花屋喰種   作:みぞれアイス

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Re:第20話 Unrelenting

 ロウは二槍を振るう。時に連撃を、時に間合い外からの投槍を、そして時には……手榴弾を。

 

 次々と手榴弾を投げつつ、退路を塞ぐように槍を操る。

 ワイヤーのような細い赫子で繋がった槍は、有馬の進路を塞ぐように伸びることもあれば、有馬を貫くように伸びることもある。

 

 半人間の中でも飛び抜けた身体能力を持つ有馬は、並の喰種よりも遙かに速く動く。

 しかし、それはロウも同じ……否、むしろロウの脚力は有馬を上回っている。

 動き回ることで間合いを取り続けるロウに対し、有馬はゴーストの間合いまで近付くことができずにいた。

 

 並の喰種では目で追うことすらできぬ速度の中、有馬はロウの攻撃を避け、防いでいく。

 

「ちょこまかと……辺り一帯ごと吹き飛びなさいな!」

 

 ロウは持っていた全ての手榴弾を解き放ち、周囲にバラ撒いた……!

 

 手榴弾の爆発を無傷で受け止めることのできるロウと違い、有馬が生身で手榴弾の爆発を受けようものなら、たちまち死体の仲間入りとなるだろう。

 手榴弾の爆発まで後数秒……爆発から逃げ切る時間が無い事を即座に理解した有馬は『ゴースト』で槍を大きく弾き、爆発に備えてアジテを構える。

 

─────刹那、轟音と共にいくつもの金属片が炸裂した。

 

 至近距離での轟音により、有馬の耳はあらゆる音を受け付けなくなる。それだけではなく、三半規管への強烈なダメージによる吐き気と、アジテで防ぎきれなかった金属片が体をジワジワと蝕んでいく……。

 

 だが、泣き言を言う暇すら無い。爆炎の向こうからはいくつもの槍が飛来する。

 

 致命傷を避けるように、防ぎ、受け流し、時には弾き返していく。だが、有馬はジワジワと体力を削られていき、戦況は時間と共にロウの優位へと傾いていく。

 

 

 

 

─────ゆえに有馬は、一か八かの賭けに出た。

 

 

 

 

 有馬は負傷を覚悟でロウへと走る。それを自棄と感じ取ったロウは余裕の笑みを浮かべた。

 

「捨て身かしら? 死になさいな!」

 

 接近する有馬めがけ、ロウは槍を穿つ。狙うは心臓。弾こうものなら即座に追撃できる様に放った攻撃は……。

 

─────有馬の左肩へと突き刺さった……! 否、有馬は攻撃を弾くのではなく、致命傷を避けるように『受けた』のだ……!

 

 その代償は腕一本。日を置けば治るだろうが、すぐには治らない。決して安い代償ではない。

 

「フフフ、まずは腕いっ……ん!?」

 

 だが、有馬はただで攻撃を受けたりはしない。

 攻撃を受けてなお、有馬はロウへと接近し……。

 

─────それはまさに一瞬。有馬はロウが(ゴースト)の間合いに入った刹那、ロウの両腕を切り落とした。

 

「くっ! 小癪な……!」

 

 とはいえロウは膨大な共食いにより、高い再生力を持つ。ぐじゅぐじゅと音を立てつつ、腕は即座に再生する。

 

─────だが、再生中の腕に赫者の鎧は無い。有馬は瞬時に懐から『ワッパ』を2つ取り出し、再生中の両腕へと取り付けた……!

 

 有馬の使用した『ワッパ』とは、喰種を捕獲する用の手錠である。

 普通の手錠と異なり、その材質はクインケ鋼で構成されているため破壊は困難。そして手錠の内側についた針から、通常よりも濃度の高いRc抑制剤を対象へ注入する……!

 

 並の攻撃では傷一つ付かないロウの体へ、強力なRc抑制剤が撃ち込まれた!

 

「しまっ……!!」

 

 急激にRc細胞が抑制された事で、ロウは大きくバランスを崩し……。

 

─────有馬(ゴースト)の袈裟斬りによって、上半身を斜めに切断される。

 

「ただではやらせませんわッ!」

 

 斬られた事で体が滑り落ちていきながらも、ロウは無理矢理赫子を展開し、有馬の心臓めがけて刺突……!

 しかし、有馬は自身の右腕を犠牲にすることで攻撃を流した。

 

「くっ……力が……姉様……申し訳ありません……アタクシは失敗致しましたわ……回収をおねがいします」

 

 ロウは自身の敗北を悟り、カオリへ回収を依頼する……しかし、カオリがロウを回収する事はなかった。

 

 

──────────

 

 

「あーあ、ろーちゃんは青メガネに負けちゃったみたいだねー。私が回収しなかったら失血死かな? ざんねん、ろーちゃん達はここで退場だー」

 

 地下の奥深く、レザーフェイスの衣装をしたカオリは残念そうに呟いた。

 

「おーぅ……ならばどうします?」

「こんな事もあろうかと私が待機してた訳だし、当然私が出るよ。そもそも私一人でもクインケ鋼を回収できるし。でも、ろーちゃん達『7区の喰種』は回収しない」

「……なぜです?」

 

 ロウは15区にとって要の存在。むざむざ死なせる理由が小林には分からない。

 

「私が花として生きてるように、ろーちゃんは美に生きてるの。花は散らされてもまた咲けば良いけど、美は散らされたらお仕舞い。だからろーちゃんが負けることは許されない。私はそう思ってるよ? きっとろーちゃんもそう。それに、ろーちゃんが連れてきた子達は、みんなろーちゃんに寄り添って生きてる。寄る辺を無くしたあの子達は、どうやって生きていくの? 私の下で生きていくのはきっと無理。そのくらい私でも分かるんだよー?」

 

 カオリは特殊な赫子を纏っていく。それはどこまでも大きくなり、山と見紛うばかりの大きさへと変わっていく。

 

「だから……死んだ子はクインケになってもらう。逃げた子はほっとく。食べないのは私の優しさ」

 

 巨大な赫子は枝分かれし、地下の空間を埋め尽くしていく。

 

「最優先命令。カセット、ディスク、ドリーム以外のブルーレイ、全員自爆」

 

 そして、カオリは地上めがけて巨大な赫子を撃ち出した。

 

 

──────────

 

 

『最優先命令。カセット、ディスク、ドリーム以外のブルーレイ。全員自爆』

 

─────刹那、戦場は光に包まれる。

 

 数千もの人工喰種による一斉爆発。それは轟音と共に捜査官を薙ぎ払い、高速道路を薙ぎ払い、周囲の建物を薙ぎ払った。

 

 多数の捜査官が宙へと吹き飛び、そのまま死を迎える。

 

 

─────その中には法寺も混ざっていた……彼は人工喰種に近付きすぎていたのだ。

 

 

 爆発による多数の死。これはカオリの策に他ならない。ブルーレイやディスク達は、カセットよりも遙かに多くの爆薬が埋め込まれていたため、爆発の効果範囲が増加していたためである。

 

 その結果、生存者は作戦開始時の1割程度。生き残った捜査官達も轟音や衝撃波によって満身創痍だ。

 

 

 誰もが耳鳴りと激痛に苦しむ中、悪夢は終わらない。

 

 

「……こ、こんなのどうしろってんだ」

 

 爆発を遮蔽物で防いでいた丸手(まるで)は、新たに現れたそれを呆然と眺める。

 

 

─────それは、山と見紛う程に巨大な黒い大樹。

 

 

 そんなモノが突如地面から生えてきた……大樹が生えていた場所は、喰種達がクインケ鋼を集めていた場所だ。

 

 大樹はクインケ鋼を取り込み、(ツル)をどこまでも伸ばし、喰種達が集めきれなかったクインケ鋼を取り込んでいく。

 

 蔓はどこまでも伸びる……飛び散った人工喰種の残骸を取り込み、落ちているクインケを取り込み、あらゆるモノを取り込んでいく。

 

「……おい、誰か動ける奴はいるか? 俺の通信が聞こえる奴はいるか?」

『こちら宇井! 『大喰い』が突如現れた巨大赫子によってロスト! ビルの上に居た喰種も同様にロスト!! そちらの応援に向かいます!』

 

 通信から聞こえてくるのはビルの中にいて難を逃れた宇井班のみ。だが宇井班のいたビルは爆心地から離れているため、こちらに戻ってくるには時間がかかる。

 宇井達が駆けつけるよりも早く、大樹の蔓はクインケ鋼を呑み込んでいく……そして蔓が全てのクインケ鋼を回収し終えると、蔓は木の中へ戻る。

 

 全ての蔓が大樹の中へ戻ると、大樹はゆっくりと地面に沈んでいく。やがて残ったのは、交差点だった場所にできた直径数百メートルの大穴だけであった。

 

 

──────────

 

 

「……どうして、私達が回収されない」

「2号達もレディ・ロウも回収されてない」

 

 大樹が消えた大穴を見つめ、双子の喰種が呟く。大樹はクインケ鋼やクインケ、15区の喰種達を飲み込んでいったが、7区の喰種達はそのまま放置された。

 

「つまり……」

「私達は見捨てられた?」

 

 考えられる可能性はただ一つ。レディ・マイヤーズは自分達を切り捨てたということ。

 

「そっか……」

「そうだね……」

 

 あまりにもあっさりと社長(ロウ)を切り捨てた……そんな事実が双子の心に哀しみを灯す。社長の頑張りは何だったのだろうかと……。

 

「……お店に戻ろう」

「……うん」

 

 双子はとぼとぼと7区へ続く夜道を歩く。

 

「……みんないなくなっちゃったから、私達が社長になるの?」

「多分……今から胃が痛い」

 

 

 

 だが、彼女達が社長になることはない。なぜなら……。

 

 

 

「……無い」

「私達の場所……」

 

─────かつて巨大な風俗店があった場所……ここにも直径数百メートルの大穴ができており、彼女達の居場所は無くなっていたのだから。

 

「じゃあ、やることは一つしかないね……」

「逃げよう。レディ・マイヤーズが味方じゃなくなった今、東京……ううん、関東はもうどこも安全じゃない。私達はレディ・ロウから沢山の事を教わった。きっと西でもやっていける」

 

 双子はその場から駆け出す。目指すは横浜、関西地方へ抜ける新幹線へ。

 

 

──────────

 

 

 翌日、日本の平均株価は大きく値下がりした。

 

 お台場で発生したCCG護送車爆破事件。そして『お台場』、『7区の錦糸町』、『3区の高級住宅街』に同時発生した謎の大樹と大穴。この同時多発的な事件により、東京が大きなダメージを負ったからに他ならない。

 

 お台場の壊滅によってレインボーブリッジや周囲の電車が使えなくなったことにより、一部交通網が麻痺。マスメディアは『喰種による大規模破壊テロ』と(うた)い、民衆の不安を大いに煽った。

 

 7区にあった巨大風俗施設がピンポイントで破壊された事も不安の種だ。消えた風俗施設は料金も良心的であり、裏メニューも豊富にあったことから、非常に多くの成人男性に愛されていた。彼らは嘆く……なぜぼったくりの店ではなく、優良店が消されてしまったのかと。

 また、爆破テロによって『ゆりかもめ』と『りんかい線』の路線が破壊された事で一部の層からは『コミケにいけなくなった』『仕事が久々の休みになったが収入が無くなった』等の悲鳴があがっている。

 

 そんな傍ら、ネット上では謎の植物を『世界樹』として称える者達が存在する。

 それは3区の高級住宅街に発生した大樹が、資産家達の資産や生命を奪い、お台場に発生した大樹がお台場にあった様々な施設を破壊したからに他ならない。

 彼らは資産家や特権階級に強い憎しみを持つ弱き者達。そんな彼らにとって、上位者の苦しみは至高の娯楽である。それが例え人外の生命体による仕業であったとしても……。

 

 

 

 

「それで、なぜついでに3区を襲ったので?」

「ろーちゃんを切り捨てたから、これから先は私達がお金を稼がなきゃだからね。ちょうどビッグマダムがいなくなったから、ビッグマダムが持ってた全ての資産と、ついでに周辺のお金持ちから資産を貰ったってワケ」

 

 15区地下の温泉施設。壁を隔てた向こう側から話しかけてくる小林へ、カオリは楽しそうに告げる。

 

「とはいえロンダリングはどうするので?」

「ピエロのみんなにタダで頑張って貰うよ。何せピエロのみんなはお金回収に失敗したんだから」

 

 ピエロ達は平子班に敗北し逃走した。いくら平子が有馬から信頼されている程に強いとはいえ、所詮オロチの対処を失敗する程度の相手。SSSレートのロマ相手に勝利できるとは考えられない。

 そこでカオリはロマに問いただした結果、ロマにかつてほどの力は無く、ここ3年間以外は共食いどころか満足な食にすらありつけていなかったため、力が大幅に落ちていた事を知る……。

 

『ニオイ? ああ、まやかしっすよ。レザーフェイスさんがニオイを消してるように、私はニオイを強めにしてるんです。これ、人間は気付かないですし、喰種からは一目置かれますし、結構有効なんすよ? あ、いくら昔より弱くなってるとはいえ、流石にニオイすら分からない雑魚には負ける気無いっすから心配御無用っ!』

 

 そう告げながら愉しそうに笑うロマの姿に、カオリは形容しがたい気分になった。しかし、ロマの強さを見誤ったのは自分自身のミスであるがゆえに、ロマを責めることはできない。

 

「まぁ私が優秀な捜査官さんを厳選したとはいえ、オークション会場に残した人間達じゃライダーちゃんを倒せるわけ無いって思ってたから、全部ピエロのみんなが悪いわけじゃないんだけどねー……ライダーちゃんはジェイソンやアキラさんじゃ勝てないくらいには強くなってたし、クインクスは小林と戦った時点では弱かった。でもまさか『あーるしー促成剤』なんてモノであれほど変わるとはねー……ニムちゃんは知ってたのかな? まぁ今更どうでもいいや。それより今はオークションの時に居た客達だよー!」

 

 カオリは大きく溜め息を吐く。温泉に浸かりながら吐いた息は、少しだけ心を落ち着かせた。

 

「だーれもお金を払わずに逃げちゃった……妖精さんは別の日に渡すって言ってたから許すけど。名簿は残ってるから今度回収しにいくけど、それはあくまでも私の取り分。ピエロのみんなの失敗が無くなるワケじゃないからねー。だからピエロのみんなは『まねろん』が終わるまでタダ働きだよー」

 

 楽しそうに笑うカオリ。ロウが居なくなったことを残念にこそ思っている様子だが、悲しんでいるようには見えなかった。

 

「クインケ鋼も使いきれないくらい集まったし、何をして遊ぼうかな? ニムちゃんが肥料を()いてくれるのは何年後なのかな? 早くしてくれるといいなー。そうそう小林、タクシードライバーはしばらく休業で宜しくー。小林はろーちゃんの研究を頑張って引き継いでねっ!」

「おっほ、無茶振り把握……ところで、どうして爆発から生き延びた宇井や有馬、丸手に富良といった厄介な捜査官(ハト)を殺さなかったのです? あの時の彼らは満身創痍、いつでも殺せたでしょう?」

 

 厄介な捜査官を纏めて殺す機会。わざわざ見逃した意味が小林には分からない。

 

「だって殺す意味が無いでしょ? そりゃ小林にとっては怖い相手かもしれないけど、『竜の花』を少しだけ発動するだけで、もう私を止められない。それに、あの場にあったクインケで厄介そうなのは全部回収させて貰ったし、クインケ鋼も全部奪った」

 

 戦場にあった炎や氷の属性を持つクインケは、宇井の持つ『タルヒ』を除き、全てカオリが回収した。よって、現時点でCCGが保有する武器でカオリを傷付ける事ができる武器は、タルヒを除いてゼロになっている。

 

「捜査官さんには、私達以外の『ゴミ』を掃除して貰わなきゃ。だから減らし過ぎちゃ駄目なんだよー? 最後の爆発で優秀な捜査官さんも何人か消し飛んじゃったけど……まぁそれは置いといて。私としては『開花』する為の『あーるしー細胞』を減らしたくないから、あんまりアオギリと戦いたくないんだよねー。アオギリ……というか白コートさんさえ居なくなれば良いんだけど……」

 

 アオギリのタタラ。4000度の炎を吐くかの喰種は、カオリにとって厄介な存在となりうる。今はもうカオリが負けることはないだろうが、大きな損耗は避けられない。

 ゆえに、アオギリ(タタラ)が消滅するまでは捜査官を殺しすぎてはならないとカオリは考えていた。

 

「クインケ鋼が無いから、捜査官さんはクインケを新しく作れない。だから、ろーちゃんやライダーちゃんの死体も暫くそのまま保存するしかない。それに、死体はすぐ解体されないと思うよー? ろーちゃんの赫包なら、特等さん達が大好きな『アラタ』よりも強いクインケが作られるだろうし。だから『サウンドカード』の研究を完成させて、死体を奪えば元通りっ! まぁ以前のろーちゃん達じゃなくなっちゃうかもしれないけど、それは些細な事だもんねー?」

 

 カオリは嗤う。リオとリゼの赫包を手に入れ、日々人工喰種の肉を食べ続けた結果、カオリはあまりにも強くなりすぎた。

 故に慢心する。だが事実としてカオリを止められる者はいない。

 

「ですが私と宗太さんだけで研究を行うには時間がかかりますよ……? 何せ私はただの元タクシードライバーですし」

「そうだねー。だからアオギリの嘉納さん、今度こそ引き抜けないかなー? ちょっとニムちゃん経由で情報流して貰おっかな。一年くらいかけて引き抜き工作しよーっと」

 

 未来に思いを馳せるカオリ。そんな声を聞きながら、小林は問う。

 

「……やはり分かりません。ロウさんは我々にとって貴重な人材。彼女のおかげで我々の生活水準は大きく向上しました。例えロウさんの意に反したとしても、そう易々と切り捨てて良かったのでしょうか……?」

 

─────静まる浴室の中、温泉の流れる音だけが寂しく響く。

 

「……まぁ、機材の『めんてなんす』をシーナちゃんやニムちゃんでも出来るとは言っても、それでろーちゃんやマユちゃんを捨てるのは勿体ない……分かってはいるんだよー。でもね……」

 

 カオリは大きく溜め息を吐いた。

 

「─────退屈になっちゃうんだよね」

 

 心底うんざりしているかのような声色でカオリは声を紡ぐ。

 

「捜査官で一番強い青メガネでも、ろーちゃんと同じくらいの強さしかなかった。んで、青メガネは今回で負傷しちゃったから、今より弱くなる。炎や氷のクインケは今回で全部……違うか、ハクの持ってる『たるひ』以外は全部奪った。『しーあるしー狙撃銃』は赫子で防げる。もうみんな弱過ぎて退屈なんだよね……一方私達って正直過剰戦力だと思わない? ろーちゃん達がいなくなったとしても、こっちにはまだリオちゃん、小林、シーナちゃん、ニムちゃん、キジマさん。それに『居酒屋ヘルスケ』と人工喰種……まだまだこっちが圧倒的に有利なんだよね……ニムちゃんのお願いだから待っててあげてるけど、お花屋さんができない今は退屈でしょうがないんだよー。だからちょっとくらい自分を追い込んだ方が退屈しないかなって思ってねー。だから……」

 

 ざばりと水をかき分ける音がする。どうやらカオリはお風呂から上がるようだ。

 

「─────小林が危ないとき、私は助けてあげないかもしれないよー? ふふふっ、なーんてね。貴重な運転手にして料理人だもの。見捨てないよ。多分ね」

 

 その言葉は嘘か真か。小林には分からなかった。




 7 区 陣 営 脱 落 
ただしCCGは大量のクインケ鋼とクインケ、そして命を奪われる。当然予算も大幅に逼迫。

そしてさらっと法寺さん退場。本当は流島まで生存させたかったのですが、嬢ズ倒すために突撃してた関係上、どうやっても爆発から逃げられる位置に居ないので……。

Q.有馬VSロウが薄味じゃない?
A.基本的に有馬さんもロウさんも動きが速い上に攻撃が一撃必殺なので、長引かせるのが難しいんですよね。
なお、戦闘後の有馬さんは全身負傷+両腕使用不可だったので、誰かが有馬さんを狙いに行けば倒せたという事実。


これにて連日投稿は終了です。
次回の投稿日なのですが……誠に申し訳ありませんが未定とさせて下さい。
クインケ鋼強奪戦を書いてる途中あたりで、諸事情により執筆が難しくなってしまったため、いつ投稿できるか分からないのが現状です。
いつかまた投稿できるようになりましたら、ひっそりと再開させていただきます。


──────────







~~ひっそりとおまけ追加~~
■ゲーム風ストーリー紹介(ネタバレ注意)

・東京喰種in花屋MODについて

 花屋MODでは、特殊ボス『花の喰種』およひ特殊キャラクター『氷の喰種』が出現するようになり、チャプターが一つ追加されます。また、以下のトロフィーが追加されます。

★敵対ルートで得られるトロフィー
・花園からの生還者
・蕾退けし者
・花の宿敵
・花の仇敵
・怯花
・名探偵
・花のクインケ所持者
・ドライフラワー職人
・花火師
・除草業者
・押し花名人
・芝刈り達人
・咲かず枯れる蕾
・傷に咲く花 鮮血の紅
・無垢なる花
・ロリポップチェーンソー
・樹滅の刃
・世界樵

★友好ルートで得られるトロフィー
・この木なんの木
・ホラー映画同好会
・革命的同士
・楽園の蛇
・死に救済は無い
・フラワーアレンジメント
・フラワーデザイナー
・フラワー装飾技能士
・世界一の庭師
・世界樹の守人
・幽雅に咲かせ 墨染の桜
・全てがFになる

★特殊トロフィー
・Let it go
・ショーシャンクの空に
・食戟のソーヤー
・聖杯を手にした者
・満開の赤い薔薇
・ルーザーズ・クラブ
・Dead by Daylight
・奈落の花
・花柱
・ジェイソンVSレザーフェイス
・美の頂点
・世紀末覇者
・ラグナロク
・秩序の守護者
・くろやぎさんたらよまずにたべた
・革命的粛正劇

 花の喰種は進行によって名前や能力、配下のメンバーが大きく変わります。ストーリーの進め方によって色々な側面を見せるでしょう。

■『咲かず枯れる蕾』取得方法
 1997年に24区を最深部まで攻略することで、特殊ボス『花の蕾』が出現します。
 『花の蕾』は一定以上のダメージもしくは時間経過で逃走します。攻撃力と防御力は極めて高く、体力自動回復も備わっているため、この時点のステータスでは一部キャラ以外撃退することさえ困難です。
 『花の蕾』が逃走しても追撃を続ける事で、花の喰種を討伐できます。この際に『咲かず枯れる蕾』が取得できます。
 主人公が「オニヤマダ」「芳村功善」「喰種捜査官」のどれかの場合、特殊トロフィーが追加で入手可能です。
 なお、1999年に捜査官主人公限定で遭遇する『壁喰蕾』を討伐してもトロフィーは手に入りません

■『世界樵』取得方法
 完全本気モードになった花の喰種を討伐することで手に入るトロフィーです。
 最終チャプターまでに花の喰種と交戦する全イベントを完遂し、かつ全戦闘で花の喰種のHPバーを赤にして撃退するが条件です。
 参考までに、花の喰種に以下の仲間キャラクターがいる場合、完全本気モードです。
・ドクター(笛口アサキ)
・ナース(笛口リョーコ)
・エンジェル(笛口ヒナミ)
・ペニーワイズ(小林昭)
・フレディ(リオ)
・ゴーストフェイス(ロマ)
・トラッパー(村松キエ)
・ランサー(ロウ)
・ライダー(マユ)
・バァル(神代リゼ)
・アマンダ(旧多二福)
・チャッキー(キジマ式)
・メイド長(松前)
・レッドピラミッドシング(戸影豪正)
・白夜(嘉納明博)

■『樹滅の刃』簡易取得方法
 世界樹状態になった花の喰種を討伐する事で得られるトロフィーですが、花の喰種の特徴として、戦闘イベントで花の喰種に脅威を与えなければ与えないほど、油断して弱体化する上に、仲間を集めなくなります。
 さらに、花の喰種の仲間がピンチの時に救援イベントが発生しないため、最終チャプターでの敵キャラクターを減らすことができます。

 花の喰種の仲間が減るイベントは以下の通り。
・(捜査官主人公の場合)2002年までにオニヤマダを討伐する
・(喰種主人公の場合)篠原さんのオニヤマダ討伐を妨害する
・(オニヤマダ主人公の場合)『仇花』のHPバーが緑の状態で逃走を選択する
=ドクター、ナース、エンジェルが仲間になりません

・20区梟討伐作戦で花の喰種のHPバーが緑のまま時間切れになる
=バァルが仲間になりません。花の喰種が捜査官になることもないため、最終チャプターで花の喰種がドーピングアイテムを使用してきません

・オークション掃討作戦時に花の喰種のHPバーが緑のまま時間切れになる
=ランサーとライダーが死亡します

・ロゼ討伐戦で花の喰種のHPバーが緑のまま時間切れになる
=メイド長が仲間になりません

・ロゼ討伐戦でマンドラゴラの討伐総数が一定以下
=チャッキーが死亡します

・流島作戦(流島)で花の喰種(模倣体)を討伐できずに時間切れになる
=ペニーワイズが死亡します

・流島作戦(コクリア)で花の喰種(模倣体)を討伐できずに時間切れになる
=トラッパーが仲間になりません

・対ピエロ防衛戦で花の喰種(寄生体)の討伐数が一定以下
=ゴーストフェイスが仲間になりません

・24区黒山羊掃討作戦で強化型マンドラゴラの討伐数が一定以下
=白夜、レッドピラミッドシングが仲間になりません

 ここまですれば最終チャプターはフレディと花の喰種だけになります。また、リオの裏切りイベントを発生させれば更に弱体化する上にフレディとの交戦フラグがなくなるため、能力値は『花の蕾』に近い値になります。バニラでの最終チャプター旧多より弱いため、ここまで進めたプレイヤーは余裕で倒せることでしょう。


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