と思ったら現実で金木くんが15区入り(DbD実装)しちゃったよ!金木くんまで加入したらお話壊れちゃ^~う!
と言うわけでストックを解放するぞオラァン!
(本作で金木くんは15区入りしません)
例え大量の殉職者を出したとしても、世界の時が止まることはない。2016年4月、CCG恒例の『通称・昇進セレモニー』が行われる。
数百人を超える死者の名前が読み上げられ、二階級特進が告げられていく。
去年は人で溢れていたセレモニーの会場だが、今年はどこか寂れたような雰囲気だ。数百人もの殉職者がでているので、事実として去年より寂れている。
「……続いて
そして、ようやく生者の昇進辞令が始まった。
「諸君ら三等捜査官を二等捜査官に任命する」
壇上に立つCCG局長の前へカオル達は歩み、書状を受け取る。その姿は堂々としたモノであり、新人にありがちな慌て様は見られない。
「続いて
オークションにおいて最後まで戦った者達は、皆階級を上げていく。
「続いて
その中でもオークションの内部潜入捜査及びSSレート喰種のナッツクラッカーを討伐したクインクスの功績は凄まじく、生存者にも拘わらず死者と同じく二階級特進を果たした。
「続いて
キジマ班はオークション掃討作戦にこそ参加していないが、昨年にはSSレート喰種『角折れ』を始めとした何体もの半赫者を討伐している。昇進は必然であった。
「続いて
呼ばれたのはアキラのみであり、平子の名前は呼ばれない。だが平子は当然と言わんばかりの顔で佇んでいる。平子は昇進を辞退しているのだろう。
「続いて
そしてこの日、新たに3人の特等捜査官が増えた。
その中でもジューゾーは22歳という若さでの特等就任であり、これは有馬以来の快挙とも言える凄さ……否、昇進速度は有馬をも上回っている。
──────────
(Rc促進剤の件は
セレモニーが終わり立食パーティーに移る。そんな中、瓜江はやや不機嫌な様子を見せていた。
(……それもこれも椎名と大坪のせいだ……)
年間に30体以上の喰種を討伐したことを示す『木犀章』と、単独でSレート喰種とも戦える事を意味する『白単翼章』を受けた瓜江。
だがキジマ班の全員は、年間に喰種を100体以上討伐したことを示す『金木犀章』と、単独でSSレートと渡り合える事を示す『白双翼章』を授与されていた。
瓜江にとって、ライバルはアカデミーの時から黒磐武臣だ。アカデミー主席卒業の瓜江と次席卒業の武臣……瓜江は『黒磐にだけは負けたくない』『誰よりも上でありたい』という思いで自らを高めてきた。そんな二人の凄さは、常に話題の中心だった。
しかし……アカデミー最後の一年、話題に登る対象が瓜江達ではなく『あのキジマが推薦したヤバい新人のねーちゃん達』……カオルとシーナへと変わった。
彼女達は筆記テストの成績こそ良くないが、身体能力は極めて高い、鬼教官の戸影と仲良し、かなりの美人、他のアカデミー生とは違う特別待遇を受けている。という四点で話題をさらう。
卒業後は言うまでもない。自分より階級の低い三等捜査官にも拘わらずSSレートや半赫者の喰種を討伐したり、Aレートの専用クインケを持っていたり、キジマ流尋問術で高い成果を挙げたりと、クインクスを差し置いて常に話題の中心だ。
「キジマ班がクインケ鋼輸送作戦にいてくれたら、もっと死者は減らせたのかな……」
「いや、キジマ班がオークション掃討作戦にいてくれたら、レザーフェイスをオークション会場に足止めできただろう。和修特等は馬鹿な事をしたんだ……」
「知ってるか? 大坪二等や椎名二等って結構ゲームやるらしいんだよな。話すきっかけにならないかな?」
「大坪二等の事は良く知らんが、椎名二等や旧多上等は難しい本を良く読んでるぞ? 書籍からアプローチしてみても良いんじゃないか?」
「……ねぇ、女の子の話をしてたのに、お前何で旧多上等の名前出したの?」
階級や知力は自分の方が上……だが結果はどうだ。自分よりも上の勲章を貰い、こうして周囲に耳を傾けていてもキジマ班の話題ばかりではないか。
勲章の授与後、キジマ班は立食パーティーに参加することなく会場を去った。『15区の喰種にCCGの情報が漏れているなら、今日動く可能性があるから』と。
それもまた気に入らない。自分達が立ち止まる間に、また離されていく様な気がして……。
(クソっ、オークションの後に2ヶ月も安静にさせやがって……そのせいで体が今も鈍っている気がするッ!)
オークションにてRc促進剤と強力な鎮痛剤を併用したクインクスは、全身がボロボロだった。喰種特有の回復力を以てしても完治に2ヶ月かかったのだから、その傷は極めて深かった事が分かるだろう。
なお、比較的軽傷だったムツキは1ヶ月で復帰したが、才子とシラズは3ヶ月かかっている。
瓜江は不満だった。SSレート喰種を倒したシラズ達と違い、自分が倒した喰種はS。討伐最高成績が他の班員に置いていかれた形になる。
ゆえに瓜江はすぐに動きだした。動ける様になってからは取り憑かれたかの様に街を駆け、喰種を駆除し、瓜江一人がクインクスの中で木犀章の受勲に至った。
……だが、それでも木犀章止まり。更なる力と功績の渇望はとめどなく溢れ、止まる事を知らない。
「ハイセ、『フエグチ』はどうしている?」
そんな瓜江の耳に、アキラの声が入ってくる。
「はい。引き続き『アオギリ』について聴取を行っています。アオギリはフレディの襲撃により、定期的なアジトの変更を余儀なくされているそうで、現在地を正確に割り出すことは困難です」
それはハイセが捕獲したヨツメことフエグチについての話だった。
「ハイセ。フエグチが貴重な情報源である事に変わりは無いが、適正な所有期間は意識しろ。キジマ特等がヤツの聴取を待ち望んでいるからな」
「何とかなりませんか? キジマ特等のやり方は度が過ぎてます」
「……聴取は迅速にな。迅速に聴取を済ませたのなら、私からキジマ特等に口添えしておこう」
アキラもまたフエグチへの尋問を待っている一人だ。キジマよりも先に申請を出しているため、ハイセの所有期間が終了したとき、アキラはキジマよりも先にフエグチの聴取を行う事ができる。
ハイセは気付いていないが、フエグチはレザーフェイスに繋がる情報を間違いなく持っているとアキラは読んでいる。それはキジマも同じだったらしく、フエグチの聴取を望んでいた。
それだけではない。何よりアオギリには、亜門鋼太朗がいるかもしれない……フエグチが知っているかは分からないが、手掛かりにはなり得るハズだ。
(亜門鋼太朗……生きているならなぜ戻ってこない……)
(フエグチ……佐々木の捕まえた喰種か。アオギリの喰種相手にキジマ班が出張ってくるワケがない。ヤツは15区に繋がる何かを持っている? 俺も調べてみるか)
後日、瓜江がフエグチに関する資料を調べた結果、意図的に消されている部分があることに気付く。
(……なんだこれは? 佐々木がフエグチに行った調書はちゃんと載っているが、それより前……空白の期間が長過ぎる)
フエグチもしくはヨツメ。その両親であるアサキとリョーコが死んだ2012年。そこから2015年までのデータが丸ごと欠落していた。
瓜江はアサキとリョーコの資料を探し、読み進みていく。
(討伐者は『
続いて瓜江は捜査官の情報欄に行き、真戸呉緒の資料を手に取る。
(……!! フエグチの追跡中にレザーフェイスに襲われ殉職……レザーフェイスによって初めて殺された捜査官だとっ!?)
瓜江は再びフエグチ親子の資料に目を通していき……。
─────瓜江は確信した。
「フエグチは15区の喰種だ」
赫子二種持ちの喰種『レザーフェイス』と『ナッツクラッカー』、赫子四種持ちの『フレディ』……所謂キメラタイプと呼ばれる喰種は、総じて15区の喰種だった。そしてレザーフェイスとの関わり……これで15区の喰種じゃない方が不自然だ。
「─────あー、ハズレですよ。瓜江一等?」
「ッ!?」
瓜江は後ろを振り返る。そこに立っていたのは美形の青年……ニムラだ。
「(ニオイもなく接近されただと?)……旧多上等ですか」
「ええ。あなたもフエグチの資料を見ていたようですね。フエグチは15区の喰種に繋がる情報を持っているでしょうが、15区の喰種ではありません。フエグチはかつて『15区と同盟関係を結んでいた喰種』の関係者です」
そんな情報はどこにもない。瓜江は怪訝そうな目をニムラに向ける。
「そんな情報は無かったって顔ですねぇ? ええ、僕もその記述を見たことはありません。ただし……
「……あんていく?」
聞いた事の無いワードに、瓜江は首を傾げる。
「瓜江一等がアカデミー生だったころ、20区全域を対象とした『梟討伐作戦』がありました。その『梟』という喰種が経営していた喫茶店です。フエグチはそこの従業員でした。そしてその喫茶店には……」
「─────『眼帯』という喰種も存在していました」
瓜江は目を見開く。その名前はオークションの時にレザーフェイスが告げていた名前であり、その人物とは……。
「─────まさか、佐々木上等が」
「ええ。有馬特等が人工喰種『ササキハイセ』に記憶処理を施した結果、今では捜査官として活躍していますが、記憶処理が行われる前の彼は極めて危険な喰種です。だから彼を恐れたり、敵視したりしている人も多いでしょ?」
心当たりはある。ハイセは他の捜査官から嫌われている節があった。
「有馬特等の話では、佐々木上等が記憶を取り戻す可能性は無いらしいですが、万が一ということもあります。だから『佐々木上等が記憶を取り戻しかねない情報』は秘匿されています。佐々木上等が閲覧しないように……」
瓜江は考える……何故ニムラがこんな話をわざわざ自分にしたのかと。
「話は変わりますが、キジマさんは佐々木上等ではなく瓜江一等、あなたの努力を高く評価しています。いずれは我々や有馬特等をも超えうる存在と言っていました。僕も期待しています。
だが、その疑問はニムラの言葉で解決する。オークション戦から二カ月の安静の後、復帰した瓜江は大量の始末書を覚悟していた。だが、あったのはアキラからのお叱りのみだった。
ならば昇進が絶たれたかと思いきや、昇進もしたし勲章も貰った。
(ペニーワイズを割った功績がここで活きてきたか)
ゆえに知る。自分はキジマと旧多に多大な恩を受けるほどに期待されているのだと。
「なので、いつか一緒に捜査しましょうね」
そう告げながら、ニムラはニッコリと笑った。ニムラはいくつかの資料を手早く取っていくと、資料室の出口へ向かう。
「あ、そうそう。少し前まで周りからラボの研究員だと思われていた僕から瓜江一等にアドバイスです。良く筋トレをしている瓜江一等なら、筋肉の超回復はご存知ですよね? その超回復を赫包の力で行ってみてください。筋肉の回復を『Rc細胞』が代替するはずです。足の筋肉をRc細胞に変えていけば、その内リサさんを超えられます。体幹や上半身の筋肉をRc細胞に変えていけば、その内大坪さんを超えられます。これは喰種が体を鍛えるメカニズムなのですが、瓜江一等ならできると信じてますよ? 理論上クインクスは喰種と同等の身体能力を得られるハズですので」
今の瓜江にとって重要な情報を告げ、ニムラは資料室から去っていった。
「ククク……やはり俺のやり方は間違ってない。佐々木のやり方じゃなく、俺は俺のやり方でいく」
オークション後、瓜江はムツキと共に数多くの喰種を駆逐した。喰種を痛めつけ過ぎだとハイセに叱責された回数は多かったものの、瓜江はやり方を変えなかった。
そんな瓜江のやり方をムツキは賛成してくれた。キジマとニムラは高く評価してくれた。
(そして、俺は大坪や椎名を超えるッ! 感謝するぞ旧多上等!)
瓜江の心に自信が戻ってくる。それと同時に、ニムラのような素晴らしい上司の元で働くカオル達を羨ましいと思っていた……。
──────────
「……支払いはできないの? じゃあどうやって払うの?」
オークションでの一件が終わった直ぐのこと、カオリは21区にある月山邸にて、ミルモに問いかける。
「いえ、先程から分割払いなら可能と」
「でも利子の支払いは嫌なんだよねー?」
一気に約1兆5000億円を現物で支払うのは、例えミルモであったとしても難しい。
それは月山グループ全体の金であり、執事達に払う給金でもあるのだ。そもそも、使途不明金として1兆5000億の金を動かすのは無理がある。
「いくらなんでも『トサンの複利(十日で三割増。利子で増えた分も利子に上乗せ)』なんて無茶苦茶だと思いませんか?」
最初は小さな金額だった。それが膨れに膨れて今に至る。
「そう? 良くある話だと思うけどなー。私は普段そういう所からお金を
そんな事態になろうものなら、月山グループの全てが終わりかねない。
「もー、じゃあ別の案。こっちの案はお金を一切払わなくて良いよ。その代わり途中から現金払いは許さないけどねー?」
とはいえこのままでは平行線。カオリは仕方無く代案を提示する。
「……どのような条件で?」
「生きてる人間の部位欠損可。一人一律10億円。利子含めて全部で二千人。これなら待ってあげる。もちろん毎月……えっとちょっと電卓出すねー」
カオリはポケットからスマートフォンを取り出し、2000÷12と入力した。
「うん、毎月166人は最低でも持ってきてよ! これなら簡単でしょ? 妖精さんの会社は大企業だもんねー。毎月166人なんてあっという間に集められるよね! むしろこれが断られちゃうなら、もう支払わなくて良いよ?
ハイセの肉により、月山は完治した。だが、それまでカオリに支払い続けてきた『粉の料金』が月山家の財力を急速に失わせている。
そもそも、支払いきれないから借金になってしまっているのだ……1兆5000億を一括で支払う力は既に無い。
「……
ゆえに、ミルモはこの提案を飲むしかないのだ。
「ふふふっ、契約書は既に作ってあるよー。これに名前を書いてね」
既に用意されていた契約書に、カオリの狙いは最初からこれだったことにミルモは気付く。オークションで言っていた通りなら、人間は安くて20億……カオリに齎される利益は計り知れない。
「へー、ミルモってそうやって書くんだ? それじゃ、今月から有効だから宜しくねっ! 人間は契約書に書いてある場所に運んできてねー」
御機嫌で去っていったカオリの背を眺めながら、ミルモは深い溜め息を吐く。数多くの喰種を要する月山家とはいえど、毎月約170人を追加で獲得する事は難しい。
だが、やるしかない。やらなければビッグマダムの家に生えた世界樹が、自分の家にも生えるのだから……。
──────────
とはいえ大規模な誘拐を行えば、CCGに捕捉されるのは当然であり……。
「ロゼヴァルト家の関係喰種?」
CCG特等会議にて、新しく特等になったマツリへと丸手は問う。
「はい。昨年のオークション・クインケ鋼輸送作戦以降に頻出している『喰種集団による大量誘拐事件』……ヤツらと交戦した捜査官のクインケに付いた赫子痕が右の資料です。そして、私がドイツに居たときに対峙したロゼヴァルト家の赫子痕が左の資料です」
マツリは配布した資料を指差す。確かに資料を見る限り、両者の赫子痕は似ているようにも見える。
「この二つの赫子痕を比べた結果、一致点は109。率にして27%……近親者ではないが血縁関係にあたる遠縁の喰種であると判断できます」
ロゼヴァルト家の血縁者とは、月山家執事の『カナエ』である。カナエはロゼヴァルト家最後の生き残りにして、月山家の遠縁だ。
「なるほどな、筋は分かった。それじゃこいつらのコードネームは『ロゼ』とする。これだけ大量の民間人を誘拐するなんざ、間違いなく人工喰種関連だ。そうなるとロゼの背後にいるのはアオギリか15区だ。今度はキジマ班も参加させる。良いな?」
マツリの本心としてはキジマを参加させたくなどない。だが白双翼章と金木犀章が受勲された特等捜査官たるキジマを排除するための理由をマツリは持ち合わせていない。
「……はい」
そう告げるマツリの正面には、ニヤニヤと嗤うキジマの姿……マツリは自らの拳を強く握り込んだ。
ア ン フ ェ ア ト レ ー ド
佐々木さんの肉でフォルテッシモしたので、既にグルメさんは完治しました。ですが、誘拐は原作同様続けなければなりません。ゆえにこうなります。
グルメさんを助けるために色々準備していた小さな成人少女は泣いていい。
■原作との相違点
・瓜江が白単翼章も受勲
・キジマ班が全員昇進
・ムツキだけでなく才子とシラズも二階級特進。
・グルメが既に完治したことでホリチエさんの出番消滅