同日 明朝 フランス
『太平洋上から無数の生体反応を検知。モニターに映像を映します。』
軍の中でも、機密事項や事案を担当する部署に、そんな連絡が入ってきた。
「何事だ」
上級士官が眉を細める。そして、士官たちが注目する中、映像が表示された。
そこには、
無数の翼の生えた怪物が飛翔していた…
その数およそ千体、との報告が入る。その怪物は、なんと身長が55mほどもあるという。
「こんな怪物、一体でも人間の居住区に向かったらとんでもないことになる…」
その情報は世界中の情報機関に、極秘案件として伝えられた。そして、ひそかに迎撃準備が進められた。
しかし、怪物は早すぎた。昼頃に、200体ほどが人間の居住区へ向かって移動を始めたのだ。
向かった場所は、日本…。
同日 昼 日本 東京
三人はコンビニ弁当を食べながら話しあった。
「君、ツァトゥグアにあったと言ったね」
ナイトウはマドカに問いかける。
「はい、彼はバオーンと名乗っていましたけど」
そう返答すると、ナイトウは何か考え込み、
「私の研究している宗教ではツァトゥグアと呼ばれているが、そうだな、彼らの方言やニックネームのようなものかもしれないな。あるいは…ツァトゥグアという種族の中のバオーンという個体なのかもしれない」
と彼の見解を延べた。
レンジは「失礼」と言って部屋を出ていき、だれかと電話している。
マドカはぽつりとつぶやく。
「バオーンは友好的でした。我々を助けてくれる存在がいてもいいんじゃないですかね…」
ナイトウは、今までの研究の中で分かったことをマドカに伝える。
「私の研究の限りでは、この宗教の神々たちは対立こそすれ、人間をかばって戦うような存在は確認できていない…もしこれが現実だとしたら、だがな」
マドカは、その言葉でさらに落ち込む。
だが、ふと一つのアイディアが頭に浮かぶ。
「ナイトウさん!この世界がだめなら、別の世界から呼ぶっていうのはどうでしょうか!」
「人間の味方をか?よく、そんなこと思いつくなあ。銀の鍵、だっけか?」
ナイトウは銀の鍵なら別の場所とつながることを思い出す。
しかし、マドカはそれを否定する。
「この本によると、銀の鍵もこの怪物たちが作ったそうです。そんなのあてにできません」
「じゃあどうするんだ。別の世界の助けを待つのか?」
「それも違います。呪文です!『門の創造』の呪文で、別の世界との扉を作るんです!」
「本気で言ってる?」
レンジが慌てた様子で戻ってきた。
「どうしました?今、呪文を試そうとして…」
レンジはそれを遮り、叫ぶ。
「スマホのニュースを見ろっ!!!!」
マドカとナイトウは驚きながらもスマホをチェックする。
【避難指示:怪物が日本列島に接近中。該当地域の住民は直ちに避難してください
該当地域 東京23区 千葉県 神奈川県 埼玉県………】