僕と翔子はFクラス   作:青い隕石

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次回からDクラス戦予定です(予定は未定)


12話:世の中下には下がある

 

 「さて、ここからが本番さ。午後からの試召戦争についての具体的な作戦、および説明だな。質問があれば答える」

 

 胡坐をかきながら雄二が言った。さっきまで緊迫した状況だったため頭から飛んでいたが、その言葉でここに集まった目的を思い出す。

 そう、僕たちFクラスは午後からDクラスと試験召喚戦争を行うのだ。勝てば設備交換、というのは周知の事実だが、デメリットもある。もし、仕掛けた自分たちが負けた場合はどうなるのだろうか?その場合は、自分たちの設備だけが1ランク下がるのだ。例として、CクラスがBクラスに試験召喚戦争を仕掛けてBクラスが勝った場合、CクラスはDクラスと同じ設備になってしまうのだ。

 

 ・・・あれ?じゃあ、Fクラスはどうなるんだろう?Fクラスは一番下のクラスだ。負けたとしても下がりようがない。だとすれば、代償全くなしということか!?

 

 「雄二!」

 

 「ああ、明久。もし負けたらちゃぶ台が段ボール箱になるぞ」

 

 「・・・マジかい」

 

 はははー読心術って便利だね~。畜生、明記されてないだけで下はあるんですかい。というかどこからその情報仕入れているんでs

 

 「・・・(グッ)」

 

 お前かよムッツリーニ。いや親指立てなくていいから。そんなかっこいい顔しなくていいから。

 

 「ちなみに最底辺は教室なし、校庭での授業になるらしい」

 

 「どこの青空教室!?」

 

 雄二からたてつづけに知らされる驚愕の真実。嫌だ、こんな方法で太陽と友達にはなりたくない。・・・そうだよ!外での授業なんて自分たち学生はともかくご高齢の方々もいる教師陣には辛く、厳しいはずだ。それが分からない学園ではない。つまり今の話は雄二のブラックジョークということだな!

 

 「悪いが明久、校庭の場合は全授業鉄人が担当だ」

 

 

 「おーけー雄二早速作戦会議に移ろうか今すぐにこの瞬間に!」

 

 

 自分でも中々の渋い声が出たと思う。ともあれ、またひとつ、負けられない理由が出来てしまった。決して日光+鉄人(視覚効果)のコンボによる日射病に恐怖したとかじゃないんだからね!

 

 

 「まずは確認からだな。俺らFクラスは今日の午後1時からDクラスと試召戦争をする。長丁場になるかもしれんから、それまでにメシとか済ませとけ。具体的な方針だが・・・その前に聞きたいことがあるか?」

 

 「あるぞ」

 

 お、と雄二が声を挙げる。質問をしたのは秀吉だった。

 

 「雄二よ、お主は教室で打倒Aクラスと言っておった。何故、Dクラスなのじゃ?わしの考えでは、いきなり本命とのAクラスか、あるいは最も近いEクラスと思ったんじゃが」

 

 「それについては作戦の一つ、としか返せないな。どのみちEクラスとも戦う予定だが、順序というものがあるんだ。」

 

 「は、はぁ・・・」

 

 

 「ま、今言えるとこだけ言っておこう。今の状況ではAクラスと戦っても100%負ける。切り札4人が全教科0点だしな」

 

 「あ・・・な、なるほど」

 

 「仮に4人が万全だとしても、俺も含めたその他の点数が低すぎる。こんな状態でAクラスにぶつかってみろ。明日からは段ボールと友達になるさ」

 

 

 頬杖をつきながら雄二は質問に答えた。

 最後の言葉は怖すぎて笑えないが、その分言いたいことは十分に伝わってきた。まだ決戦は時期尚早と考えているのだろう。

 Eクラスについては似たようなことを考えていたが・・・雄二が考えているなら余計な口出しはしない方がいいだろう。現に、秀吉もこれ以上の質問を止めている。消極的と言われそうだが、雄二についていけば、まずこけることはない。

 

 

 「他にはないか?・・・・・・よし、なら今回の方針だが・・・」

 

 雄二は誰も質問しないことを確かめてから今日の行動について、事細かに話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 「・・・と動いてほしい。皆聞いてばっかりで疲れたろ。一旦休憩に入る」

 

 ずっと口を動かしっぱなしだった雄二がぐるっ全員の表情を見渡し、不意にそういった。作戦を聞くことだけに集中していたため、その言葉への反応が遅れる。あっ、と思った時には雄二は屋上の扉を開けていた。

 

 「あ、ゆ、雄二・・・」

 

 声をかけようと口を開いたが、さっさと出て行ってしまった。残されたのは、ずっと話に耳を傾けていた人だけ。

 

 

 「「「・・・・・・」」」

 

 どうやら自分以外の面々も同じような心情だったらしく、ぽかんとした顔で屋上の出入り口を見つめていた。突然無音になった空間でしばし時が流れる。が、

 

 「はぁ~・・・」

 

 背を伸ばしながらラグナがだらけた声を出す。そのままフェンスに寄り掛かった。

 それを機に他の人も体の力を抜いた。さっきのラグナの反応はまだマシな方で、秀吉とかはグデっと地面に寝転がった。駄目だよ、女の子がそんな格好しちゃ。

 ともあれ、それだけ話の内容が濃かったのも事実だ。雄二は一旦休憩と言ったが、正直ここまで話した作戦内容で十分に戦えるのではないか?と思ってしまう。

 しかも、1人1人に個別の動き方を言い渡してきた。そのどれか一つをとっても、なんとまあよく考えていらっしゃることで。これだけの内容が一つの頭の中に詰まっているとは未だに信じられない。

 自分は補充試験を言いつけられた。さっき雄二が言った通り、点数0点じゃあ何もできない。翔子、ラグナ、瑞希も同様だ。ただ、気になるのが・・・

 

 

 「明久君」

 

 「ってどうしたの、瑞希」

 

 瑞希が話しかけてきた。てっきり頭がパンクしていると思ったが、思ったより頑丈だったみたいだ。

 

 「・・・胸はそんなに柔らかそうなのに」

 

 「い、いきなりどうしたんですか!?」

 

 「瑞希止めてよ。そんな大きなメロン2つぶら下げて学校に来るなんて破廉恥だよ」

 

 「・・・瑞希、明久を誘惑するのは許さない」

 

 「いや私何もしていませんよね!?」

 

 「全く、その肉まん2つ自体が青少年を誑かす重罪だということに気付いていないのかね、この淫ピは」

 

 

 「淫乱じゃありませんよ!?巨乳とピンク髪だけで判断しないでください!」

 

 「はいはい、ところでどうしたの?」

 

 ここまでは細かい言葉こそ違えど、何回も繰り返されてきた応酬である。

 

 「うう・・・明久君と翔子ちゃんとの会話は疲れます・・・」

 

 「それは大変だねぇ・・・。僕に出来ることがあれば力になるよ」

 

 「今怒ってもいいですよね私」

 

 

 

 

 

 

 「雄二のこと?」

 

 「はい」

 

 フェンスに寄り掛かりながら翔子と一緒に、瑞希の話を聞いている。自己紹介の件もあってためちょっとドキッとしたが、雄二の話をする瑞希の顔は、そこまで険しいものではなかった。笑顔とも程遠いが。

 

 「何というか・・・ものすごい頭の切れる方だと」

 

 「そりゃあ雄二だし」

 

 「・・・雄二だから」

 

 瑞希の言葉に、自然と返答が出た。雄二は本当の意味で頭がいい。1言えば10まで理解し、100の言葉で返してくる・・・とまではいかないが、とにかく皆の先をみていることが多い。おかげで本当に会話がつかれる。・・・あ、瑞希もこんな感じで疲れてるのかな。それは悪いことをした。止めるつもりはないけど。

 

 「繰り返しになるけど、雄二は僕の誇れる親友だからね。瑞希とも仲良くなってもらいたいんだよ」

 

 「それはまあ・・・善処します。まだ会ったばかりですが。それより気になることがあるんです」

 

 「気になること?雄二のことで?」

 

 「はい。その・・・こういうのはあれですが、何故坂本君がFクラスなのかと思いまして」

 

 瑞希の口から出たのはもっともな疑問だった。さっきまでものすごい密度の作戦を披露した彼が底辺クラスだなんて誰が信じるだろうか。

 

 「それは僕も疑問に思っていたことなんだ。雄二は去年そこまで成績が悪かったわけではないし」

 

 「へ、そうなんですか?」

 

 瑞希が声を少し上げ、返してくる。少なくとも中間試験の時は平均点より上の点数だったのだ。だとすると今の点数は・・・

 

 「絶対何か企んでるんね」

 

 「・・・うん」

 

 2人で頷く。彼がミスしたと考える方が、よほど非現実的である。

 

 「まあ、気楽に構えた方がいいよ、今はDクラス戦の為に雄二の作戦内容を頭に入れること!いいね」

 

 「そ、そうですか・・・」

 

 

 雄二の狙いなんて読めるはずがないので、強引に話をまとめた。下手なことに頭を使うより、目の前のことに集中した方がいい。もうすぐ戻ってきそうだしね。

 




レティさん本気出しすぎです寒すぎるので少し手加減を。ああ、早くリリーホワイトが来てほしい・・・。


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