ヒナミの牢獄のロックボタンを押し、鍵を掛けてから、灰崎に内線で連絡する。
待つこと数分、灰崎がやってきた。
「ずいぶん早かったな。もうヨツメからアジトの場所が聞き出せたのか?」
灰崎の問いに、キジマは頷く。
「アオギリのアジトは東京湾に浮かぶ無人観光地の『
梟の監獄がある下の階へと歩きながら、キジマは灰崎と会話を続ける。
「なるほどな。都外にアジトを構えることで、捜査線から逃れていたと言うワケか……はぁ、面倒だ。アオギリは千葉、埼玉、神奈川では殆ど活動していないことから、神奈川の局がやる気になってくれるかどうか……」
「まぁ最悪許可だけくれればいいさ。15区の喰種達に比べれば、アオギリは雑魚ばかりだからねぇ。さっくり全滅させるとしよう」
キジマ達はSSSレートの区画へと入っていく。使われている牢獄は3つしかないようだ。
「んー、アラタ? ランサー? こくりあでは、死体を収容してるのですか? てっきりアラタとランサーはラボに保存してあると思ってましたよー?」
カオルは床に貼られていた個体名のシールを
「ん? ああ、そうか知らないのか。ランサーは赫胞が多すぎるせいか分からないが、Rc抑制剤が切れると死んでても動く。ラボ保管だと危険すぎるので、Rc抑制剤に漬け込んでここに保管してある。ちなみにアラタだが、実はギリギリで生かしてある。クインケに有用な素材だからな。ある程度再生したら赫胞を毟り取って、クインケにしてるんだ。だから
灰崎の説明にカオルはニヤリと笑う。何か悪巧みを思いついたようだ。
「よし、隻眼の梟の牢獄を出すぞ。念の為、出す前に指差し確認だ……クインケ、ヨシ。Rc抑制剤、ヨシ。CRcガス、ヨシ。ワッパ、ヨシ。問題ないな」
装備の確認が完了し、灰崎は端末を操作。牢獄が床からせり上がる。
「ヒヒヒ! ありがとう
──────────
「ごきげんよう隻眼の梟。それとも、エト嬢と呼んだ方がいいかな?」
キジマの挨拶に、エトはニッコリとし……。
「好きなように呼ぶといい、テキサスのファミリー共、それと嘉納の
開幕から毒を吐いた。嘉納のピエロというワードにキジマ達は首をかしげるが、ニムラはその意味に気付いた。
「
「おーいニムちゃん。私達にも説明してよー」
「僕がHelter Skelterの一員って事がバレてるって事です」
「なるほどー!」
ニムラは
「で、私に何を聞きたいんだい? アオギリのアジトか? どうせちゃんヒナが吐いただろう? 私に聞く事なんてあるのかい?」
「まぁヨツメから聞いたので答え合わせはさせて貰いますが……
「花の魔王にかい?」
「そっちもそうですが、もう一つ……貴女が書いた『王様』についてですよ。未来の隻眼の王、それが佐々木准特等を指しているのは予想できましたが、『現在の王』が誰か、教えていただけますね?」
ニムラの問いに、エトはニヤリと笑う。
「安心したよ。君達のバックにはリゼが居るから、バレてるんじゃないかと思ってたけど、結局『隻眼の王』については何も分かってないという事だな。よかったよかった」
「言う気が無いなら別に良いですよ。僕等がここにいる以上、貴女が話すことは確定しているのだから。では大坪さん、芳村さんの口と目を開けといて下さい。あ、赫子でお願いします」
カオルは甲赫を細く展開し、エトへ伸ばしていく。カオルはエトの背後に回り、その
「花狂いの赫子か。私の推理は当たっていたようで良かった……好きなだけ拷問したまえ。それで私が話すとは思わないことだ」
人工喰種は片目しか赫眼にならない。そのため、両目が赫眼になるカオルとシーナは、エトに見られないようにする必要がある。
「じゃ、キジマさんお願いします」
「キヒヒヒヒ! では早速歯医者と眼科の同時受診といこう。ここにあるフッ酸を、こうする」
キジマはフッ酸のビンを外し、口の中と目の中に注ぎ込んだ。
「ぐぁぁぁあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
あまりの激痛に、エトは顔を押さえようとするが……。
「おててと赫子はだーめっ!」
カオルが甲赫を一閃。エトの両腕を切り落とした。それと同時に、肩の部分に赫子を巻き付かせ、羽赫を展開できないようにさせた。
両腕がなくなったエトは、狂ったように頭を振り回しながら絶叫する。
エトは跪くと頭を大きく後ろに反らし、床に何度も何度も顔を叩き付ける。顔が潰れ、血飛沫が舞う。
叫びながらアクロバティック土下座をする姿を、キジマ達はゲラゲラ嗤いながら鑑賞している。
ビタンビタンと床にのたうち回ることしかできないエトの姿を見て、これが東京を震撼させた隻眼の梟だとは誰も思うまい。
顔がグチャグチャになったころ、薬液の付着部分が無くなりきったようだ。
「イヒヒヒヒ! 負け犬に相応しい顔になったな。では次は私のクインケで遊んで貰おう。エト嬢はアニメを見るかい? レザーフェイス嬢はアニメや映画が大好きでね。『ひぐらしのなく頃に』という作品は知ってるだろうか? その作品には手の爪を無理矢理剥がす拷問器具があってね。それをバージョンアップさせて作ってみた」
キジマはクインケを展開する。展開したクインケは、手足両方の爪が剥がせるように作られている。
カオルは赫子を器用に使い、エトの足をクインケに乗せ、固定する。さらにエトを赫子で縛り、動けないようにした。
「ではシーナ、
シーナは台座の上で手を振り上げ……一気に振り下ろす。
バヅンを音を立て、足の爪が一枚剥がれる。エトの絶叫が響くが、フッ酸程ではないのか、それとももはや叫ぶ気力が残ってないのか、喉が焼け爛れているせいか、その叫びは先程より控えめだ。
「流石エト嬢だ。痛みへの耐性はヒナミ嬢とは比べ物にならないねぇ。次々行くとしよう」
カオルは足を固定している赫子を少し動かし、次の爪を器具にセットする。
「じゃあ次は僕が行きますね」
ニムラは腕を振り上げ……中途半端な力で振り下ろす。メキッと音が響き、爪が途中まで剥がれた。
「おやおや旧多くん、力が足りていないようだよ? さぁ、もう一度」
苦しみ呻き声をあげるエトを横目に、ニムラはもう一度台座を叩き付ける。今度こそ爪がバリっと剥がれた。
続いてキジマ、カオル。そしてもう一巡と爪を剥がしていき、ついに両足の爪が無くなった。
「うーん、爪が無くなっちゃった。じゃあ次は苦悩の梨やっちゃおー!」
カオルは赫子でエトの衣服を切り裂き、梨に似た器具を……。
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全身ズタボロになったエトが転がる。生きているのは喰種特有の高い生命力によるモノだが、その輝きも消えようとしている。
「ふむ、耐久力の低い羽赫の喰種だからかな? もうすぐ死んでしまいそうだ。エト嬢に給餌してあげよう」
キジマは切り落としたエトの腕を拾い、口に捻じ込んでいく。
えずきながらもエトは腕を咀嚼していく。自身のモノであろうとも、それは良質な半喰種の肉。グチャグチャになった頭部や秘部が修復され、爪や腕が生え始めた。
「で、どうです芳村さん? そろそろ隻眼の王が誰だか話したくなりました? ゴミはゴミらしく、さっさと喋った方が楽になりますよ? 今なら上と掛け合って、VIPルームに移送してあげてもいいですよ?」
ニンマリとするニムラに対し、エトは吐き捨てるように告げる。
「……おい
その言葉にニムラはイライラした顔付きに変わるが、カオルはニムラをアマンダだと見抜いた事に驚いていた。
「はいキミ拷問続行ね。死にたくなるほど痛めつけてやるよ」
「やってみろよ、PG。宗太と言った方が良いか?」
ニムラはエトの横っ面をぶん殴った。
──────────
ニムラの気が済むまで拷問を続け、見るも無惨な姿で横たわるエト。
「まぁ、こんなもんでいいでしょう。どうせコレが喋らないのは分かってましたし。では大坪さん、やっちゃって下さい」
カオルはエトの口に切り落としたパーツを食べさせ、回復を促す。それと同時に、髪の毛のように細い尾赫を、エトの耳と鼻に入れていく。
「……ぁがっ、ぎっ……!」
脳に赫子が届き、エトは静かになる。キジマ達は思い思いの質問を、エトに問いかけていく。
隻眼の王の正体。エトが知る範囲のVについて。なぜニムラがアマンダだと見抜いたのか。アオギリの拠点は流島であっているか等……エトは喋っていく。
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エトへの拷問が終わった後、キジマ達は残業として、15区支部の会議室に戻ってきていた。
「ヒナミ嬢とエト嬢への尋問で、アオギリのアジトが流島にあることが分かったが、どうやら報告が一歩遅かったようだ。手柄は真戸准特等に持って行かれてしまったよ。真戸准特等の家に、滝澤・亜門の連名で手紙が来ていたらしい。アジトの場所を教える内容と、自分達の現状を伝えた内容の2つだったようだ。どうやら滝澤二等と亜門上等は、CCGへの復帰を望んでいるようだね。手紙の消印は横須賀市の郵便局からだった。流島は確定だろう」
キジマは滝澤と亜門の現状、どのような人工喰種なのか説明していく。
「亜門上等は嘉納から『フロッピー』の扱いをされているようだが、どうやら我々15区流のネーミングルールとは違うようだ。我々のネーミングルールでは、嘉納のフロッピーにあたる『カセット』は、Rc出力の低い人工喰種を示すが、亜門上等はその逆。Rc出力が1万を超え、暴走する事から、失敗作の意味を込めてフロッピーと呼ばれているらしい。なので、我々のネーミングルールに当てはめるなら、亜門上等は『オーバークロックブルーレイ』になるということだね」
キジマ達は亜門の評価を上方修正する。
「というか、嘉納さんの人工喰種は1万ぽっちのあーるしーを制御できないってこと? キジマさんやニムちゃんは初期時点で1万は行ってたのに……嘉納さんの人工喰種ゴミ過ぎて赫子枯れるよー……」
カオルは嘉納の評価を大幅に下方修正した。
「嘉納は『カオルの粉』と『脳弄り』が無いんだからそんなモノでしょ。生粋の喰種である私だって、1万を超えたあたりから粉が必要だったし、2万を超えたあたりからは脳弄りが無ければ暴走してたわよ?」
シーナは冷静に、嘉納はできる範囲で頑張っていることを理解し、そこそこ評価しているようだ。
「滝澤二等は全体的に高い水準で纏まっている人工喰種のようだ。私や旧多くんと同じ感じだね。自立思考ができる分、通常のブルーレイよりも強いだろうねぇ。とはいえ、そこまで危険視するほどではないだろう。さて、ではエト嬢から聞き出した件について語り合おう」
キジマは裏調書を机に広げる。
「そうね……隻眼の王が『
シーナは有馬について考察していく。
「キヒヒ! 佐々木准特等は裏切ると言うワケか……タイミングは……そうだね、流島に我々が突入するタイミングだろうねぇ。CCG最強戦力である我々キジマ斑がいないときに、佐々木准特等が有馬特等に単身奇襲をかける……といった所だろうねぇ」
「そうなると、同日に僕達が行う予定が詰まってますね。ちょっと列挙しましょうか」
ニムラはホワイトボードに予定を挙げていく。
・神奈川支局と共に流島作戦
・人工喰種一斉排出からのCCG乗っ取り
・梟とヨツメの脱獄(有馬が情報をエトに流すだろうから多分発生する)
・佐々木ハイセによる有馬貴将暗殺(流島もしくはコクリアで)
・和修家皆殺し(リオっち、イトリ、ウタ)
・ランサーの死体奪還
・アラタ確保
・アップルヘッド確保(できたら)
・ドナート確保(できたら)
・先代梟確保(流島・ロマ)
・嘉納確保(流島・ロマ)
・和修の残党(吉時、政)を処理する(多分流島で)
「和修家の皆殺しはリオっち達がやるとして、僕等がやる事は流島とコクリアで別れそうですね。誰がどっちやりましょっか?」
「戦力バランス的に私とキジマ特等が流島。カオルとニムラがコクリアで良いんじゃない?」
サラッと自分とは別行動を希望するシーナに、ニムラは悲しそうな顔をするが、それが一番現実的な事に気付き、なんとも言えない顔になった。
ウ ッ デ ィ !
拷問シーンはカット多め。どこまで描写していいのかの線引きが難しいですね……。
当時のサウンドノベルといえば、ひぐらしとFateが人気でした。なお、パソコンのサウンドノベル=エロゲって風潮があり、ひぐらしもえっちなゲームだと思われてて悲しかったです(建前)。
むしろひぐらしがえっちなゲームじゃないことに驚きました(本音)。
有馬さんが隻眼の王だとバレました。カオリにとってはだから何だって話なのですが。
流島……もとい猿島って、神奈川なんですよね。東京喰種じゃないやん!この時だけ神奈川喰種やんけ!