花屋喰種   作:みぞれアイス

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Re:第23話 にむらじ!

 キジマ達がユウマという喰種を捕縛してしばらく経った頃、上等捜査官・旧多二福の広報ページに、二つの動画が追加された。

 

・『にむらじ!喰種(グール)とは何か』

・『仮称喰種組織ロゼ、及び喰種アリザへ』

 

 後者の動画リンクには、閲覧注意、ショッキングな映像であるといった注意事項がこれでもかと書かれている。

 

─────にむらじその1.mp4─────

 

 動画が始まると、軽快でどこか安っぽいBGMと共に幕が開く。幕の向こうには細身の美青年を先頭に、左右には茶髪と金髪の美女が二人。そして青年の後ろには……恐ろしい外見の人(?)が立っている。

 

「に」

「む」

「ら」

「じ」

 

『にむらじ! はっじまるよー!!』

 

「えーっと、みなさんこんにちは。喰種対策局一課・東京15区担当、上等捜査官の旧多二福(ふるたニムラ)です」

「こんにちは、椎名リサです」

「こんにちはー! おおつぼカオルでーす!! そしてーっ、後ろにいるのがぁ……人造人間サイコベイマックスですっ!」

 

 金髪の女(カオル)は恐ろしい外見の生物を指差した。顔はまんまるで耳や鼻が無く、体を構成するパーツがいくつか足りないその生き物は、人に成り損ねたモンスターのようでもあり、キテレツなコロ助のようでもある。

 

「ウィーン、ガショーン、ワタシは人造人間サイコベイマックス。地球から生命体を駆逐するために冥王星から送られてきたロボットです」

 

 人造人間サイコベイマックスはロボットダンスをしながらお辞儀し、その姿にニムラは苦笑いを浮かべた。

 

「キジマさーん? その流れでいくのは止めましょうよ。初見の人しかいないのに誤解を招くようなことは……というか自分の上司が殺戮ロボットとか辞めたくなりますよー仕事ー」

 

 ニムラがそう告げると、人造人間サイコベイマックスはピタリと動きを止める。

 

「クヒヒ……訂正しよう……さて、改めて皆様ご機嫌よう、私はキジマ式。こんな見た目をしていますが、人造人間でも喰種でもなく人間です。階級は特等捜査官、この三人の上司にあたります。以後お見知り置きを」

 

 人造人間サイコベイマックス改めキジマは、至って普通のお辞儀をし、カオルとシーナはそれを拍手で迎えた。

 

「というか、何で僕の捜査官ページで配信するんですか? しかもタイトル『にむらじ』って……僕は巻き込まれただけじゃないですか……企画者キジマさん達ですよね? キジマさんのページでやってくださいよぉ……後で僕が怒られるパターンじゃないですかこれぇ……」

 

 自身の名前を全面に出した動画を作っていることに不満を露わにするニムラだが、キジマはいたって涼しげな表情をしている。

 

「ふむ、旧多君のページを使った理由は単純明快だともさ……カオルさん、シーナ、説明を」

「それはね~? ニムちゃんが~」

「ズバリ、ジャンケンに負けたからですね」

 

 ビシッとニムラを指差すカオル達だが、ニムラはカオル達とじゃんけんをした記憶なんて無い。

 

「ちょ、ちょっと待って? ジャンケンなんて一度もしてないよね!?」

「いえ、しましたよ? 旧多一等が私達の焼きそばパンを買いに行ってるときに」

「ニムちゃん不戦敗だよー?」

 

 何の悪気もなく語る二人組に、ニムラは頭を抱えた。

 

「あの時!? ねぇ、僕、君達の上司! もうちょっと僕に優しくして? そもそも、今更だけど上司をパシリに使うのっておかしいと思わない!?」

「キジマ特等がゴーサインだしたので」

「もうヤダ中間管理職!!」

 

 ニムラか崩れ落ちると、キジマはゆっくりとカメラへ歩き、ネタばらしを始める。

 

「ククク! まぁネタバレをすると、私のページには既に記載している情報が多くて載せられないのと、二人はまだ二等捜査官なのでページが無い事が理由だね。初見の皆様、私は旧多くんに意地悪をしたことは一度も無いのでご安心を。ちなみに焼きそばパンを買いに行かせたのは最初から最後までカオルさんの発案だよ?」

「はーい! ニムちゃんにパワハラをしたのは私でーす。ごめんねニムちゃんっ!」

 

 カオルはヘラヘラしながらニムラへ形ばかりの謝罪をした。勿論それで赦されることもなく……。

 

「大坪さん、僕、君の上司」

「えー。だってニムちゃんって……ねぇ、シーナちゃん?」

「そうね、受け体質よね。力も私達の中で一番弱いし……コミケに本出す時の参考になります。これからも宜しくお願いします」

「はいでたー! CCG特有の脳筋体質ー! マッチョ至上主義はんたーい!! 改善を要求しまーす!!」

 

 ニムラは寝転がってジタバタと暴れるが、それを無視するかのようにキジマはカメラへと近付いていく。

 

「さて皆様、まずは喰種対策局……略称CCGの簡単な説明から。CCGには対策一課と二課があり、我々は一課の所属です。一課は喰種と戦う部署であるため、基本的に脳筋と言われれば否定はできません。片や対策二課は頭を捻って作戦を練る部署です。もし貴方がCCGへ入局を希望する際、力に自信が無いのであれば対策二課への希望を出すと良いでしょう。もちろん一課で鍛えたいのであれば我々は歓迎いたします。ちなみに旧多くんは一課を志望したのでここに配属されていますよ? 喰種と戦うのはまさしく命懸けですので、希望していないのに一課へ配属されることは決してありませんのでご安心を。転属願いも常に受け付けていますので、合わなければ異動願いを出すと良いでしょう。とはいえ、もちろん給料の良い部署は人気なので、希望通りにならないこともありますがね」

 

「ちなみに、私達対策一課東京15区担当はまだ入局二年目の私にすら多くの給金をいただけます」

 

「だけど、ここの部署はちょーっと命が軽いんだよねー……まぁ、いつ死んでも可笑しくないから危険手当なんだろうけどねー。でも凄いよ? 私がアルバイトしてた時よりゼロが多いよ? さぁみんな! 対策一課に応募しよう! 今なら志望部署に東京15区キジマ班と書くと、なんと彼氏募集中のシーナちゃんや、彼女募集中のニムちゃん、苦手な事務仕事を代わりにやってくれる人募集中の私と、人造人間サイコベイマックスが待ってるよー!」

 

 シーナとカオルがそれぞれ補足すると、ニムラにとって聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。

 

「ちょっと待って! 僕リサさん一筋だからっ!!」

「え、嫌です。旧多一等はもっと素敵な男性とどうぞ?」

「う、うう……う~ううう……あんまりだぁ……HEEEEYYYY(ヘエエエエイイイ)!! あァァァんまりだァァアァ!! AHYYY(アヒイイイイ) AHYYY(アヒイイイイ) AHY(アヒイ) WHOOOOOOO(ウホオオオオオオオ)HHHHHHHH(オオオオオオオオ)!!」

 

 告白を一瞬で断られ、泣き叫ぶニムラ。だがキジマ達は慣れているゆえか、何事も無かったかのように動画を進めていく。

 

「さて諸君、我々一課の仕事だが、喰種を見つけ、捕縛もしくは駆除するのが仕事となる。とはいえこの動画を見ている方の多くは、喰種とは如何なる生物なのか知らない方も多いだろう。だがこの動画を見れば、喰種がどんな生き物なのか分かると約束しよう」

 

「先に忠告しますと、ここから先はややグロテスクなシーンがございます。心臓の弱い方や15歳未満の方は、パソコンをご使用の場合はオルト……Altと書かれているボタンとF4のボタンを同時に連打してください」

 

「それ以外の機械から見ている人は、その機械に応じた方法で動画を終了してくださいねー? 今から5秒待つので、大丈夫な人だけ残って下さーい」

 

 軽快なBGMが消え、無言の時間が訪れる。

 

 五秒後、キジマは厳かに語り始めた。

 

「宜しい、ならば再開だ。さてと……旧多君、喰種を持ってくれるかい?」

「フ─────、スッとしたぜ……はい、少しお待ち下さい!!」

 

 ニムラはガラガラと台車を引く。台車の中には成人男性と思わしき存在が積まれていた。

 

「諸君、これが喰種だ。見た目は人間と酷似しているが、目の色が違うのは分かるかな? 喰種が興奮状態になると、このように目の色が変化する。任意で変化させる事も可能のようだ。普段は人間と見た目が変わらないため、人間に擬態する個体も存在する」

 

「ちなみに、現在この喰種は極度の餓えから興奮状態となっています。しばらく食事をさせていませんからね。とはいえ我々捜査官では人間の肉を用意できないので、当然と言えば当然ですが」

 

「興奮状態の時に暴れられると困っちゃうから、この喰種の脊髄には細工してるよー! ほら、背中のコレ見えますかー?」

 

 カオルが指差すのは背中に刺さった棒のようなモノ。

 

 この棒によって脊柱を傷付け、脳の信号が体へ伝わらないようにしているのだ。

 似たような棒が背中だけでなく、肩甲骨部分にも刺さっているが、その説明は無い。

 

「この喰種は弱い個体であるがために、この様な拘束方法も可能だが、強力な個体になるとこうはいかない。脊髄を破壊した程度で油断してはいけないよ? さて、次は人間と喰種最大の違いをお見せしよう……シーナ、Rc抑制剤の準備を。カオルさんは彼に刺さった針の引き抜きを頼むよ」

「はい。既に準備済みです」

「はーい、分かりましたー!」

 

 カオルはアタッシュケースから巨大な大剣を片手で持ちながら、ゆっくりと喰種に近寄っていく。

 

「喰種特有の器官は普段体内に格納されているが、戦いの時になると対外へ露出する。極めて攻撃的な器官となっており、この器官によって命を奪われる者は多い」

 

「インターネットだと触手が生えるって話題ですねー。とはいえ、今回の喰種は触手って言っていいのかなー? それじゃあ外しますよー? さーん、にー、いーち、はい!」

 

 カオルが首筋と肩甲骨の針を引き抜いた途端、喰種は跳び上がってカオルに襲いかかった。

 喰種の肩甲骨部分からは螺旋状になったナニカが飛び出し、カオルへと迫り来る。

 

─────だが、カオルは大剣の腹で喰種を強かに打ち据え、壁へと叩きつける。

 壁に叩きつけられた喰種はすぐに壁から離れようとするが、即座に喰種の体へ網のようなものが巻き付き、動きを封じられてしまった。

 

「諸君、喰種は背中の肩から尾骶骨の範囲にかけて、今のような器官が生えてくる」

 

「ちなみに、今回の喰種はドリルが生えましたね。触手スレの上級者ならこれで楽しめるのかもしれませんが……まぁ、そもそも喰種のコレはそういうためのモノではないですからね」

 

「それとね! これは『赫子(かぐね)』っていうんだけど、赫子は金属をふすまみたいに貫通するから、防弾チョッキも装甲車も意味をなさないよー? 普通の剣や槍だと負けちゃうから気を付けてねっ! 対抗するにはCCG(ここ)で支給される特殊な武器が必要だねー。たとえば私の持ってるこの剣や、キジマさんの使った捕獲道具がそれにあたるよー!」

 

 キジマは手に持った『捕獲ワイヤーを射出する道具』をヒラヒラと振りながらカメラへアピールを行う。

 

「シーナ。次の説明を」

 

「はい。喰種はただ捕まえただけでは意味がありません。人間よりも遙かに強い力で暴れます。この金髪ゴリラのカオルより遙かに強い力で暴れます。よって、無力化する必要があります」

 

「シーナちゃん後で屋上ー!」

 

「その剣、普通は持ち上がらないからね? どうせネットでベルセルク扱いされてるし、先手打っておいた方が良いでしょ? ……さて、喰種は皮膚も硬く、銃弾すら弾きます。これは普通の注射器ですので、本来喰種には刺さりません。ですが、喰種は『粘膜だけは柔らかい』といった特徴があります。なので、喰種へ注射を行うには、粘膜へ刺せば良いんです。例えば性器や肛門の中とかですね。ですが流石にそのシーンを撮影するのはマズいので、別の場所……つまりこうします。ちなみに音量注意です」

 

 シーナは喰種の両目に注射器を一本ずつ突き刺し、薬液を注いでいく。

 目を刺された痛みにより喰種は絶叫をあげるが、シーナ達は平然としている。

 

「諸君、シーナが今注入したのは、即効性の強力な鎮静剤の様なものと考えてくれればいい。ほら、もう効き始めたようだね」

 

 先程まで絶叫をあげていた喰種は、ワイヤーに拘束されながらビクビクと痙攣を繰り返すのみになった。

 

「さて、今回貴方は喰種とは如何なる生物かを学んだ事だろう。このように危険な生き物が、現在世界中に生息している……喰種は人間社会に潜み、貴方の生活を脅かしている……貴方の友を、貴方の家族を、貴方の大切にしている誰かを捕食しようとしている……この様な恐ろしい生物から人間社会を守る人の手は、少なすぎる事はあれど多すぎる事はない。私の顔や足の欠損は、喰種によって奪われたモノだ。親しい人を私の様な醜い姿に変えたくない。自らの手で、親しい人を守りたい。そう思ってくれる仲間を、我々は常に募集している。危険な仕事だが、やりがいと給金はどんな企業、他のどんな公務員よりもあると私は信奉している……諸君らの熱意ある応募を期待しているよ」

 

「みんなの応募、待ってるよー! 一緒に喰種退治しようねー!」

 

「とはいえ、この動画で怖がられそうですけどね……」

 

 三人は痙攣する喰種を背景に、締めの挨拶へと取りかかった。

 

「さて、この動画はそろそろ終わるが、もうひとつ動画がアップロードされていると思う。もしかしたら既に削除されているかもしれないがね……しかし、もう一つの動画は『喰種』に向けての内容となっているため、動画はより残酷な内容となっている。人が見ることを推奨していない為、視聴はしないでいただきたい……それでもなお好奇心が勝るのなら一つ忠告しておこう。本動画で少しでも心にダメージを受けたと感じるなら、次の動画は決して見ないでいただきたい。強いショックを受ける危険性があるからね。それでは諸君。さようならだ」

 

『さようならー!』

 

 四人が手を振る中、動画はゆっくりと暗転し、再生が終了した。

 

 

 

 

─────にむらじその2.mp4─────

 

 動画は真っ黒な画面に赤文字で注意書きが書かれている。

 

「これは喰種組織『ロゼ』及び喰種個体名『アリザ』用の動画となっています。この動画を見ているのが人間の皆様の場合、この先を見るのはオススメ致しません。内容はそれほどにショッキングなモノとなっています。心身に強い負荷を引き起こす恐れがありますので、今すぐにブラウザバックしてください。10秒後動画を始めます。なお、本動画を視聴したことで発生した全ての健康被害につきまして、我々は責任を負いませんのでご了承を」

 

 シーナの声で淡々とアナウンスのあった10秒後、画面が切り替わる。

 

 映っているのは先程の『にむらじ』と同じ部屋だが、一切のBGMは流れておらず、ファンシーな壁紙は至る所に血痕が飛び散っている。

 

「やぁ、これを見ているという事は『ロゼ』なのかな? ……ああ失礼、我々は便宜上ロゼと呼んでいるが、キミ達には別の名前があるのかもしれないね? さて、先日捕獲した君達の同胞の処遇について報告したいことがある。まずは至って普通の尋問をさせて貰ったのだが……彼は全く喋る気が無さそうだった。よって……」

 

 キジマはカメラをずらし、テーブルの上を映す。そこにはいくつかの『銀色のケース』があった。

 

 キジマが一番端にあるケースを開くと……。

 

─────そこに入っているのは、血に染まった『舌』であった。

 

「舌は必要無いと思ってね? おや? 彼を見る限り、彼には必要無いモノが多すぎると思わないかな? さて、次はこれを見てもらおうかな」

 

 場面が切り替わる。そこにはキジマと、先程までいなかったカオルとシーナが映っている。おそらく撮影者はニムラなのだろう。手ブレで若干画面が揺れている。

 

 そして、カオル達は何をしているのかというと……。

 

「はーい、次は目の中に濃硫酸入れまーす」

「カオル、次はその状態でRc抑制剤を半分だけ投与してみて。再生までの時間を計りたい」

 

─────喰種の絶叫が響く中、拷問を楽しんでいた。

 

「ああ、二人はまだ新人でね。折角だからキジマ流の尋問方法を勉強して貰っているんだ」

 

「カオル、再生速度とバイタルが落ちてる。肉を」

「はいはーい。食べてねー?」

 

 カオルは喰種の口に開口器を突っ込むと、ペースト状のナニカを流し入れていく。

 

「私達は喰種ではない。ゆえに彼に人間の肉を食べさせたりはできない。人殺しになってしまうからね。アレは彼自身の肉とRc細胞壁を混ぜ合わせた喰種用の餌だ。Rc細胞壁は喰種にとって拷問並みに不味く、食べ続けると発狂する程だと聞いているが、これなら飢え死にする事も再生能力が落ちて死ぬ事もなかろう? 彼はいつまでも新人研修の練習台として役に立ってくれるというわけだ」

 

「バイタル安定、眼球の再生を確認。次はクインケによる足首の切断実験を」

「はーい」

 

 カオルは近くにおいてあった『チェーンソー型のクインケ』を起動させた。

 重低音を響かせながらエンジンが始動し、ギャリギャリと刃が回り出す。

 

 そして叫び声をあげる喰種の足首へとチェーンソーが近付いていき……。

 

─────画面が切り替わる。

 

「さぁロゼ、短い動画だが楽しんでいただけたかな? 彼が話を聞いてくれないから、君達への贈り物がこんなにできてしまった」

 

 キジマは再度テーブルを写すと、そこにはいくつもの『銀色のケース』が映っていた。

 それは先の喰種が何度も体を切り刻まれた事に他ならない。

 

「まぁ、これは彼自身へのエサとして再利用させてもらうとしよう……そうそう、彼なんだが少しだけ我々に話してくれたことがあるんだ……確か彼に興奮剤を投与し、目を潰し、性器を薬品で溶かし、生爪を全部剥がした後に、その状態のまま何度も何度も死ぬ寸前まで溺れさせていた時だったかな? 彼はこう呟いたんだ。『助けて、死にたくない』とね? それと名前のようなモノも呟いていたね。確か……『アリザ、旦那様、室長、ぼっちゃま』だったか? 特にアリザという名を叫ぶ回数は極めて多かった。(つがい)か何かかね?」

 

 キジマはニヤリと嗤う。動画の向こうからは小さく悲鳴が響き、今もなお拷問が行われていることを物語っている。

 

「クヒヒ、残念ながら興奮剤で頭が吹っ飛んでいるときだったため、詳細な尋問をしても帰ってくる答えは助けを求めるモノばかりだった……だが私は彼の言葉からヒントを得た。つまるところ、君達ロゼは一定以上の信頼関係を構築している喰種なのだろう。ゆえに忠告しておこう……喰種対策法13条1項及び2項に則り、我々は『速やかかつ必要以上の痛みを与えない尋問』を行っている。だが、私は思ったのだ……これは13条2項における『必要な痛み』を大幅に下回っているんじゃないかとね? よって、我々は状況に応じて『必要に応じた痛み』を与える事を宣言しよう。そして、飽きたら赫包を抉り出して処分するとしよう」

 

 キジマは銀色のケースを開けていく。そこには目や指、鼻や性器といったパーツがいくつも入っていた。

 

「さて、ロゼの諸君? この場所は私と部下しか知り得ない。そして、私の部下は私の許可無しにここへ来ない。つまり、私を殺せば彼は助かるかもしれんぞ? それと、私は指揮官なので大した強さは無いが、私の部下達は現在確認されている喰種の中で最強の個体を討伐するための精鋭達だ。最強の捜査官達と言い換えても良いだろう。キミ達がかの喰種よりも強いという自信があるのなら、私の部下ごと襲いかかるといい。その自信が無いのなら、私の部下達をかいくぐり、私が一人の時を狙うと良い」

 

 画面の外側から『赤黒い何か』がベチャリと飛んでくる。

 

─────それは目を潰され、舌を抜かれ、手足を切り落とされた喰種だった。

 

 死体にしか見えないが未だ息はあるようで、胸が上下に動いている。

 

「ごめんなさーい! 手元が狂ってそっちに飛んでっちゃいましたー!」

 

 画面の外側からカオルの楽しそうな声が響く。キジマは達磨となった喰種の髪の毛を乱暴に掴み上げ、画面の外へと放り投げた。

 

「失礼、汚いモノが映ってしまったようだ。さて、君達がもう一つの動画を見ているか分からないので、改めて自己紹介をしよう。私は『キジマ式』この顔は一度見たら忘れまい? 昼夜問わずいつでも殺しに来るが良い。待っているよ、ロゼ?」

 




 拷 問 過 多 
カオリやリゼさんが居る影響で、原作よりも悪意増し増しムービー。
アリザさんの心を殺しにいくスタイル。
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