名称:喰種レストラン
エリアの要素:客席上層・客席中層・客席下層・最下層ショーステージ
脱出口:客席上層・ステージ 計2箇所
ステージギミック:赫子の床(障害物が現れたり消えたりする)
「シロ、2つ目の『花付き』見つけた!」
黒いローブを羽織った黒髪の少女が、隣にいる少女に声をかける。
「うん、私も見えてるよ、クロっ!」
白いローブを羽織った白髪の少女ことシロも、クロが見つけた『白い花が咲いたガイコツ』を見ていた。
「近くにアイツは来てないね」
「来てないね。だから今の内に壊そう」
白と黒の少女はお揃いの鱗赫を展開し、ガイコツに向かって攻撃を繰り返す。
「早く……早く壊れてっ……」
「……クロっ! 後ろからアイツが来てる!」
シロの前方にして、クロの後方。そこにはユラユラと左右に揺れながら歩いてくるカオリの姿が見えた。
「シロっ! 逃げるよ!!」
自身の赫子は通らず、一方的にこちらを捕食せんとする存在に、少女達は一目散に逃げ出した。
「みぃつけたぁー」
長い赫子の足をうねらせ、カオリはジリジリと距離を詰めていく。
「く……クロっ……! 追いつかれそう……!」
「分かった……! 私が後ろにつく、シロは前方警戒! 壁が生えてこないか警戒して」
鬼ごっこ開始直後に、少女達は客席最上層へと走っており、そこからステージで刻まれた月山の姿を見ていた。そのため、カオリの攻撃は手に持った甲赫の鉈だけだとしても、それ以外の事はしてくると考えていた。
「……床の赫子がゆっくり動いてる! 壁来るかも!」
「飛び降りよう!」
少女達は最下層にあるステージへ向かうため、客席の縁から飛び降りたが……。
─────クロの右足に、鋭い痛みが走る。
「あがァッ!?」
クロは姿勢を制御できず、ステージの床に叩き付けられた。
「クロっ! 足が!!」
クロは右足を失っており、そこから大量の血液がこぼれ落ちていた。
「む……むしろ好都合……これでアイツはしばらく動かない……ごふっ!?」
飛び降りた衝撃を逃がせなかったため、クロは小さく口から血を吐いた。
「クロっ!?」
「『パパ』が変えてくれたこの体なら……すぐ治る……今はアイツから、隠れよう……」
クロは体を引きずりながら、カオリの視線が通らない場所へと歩き出す。
「んふー! おいしーよー!! ろーちゃんは歯茎さんの肉が好みらしいけど、私はこっちの方が甘くて好きだなぁー!」
自身を食料としか思っていない声が、客席から響く……。
クロは強敵を倒せる力が欲しいと願い、シロは
客席下層の物陰にて、少女達は隠れていた。この付近にガイコツは無いのか、カオリが巡回する様子もない。
「はぁっ……はぁっ……」
喰種は極めて優れた自己治癒能力を持つが、赫子によって付けられた傷は、通常の怪我よりも治りが遅い。
それゆえすぐには足が再生せず、クロは痛みを堪えていた。
「クロ……無理そうなら休んでて。私がアイツの注意を引きつける」
「だ……だめっ!! 今シロまで怪我したら、アイツから逃げられない」
「じゃあ、『お兄ちゃん』が壊し終わるまで隠れてる?」
少女達は自身と同じ赫子を持つカネキを、『お兄ちゃん』と呼んでいる。
「ううん。期待しない方がいい……アイツが言う一番の戦力らしいMMは、今もステージで寝てるし……お兄ちゃんの近くに居た4人組はなんか頼りなさそう。それに……お兄ちゃんでもアイツには勝てなかった……だから……ここは私達も頑張らないと」
足の再生が済んだクロは、ゆっくりと立ち上がる。
「行こう、シロ。アイツに見つからないように、花付きを探して壊そう」
「うん……」
少女達はカオリの行動範囲を観察しながら、見つからないようにゆっくりと進んでいった。
「クロっ! あそこ、花付きあった!」
客席中層、シロは座席の下にガイコツを見つけた。
「少し隠れてよう。アイツは多分、残りのガイコツを巡回してる。一度アイツの巡回を待って、離れたら一気に壊そう」
だが、少女達は気付かない。カオリは
「……アイツ、来ないね……」
「お兄ちゃん達を襲ってるのかな?」
「じゃあシロ、今の内に行ぐぁぁあっ!?」
突如、クロの腕が吹き飛んだ。
「クロっ!? ……ひぃっ……!!」
シロが後ろを振り返ると、目の前でカオリがクロの腕を
「し……シロっ!! 私が囮になる! 今のうちに花付きを壊してェ!!」
激痛に意識が飛びかけながらも、クロはカオリの正面に立ちはだかる。
「で、でも……」
「早くッ!!」
「……っ!」
シロは歯を食いしばりながら、花付きのガイコツへ走り、幾度も赫子を突き刺し始めた。
「壊れてっ!! 壊れて壊れて壊れてよぉぉっ!!」
後ろから、愛する姉の悲鳴が響くたび、シロの目には幾つもの涙が浮かぶ。しかし、姉の決意を無駄にしたくないその一心で、シロは全力で赫子を振るった。
そして、ついにシロはガイコツを破壊した。
「クロっ!! 壊し終わっ……あ……」
シロが振り返った
だが、左腕に激痛が走ったことで、強制的に思考が回復した。
「あっ、ぐぅ……く……クロぉぉぉ!!」
失った左腕の痛みを堪えつつ、シロはクロの元へと走る。クロは両腕と左足を失っており、虚ろな目でシロを見ていた。
「クロっ!? しっかりして!!」
シロはクロを抱きかかえると、客席上層に向けて階段を駆け上がった。
カオリが追いかけてこない事を確認すると、少女達は客席上層の物陰に隠れる。
「はぁ……はぁっ……クロを助けるには……こうすればっ!!」
シロは自らの赫子で、
「あがっ……ぐぅっ……く、クロ……食べて……」
再生途中の腕をさらに傷付けたため、耐え難い激痛がシロを襲う。
だが、シロは涙で顔を歪めながらも、切り落とした左腕をクロの口へ詰め込んだ。
「アイツらの言う……最高の食材……これなら……クロだって治る……!」
クロはゆっくりと肉を
「ん……あ……シロ、私……あれ? この味って……」
意識を取り戻したクロは、自身の舌に残る味に、顔を青ざめさせる。
「あぁ……ああああ! ごめん……ごめんシロっ……私、シロを傷つけた……っ!!」
「気にしないでクロ。助け合うのが姉妹なんだから、ね?」
狼狽するクロを、シロはそっと抱きしめた。
だが、感傷に浸る暇すら彼女達には許されない。カオリが少女達に向かって、ゆらゆらと近付いて来ていた。
「シロ! 走るよ!!」
回復したクロは、欠損が完治していないシロの肩を支えながら走る。
しかし、それは速度の低下を招き、みるみるカオリとの距離が縮まる。
「クロ……私を置いてって……」
「できるわけないッ!! 私を助けてくれた妹を、見捨てたりしない!!」
「ふふふっ、じゃあ……二人ともご飯だねー!」
少女達の真後ろまで接近したカオリが、大きく鉈を振り上げる。
─────だが、その鉈は死角から飛んできた赫子によって軌道をズラされ、少女たちの居ない場所を切り裂いた。
「……んー? 歯茎さんが相手をしてくれるんだねっ!」
そこには、少女達と同じ鱗赫を纏ったカネキの姿があった。
「お兄ちゃん?」
「なんで私達を……」
少女達とカネキは今日が初対面である。カネキが自分達を守ってくれた理由が、少女達には分からなかった。
「聞きたいことはあります。でも、まずはここから生きて逃げましょう。ドクロの破壊、頼みます……」
カネキは優しい笑みを浮かべながら少女達にそう告げ……。
カオリに腕を切り落とされた。
「ぐぅぅッ!!!」
「歯茎さんの肉はお土産に最適だから、どんどん斬らせてもらうよー? 再生力も凄いもんねー?」
痛みに呻くカネキに、カオリはニヤリと笑みを浮かべる。
「ふふふっ……フクロウさんにお願いされてるから、グルメちゃんと歯茎さんは殺さないけど……『あの女の子達』や『バンジョイ君と愉快な仲間達』は違うよ? だから……あの子達を殺されたくないなら、どんどん再生、しよっ!」
「誰も……死なせないッ!」
カネキは鱗赫で攻撃を仕掛けるものの、鉈によって次々と切り落とされていく。
「良いねっ、じゃあ遠慮なくいっくよー!」
カオリは幾度も鉈を振るい、カネキの腕を、足を切り落としていった。
「お土産がたくさーん! これならペニーワイズの分も確保できるよー!」
いくつもの手足が周囲に散らばり、それらを赫子が飲み込んでいく。
周囲にカネキのパーツが飛んでいくたびに、カネキの絶叫は大きくなっていく。
だが、カネキが身を挺して時間を稼いだ事により、少女達は最上層にあったガイコツを破壊し終えた。
「ん……5個目が壊されちゃったかー。それじゃ、扉を開きまーす!」
レストラン全体を包み込んでいた赫子が、カオリの中へと戻っていく。
「でも……歯茎さんは逃げられるかなぁー?」
だが、カネキへの攻撃は終わらない。幾度もの悲鳴が響き渡り、ついにカネキの手足が再生しなくなった。
「おっとー……燃料切れかなー? じゃあ、とびっきりのをあげるよっ!! まずは粉末をさらさらー……っと」
カオリは収納途中の尾赫を少しだけ粉砕し、それをカネキの口へと流し込む。カネキが粉末を摂取できたことを確認すると、カオリは甲赫を1本展開し……自身の肩甲骨に突き刺した。
「
カオリは自身の肩甲骨付近から切り出したソレを、カネキの口へと詰め込む。
「─────ッ!!?」
赫包を摂取した途端、カネキの目が大きく見開かれ……そのままグルリと白目をむいた。
カネキが摂取したソレは、共食いを繰り返し続けた異形の赫者の赫包。例え一部分といえど、あまりにも高純度の劇物。もはや猛毒に近い劇薬を摂取させられたカネキは、泡を吹き、全身をガクガクと痙攣させる。
そして、急激に活性化したRc細胞により、ぶちゅぶちゅと
「ヤクモちゃんの赫包なんかとは比べ物にならないでしょ? うーん、でも……あんまり痛みはなさそう? ……ん、なるほど。隻眼の喰種は共食い適性が物凄く高いのかなー。さて、また生えてきた事だし、お土産作りを続けましょー!」
カオリは痙攣を繰り返すカネキの手足を切り落としていく。泡を吹き、痙攣と共に再生を繰り返すその姿に、カオリは段々愉しくなっていった。
「これ、すっごい面白ーいっ! ふふふっ、いつか『……』にも試してみよっかなー?」
ここには居ない誰かにも、同じ事を試す。その想像は、カオリにゾクゾクとした愉悦を
そして、『お土産』が充分すぎるほど確保された頃、月山を抱えてステージの出口から出る万丈達の姿が見えた。
「……あーあ、歯茎さん以外みんな脱出しちゃったー……『バンジョイ君と愉快な仲間達』が、無駄な努力と分かってても来るかなーって思ってたんだけど、歯茎さんは殺さないって事を、グルメちゃんがネタばらししちゃったかなー……あの人達の赫包はペニーワイズ用に使いたかったのに……それじゃ歯茎さん、これで終わるねっ!」
最後にもう一度カネキの四肢を切り落とすと、カオリは客席最上層の出口から出ていった。
──────────
その後、カネキを回収に来た万丈は、そのあまりにも無惨な光景に息を呑む。
そして、月山は辺りに散らばるカネキの血液や肉の欠片を舐めた途端、『フォルテッシシモォォォォオオオ!!』と叫びながら手足を瞬時に再生させ、万丈達をドン引きさせた。
「おい月山……キモい事やってる場合じゃねぇ、リオが居ねぇんだ。あのロウって女もだ……連れ去られたんじゃねぇか?」
「フフッ……リトル・リオは恐らく無事さ……僕も今日知ったのだが、レディ・ロウはどうやら彼女の
「まぁ、無事なら良いんだけどよ……ひとまずカネキを運ぼう。傷はもう
「僕は主の剣だ。盾はキミの役割だろう? 今回ばかりはキミの手に負えない相手だったから、僕が盾を担った。だが……次はキミが盾になりたまえ。それができないなら、キミは主に仕えるには値しないことを肝に銘じたまえ」
月山の厳しい意見に、ガスマスクの三人組が文句を言おうとしたが、言われた万丈本人が何も言い返さないため、事態を見守ることにした。
「分かってる……分かってんだよ、そんな事は……この俺自身が一番……ッ!!」
万丈は自らの無力さに、とめどなく涙を流していた。
オ ー バ ー チ ャ ー ジ
カオリのせいで原作よりも共食いができていないカネキ君でしたが、これで大丈夫ですね(白目)
本作6話でカットされた月山「カネキくんがッ食べながら、カネキくんをッ食べたい」
→強制的に赫包を食べさせられているカネキくんの、その肉片を食べた。
→おめでとう月山さん、ちょっとだけ願いが叶ったよ!
■ゲーム『Dead by Daylight』っぽい最終成績
白黒姉妹:破壊(ガイコツ3つ)。共同作業。セルフケア。他者治療。殺人鬼とチェイス。脱出。
カネキ:破壊(ガイコツ2つ)。セルフケア。殺人鬼とチェイス(肉壁・ガイコツ1つ分)。
グルメ:セルフケア。殺人鬼とチェイス(肉壁・ガイコツ3つ分)。脱出。
万丈ズ:脱出。
ポイント順位
白黒>月山>金木≧万丈ズ
一番頑張ったのは月山さんですが、ゲーム的に一番ポイントが高いのは白黒姉妹。
次回、凛央殿がまたリョナられておるぞ!
(なお、男性には結構キツい描写があります。でも原作のRe編にもあった描写だし大丈夫かな?)