドカやユリカを見守ってきたガイ。
遠い宇宙から助けにやってきた我夢と藤宮。
全員、やるべきことは決まっていた。守り抜く、すべて。
「皆さんの力、お借りします!オーブ!!!!」
オーブカリバーを高く掲げ、光が放たれる。ウルトラマンオーブ オーブオリジン。
「ガイアーーーーッ!」
エスプレンダーから放たれる赤と青の光。ウルトラマンガイア V2。
「アグルーーーーッ!」
アグレイターの放つ青き海の光とともに顕現。ウルトラマンアグル V2。
「うおーーーーッ!!!!」
受け継がれてきた光が、エボルトラスターから紫の輝きを放つ。ウルトラマンネクサス ジュネッスビオレ。
そして、マドカがスパークレンスを頭上に。
再びこの地に、ウルトラマンティガ マルチタイプが降り立つ。
飛び来る触手と鋏をかわし、五人の巨人は空へ飛び立つ。空中でも縦横無尽に迫りくる触手を、得意の光線や剣戟で振り払う戦士たち。しかし、本体は全く影響を受けていない。
その巨大な怪物の本体に乗り、攻撃を加えようとするも、本体に近づけば近づくほど濃くなる霧と増える触手、待ち構える鋏に阻まれて失敗。戦士たちは体力を消耗し、それを示す胸のランプが警告音を示し始めた。
遠くから攻撃するしかない。なにか、逆転の一手が必要だ--
そう思われたその時、地球から、厳密には地球の内部から目には見えないエネルギーが放出され始めた。
巨人たちはデモンゾーアに攻撃を加えようとし、阻まれていたが、それが霧を割いていた。そして、霧を必要としたデモンゾーアは地球の内部にニャルラトホテプが侵食させていた闇のエネルギーを使い始めたのだ。闇のエネルギーを抜かれ本来の働きを取り戻したその惑星は、正常の働きを再開したのだ。それが、デモンゾーアへの抵抗力として、そして地球の巨人であるティガやガイア、アグルの活力として影響している!
ティガ、ガイア、アグルの体力が回復し、ガイアはカットチェンジ。スプリーム・ヴァージョンへと変化を遂げた!ガイアとアグルの最強合体光線・ストリーム・エクスプロージョンが怪物の大きな鋏を霧や触手ごと薙ぎ払う。
この一撃で多くの力を失った邪神は、怒り狂って巨人たちに体当たりしようと迫る。
それは戦士たちに大きな隙を見せているのと同義だった。
五人の戦士の究極合体光線が大地を照らし、闇を切り割きながら邪神の体を崩していく。
長い静寂。その後、その街に…地球に、青空が戻った。