花屋喰種   作:みぞれアイス

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Re:第7話 突入!ゼウムホール

 オークションが終わり、商品受け渡しのためにウタが再びマイクを手に取った。

 

「さぁ! ここからは商品の受け渡しです。まずは『シラギン』を落札頂いた115番の方! 『サイコ』を落札頂いた365、366、367番の方! 『ムッチャン』を落札頂いた255番の方! 『ハイセ』を落札頂いた33、110番の方! 『ジューゾー』を落札頂いた1番の方! どうぞステージまでお上がり下さい!!」

 

 ウタの呼び掛けにあわせ、落札者達が壇上へと登る。

 

「まず始めに、レザーフェイスプレゼンツ以外の商品をお渡しします!」

 

 壇上には30人を超える男女(商品)が、縛り付けられた状態で現れた。

 

「これらは代金としてレザーフェイスへ受け渡されます! ……さぁ皆さん! ここからは世にも貴重な瞬間! レザーフェイスによる捕食シーンです!! ではレザーフェイスさん、お願いします」

 

 悲鳴を上げ、助けを求め、泣き叫ぶ男女を目指し、カオリの背中に生えた木から蔓の様な赫子が伸びる。

 

 それらは商品の頭上で停止すると……。

 

「さぁ! ここからは(まばた)き厳禁!!」

 

─────蔓が一瞬太くなったかと思った途端、全ての商品が蔓に包み込まれた。

 

「お分かり頂けたであろうかっ! 証拠すら残らない一瞬の捕食ッ! みなさんもこうならないよう、15区へ遊びに行く際は覚悟の準備をしておいてください!! それでは、レザーフェイスからの商品受け渡しですが、注意点がございます! まずは商品をご覧下さい!」

 

 カオリの赫子によって全身を縛られ、口を塞がれた状態の5人に、観客の視線が集まる。

 

「隻眼の喰種達は、当然赫子を使います! 今はレザーフェイスさんの赫子に縛られているため身動き一つ許しませんが、自由になった途端暴れ出す危険性がございます! 取り扱いにはくれぐれもご注意を! 鎮圧用のRc抑制剤は一本1000万で販売しておりますが、この中で購入できたのは33番の方だけです。つまるところ、受け渡し後にお客様と商品とで戦闘が発生する可能性にご留意下さい」

 

 カオリは一人ずつ拘束を解き、落札者達に受け渡していく。

 カオリが近くに居るからか、商品達はおとなしくしているようだ。

 

「さぁ、レザーフェイスからの受け渡しはこれにて終了! 続きましては通常商品の受け渡しに移りますが……スポンサーは多忙のためこれより会場を後にします! 皆様盛大な拍手で見送り下さい!」

「みんなー! ばいばーい!」

 

 拍手が降り注ぐ中、カオリは会場を後にする。

 

「さーてと、急がないとねー」

 

 この日のために用意した125ccスクーターに跨がり、カオリは()()()()()()()()()()()を進んだ。

 

──────────

 

 これは、カオリがクインクス達の競りを始める少し前。和修政(わしゅうマツリ)准特等が率いる捜査官達は、7区にある『ゼウムホール』を取り囲んでいた。

 

阿藤(あとう)准特等、鈴屋准特等からの合図はまだか?」

 

 作戦本部を兼ねたトレーラーの中、マツリは本作戦の副官である阿藤に尋ねる。

 

「はい。鈴屋准特等からの合図はありません。また、通信からの返事が誰からも来ないため、もしかすると通信が届かない場所にいる可能性があります……」

 

 同じ准特等という階級であるはずの阿藤は、マツリに対して(へりくだ)った態度を取る。

 それもそのはず。マツリは局長の息子であり、この作戦の指揮を任されるだけの人物だ。キジマのように愚弄し、嘲笑を浴びせる方が異常なのである。

 

「ふむ……なんらかのタイミングで突入できるようにする必要があるか……総員に通達、突入準備を……地震か」

「おっと、地震でしョ゛ッ!?」

 

 突如地面が揺れたと思いきや、トレーラーの下から突き出してきたナニカに、阿藤は脳天を貫かれていた。

 

「なんだ!? 一体何が……ッ!!?」

 

 マツリの鼻腔に入り込むのは、濃密なガソリンのニオイ。阿藤を即死させたナニカは、阿藤のみならずトレーラーのガソリンタンクも破壊していたようだ。

 

「一旦トレーラーの外に出るしかないか……なっ、なんだとッ!?」

 

 マツリが慌てて外に出たとき、そこには地獄絵図が広がっていた。

 

「なんだこれは!! 一体何がどうなっている!?」

 

─────用意した車の全てに『黒い根の様なナニカ』が突き刺さっており、ガソリンタンクを破壊された車は透明な液を吹き出している。

 また、無数のナニカは車だけでなく多くの捜査官達も貫いており、体の中央を貫かれた捜査官達は即死していた。

 運良く即死は免れたものの、太股や肩を貫かれた者達もおり、貫かれて動けなくなった生存者が、助けを求めて苦悶の声をあげている。

 

「え……な、何だこれは……!?」

「ッ総員! 黒い何かを切断し、仲間を救出しろ!! ガソリンが漏れている! 爆発するぞ!!」

 

 口をパクパクとさせているマツリに代わり、上等捜査官の真戸アキラが叫ぶ。アキラの声により、無事な捜査官達はクインケで黒い根に攻撃をしかけるが……。

 

「だ、ダメだ!! 効いてない!!」

「おいおい嘘だろッ!? 助けてくれぇ!!」

 

 捜査官達のクインケではビクともしない。捜査官達に焦燥がつのる。

 

「私の『フエグチ改』ならいけるようだ! すぐに助ける!!」

「(糞ッ! フレーム3で駄目だと? 俺の赫子はそのクインケに劣るとでも言うのかッ!?)了解です。自分は真戸上等が救出した人員を安全な場所へ移送します」

 

 アキラの持つクインケは、レザーフェイスによってキメラクインケへと改造されたモノだ。操作性は凄まじい難易度を誇るが、その切れ味は凄まじいものであった。

 

「すまん真戸上等、後は任せたぞ……!」

 

 無事な捜査官達は、遠くへと走り去る。

 

 フエグチ改の蛇腹剣により、少しずつ根に捕らわれた捜査官達は解放されていくが、アキラのクインケだけで全てを救える訳も無い。

 

「間に合えっ……間に合ええぇっ……!!」

 

 タイムリミットは少しずつ迫り……。

 

 

 

─────悲鳴を上げる人々を巻き込み、爆音と高熱の嵐が巻き起こった。

 

「くっ!!」

 

 アキラはとっさに『フエグチ改』の大盾で防ぐ。大盾に使われている『笛口リョーコ(ナース)』はタタラの吐き出す4000度の炎すら防ぐ程に火耐性が高いため、熱波による火傷がアキラに訪れる事はない。

 

 だが、他の者は別だ。

 

 爆炎の嵐が過ぎ去ると、助けられなかった者達は例外無く黒こげへと変わっていた。

 

「くそっ! 間に合わなかったッ!」

『……あー、あー、聞こえますかー?』

 

 ふとその時、誰かから通信が入る。

 

「……こちら真戸上等捜査官、そちらの所属は?」

『…………ふふふっ、そっかそっか。私は『神代リゼ上等捜査官』だよ? 私から奪った『ドクター改』の切れ味は凄いでしょ? それに比べて他の捜査官さん達のクインケは酷いなー……そんなクインケで私達と戦おうなんてねー?』

 

 神代リゼ。その名が意味するモノは……。

 

「貴様……レザーフェイスか」

『せいかーい! これから真戸さんの部下達をオークションに掛けるからさ、中継してあげるねー? …………さぁ、みんな準備はいいかなー? それじゃあまずは羽赫の隻眼! 『シラギン』からいってみよー! ……おっと! 240番の人、買った人間と手持ちの全資金かなー? 他にはー?』

 

 当初の作戦通りであれば、シラズ達が会場で騒動を起こし、その隙にアキラ達も攻めるという作戦だったが……。

 

「(佐々木も鈴屋もしくじったのか?)真戸上等、自分(クインクス)はどうしますか?」

 

 レザーフェイス相手に単騎で挑むしか無いなら、CCGのラボからこっそり持ち出した()()()()を使ってなお、勝ち目は薄い。ゆえに、アキラの持つ『フエグチ改』と『CRc狙撃銃』は重要な戦力になりうる。

 ゆえに瓜江は上司のアキラに尋ねる。仲間と功績のためにレザーフェイスと戦うか、それとも見捨てるか。

 

「……まずは他の生き残った部隊との合流だ。相手はレザーフェイス……慌てた者から死んでいくぞ」

 

 アキラは『フエグチ改』を強く握りしめ、別の場所で待機しているであろう別働隊を探して走り出す。

 

「(15区の喰種……! 全部倒せば一気に特等捜査官昇進すらあり得る!)了解ッ!」

 

 そして瓜江もまた、功績と仲間のためにアキラを追いかけた。

 

──────────

 

『オナホー! ムッチャンを落札したいかー! ……よしよーし! ならそこの兜を被った女の子、150億で売ってくれないかなー! 男の子の方は50億! あわせて200億でどうかなー?』

 

 シラズと才子は落札され、ムツキのオークションへと突入する。

 

「『オナホー』……? オナホール……まさか会場に『トルソー』も居るのか!?」

 

 爆風から逃げのびていた下口上等捜査官は、レザーフェイスの通信に反応する。

 なお、下口の部下は謎の根によって半数が殉職しており、3人しか残っていないようだ。

 

「(なんだオナホーって)トルソーはムツキ三等に執着していたので、その可能性はありますね」

「瓜江、トルソーは下口上等に任せれば良い。我々真戸班は仲間の救出を優先しよう。それに……」

 

『それに引き換え、男の子の方はアオギリ幹部だとか、SSレートのラビットだとか言われてるみたいだけど、私にとっては綿埃程度にも価値がないよ? だから50億はバラバラにした各部位の総額としての値段だよー!』

 

「どうやらラビットも居るようだ。それに、150億の女はおそらく『フエグチ』だ。ヤツはレザーフェイスと同じく、二種類の赫子を持っているからな」

 

 アキラはニヤリと笑みを浮かべる。アキラにとって、レザーフェイスだけでなくラビットやフエグチも少しだけ因縁のある相手……トルソーよりも優先すべきものが、アキラにはあった。

 

「動ける者はこれだけか……」

 

 マツリは眉間に指をあてる。動ける者は半分まで減っており、全滅した部隊もあった。

 

「……20区の時も高円寺の時もそうだ、何故花狂いには作戦が漏れる? スパイ……いや、まさかもっと上が絡んでいるのか? それとも……」

 

 マツリは様々な可能性を思い付くが、ピンとくるモノは何一つとして無い。

 

「……考えても仕方がない。大芝班は迂回して裏口を抑えろ。残りは全員正面ルートから突入し、中の喰種を殲滅しろ。真戸班、鈴屋班は内部の味方と合流を目指せ。それと、地面の動きに気をつけろ。レザーフェイスがいつ攻めてくるか分からないからな」

 

 マツリの号令に従い、捜査官達はゼウムホールの中へと走り出した。

 

 SSSレート喰種の存在が確定している中、退路を防ぐのに大芝班だけでは明らかに戦力不足。それが分かっていてなお、マツリはこの中で大芝班を選んだ。

 それは大芝班が全滅した時に、最も作戦に影響の少ない部隊であったからである。いわば捨て駒だ。

 

「……このままではキジマの言うとおりになってしまう……違う……私は無能なんかじゃない……ここで功績を挙げ、私は特等に上りつめてみせるっ……!」

 

 寒い夜風が吹き荒ぶ中、独りマツリは呟く。

 

 だが、作戦本部の役割を担っていたトレーラーが爆発四散した今、マツリにできることは殆ど存在しなかった。

 

──────────

 

「クソっ! アヤトのヤツ止めやがって!! もう少しであのバケモンをブッ殺せたのによォ!!」

 

 ゼウムホール中央棟の屋上で、ナキは不満を募らせていた。

 

「ナキ……お前はなんでそんなに自信たっぷりなんだ? 相手は人喰い花……レザーフェイスだったか。SSSレートの赫者だぞ? 私達が束になっても勝てる未来が思い浮かばないんだが……お前はヤモリという男より弱いんだろう? そのヤモリより強い相手なんだぞ?」

 

 かつて24区でカオリに一族の大半を滅ぼされ、逃げ延びた18区でもカオリの襲撃を受け、アオギリに加入した後もフレディの爆撃に怯える暮らしを送っている不運な喰種『三枚刃のミザ』は、ナキの自信が理解できなかった。

 

「……確かにオレはヤモリのアニキより弱ェ。でもッ! オレがアイツを殺さなきゃアニキやウドはいつまでもジョーブツできねぇだろうが!!」

「脳筋かドアホ! ああいう相手は連携をとってだな……

「お、あれってハトだよな?」

「聞けよっ!? ……ん、ありゃハトだな」

 

 ナキ達は次々にやってくる捜査官達に気が付く。

 

「不味いな……このままだと包囲されるぞ……」

「こういうのはな……先手しっ…んなッ!!?」

 

 屋上から地上へ奇襲をかけようとしたナキは、突如捜査官達を貫いた謎の赫子に驚き奇襲を止めてしまう。

 たがミザにとって、その赫子は()()()()()()()だった。

 

「あの赫子は……嘘だろッ!? ヤツの居る大ホールからここまでどれだけ距離があると想ってんだ!?」

 

 オークション会場のある大ホールと捜査官達の間には、第二中央棟、中央棟、エントランス棟の3つを挟んでいる。

 

 羽赫の喰種すら上回るレザーフェイスの射程距離に……。

 

「……っぐ……ぉう゛ぇぇっ……」

 

─────かつてのトラウマが蘇り、吐き気となってミザを襲った。

 

「おいババア何吐いてんだよ! 大丈夫か? 食い過ぎか!?」

「ば……ばばぁ言うな……ふぅ。すまん、取り乱しただけだ。ひとまずアヤト達と合流しよう。むしろここで戦うのはマズい……レザーフェイスの攻撃に巻き込まれる可能性がある」

 

 ミザ達は轟音と共に爆発する車を一瞥し、アヤト達の居る大ホールへと走った。

 

 

──────────

 

「戦局は動き出したようだよ、エトさん」

 

 ゼウムホール管理棟のモニタールームにて、嘉納はエトに話し掛ける。

 

 監視カメラには、中央棟を走る捜査官達の姿が映っていた。

 

「それにしても、よくレザーフェイス達が襲ってこなかったね。ランサーの誘いを断ってアオギリについた私や、功善(くぜん)を連れ去ったエトさんは、レザーフェイスにとって攻撃対象だと思っていたが……」

「きっと私達は見向きすらされてないからじゃないかな? 私は『おとーさん』の劣化だと思われているから。そっちはレザーフェイス達よりも低レベルの人工喰種しか作れなかったから……とかかな?」

 

 エトは一つの画面を指差す。それは第二中央棟を走る『叫んでいる幽霊のようなマスクを被った集団』の姿……。

 

「ああ、15区の人工喰種は見事だと思うよ。とある情報提供者によると、既に量産体制に入っているらしい……まるで第二次世界大戦の連合国と枢軸国のようじゃないか。羨ましい限りだよ……だが、こちらも人工喰種の第一人者としてのプライドも一応あるからね。こっちの新人工喰種『オウル』と性能を比較してみないかい?」

「いいね、お手並み拝見といこうか。あーあー、こちらエト。イケる? 滝澤くん」

 

 エトは通信機に向かって声を掛ける。相手は人工喰種オウルこと『滝澤政道(たきざわせいどう)』。かつてCCGの捜査官だった青年だが……。

 

『早くしろ、腹減ってんだ』

 

 滝澤に喰種捜査官としての面影はもはや無く、一体の喰種がそこに在るだけであった。

 

──────────

 

『伝説の飼いビト『ジューゾー』の競りだけど……この子も200億からスタートさせて貰うね? 私としても、美味しさはともかくこの子にはそれだけの価値があるからねー…………おー、1番の御婦人! オークションで買った全部を手放したー! それほどまでにかつての飼いビトを取り戻したいかー! 落札!』

 

 ムツキとハイセも落札され、最後のジューゾーも落札された。やはりジューゾー達は何らかの手段によって、攻勢に出ることができないようだ。

 

『総員、レザーフェイスの通信は聞こえたか? 1番とやらはSSレートの『ビッグマダム』だ。そいつも優先駆逐対象だ』

 

 ジューゾーは喰種に育てられた人間である。ビッグマダムから受け続けた暴力によって痛みに鈍くなり、『サーカス』の芸を仕込まれたために高い身体能力を持っている。

 代償として精神に異常をきたしていたが、篠原特等捜査官の尽力もあり、ジューゾーは確実に回復へと向かっている。

 

「鈴屋先輩……どうかご無事でッ!」

 

 だが、かつて自身を虐げたもの、恩師(しのはら)を奪ったもの、それらに囲まれる気分はどれほどのものか……鈴屋班のメンバーであるハンベエは、ジューゾーの肉体と精神面双方の無事を強く祈った。

 

 喰種との遭遇もなく、順調に中央棟を進んでいた捜査官達だが……第二中央棟へ続く道には数体の喰種が無言で待ち構えていた。

 

「全員同じマスクとフード……アオギリか?」

「分からんが……総員戦闘配備!!」

 

 喰種達は無言のまま、ファイティングポーズを取る……が、その後の行動は通常の喰種達と異なっていた。

 

 喰種達が近付いてこないのだ。

 

─────もしここに米林才子がいれば、相手の正体に気付いただろう。この喰種達が付けているマスクは『スクリーム』という()()()()()に出てくるマスクだと……。

 

 

「(時間稼ぎが目的か?)真戸上等、どうします?」

「ああ、私達はこいつらを突っ切ってハイセ達との合流に専念する。平子班と下口班はフォロー任せます!」

 

 アキラと瓜江、鈴屋班、平子班、そして下口班がクインケを手に突っ込んでいく。

 

……だが、喰種達は反撃すらしてこない。ファイティングポーズのまま棒立ち……!

 

 無抵抗の敵喰種はバタバタと倒れていき、捜査官達は怪訝な顔をしつつも後に続く。

 

「なんだ? 何もしてこなかっ……」

 

『─────それじゃ『カセット爆発』でお願いしまぁす』

 

 だが、どこからともなく男の声が響き、轟音と共に喰種達が爆発した……最後尾を進んでいた下口班のメンバーを巻き込んで。

 

 

「(なんだと!?)喰種が爆発したっ……!」

「なっ……!? こちら下口! お前等応答しろッ!! 無事なヤツは至急返事をしろ!!」

 

『続いて『シルバーディスク突撃』でお願いしまぁす』

 

 爆発に巻き込まれたであろう後方の捜査官達を確認する間も無く『銀色の蛇腹剣に似た鱗赫』を生やした5体の喰種が炎の向こうから飛びかかる。

 

「俺達と下口上等がこの場は引き受ける。真戸班と鈴屋班は先へ」

「……クソがぁ!! 瓜江二等! トルソーはくれてやるからさっさと行けッ! 俺はこのふざけた声の野郎に部下を殺した落とし前をつけさせるッ!!」

 

 平子とその部下、そして下口は銀の蛇腹剣を打ち払い、喰種達の接近を阻止した。

 

『ふーむ……ならこちらもお望み通りに『スクリーム軍団総員反撃待機』でお願いしまぁす。さぁ! 『真戸班と鈴屋班だけ』は通って良いですよ? まぁ、どうせ第二中央棟を超えられないとは思いますがね』

 

 謎の声に従い、喰種達は動きを止める。真戸班と鈴屋班は謎の声に(もてあそ)ばれていると分かっていながらも、第二中央棟に続く渡り廊下へと走り出した。

 

『フフフ……さぁ平子班に下口上等! 世界(おままごと)しましょ? 『シルバーディスク突撃』でお願いしまぁす!』

 

 蛇腹剣型の赫子を持つ5体の喰種は、平子達へ再び飛びかかった。

 




 捜 査 官 壊 滅 
作戦開始前に死傷者は全体の半数以上。これでマツリさんだけ昇進したら他の捜査官から猛バッシングされそう。

■30歳
ナキ「おいババア」
ミザ「ババアいうな!」←30歳
ナキ「は?20代じゃないならもうババアだろ?」
カオリ「なんだろう……今、とってもヤクモちゃんに引き算させたい気分」←30歳

※6巻の時点でミザは31歳です。6巻とはロゼ編が終わり、高槻先生が喰種であることをマスコミに自白する巻です。ロゼ編の時に31歳だと仮定すれば、この時期はまだ30歳ですよね?
というか、流島編で31歳になる場合、29でババア呼ばわりされてる事になるので、それはいくら何でも……。

そしてカオリもまた、現在30歳。
10代や20代前半のオリ主が多い東京喰種二次創作では珍しいタイプなんでしょうか?
でも、才能がブッ飛んでる原作キャラ勢を上回るには、どう若くしてもここらへんが限界なのです。
もっと若くするにはそれこそ半喰種だったり和修家だったりリオちゃん並の素質だったりにしないと……。

■原作の流れ→本作の流れ
・ナキ達だけでなく、アオギリの部下も沢山ビッグマダムの護衛についている。
 →ビッグマダムの力が原作より落ちているため、護衛についているのは幹部達+αがちょっとだけ。

・出品されたのはムツキとジューゾーのみ。
 →本作ではシラズ、才子、ハイセも出品。

・ムツキは2億で落札。
 →本作では人身売買ガチ勢の林檎婆に鍛えられたカオリがそんな端金で許すはずもなく。

・問題なくゼウムホールを包囲する。
 →本作ではカオリによるふいうちで部隊壊滅。

・ミザナキチームがエントランス棟前の屋外で戦う。
 →本作ではミザナキチームが大ホールへ戻る。

・エントランス棟でパーシー(ピクハゲ)と交戦。
 →本作ではエントランス棟に誰もおらず素通り。そのかわりに中央棟で人工喰種軍団スクリームが出現。

・ジューゾーが出品と同時に攻撃開始。その後、逃走して散らばった喰種達が捜査官達と各々交戦。
 →本作では現時点でもジューゾーが内部から攻撃を行っていないため、今もオークション中。
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