インフィニットストラトス 皇族の懐剣(投稿休止 再開日未定)   作:のんびり日和

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遅くなって申し訳ありません。

これにて第1章は終了になります。






9話

「――起立! 礼!」

 

「「「ありがとうございましたぁ!」」」

 

生徒達は席から立ち教師に、礼をするとお昼だぁ!と叫ぶ声やせっせと机を引っ付ける生徒達で溢れた。

智哉も自分が使っていた机を引っ付けようと考えたが、何処に引っ付ければいいのか分からずその場で佇んでいると

 

「あ、お兄ちゃん。こっちに机を引っ付けて」

 

そう穂香に言われ智哉は机といすを持って穂香の隣に引っ付ける。

メンバーは穂香と最初に智哉の事を大事な友達だと宣言したバンダナの少年の五反田弾。そしてツインテールの茶髪の少女だった。

 

「なぁなぁ、智哉。給食が配られるまで話そうぜ。あ、その前に彼女の事も話しておかないとな」

 

そう言い弾はツインテールの少女の方に目を向ける。

 

「彼女は暫くして転入してきた鳳鈴音って言うんだ」

 

「は、初めましテ。鳳鈴音です。日本語、少し話せるくらいです」

 

片言な日本語な上はにかみながら話す鈴に、智哉と穂香は初めましてと笑顔でお辞儀する。

 

「鈴は両親が中国人で、仕事の関係で日本に来ているんだ」

 

「そうなんだ」

 

「へぇ~」

 

鈴の事を弾が説明するのを聞きながら、智哉達はご飯を食べられるようナフキンと箸を取り出し机に置く。

すると鈴がおずおずと手を挙げる。

 

「あの、智哉君と穂香ちゃんのご両親、どんな人なんですか?」

 

「え? 僕達のお父さん達?」

 

「それは俺も気になるな。あの人から2人を救い出した2人の両親ってどんな人なんだ?」

 

2人に智哉達のご両親について聞かれ、智哉達はうぅ~んと声を漏らしながら考える。

 

「火、みたいな人かな」

 

智哉はそう零すと弾と鈴は「「火?」」と首を傾げ、穂香も少し分からないと言った表情を浮かべていた。

 

「どう言う事だ、火って?」

 

「うん、火ってさ人に仄かな温かみを与えたり、時には火事となって何もかもを燃やし尽くす炎になるじゃん。お父さんは普段は暖かい火で見守るけど、いざと言う時は炎の様に熱い心を持って仕事をする時があったりするんだ。だから僕から見てお父さんは火みたいな人かな」

 

「あぁ、何となくわかるかも。そう言われるとお母さんは何だろう?」

 

「うぅ~ん、お母さんは風かな?」

 

「……風。うん、そうだと思う!」

 

「おぉ~い、2人で納得してないで俺と鈴にも分かる様に説明してくれぇ」

 

弾は智哉と穂香が納得し合っている中、置いてけぼりにするなと苦笑いで抗議すると二人はごめんごめんと苦笑いを浮かべる。

 

「えっとね、普段は穏やかな風を吹いてくれるけど、怒ると物凄い暴風になるから、風だと思ったんだ」

 

「へぇ~、なんか普段は物凄く優しいけど怒った時はめっぽう怖い人だって事は理解したわ」

 

「私も、です」

 

そんな話をしながら給食が配られ談笑し合い、そして昼休みに智哉はクラスメイト達に誘われサッカーをしたり遊んだり、穂香は鈴と一緒に他のクラスメイト達と共に縄跳びだったりバレーをしたりと楽しんだ。

だが、そんな楽しい時間もあっと言う間に過ぎ、放課後となった。クラスの生徒達はついに放課後になってしまったと悲しい表情を浮かべたりする生徒がチラホラといた。

その表情は教師の松下も痛く受け止めており、必死に笑顔を浮かべる。

 

「それじゃあ本日は以上で終わります。新垣さん、挨拶を」

 

「は、はい。起立、礼! ありがとうございました」

 

「「「…ありがとうございました」」」

 

何処か元気のない礼、皆智哉と穂香と別れるのが寂しいのだと松下は直ぐに理解できた。だからこそせめてできることをしようと考えた結果

 

「はい、ありがとうございました。えっと、今日で智哉君と穂香ちゃんはお別れとなるけど、最後にみんなで集合写真を撮りましょうか」

 

そう言うと生徒達は困惑の顔を浮かべ松下の方に顔を向ける。

 

「この先智哉君と穂香ちゃんと会う数は非常に少なくなると思います。だからみんなの記憶から智哉君達の事を忘れないようにする為、そしてこのクラスの大切なお友達だという事を忘れないためにです」

 

そう言うとクラスの生徒達は、賛同する声が上がり出し始めた。松下は良かった。と自分の案に安堵し、生徒達に机をどかすよう指示を出しそれぞれ教卓の前に集合した。

 

「えっとそれじゃあタイマーをセットするから皆ちゃんと入っておくようにね」

 

「「「はぁ~い!」」」

 

松下は小型の三脚を取り付けたカメラを教室の後ろに集めた机の上に置きタイマーをセットし生徒達の元に加わる。

 

「それじゃあ皆、1+1は?」

 

「「「「2ぃ!!」」」」

 

とそう言いながら手をピースするとカメラのフラッシュが放つ。

 

「はい、それじゃあ皆机を戻して帰る準備をして校門前に集合ね」

 

「「「はぁい‼」」」

 

写真を撮り終え机を戻し、教科書などをカバンに詰め生徒達はぞろぞろと教室を出て校門前に集った。

校門前には黒塗りの車が停まっており、その傍には彩と応援だろう黒い羽衣来た男性が居た。

2人は智哉と穂香が来るのを確認すると、頭を下げ一礼する。

智哉と穂香は車の元まで来ると、後ろに居るクラスメイト達全員の顔を見渡す。

 

「えっと、今日は本当にありがとう。皆の事忘れてしまったのに、それでも優しくしてくれたみんなの事絶対に忘れないから」

 

「皆、また何処かで会ったら遊ぼうね」

 

そう別れの挨拶をする2人。クラスメイト達は涙を零したりしていた。

 

「智哉、穂香ちゃん。また、何処かでな!」

 

弾がそう声を上げると、他の生徒達もまたな!、何処であったら遊ぼうな!と声を掛ける。2人はその言葉に涙しながら頷く。

そして2人は車に乗り込み窓を開け、クラスメイト達の方に顔を向けた。

 

「それじゃあ皆、またね!」

 

「また何処かで会えたら、遊ぼうね!」

 

そう言うと生徒達は涙を零しながら頷く。

 

「発進させます」

 

彩がそう進言すると、智哉はお願いします。と返す。そして車が発進すると、遠ざかっていく車が見えなくなるまで生徒達が大きく手を挙げて振っていた。

 

「またな、智哉ぁ!」

 

「また一緒に遊ぼうね、穂香ちゃぁん!」

 

「元気でなぁ!」

 

そう大きなが声を聴きながら、智哉達は鼻をすすりながらコクリコクリと頷いていた。

そして暫くして車が家に到着し智哉達は家の中へと入った。

 

「「ただいまぁ~」」

 

そう言いながら玄関の扉を開けると、其処には颯馬と雪子が笑顔で立っていた。

 

「お帰り智哉、穂香」

 

「お帰りなさい。学校のお友達とちゃんとお話しできた?」

 

そう言うと智哉と穂香は笑顔でうん!と大きく頷いた。

その光景に颯馬と雪子は朗らかな笑みを浮かべた。

 

「そうか、それは良かった。と、そう言えば二人に言わないといけない事があるのだ」

 

颯馬が突然言わないといけないことがあると言われ、2人は首を傾げる。隣の雪子は優しい笑みを浮かべていた。

 

「実はお前達の他に、もう1人我が家の娘として迎え入れた者が居るのだ」

 

そう言われ2人は驚きの表情を浮かべた。

 

「も、もう1人って…。えっとそれって誰なの?」

 

智哉がそう聞くと雪子がほら、こっちに来たら?と廊下の奥に声を掛けると奥から青い着物を着た紫髪の女性が現れた。

その顔を見た穂香は心底驚いた表情を浮かべ、智哉は誰?といった表情で首を傾げていた。

 

「ま、まさかた、束お姉ちゃん?」

 

「うん? 束お姉ちゃんって、穂香の知り合い?」

 

そう言われ束と呼ばれた女性は少し悲しい表情を見せるもすぐに笑顔を浮かべる。

 

「えっと、改めて自己紹介するのは恥ずかしいけど、今日から2人のお姉ちゃんになった恵梨香って言うんだぁ。宜しくね、とも君、ほのちゃん」

 

そう自己紹介すると、智哉は少し茫然と言った表情を浮かべるとも、暫くして宜しくお願いします。とあいさつした。

 

「お姉ちゃん。本当に私達のお姉ちゃんになったの?」

 

穂香はそう聞くと、恵梨香は満面の笑みでうん。と力強く頷いた。

 

「其処に居るお父さん達に、養子として迎え入れてくれたの。だから今日から恵梨香さんは2人のお姉ちゃんだよ!」

 

そう言うと穂香は笑みを零し、恵梨香に抱き着く。

 

「よろしくね、お姉ちゃん!」

 

そう言うとよろしくね。と穂香の頭を優しく撫でる恵梨香。そして近くに居た智哉にも恵梨香は空いている手で頭を撫でると、智哉は頬を染めながら照れる。

 

3人のその光景に玄関に居た颯馬と雪子、そして彩達は優しい表情で見守っていた。




次回予告
新しい家族に引き取られ、そして新しい人生を歩み始めた智哉。新しい友達や出来事に智哉は楽しい日々を過ごし行く。

次回
新しい人生の日常
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